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3.女神の願い③
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けれど、問題はある。王太子殿下はこの国唯一の王子だ。
現国王陛下と王妃殿下には他に子はない。女神シュリアーズ信仰から、当然一夫一妻であるし、お二人がラブラブなのは有名な話だ。
しかし、王妃殿下の主治医代行をすることがあるおれは、お二人の間にこれ以上の子が望めないことを知っている。
つまり王太子殿下が同性と婚姻をすることは、女神の加護を受け継ぐイグレシアス王国の王族の血が途絶えることを意味する。
「全てを違えずに叶えるためには、優秀な精霊医薬師であるシリル兄さんの力添えが必要不可欠だったんだ」
テオドールの言うように薬を開発するにあたって、おれが都合が良かったのは間違いない。
王太子の側近が、男性でも妊娠を可能にする精霊薬を求めているとなれば、かなり勘繰られるだろう。
その点、おれなら自身の研究室があって個人的に精霊薬の開発もしてるし、同じフォレスター家であるテオドールと会っていても不思議じゃない。
何かあってもお互いに直接伝達できるため情報が漏れる恐れも低い。
結果、テオドールの思惑通りおれは秘密裏に男性でも妊娠を可能とする精霊薬の精製にまんまと成功したわけだ。
でもな。そんな持ち上げても、何も出ないから。
まあ、優秀な精霊医薬師である兄さんが後でおれも愛飲している疲労回復にいい精霊薬(おいしいみかん味)くらいは差し入れてやろう。
はぁ……まったくおれも、おれだ。
テオドールに同性同士でも妊娠が可能か、なんて議論をふられた時になんでその意図について、もう少し考えなかったんだろう。精霊医薬学における学術的興味が先だって、そっちに考えが全く及ばなかった。
さらに、男性の妊孕性獲得に関して先行して研究して欲しい、なんて言われた時に気づくべきだった。
そもそもこの国では信仰上、恋愛において種族や性別は問題にならないから、同性のパートナーでも子を持つことが可能になればいい、っていう発想に全く違和感を感じなかった。
性に限らず子を持つ選択肢が増えて、さらに国が豊かになっていいじゃん、みたいな。
「シリル兄さん……怒ってる?」
「怒ってるというか……王太子殿下の宣誓を聞いたときの、おれの気持ち……わかる?」
心情の複雑さったら筆舌尽くし難い。
今回の王太子殿下の宣誓。
『女神の願い』が完成したことで、王太子殿下と騎士との真実の愛が成就するのであれば、こんなに喜ばしいことはない。
しかし、今回の騒動。
おれのつくった妙薬『女神の願い』ありきのもの、だともいえる。というかそうとしか言えない。
万が一何かあれば……例えば想定外の副作用で王太子殿下の身に何かある、とか……妊娠可能にするっと言っても、男女においても子は授かりものなのだから、子を授からないことだって十分にありうるわけで。
女神シュリアーズの加護を頂いた王族が途絶えれば、フォレスター家の没落どころか、女神シュリアーズの加護を失いこの国だって亡ぶかもしれない。
はあ……。
深々と溜息をついて、おれは頭を抱えた。
「理由を伝えなかったのは悪かったよ。言えなかったんだ」
「いや、まあ……それは、そうだよな」
職務上、守秘義務があることは当然のことだ。いくら親しい間柄だったとしても、言えないことはある。
だけど、だ。おれの作った薬にこの国の未来がかかっているわけで。
興味と意欲が先だって、半年と経たずに秘薬を完成させてしまったおれの迂闊さが憎い。
「じゃあ、許してくれる?」
「許すも何も、別にテオが悪いわけじゃないじゃん」
おれの言葉で、テオドールの不安げな表情が一気に安堵のものへと変わる。
昔からテオは、こういうところが……普段は冷静な表情であることが多い彼が、おれの一言で簡単に喜んだりするところが本当に可愛い。
「ちなみに薬の名前は『女神の願い』だよ」
「ええ?何だ?その名前??」
「“恵みの乙女”にもあの薬を鑑定してもらったんだけど、『女神の願い』なんだって」
“恵みの乙女”は、他の精霊術士にはない特殊な能力があり、その一つが『鑑定』だ。
精霊力をよむことで、物事の性質を見極めることができる。
新薬であるこの秘薬を『鑑定』してもらったことはありがたいけれど……。
そうか。なるほど。
おれの開発した秘薬は、女神シュリアーズもご所望の品だったらしい。
全く、女神さまは何を考えてるんだ?
女神も同性カップルを応援します!てことなんだろうか。いや、全然いいんだけどさぁ。
何ならその応援隊に俺も加入したいくらいで。
「シリル兄さんが提出された薬の組成と用法容量、薬効に関する添付文書によると、薬剤を内服後、パートナーとの性的接触によって発生する精霊力が『女神の願い』に作用することによって男性でも妊孕性を得る、という理解でいいよね?」
「ああ、そうだよ。
性的刺激でのみ妊娠に必要な特殊な精霊力が体内で産生されるんだけど……これは愛の精霊力といって、男性型と女性型が存在する」
精霊力は多かれ少なかれ、皆が持っている内的な生命力のような力なのだけど、妊娠において重要なのは特に性別に関係する愛の精霊力だ。
愛の精霊力には女性型と男性型が存在し、身体的性と例外なく同一だ。そして、妊娠には両性の愛の精霊力が必須となる。
言っておくが、この名前はおれが定義したわけでは無い。
おれならこんな言葉にするのが恥ずかしい単語には死んでもしない。
精霊医学書にも正規の用語として大真面目に記載されている精霊医学用語だ。
「おれの作った薬……『女神の願い』は愛の精霊力によって薬効が活性化されて、男性のもつ男性型の愛の精霊力を女性型に変換するとともに、男性の体内に子宮に代わる器官を形成する作用がある。それによって、男性でも妊娠することが可能になるんだ」
「すごい精霊薬だね。やっぱりシリル兄さんに頼んで良かったよ」
自分で作っといてなんだけど、おれもまさに神秘の薬だと思う。
「効果に関しては、理と叡智の弟神メーティストに誓ってもいい」
女神シュリアーズと並び、この国で信仰されているのは、女神の弟であり、理と叡智の象徴である弟神メーティストだ。
理と叡智の弟神メーティストは、世界の法則に基づく合理的判断により物事を識別する、知性と叡智を司っている。
おれの所属する精霊医学薬学研究所でも、理と叡智の弟神メーティストを象徴として掲げており、シンボルマークにもえがかれている。
研究所の研究者たちは、根拠に基づいた公正な知識の追求と精霊医学、薬学の発展を目標としていて、常に精霊医薬士として必要な倫理観、責任感に基づき、行動することを理念とし、理と叡智の弟神メーティストに悖ることのないよう、日々励んでいる。
つまり、理と叡智の神メーティストに誓うということは、研究者として真実の理であるということを断言する、もっとも尊い行為だ。女神シュリアーズに真実の愛を宣誓するのと同じ意味を成す。
「実はこれからのことに関して、シリル兄さんにお願いがあるんだ」
この件において可能な限り協力することは、少なくとも薬を開発した精霊医薬師であるおれの責任だろう。
「ああ。おれに協力できることなら何でも言ってくれよ」
にしても、だ。テオはなんでそんなに落ち着いてるんだ。むしろいつもよりも銀の瞳がきらきらしていて、今夜の満月みたいに綺麗に輝いていたりして、どこか機嫌が良さそうなんですけど………むう、ちょっと腹が立つ。いや、八つ当たりだけどさ。
「シリル兄さんにして欲しいことは一つだけだよ」
「一つだけ?もっと色々いってくれていいのに」
というか、是非協力させてください。お願いします。そうでなければ、個人的な良心だか、精霊医薬士としての責任だかに押しつぶされそうだ。
「うん。とっても重要なことなんだ」
妙な焦燥感に俺の鼓動がドキドキと高鳴る中、
「僕と、子作りしてよ」
全く変わらない口調でテオドールが言った。
現国王陛下と王妃殿下には他に子はない。女神シュリアーズ信仰から、当然一夫一妻であるし、お二人がラブラブなのは有名な話だ。
しかし、王妃殿下の主治医代行をすることがあるおれは、お二人の間にこれ以上の子が望めないことを知っている。
つまり王太子殿下が同性と婚姻をすることは、女神の加護を受け継ぐイグレシアス王国の王族の血が途絶えることを意味する。
「全てを違えずに叶えるためには、優秀な精霊医薬師であるシリル兄さんの力添えが必要不可欠だったんだ」
テオドールの言うように薬を開発するにあたって、おれが都合が良かったのは間違いない。
王太子の側近が、男性でも妊娠を可能にする精霊薬を求めているとなれば、かなり勘繰られるだろう。
その点、おれなら自身の研究室があって個人的に精霊薬の開発もしてるし、同じフォレスター家であるテオドールと会っていても不思議じゃない。
何かあってもお互いに直接伝達できるため情報が漏れる恐れも低い。
結果、テオドールの思惑通りおれは秘密裏に男性でも妊娠を可能とする精霊薬の精製にまんまと成功したわけだ。
でもな。そんな持ち上げても、何も出ないから。
まあ、優秀な精霊医薬師である兄さんが後でおれも愛飲している疲労回復にいい精霊薬(おいしいみかん味)くらいは差し入れてやろう。
はぁ……まったくおれも、おれだ。
テオドールに同性同士でも妊娠が可能か、なんて議論をふられた時になんでその意図について、もう少し考えなかったんだろう。精霊医薬学における学術的興味が先だって、そっちに考えが全く及ばなかった。
さらに、男性の妊孕性獲得に関して先行して研究して欲しい、なんて言われた時に気づくべきだった。
そもそもこの国では信仰上、恋愛において種族や性別は問題にならないから、同性のパートナーでも子を持つことが可能になればいい、っていう発想に全く違和感を感じなかった。
性に限らず子を持つ選択肢が増えて、さらに国が豊かになっていいじゃん、みたいな。
「シリル兄さん……怒ってる?」
「怒ってるというか……王太子殿下の宣誓を聞いたときの、おれの気持ち……わかる?」
心情の複雑さったら筆舌尽くし難い。
今回の王太子殿下の宣誓。
『女神の願い』が完成したことで、王太子殿下と騎士との真実の愛が成就するのであれば、こんなに喜ばしいことはない。
しかし、今回の騒動。
おれのつくった妙薬『女神の願い』ありきのもの、だともいえる。というかそうとしか言えない。
万が一何かあれば……例えば想定外の副作用で王太子殿下の身に何かある、とか……妊娠可能にするっと言っても、男女においても子は授かりものなのだから、子を授からないことだって十分にありうるわけで。
女神シュリアーズの加護を頂いた王族が途絶えれば、フォレスター家の没落どころか、女神シュリアーズの加護を失いこの国だって亡ぶかもしれない。
はあ……。
深々と溜息をついて、おれは頭を抱えた。
「理由を伝えなかったのは悪かったよ。言えなかったんだ」
「いや、まあ……それは、そうだよな」
職務上、守秘義務があることは当然のことだ。いくら親しい間柄だったとしても、言えないことはある。
だけど、だ。おれの作った薬にこの国の未来がかかっているわけで。
興味と意欲が先だって、半年と経たずに秘薬を完成させてしまったおれの迂闊さが憎い。
「じゃあ、許してくれる?」
「許すも何も、別にテオが悪いわけじゃないじゃん」
おれの言葉で、テオドールの不安げな表情が一気に安堵のものへと変わる。
昔からテオは、こういうところが……普段は冷静な表情であることが多い彼が、おれの一言で簡単に喜んだりするところが本当に可愛い。
「ちなみに薬の名前は『女神の願い』だよ」
「ええ?何だ?その名前??」
「“恵みの乙女”にもあの薬を鑑定してもらったんだけど、『女神の願い』なんだって」
“恵みの乙女”は、他の精霊術士にはない特殊な能力があり、その一つが『鑑定』だ。
精霊力をよむことで、物事の性質を見極めることができる。
新薬であるこの秘薬を『鑑定』してもらったことはありがたいけれど……。
そうか。なるほど。
おれの開発した秘薬は、女神シュリアーズもご所望の品だったらしい。
全く、女神さまは何を考えてるんだ?
女神も同性カップルを応援します!てことなんだろうか。いや、全然いいんだけどさぁ。
何ならその応援隊に俺も加入したいくらいで。
「シリル兄さんが提出された薬の組成と用法容量、薬効に関する添付文書によると、薬剤を内服後、パートナーとの性的接触によって発生する精霊力が『女神の願い』に作用することによって男性でも妊孕性を得る、という理解でいいよね?」
「ああ、そうだよ。
性的刺激でのみ妊娠に必要な特殊な精霊力が体内で産生されるんだけど……これは愛の精霊力といって、男性型と女性型が存在する」
精霊力は多かれ少なかれ、皆が持っている内的な生命力のような力なのだけど、妊娠において重要なのは特に性別に関係する愛の精霊力だ。
愛の精霊力には女性型と男性型が存在し、身体的性と例外なく同一だ。そして、妊娠には両性の愛の精霊力が必須となる。
言っておくが、この名前はおれが定義したわけでは無い。
おれならこんな言葉にするのが恥ずかしい単語には死んでもしない。
精霊医学書にも正規の用語として大真面目に記載されている精霊医学用語だ。
「おれの作った薬……『女神の願い』は愛の精霊力によって薬効が活性化されて、男性のもつ男性型の愛の精霊力を女性型に変換するとともに、男性の体内に子宮に代わる器官を形成する作用がある。それによって、男性でも妊娠することが可能になるんだ」
「すごい精霊薬だね。やっぱりシリル兄さんに頼んで良かったよ」
自分で作っといてなんだけど、おれもまさに神秘の薬だと思う。
「効果に関しては、理と叡智の弟神メーティストに誓ってもいい」
女神シュリアーズと並び、この国で信仰されているのは、女神の弟であり、理と叡智の象徴である弟神メーティストだ。
理と叡智の弟神メーティストは、世界の法則に基づく合理的判断により物事を識別する、知性と叡智を司っている。
おれの所属する精霊医学薬学研究所でも、理と叡智の弟神メーティストを象徴として掲げており、シンボルマークにもえがかれている。
研究所の研究者たちは、根拠に基づいた公正な知識の追求と精霊医学、薬学の発展を目標としていて、常に精霊医薬士として必要な倫理観、責任感に基づき、行動することを理念とし、理と叡智の弟神メーティストに悖ることのないよう、日々励んでいる。
つまり、理と叡智の神メーティストに誓うということは、研究者として真実の理であるということを断言する、もっとも尊い行為だ。女神シュリアーズに真実の愛を宣誓するのと同じ意味を成す。
「実はこれからのことに関して、シリル兄さんにお願いがあるんだ」
この件において可能な限り協力することは、少なくとも薬を開発した精霊医薬師であるおれの責任だろう。
「ああ。おれに協力できることなら何でも言ってくれよ」
にしても、だ。テオはなんでそんなに落ち着いてるんだ。むしろいつもよりも銀の瞳がきらきらしていて、今夜の満月みたいに綺麗に輝いていたりして、どこか機嫌が良さそうなんですけど………むう、ちょっと腹が立つ。いや、八つ当たりだけどさ。
「シリル兄さんにして欲しいことは一つだけだよ」
「一つだけ?もっと色々いってくれていいのに」
というか、是非協力させてください。お願いします。そうでなければ、個人的な良心だか、精霊医薬士としての責任だかに押しつぶされそうだ。
「うん。とっても重要なことなんだ」
妙な焦燥感に俺の鼓動がドキドキと高鳴る中、
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