【完結】疎まれ軍師は敵国の紅の獅子に愛されて死す

べあふら

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疎まれ軍師、愛されて死す② ※

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「私にとっては、ジグ様に求められることは、至福の喜びです」
「フェリ……そなたは……」

フェリはその喜びを込めて、猜疑に歪むジグムントに口づけた。唇を柔らかく舐めると、ジグムントは薄く開いて迎え入れてくれる。
その誘いのままに、フェリは舌を差し入れ、ジグムントのと絡め合った。

名残惜しくも、ジグムントの顔が見たくて仕方ないフェリは、唇をゆっくりと離す。二人を銀糸が繋ぐ。フェリは、それを愛しそうにうっとりと目を細め眺める。

「ああ、……フェリ。私は、そなたに一生敵わぬ」
「今日は、私が……ジグ様を、癒してさしあげます」

白く小さな手がジグムントの腰を撫で、鼠径をたどり、僅かに芯をもった陰茎をなぞった。ずっしりと重量感のあるそれを、フェリははじめは擽るように、そして段々と力を込めて。溢れ出す露を絡め、湿った音を響かせながら、ゆっくりと、そして早く律動的に上下に擦る。やがて、熱く滾り脈打つ雄々しい男根がそそり立つ。

それを、じっと見つめ、己の与える刺激で震える屹立を撫でながら、「ふふ……可愛らしい」と、フェリはつぶやく。
自分に喜びを与えてくれるものと知ってしまえば、猛獣もひたすらに、愛おしかった。

自らの腰を浮かせ、ジグムントの猛りを手で支え、濡れそぼった蕾に当てがう。
そこは既に、今か今かと期待に待ちわびており、ぬるり、と先端が触れただけで、フェリの身体を強烈な疼きが襲った。

「ふっ…あぁっ……ジグさま……」

ゆっくりと腰を沈めると、心地よい圧がかかる。つぷり、と硬いものに押し拡げられ、先端の太いところが一気に滑り込んだ。内側からフェリの全てを撫でていく太い男根を、慎重に自らに納めてしまう。

ぐっと奥にだどりつくと、息がつまるほどの快感がフェリの身体を震わせた。
ジグムントの屈強な腹についた手を支えにして、フェリはただ、ジグムントに良くなって欲しい一審で、懸命に動く。

「あ、……ジグさま…うまく、できていますか……っ」

フェリは、自ら動いた経験があまり多くは無い。
すぐにジグムントの与える快楽に恍惚としてしまい、弛緩した身体では無理な話だった。

「ああ、上手だよ。フェリ」

ジグムントは、自分の上で健気に乱れる愛しい人を眺めた。
切なげに歪んだ表情も、蜜のように甘い瞳も、蒸気した頬も、しっとりと汗ばみ、全身を赤く染めている。
小さな果実のように起ち上った乳首も、腰の動きに合わせふるふると揺れる薄紅色の花芯も、そのすべてを自分が独占しているのだと、満たされた想いで充満する。

「……しかし、フェリ」

自分を迎え入れ、咥え込んでいる蕾を見つめ、己が出入りする様子を体感しながら、ジグムントはフェリの腰を掴んだ。

「なぜ、自分の快感を外すのだ」
「え?……ああっ!」

ジグムントは己の猛りをフェリへと押しつけ、そして突き上げるように、一気に最奥を穿った。

「あ―――っっ!!」

その瞬間に、フェリは達した。
ずっと、フェリは自身の高まりに耐えていた。どう動いても自分を悦楽へと導く肉棒に擦られながら、渦巻く快感を、どうにかいなしながら。
溢れそうなところに、一気に与えられた快感に、フェリは耐える術はなかった。

崩れ落ちる身体を、寝台へと倒し、獣のように後ろから男根を挿し入れる。
ぎゅうっと強く狭まり吸い付いてくるフェリの中を、無理矢理に押し拡げるように、求めるままに奥まで、繰り返し埋め尽くす。

「ああっあっ……いけません……んっ」
「いけたでは無いか」
「そういうことでは、なくてっ…あっあぁっ……ん、あん、あっ」
「フェリ……私は存分に癒された。今度は、私がフェリを癒す番だ」

腰を固定し、下から突き上げるように、フェリの快感を抉る。最奥で快感を得られるようになっているフェリの弱いところを、力強い抽挿でぐり、と強く擦り、何度も繰り返し穿った。

「あっ……ジグさまぁ……あ、いいっ…あっん、」
「ああ、そなたは誠に、愛らしい。私を溺れさせ、甘えさせるのは、フェリだけだ」
「あ、……ああっ…ジグさま……ジグ、さまぁ……もっと、もっと、わたしを、もとめて…っ」

ジグムントの手で、美しく光り輝く白き光は、いつまでも獅子を魅了した。





「この10年、世は随分と様変わりしたな」

この10年で、『ムンデ国』という国は、ほぼ姿を消した。
今ではグランカリス帝国の一部となり、その名を知らぬ世代が育ちつつある。

一度だけ、ジグムントはフェリに「かつての主がどうなったのか、知りたいか」と尋ねた。あれは、あの男が捕らえられて、2年程経った頃だったか。

フェリは、「“白き人”の秘密は守られますか」と問い返し、「それは、間違いなく」との返答に、「では、知らなくてもかまいません」と答えた。

正直、フェリはあの男のことすら、忘れていた。それほどに、ジグムントはフェリを満たし、憂いから遠ざけてくれたのだ。

ジグムントは、確かにあの約束を違えずに、守ってくれた。
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