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19.おれが生きてきた世界①
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おれが7歳のとき、テオドールはフォレスター家にやってきた。
滅多に領地に帰ってこない父が屋敷を訪れるとあって、数日前から慌ただしく準備が整えられていたが、突然の幼い同行者に皆が戦々恐々としているのがわかる。
5歳にしては小さな体に、フォレスターを示す上質な茶の衣を着せられていた。
体よりも大きな襟からのぞく細い首と鎖骨の浮いた胸元、手はすっぽりと袖に隠れてしまい、指先しか見えていない。
裾もだぼつきも引きずっている。
きっと、見えない中の履物もサイズがあっていないに違いない。
ほとんど服に覆われているテオドールの顔や体には、それでもあちこち傷や痣が見え隠れしていて、青白く痩せた頬に大きな丸い銀の瞳が妙に目立っている。
だけどその瞳は虚空を見つめ、ぼんやりと濁っていた。
この子がおれを殺すだって?
そんなことは、きっとあり得ない。だって、彼にはそんな殺意を持つほどの期待や執着を周囲に抱いてなどないから。
どうして。そんなに痩せているんだ?
どうして。傷だらけなの?
どうして。ここに引き取られてしまった?
どうして。服も靴もサイズがあっていないのか?
おれは疑問の答えを察するくらいには、この世界のことを理解している。
「領主様は何を考えているのだろうね」
「孤児院の院長は、死にかけたんだろう?」
「関わった子どももたくさん怪我をしたらしい」
「あの髪の色、恐ろしいね」
「“厄災の子”だ。近寄ってはいけないよ」
口々に屋敷の使用人たちが遠巻きに囁いている。
テオドールは深い藍色の髪だ。
これは闇の色であって、この世界では災いの象徴だ。
テオドールがどういう経緯で、孤児院に入り、そこでどういう扱いを受けていたかは、この髪色だけでも簡単に想像できた。
そして、フォレスター領主、つまりおれの父親が自身の尊厳と権力以外には、僅かも関心のないという事実をおれは身をもって知っていた。
己の欲のためならば、神すらも恐れない。
顕示欲が強く、歪んだプライドの塊であるこの男は、精霊力が多く優れた精霊術士であった母を強制的に娶り、半ば犯すように身籠らせた。
さらに、おれを出産後に病んだ彼女を見捨て領地の離れに追いやった。
つい先日、ほぼ接することも無かった母は儚くなったらしい。
おれも同じころに体調を崩して寝込んでいたため、後になってその事実を知らされた。
自死という噂はあるものの、死因は教えられていない。
そして、おれシリル・フォレスターも決して父親から愛されていなかった。
おれはあくまでフォレスター家の跡継ぎであって、父の権益や威信を強化するための道具であって、それ以上でも以下でもない。
テオドールもきっと同じだ。
精霊力の膨大さに目をつけて、自分の利となる存在にするためだけに引き取ったに違いない。
他に奪われる可能性を排除するために、養子という形をとっただけだ。
だから、父は彼個人には微塵の関心も無い。テオドールの服や靴のサイズなど、どうでもよくてただフォレスターの者として、恥ずかしくない品質のものを身につけさせたに過ぎない。
当然、父自身のために。
この環境でもおれが育つことができたのは、前世で家族に愛された記憶があったからだ。
まめで融通が利かないけれど優しい父と、おおざっぱだけれど明るい母、気が強くて横暴だけど可愛い妹。
『おれ』は確かに家族に愛されていた。
だからこそ、おれはテオドールを放っておけるはずがなかった。
こんなにくたびれて、気力の無い5歳児がいるなんて。
ただただ可愛がってもらって、愛されることを知る時期であるはずの幼子が、すでにこの世界を全部あきらめている。
その事実に、胸がきゅうっと締め付けられた。
おれは新しくできた小さな弟のことが、悲しくて。可哀想なんて思う自分が、傲慢におもえて泣きたくなった。
おれが、テオドールは守らねばと思った。
「テオはクッキーとソルベならどっちが好き?」
テオドールがフォレスターの屋敷に来て1年が過ぎても、屋敷の使用人も領のみんなも、誰も積極的にはテオドールと関わろうとしない。
父は論外だ。
初めこそ構っていたようだが、今では屋敷に近づかなくなった。
むしろ、好都合だ。
おれは、毎日当たり前のようにテオドールと過ごしている。
勉強と就寝の時間以外は、テオドールについて回った。会ったときと、別れるとき、おれはおまじないとしてテオドールの額にキスをした。
初めはわかりやすく拒否されていたが、テオドールの精霊力はわかりやすいので、おれは彼がどこにいても見つけることができる。
あきらめたのか、最近では逃げることは無くなった。
テオドールはとても優秀で、マナーや歴史、経済学、政治学、その他の領地運営に関する授業が行われているけれど、テオドールは黙々とこなしていた。
多すぎる強制的な勉強に対して、文句も言わず、質問も無く、淡々と身につけていく。
見た目も1年前よりもふっくらとして、肌艶が良くなり、藍色の髪はきらきらと天使の輪をつくっている。
どこからどう見ても、良いところのお坊ちゃんだ。
「…………」
でも、テオドールはこの家に来て一度も言葉を発していない。
ずっと、ずーっとだんまりで、おれが何を聞いても、何を言っても一言も返事をしたことはない。
常に、黙々と過ごしていた。
屋敷に来た時から授業はきちんと理解しているし、言葉が分からないとか、読み書きができないわけでは無いようだ。
何より、もし話すことができないならば父はテオドールを引き取っては来なかっただろう。
孤児であったテオドールがどうやって読み書きを身につけたのか謎ではある。
つまり、テオドールは自分の意思で言葉を発しないのだと思う。
「じゃあ、おれがクッキーな」
このおやつをめぐる、A or Bの質問も、すでに何百回と繰り返してきた質問だ。
一度も返事が返ってきたことはないけれど。
テオドールは嚙む力や歯が弱いのか、肉を食べるときは時間をかけて食べている。だから、きっと柔らかいものの方が好きだ。
「……クッキー」
静かな音が部屋に溶けた。
「え?」
「クッキーがいい」
そして、その言葉におれの心臓はぎゅっと縮こまって、一度拍動が止まったかと思った。
おれは自分の中で、今の音を再生する。小さな声なのに全く弱々しく無くて、染み渡るようにおれに届いた。
今日の今、テオドールの声が聴けるなんて考えてなかったおれは、心の中が大騒ぎだ。
思ったよりも低くて、思っていた通り凛として。こんなにも、可愛い声。
それに、今。
クッキーがいい、て言った。
「そうかぁ……テオはクッキーが好き、なんだな……」
動揺を押し込んで、何とか返事をする。
このクッキーはおれが自分で焼いたものだ。
前世の『おれ』の母が良く手作りしてくれて、後には一緒に何度も作ったおれの思い出のクッキーだ。
全粒粉に、オートミールやグラノーラを混ぜてつくる、ザクザクした触感のクッキーで、さらにドライフルーツが入っているヤツがおれのお気に入りだった。
分量や作り方は知っていたのだけど、この世界で同じような材料を探すことが最も大変だった。
幸いにしてフォレスター領は最大の農業生産領だ。
視察という名目で生産者に尋ねたり、市場を回って再現に成功したときは、自室で一人ゆっくりと噛みしめて食べた。
その瞬間に泣いてしまったのは誰にも秘密だ。
「別にクッキーは好きじゃない」
テオドールは無表情のまま静かに言う。
そして、硬いクッキーの端っこを少しだけ口に含んで、カリっと噛んで少しずつ食べてくれた。
おれにはそれだけで十分だった。
滅多に領地に帰ってこない父が屋敷を訪れるとあって、数日前から慌ただしく準備が整えられていたが、突然の幼い同行者に皆が戦々恐々としているのがわかる。
5歳にしては小さな体に、フォレスターを示す上質な茶の衣を着せられていた。
体よりも大きな襟からのぞく細い首と鎖骨の浮いた胸元、手はすっぽりと袖に隠れてしまい、指先しか見えていない。
裾もだぼつきも引きずっている。
きっと、見えない中の履物もサイズがあっていないに違いない。
ほとんど服に覆われているテオドールの顔や体には、それでもあちこち傷や痣が見え隠れしていて、青白く痩せた頬に大きな丸い銀の瞳が妙に目立っている。
だけどその瞳は虚空を見つめ、ぼんやりと濁っていた。
この子がおれを殺すだって?
そんなことは、きっとあり得ない。だって、彼にはそんな殺意を持つほどの期待や執着を周囲に抱いてなどないから。
どうして。そんなに痩せているんだ?
どうして。傷だらけなの?
どうして。ここに引き取られてしまった?
どうして。服も靴もサイズがあっていないのか?
おれは疑問の答えを察するくらいには、この世界のことを理解している。
「領主様は何を考えているのだろうね」
「孤児院の院長は、死にかけたんだろう?」
「関わった子どももたくさん怪我をしたらしい」
「あの髪の色、恐ろしいね」
「“厄災の子”だ。近寄ってはいけないよ」
口々に屋敷の使用人たちが遠巻きに囁いている。
テオドールは深い藍色の髪だ。
これは闇の色であって、この世界では災いの象徴だ。
テオドールがどういう経緯で、孤児院に入り、そこでどういう扱いを受けていたかは、この髪色だけでも簡単に想像できた。
そして、フォレスター領主、つまりおれの父親が自身の尊厳と権力以外には、僅かも関心のないという事実をおれは身をもって知っていた。
己の欲のためならば、神すらも恐れない。
顕示欲が強く、歪んだプライドの塊であるこの男は、精霊力が多く優れた精霊術士であった母を強制的に娶り、半ば犯すように身籠らせた。
さらに、おれを出産後に病んだ彼女を見捨て領地の離れに追いやった。
つい先日、ほぼ接することも無かった母は儚くなったらしい。
おれも同じころに体調を崩して寝込んでいたため、後になってその事実を知らされた。
自死という噂はあるものの、死因は教えられていない。
そして、おれシリル・フォレスターも決して父親から愛されていなかった。
おれはあくまでフォレスター家の跡継ぎであって、父の権益や威信を強化するための道具であって、それ以上でも以下でもない。
テオドールもきっと同じだ。
精霊力の膨大さに目をつけて、自分の利となる存在にするためだけに引き取ったに違いない。
他に奪われる可能性を排除するために、養子という形をとっただけだ。
だから、父は彼個人には微塵の関心も無い。テオドールの服や靴のサイズなど、どうでもよくてただフォレスターの者として、恥ずかしくない品質のものを身につけさせたに過ぎない。
当然、父自身のために。
この環境でもおれが育つことができたのは、前世で家族に愛された記憶があったからだ。
まめで融通が利かないけれど優しい父と、おおざっぱだけれど明るい母、気が強くて横暴だけど可愛い妹。
『おれ』は確かに家族に愛されていた。
だからこそ、おれはテオドールを放っておけるはずがなかった。
こんなにくたびれて、気力の無い5歳児がいるなんて。
ただただ可愛がってもらって、愛されることを知る時期であるはずの幼子が、すでにこの世界を全部あきらめている。
その事実に、胸がきゅうっと締め付けられた。
おれは新しくできた小さな弟のことが、悲しくて。可哀想なんて思う自分が、傲慢におもえて泣きたくなった。
おれが、テオドールは守らねばと思った。
「テオはクッキーとソルベならどっちが好き?」
テオドールがフォレスターの屋敷に来て1年が過ぎても、屋敷の使用人も領のみんなも、誰も積極的にはテオドールと関わろうとしない。
父は論外だ。
初めこそ構っていたようだが、今では屋敷に近づかなくなった。
むしろ、好都合だ。
おれは、毎日当たり前のようにテオドールと過ごしている。
勉強と就寝の時間以外は、テオドールについて回った。会ったときと、別れるとき、おれはおまじないとしてテオドールの額にキスをした。
初めはわかりやすく拒否されていたが、テオドールの精霊力はわかりやすいので、おれは彼がどこにいても見つけることができる。
あきらめたのか、最近では逃げることは無くなった。
テオドールはとても優秀で、マナーや歴史、経済学、政治学、その他の領地運営に関する授業が行われているけれど、テオドールは黙々とこなしていた。
多すぎる強制的な勉強に対して、文句も言わず、質問も無く、淡々と身につけていく。
見た目も1年前よりもふっくらとして、肌艶が良くなり、藍色の髪はきらきらと天使の輪をつくっている。
どこからどう見ても、良いところのお坊ちゃんだ。
「…………」
でも、テオドールはこの家に来て一度も言葉を発していない。
ずっと、ずーっとだんまりで、おれが何を聞いても、何を言っても一言も返事をしたことはない。
常に、黙々と過ごしていた。
屋敷に来た時から授業はきちんと理解しているし、言葉が分からないとか、読み書きができないわけでは無いようだ。
何より、もし話すことができないならば父はテオドールを引き取っては来なかっただろう。
孤児であったテオドールがどうやって読み書きを身につけたのか謎ではある。
つまり、テオドールは自分の意思で言葉を発しないのだと思う。
「じゃあ、おれがクッキーな」
このおやつをめぐる、A or Bの質問も、すでに何百回と繰り返してきた質問だ。
一度も返事が返ってきたことはないけれど。
テオドールは嚙む力や歯が弱いのか、肉を食べるときは時間をかけて食べている。だから、きっと柔らかいものの方が好きだ。
「……クッキー」
静かな音が部屋に溶けた。
「え?」
「クッキーがいい」
そして、その言葉におれの心臓はぎゅっと縮こまって、一度拍動が止まったかと思った。
おれは自分の中で、今の音を再生する。小さな声なのに全く弱々しく無くて、染み渡るようにおれに届いた。
今日の今、テオドールの声が聴けるなんて考えてなかったおれは、心の中が大騒ぎだ。
思ったよりも低くて、思っていた通り凛として。こんなにも、可愛い声。
それに、今。
クッキーがいい、て言った。
「そうかぁ……テオはクッキーが好き、なんだな……」
動揺を押し込んで、何とか返事をする。
このクッキーはおれが自分で焼いたものだ。
前世の『おれ』の母が良く手作りしてくれて、後には一緒に何度も作ったおれの思い出のクッキーだ。
全粒粉に、オートミールやグラノーラを混ぜてつくる、ザクザクした触感のクッキーで、さらにドライフルーツが入っているヤツがおれのお気に入りだった。
分量や作り方は知っていたのだけど、この世界で同じような材料を探すことが最も大変だった。
幸いにしてフォレスター領は最大の農業生産領だ。
視察という名目で生産者に尋ねたり、市場を回って再現に成功したときは、自室で一人ゆっくりと噛みしめて食べた。
その瞬間に泣いてしまったのは誰にも秘密だ。
「別にクッキーは好きじゃない」
テオドールは無表情のまま静かに言う。
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