【完結】疎まれ軍師は敵国の紅の獅子に愛されて死す

べあふら

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結実② ※

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ジグムントは、大きく腰を引いて、フェリの奥深くを自身の猛りで突き上げた。

「――――っっっ!!!」

 声にならない喘ぎと共に、フェリは、身体を仰け反らせる。あまりの衝撃にフェリの快感は弾け、二人の間に白濁が散った。

「ひぁっ……あ、あっ……」

 白む視界に呆然とする。はくはくと口を開閉し、悦楽の余韻に浸るフェリは、それでもぎゅっとジグムントにしがみついたまま、決して離れない。

 それが、ジグムントをさらに昂らせる。
 
 フェリの疼きが収まらぬ間に、ジグムントはゆるゆると抽挿を始めた。
 身を捩り、逃れようにも、ジグムントは強くフェリを抱き締めて、離してくれそうもない。

 湿った音と共に、強い快感が、互いを襲う。

 ジグムントは、フェリに深く口づけ、唇を合わせ、舌を差し入れ、絡めるて、啜る。中がきゅうっと収縮し、一層ジグムントを締め付ける。

「あ、ああ、あっ……ジグさま……だめ、だめ…っ」
「何が、駄目だ。これほどに、とろけているのに」

 ジグムントの太く硬い剛直は、フェリの中を余すことなく、擦っていく。快感の中心を繰り返し抉られ、フェリは堪らず、何度も高い嬌声をあげた。

「フェリ、そなたの中は……心地いいな」
「あ、あっ……きもち、いいっ…んっジグさま、あっあ」

 フェリの中は溶けるように熱を持ち、蠢いては、ジグムントを離さないとばかりに、ぎゅうぎゅうと締め付ける。
 締め付けながらも、奥は緩み、さらに奥へとジグムントを迎え入れる。誘われるままに、最奥まで進み、そこを伺うように突いてやる。

「あ、…いい…っ……ジグさまぁ…おく…あっん」

 自分の中が満たされた喜びに、内側から触れられる心地良さに、フェリはただ、身を委ねた。

「ずっと、こうしていたいなぁ。フェリ」
「はいっ……はい……あ、あっ…でも…でもっ」
「でも?」
「あぅっ……あ、ああっ…また、…んんっ」
「ああ。また極まりそうか?」

 フェリはこくこくと、頷き、ジグムントの肩口に顔を擦りつけた。
 深いところからせり上がって来るような大きな昂りを、フェリは必死にこらえていた。

「あ、あぁうぅっ…ジグさまぁ……もう、ああっ…」
「私も、一緒だ」

 甘く荒い吐息と共に、ジグムントはフェリの耳元で囁いた。

 その言葉に、フェリは、身体に充満する快感を逃がすように、はあはあと熱い呼吸を繰り返しながら、ジグムントを見つめた。
 じりじりと焦げ付くような欲を孕んだ瞳も、蒸気した肌も、滲んだ汗も、香る色香も、全てがジグムントの昂りを肯定している。

 ジグムントも良いのだと知って、フェリは一層喜びに満ちて、熱が込み上げてくる。

 視線が合って、お互いの願いが、同じだと知り、その願いのままに引かれ合って、口づけを交わす。互いが互いを貪るように、舌を絡め合い、時に甘く噛んで、どちらのものともわからない唾液を嚥下する。

 口づけて、抱き締められたまま、身体ごと揺さぶられると、一体となった感動がじわじわとフェリの内側から溢れてくる。荒くなった呼吸も、どくどくと脈打つ拍動も、すべてが同じだった。

 孤独から解き放たれ、身体が心が緩む。フェリの全てが、ジグムントによって、慰められ、癒されていく。

 喜びに溢れる涙が止まらず、フェリは何度もジグムントの名前を呼んで、快楽の海に溺れるように達した。
 じわり、と自身の奥の方で広がる温もりに、ジグムントも達したのだと分かる。それが、またフェリに深い感動を与え、幸福感で満たした。

 荒くなった呼吸を整えて、ジグムントはまたフェリに口づけてくれる。今度は、柔らかく、労わるような、そんな優しい口づけだった。

 ふわふわと夢のような心地よさに、フェリの身体がずっしりと重くなる。瞼が自然と降りて目を開けていられないくなる。
 その微睡みに抗うように、ジグムントに縋るフェリの額に張り付いた髪をよけて、ジグムントは指先で汗を拭ってやる。

「眠れ、フェリ」
「しかし……」
「明日も、ある。明後日も……これからずっと、そなたはここに在るのだ」
「ジグ様………っ」
「あまり、泣くな。そなたの泣き顔は、危険だ」
「………危険、とは?……あの、どういう…」

 ジグムントは、くつくつと笑うと、あのいつもの優しい手つきで、フェリの頬を撫でる。
 もう、駄目だった。フェリは、その温もりに頬をすり寄せて、甘く微笑む琥珀色の瞳と、燃えるような紅い髪を視界いっぱいにして、穏やかな微睡みに瞳を閉じ、あっと言う間に深い眠りに落ちた。

 すうすうと、無防備に眠るフェリは、それでもジグムントの胸元を掴み、決して離さない。その姿に、ジグムントは、そこはかとない歓びを感じた。

 もう、二度と、背を向けて一人で丸まり暖を取る必要はない。

「フェリ……私の、光」

 ジグムントはフェリに寄り添って、そして抱きしめたまま、満たされた想いで、ゆっくりと目を閉じた。
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