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11.おれは死んでいる
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薬草園での活動も一段落つき、幼い子供たちはお昼寝の時間に、大きな子供たちも救済院での勉強の時間になった。
この薬草園の景色は本当に落ち着く。
流れる空気が穏やかで、何か考え事があるときはいつもここでこうして過ごすことが多い。
おれは見慣れた薬草園の風景を眺めながら、昨日からの怒涛のような出来事を振り返っていた。
ああ、風が気持ちいい。
なんて長閑なんだろう。こうしていると、昨日のことがもはや夢だったのではないかと思えてくる。
元々は乙女ゲームの世界なのに、攻略対象である王太子と護衛騎士同士で、Bで真実なLを育むなんて。
おれは義理とはいえこれまた攻略対象であるはずの弟と子作りなんて。
腰やら太ももやらが何だか重怠く筋肉痛みたいになっている事実が昨夜の出来事が夢では無かったのだと、動く度に訴えてくるから、おれは全部が現実なのだと認めざるを得ない。
どうやってテオドールの執務室からおれの寝室に移動したのか、とか。
どうやっておれの身体は整えられたのか、とか。
色々気になることはあるけれど、知らない方がいいこともあると、心の悲鳴が疑問を掻き消してくる。
テオは何を考えてるんだ。
「いくら何でも、『ラブプラ』と違い過ぎない?」
嘆息混じりに一人呟いた。
「違って当たり前でしょ。私たちにとっては今が現実なんだから」
独り言のつもりが返事をされて、そちらを振り向けば、“恵みの乙女”ミアが立っていた。
結っていた髪をおろせば背の中ほどまである長い黄金色の髪が、風に吹かれて揺れる。
この世界ではこの髪色を、実って金色に染まった小麦畑の色に喩えられ、吉兆の色とされている。
女神シュリアーズが小麦の穂を持って描かれていることに起因する。
「そもそも、『ラブプラ』と違い過ぎるなんて。その化身みたいなシリルが言う?」
ミアにお馴染みのクッキーを手渡すと、彼女はどしっと隣りに腰を下ろす。
おれも同じクッキーをかりっと齧れば、固めの食感の懐かしい香ばしさが口一杯に広がっる。
「もし、ここが『ラブプラ』通りだったら、シリル・フォレスターはとっくに死んでるじゃない」
言って、ミアはがりっとクッキーを一気に頬張った。
ミアの言う通りだ。
ここが乙女ゲーム「育め!Love and Plant~愛と豊穣の女神に愛されし乙女~」の世界そのものであったのなら、おれシリル・フォレスターは現在こうして存在しない。
おれシリル・フォレスターは『ラブプラ』本編には登場しない人物だ。いや、正確には出てこないわけでは無い。
『ラブプラ』のシリル・フォレスターは——テオドールの義兄として語られるだけの、ゲーム開始時には既に死んでいる、名前しか出てこない故人だ。
おれの弟、テオドール・フォレスターは紛うこと無き攻略対象者の一人だ。
王太子の優秀な側近であり次期宰相として名高い、稀代の精霊力を誇る精霊術士にして、冷徹無慈悲な人嫌いのキャラクターとして登場する。
テオドールのあの美麗な容姿と優秀さだ。攻略対象者として納得しかなくて、何の疑問も無い。
あれがモブだったら、『ラブプラ』製作サイドは頭がおかしい。
テオドールは精霊力の強大さに目を付けられて、5歳の時に孤児院からフォレスター家に引き取られる。
そして引き取られて5年程たったテオドール10歳のある日、義兄であるシリル・フォレスターを死なせてしまうのだ。
そして、フォレスター家の唯一の直系であったシリル・フォレスターを殺したこと責められながら、優秀であったらしい義兄と事あるごとに比較され、体罰を含めたあらゆる虐待を受けて育つことになる。
結果、『ラブプラ』ではテオドールは完全無欠でありながら冷徹無慈悲な人嫌いの人物になる。
おれはテオドールよりも2歳年上だから、つまり12歳で死んでしまうキャラクターというわけだ。
前世では18歳で病気で死んだ『おれ』だけど、生まれ変わったのに気づいたら今世では12歳で死亡予定とか。
なんというかなぁ……女神様、ひど過ぎない?
前世の『おれ』はテオドールルートをプレイしていないため、何故テオドールがシリル・フォレスターを死なすことになるのか詳細を知らない。
ただ、まとめサイトや公式でのキャラクター紹介などでも「兄を殺した過去から恐れられている」、という話が載っていたので、テオドールがおれを死なせる原因になったのは間違いない。
「でもおれ、全然テオに殺される気配無かったからなぁ」
でも、幸いにして、おれは死ななかった。
「だからこそ、ここは『ラブプラ』とは違う、って言えるんじゃない」
「まあ、そうなんだけど」
おれは死ぬことも無かったから、結局『ラブプラ』でどうやってシリル・フォレスターが死んだのか分からず終いだ。
いや、わからなくて良かったんだけど。おれも死ぬの嫌だし、テオドールを兄殺しにするわけにはいかないし。
そうは言っても、一応おれだってただぼーっと死ぬのを待っていたわけでは無い。
死ぬ危険性に備えて精霊術士としての腕を磨いて、色々な精霊医学や精霊薬学を学んで。
……いや、単純に何でも取り組める健康な体が嬉しくて、何でもかんでも手を出したともいえる。というか、正直なところそっちが主だ。
「違うって言うなら、テオドールが『ラブプラ』と全然違うもんな」
「主にどのあたりが違うのよ?」
「性格とか?テオのどこが冷徹なんだよ。完全無欠ていうのは間違いないけど」
おれとしては、おれの行動がどうこうというよりも、現実のテオドールがより優秀で優しかったというのが、おれが死ななかった一番大きな要因なんじゃないかと思っている。
「………………」
「な?めちゃくちゃ優しいじゃん」
あんな出来た弟はそういない。
「まあ……そう思うのは、個人の自由よね」
どういうことだよ。個人も何も、みんなそう思うだろ。
疑問が表情に出ていたらしい。
ミアはおれの顔を見て一つ溜息をつくと、今度はニヤリといい笑顔になった。
「『ラブプラ』と最大に違うのは、シリルとテオドールの関係でしょ」
「え?」
「二人は本当の兄弟かそれ以上の絆で繋がってる、だったかしら?」
これはおれ自身が、いつも事あるごとにあちこちで主張してきたことで……でも、今のミアの言葉にはおれが主張してきた意味以外の……何というか、何かを知っているような、もっと深い意味が込められているような。
なんでそんなにニヨニヨしてるの?
「えーと………ミアさまは何かご存知なのでしょうか?」
気のせいのような……そうで、あって欲しい。
「私、女神シュリアーズの愛し子、“恵みの乙女”だから!」
「いやいや、どういうこと!?」
まさか、おれたちの情事……いや、事情を知ってるわけじゃないよね!?
昨日の今日だよ!?!?
「とっても仲がいいんでしょ?繋がってるんでしょ?いいことじゃない!」
いやいや、まだ繋がっては無いから!……って何言ってんだおれは!!
「待って!なんか違う——」
「なによ、仲悪いわけ?」
「いや、仲は……いいよ?」
「じゃあ、何の問題も無いじゃない」
何の問題も無い。………そうなのかな?
まあ、『ラブプラ』のシリル・フォレスターとテオドールは幼少期も決していい関係では無かったようだから……『ラブプラ』のテオドールの背中には縦に走る大きな傷があって、それは義兄によってつけられた傷だ、という設定があった。
要するに、『ラブプラ』においてはシリル・フォレスターはテオドールにとって最大のトラウマ要因にちがいない。
この薬草園の景色は本当に落ち着く。
流れる空気が穏やかで、何か考え事があるときはいつもここでこうして過ごすことが多い。
おれは見慣れた薬草園の風景を眺めながら、昨日からの怒涛のような出来事を振り返っていた。
ああ、風が気持ちいい。
なんて長閑なんだろう。こうしていると、昨日のことがもはや夢だったのではないかと思えてくる。
元々は乙女ゲームの世界なのに、攻略対象である王太子と護衛騎士同士で、Bで真実なLを育むなんて。
おれは義理とはいえこれまた攻略対象であるはずの弟と子作りなんて。
腰やら太ももやらが何だか重怠く筋肉痛みたいになっている事実が昨夜の出来事が夢では無かったのだと、動く度に訴えてくるから、おれは全部が現実なのだと認めざるを得ない。
どうやってテオドールの執務室からおれの寝室に移動したのか、とか。
どうやっておれの身体は整えられたのか、とか。
色々気になることはあるけれど、知らない方がいいこともあると、心の悲鳴が疑問を掻き消してくる。
テオは何を考えてるんだ。
「いくら何でも、『ラブプラ』と違い過ぎない?」
嘆息混じりに一人呟いた。
「違って当たり前でしょ。私たちにとっては今が現実なんだから」
独り言のつもりが返事をされて、そちらを振り向けば、“恵みの乙女”ミアが立っていた。
結っていた髪をおろせば背の中ほどまである長い黄金色の髪が、風に吹かれて揺れる。
この世界ではこの髪色を、実って金色に染まった小麦畑の色に喩えられ、吉兆の色とされている。
女神シュリアーズが小麦の穂を持って描かれていることに起因する。
「そもそも、『ラブプラ』と違い過ぎるなんて。その化身みたいなシリルが言う?」
ミアにお馴染みのクッキーを手渡すと、彼女はどしっと隣りに腰を下ろす。
おれも同じクッキーをかりっと齧れば、固めの食感の懐かしい香ばしさが口一杯に広がっる。
「もし、ここが『ラブプラ』通りだったら、シリル・フォレスターはとっくに死んでるじゃない」
言って、ミアはがりっとクッキーを一気に頬張った。
ミアの言う通りだ。
ここが乙女ゲーム「育め!Love and Plant~愛と豊穣の女神に愛されし乙女~」の世界そのものであったのなら、おれシリル・フォレスターは現在こうして存在しない。
おれシリル・フォレスターは『ラブプラ』本編には登場しない人物だ。いや、正確には出てこないわけでは無い。
『ラブプラ』のシリル・フォレスターは——テオドールの義兄として語られるだけの、ゲーム開始時には既に死んでいる、名前しか出てこない故人だ。
おれの弟、テオドール・フォレスターは紛うこと無き攻略対象者の一人だ。
王太子の優秀な側近であり次期宰相として名高い、稀代の精霊力を誇る精霊術士にして、冷徹無慈悲な人嫌いのキャラクターとして登場する。
テオドールのあの美麗な容姿と優秀さだ。攻略対象者として納得しかなくて、何の疑問も無い。
あれがモブだったら、『ラブプラ』製作サイドは頭がおかしい。
テオドールは精霊力の強大さに目を付けられて、5歳の時に孤児院からフォレスター家に引き取られる。
そして引き取られて5年程たったテオドール10歳のある日、義兄であるシリル・フォレスターを死なせてしまうのだ。
そして、フォレスター家の唯一の直系であったシリル・フォレスターを殺したこと責められながら、優秀であったらしい義兄と事あるごとに比較され、体罰を含めたあらゆる虐待を受けて育つことになる。
結果、『ラブプラ』ではテオドールは完全無欠でありながら冷徹無慈悲な人嫌いの人物になる。
おれはテオドールよりも2歳年上だから、つまり12歳で死んでしまうキャラクターというわけだ。
前世では18歳で病気で死んだ『おれ』だけど、生まれ変わったのに気づいたら今世では12歳で死亡予定とか。
なんというかなぁ……女神様、ひど過ぎない?
前世の『おれ』はテオドールルートをプレイしていないため、何故テオドールがシリル・フォレスターを死なすことになるのか詳細を知らない。
ただ、まとめサイトや公式でのキャラクター紹介などでも「兄を殺した過去から恐れられている」、という話が載っていたので、テオドールがおれを死なせる原因になったのは間違いない。
「でもおれ、全然テオに殺される気配無かったからなぁ」
でも、幸いにして、おれは死ななかった。
「だからこそ、ここは『ラブプラ』とは違う、って言えるんじゃない」
「まあ、そうなんだけど」
おれは死ぬことも無かったから、結局『ラブプラ』でどうやってシリル・フォレスターが死んだのか分からず終いだ。
いや、わからなくて良かったんだけど。おれも死ぬの嫌だし、テオドールを兄殺しにするわけにはいかないし。
そうは言っても、一応おれだってただぼーっと死ぬのを待っていたわけでは無い。
死ぬ危険性に備えて精霊術士としての腕を磨いて、色々な精霊医学や精霊薬学を学んで。
……いや、単純に何でも取り組める健康な体が嬉しくて、何でもかんでも手を出したともいえる。というか、正直なところそっちが主だ。
「違うって言うなら、テオドールが『ラブプラ』と全然違うもんな」
「主にどのあたりが違うのよ?」
「性格とか?テオのどこが冷徹なんだよ。完全無欠ていうのは間違いないけど」
おれとしては、おれの行動がどうこうというよりも、現実のテオドールがより優秀で優しかったというのが、おれが死ななかった一番大きな要因なんじゃないかと思っている。
「………………」
「な?めちゃくちゃ優しいじゃん」
あんな出来た弟はそういない。
「まあ……そう思うのは、個人の自由よね」
どういうことだよ。個人も何も、みんなそう思うだろ。
疑問が表情に出ていたらしい。
ミアはおれの顔を見て一つ溜息をつくと、今度はニヤリといい笑顔になった。
「『ラブプラ』と最大に違うのは、シリルとテオドールの関係でしょ」
「え?」
「二人は本当の兄弟かそれ以上の絆で繋がってる、だったかしら?」
これはおれ自身が、いつも事あるごとにあちこちで主張してきたことで……でも、今のミアの言葉にはおれが主張してきた意味以外の……何というか、何かを知っているような、もっと深い意味が込められているような。
なんでそんなにニヨニヨしてるの?
「えーと………ミアさまは何かご存知なのでしょうか?」
気のせいのような……そうで、あって欲しい。
「私、女神シュリアーズの愛し子、“恵みの乙女”だから!」
「いやいや、どういうこと!?」
まさか、おれたちの情事……いや、事情を知ってるわけじゃないよね!?
昨日の今日だよ!?!?
「とっても仲がいいんでしょ?繋がってるんでしょ?いいことじゃない!」
いやいや、まだ繋がっては無いから!……って何言ってんだおれは!!
「待って!なんか違う——」
「なによ、仲悪いわけ?」
「いや、仲は……いいよ?」
「じゃあ、何の問題も無いじゃない」
何の問題も無い。………そうなのかな?
まあ、『ラブプラ』のシリル・フォレスターとテオドールは幼少期も決していい関係では無かったようだから……『ラブプラ』のテオドールの背中には縦に走る大きな傷があって、それは義兄によってつけられた傷だ、という設定があった。
要するに、『ラブプラ』においてはシリル・フォレスターはテオドールにとって最大のトラウマ要因にちがいない。
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