10 / 43
平穏で波乱な日々④ ※
しおりを挟む
「なぜ……このようなことを、なさるのですか…んっ」
「何故?私が触れたいから、触れている。それだけだ」
それが、どういう意味なのか。フェリには、やっぱり判断できなかった。
辱しめ、というには手つきがあまりに優しい。性奴隷……などとして、わざわざ自分のような者を囲わなくとも、ジグムントならば相手などいくらでもいるだろう。
「嫌では、無いのだろう?」
「あ、…それは…ん、そう、ですが……」
びっしょりと濡れそぼったフェリの花芯を撫でる太い指は、的確にフェリの快感を煽っていく。
「そなたも、触れてくれ」
そう言って、己の屹立したものに、フェリの手を誘った。
初めて見たときは、絶句して、身が竦んだ。数回対面した今でも、おどろおどろしいそれは、何か未知の生物のようで、見るのも触れるのも緊張する。
自分のものとは色調も形状もまるで別の物体は、赤黒くて、太く、浮き出た血管が生々しい。あまりの雄々しさに、恐怖すら感じる程だった。
指を絡め握りこめば、びくりとしなって、鈴口からあふれたものを纏わすように、ゆっくりと動かしていく。フェリの手がより小さく白く見えた。
にちにちと湿った音が響いて、どんどん滑りが良くなって、握る力を強くする。それは脈を打って、さらに大きく力強くなった。
フェリの与える刺激で、ジグムントの息が荒くなり、甘い吐息がフェリの耳を擽る。
まるで、猛獣を手懐けたような、奇妙な征服感がフェリを満たした。
「ああ。フェリ」
名前を呼ばれ、フェリは胸が詰まる。
「共に。いいだろう?」
ジグムントは、フェリを自身を跨ぐように座らせて、腰をぐっと寄せた。フェリのものと自分のものを重ねて、フェリに握らせる。
「はぁ……ジグさまの…あつい…んっ」
大きな手がフェリの手ごと全部を包んで、丁寧な手つきで、快感の場所を的確に刺激していく。
ずくずくと溜まってくる快感に、フェリの手は完全に止まっているのだけど、ジグムントはそのまま一緒に握りこんで、上下に扱いた。
「あ、あぁ……だめ、です……あ、だめっ」
「何が、駄目なのだ?」
「また……さきに、…達して、しまいます……ん、あっ」
フェリは、潤んだ瞳で、じっとジグムントを見つめ、「だって、もう我慢できません」と訴えた。その、いじらしさにジグムントはぐらりと欲望を揺さぶられる。
「かまわぬ」
「あ、…あぁ、あぅ…ジグ、さま…は、あっ!」
フェリの訴えに、ジグムントの手は一層、激しさを増す。フェリの花芯が、硬く脈打つジグムントの猛りに擦れる度に溶けてしまいそうな痺れがフェリを襲う。規則的な律動が快感を押し上げてくる。
ジグムントは、フェリの赤く艶やかな唇を奪い、口内を蹂躙する。舌の裏を擽ってやると、はふはふと喘ぐようにしながらも、必死に応えて、舌を絡めてくる。
「許す。いけ」
短く、耳に吹き込まれ、フェリは一人、果てた。
腰に纏わりつく悦楽に悶えながら、脱力する身体をジグムントにもたれる。
「んぅ…あ、…もうしわけ、ありません」
「何を謝る。達する時のフェリは……格別に艶美だ」
感覚に溺れているときに、どんな表情をしているかなど、フェリは自分自身で全く把握していない。
それをずっと見られていたなんて。信じられないほどの恥ずかしさに、かっと顔が熱を持つ。
「それに、まだ終わりではない」
フェリは寝台に転がされ、うつ伏せに返された。
そして、腰を落ちあげられると、四つん這いになった脚の間から、ぬるりと熱い猛りが差し込まれ、フェリの中心を擦り上げた。
「あぅ…ジグさまっ」
「フェリ。足を閉じよ」
言われるがままに、ぎゅっと足に力を入れる。脚の間で熱いものが擦れて、じんじんと熱が生まれる。
まるで、獣の交尾のような体勢に、肌と肌がぶつかって、渇いた音が部屋に響く。達して萎えていたフェリも、ぐりっと硬いものが強く抉っていくから、再び芯をもって立ち上ってくる。揺さぶられるたびに、ふるふると震えた。
「ふぅ…ん、あ、あ……あぁ、ジグさま…っ」
ジグムントが高まってくるのが、触れる温度から伝わってくる。けれど、フェリの方が、今にも弾けそうだった。押し寄せてくる快感の波を、必死に耐えた。
「ふっあ、もう……また、……あ、あぁ…だめ…だめぇ……っ」
ぐっと、ひときわ強く、弱いところを抉られて、フェリは再び達した。
と、ほぼ同時に剛直が引き抜かれ、フェリの臀部に数回挟むように擦りつけられて。噛み殺したような甘い喘ぎが聞こえて、ぱたぱたと熱い欲が放たれた。フェリの背を白濁が濡らした。
これが、何らかの罠であったら、フェリは完全に、ジグムントの手中にあることになる。
けれど、フェリには、もう既に知ってしまったこの温もりと、快感を拒むことが出来なかった。
駄目だ、と自分を諫めるのに、いざジグムントを前に、こうして触れられると、なし崩し的に許してしまう。
それどころか。フェリはもう、ジグムントが与えてくれる熱を、求めてしまっている。
ジグムントの意図がわからない。それ以上に、自分の気持ちがわからない。
考えて判別できないことを、抱え続けることは、心を疲弊する。
だから、フェリは愛玩動物として、この紅い獅子に愛でられているのだ。と、そんな風に、思うことにした。フェリには、それすらも、自惚れているように感じるのだけど。
「何故?私が触れたいから、触れている。それだけだ」
それが、どういう意味なのか。フェリには、やっぱり判断できなかった。
辱しめ、というには手つきがあまりに優しい。性奴隷……などとして、わざわざ自分のような者を囲わなくとも、ジグムントならば相手などいくらでもいるだろう。
「嫌では、無いのだろう?」
「あ、…それは…ん、そう、ですが……」
びっしょりと濡れそぼったフェリの花芯を撫でる太い指は、的確にフェリの快感を煽っていく。
「そなたも、触れてくれ」
そう言って、己の屹立したものに、フェリの手を誘った。
初めて見たときは、絶句して、身が竦んだ。数回対面した今でも、おどろおどろしいそれは、何か未知の生物のようで、見るのも触れるのも緊張する。
自分のものとは色調も形状もまるで別の物体は、赤黒くて、太く、浮き出た血管が生々しい。あまりの雄々しさに、恐怖すら感じる程だった。
指を絡め握りこめば、びくりとしなって、鈴口からあふれたものを纏わすように、ゆっくりと動かしていく。フェリの手がより小さく白く見えた。
にちにちと湿った音が響いて、どんどん滑りが良くなって、握る力を強くする。それは脈を打って、さらに大きく力強くなった。
フェリの与える刺激で、ジグムントの息が荒くなり、甘い吐息がフェリの耳を擽る。
まるで、猛獣を手懐けたような、奇妙な征服感がフェリを満たした。
「ああ。フェリ」
名前を呼ばれ、フェリは胸が詰まる。
「共に。いいだろう?」
ジグムントは、フェリを自身を跨ぐように座らせて、腰をぐっと寄せた。フェリのものと自分のものを重ねて、フェリに握らせる。
「はぁ……ジグさまの…あつい…んっ」
大きな手がフェリの手ごと全部を包んで、丁寧な手つきで、快感の場所を的確に刺激していく。
ずくずくと溜まってくる快感に、フェリの手は完全に止まっているのだけど、ジグムントはそのまま一緒に握りこんで、上下に扱いた。
「あ、あぁ……だめ、です……あ、だめっ」
「何が、駄目なのだ?」
「また……さきに、…達して、しまいます……ん、あっ」
フェリは、潤んだ瞳で、じっとジグムントを見つめ、「だって、もう我慢できません」と訴えた。その、いじらしさにジグムントはぐらりと欲望を揺さぶられる。
「かまわぬ」
「あ、…あぁ、あぅ…ジグ、さま…は、あっ!」
フェリの訴えに、ジグムントの手は一層、激しさを増す。フェリの花芯が、硬く脈打つジグムントの猛りに擦れる度に溶けてしまいそうな痺れがフェリを襲う。規則的な律動が快感を押し上げてくる。
ジグムントは、フェリの赤く艶やかな唇を奪い、口内を蹂躙する。舌の裏を擽ってやると、はふはふと喘ぐようにしながらも、必死に応えて、舌を絡めてくる。
「許す。いけ」
短く、耳に吹き込まれ、フェリは一人、果てた。
腰に纏わりつく悦楽に悶えながら、脱力する身体をジグムントにもたれる。
「んぅ…あ、…もうしわけ、ありません」
「何を謝る。達する時のフェリは……格別に艶美だ」
感覚に溺れているときに、どんな表情をしているかなど、フェリは自分自身で全く把握していない。
それをずっと見られていたなんて。信じられないほどの恥ずかしさに、かっと顔が熱を持つ。
「それに、まだ終わりではない」
フェリは寝台に転がされ、うつ伏せに返された。
そして、腰を落ちあげられると、四つん這いになった脚の間から、ぬるりと熱い猛りが差し込まれ、フェリの中心を擦り上げた。
「あぅ…ジグさまっ」
「フェリ。足を閉じよ」
言われるがままに、ぎゅっと足に力を入れる。脚の間で熱いものが擦れて、じんじんと熱が生まれる。
まるで、獣の交尾のような体勢に、肌と肌がぶつかって、渇いた音が部屋に響く。達して萎えていたフェリも、ぐりっと硬いものが強く抉っていくから、再び芯をもって立ち上ってくる。揺さぶられるたびに、ふるふると震えた。
「ふぅ…ん、あ、あ……あぁ、ジグさま…っ」
ジグムントが高まってくるのが、触れる温度から伝わってくる。けれど、フェリの方が、今にも弾けそうだった。押し寄せてくる快感の波を、必死に耐えた。
「ふっあ、もう……また、……あ、あぁ…だめ…だめぇ……っ」
ぐっと、ひときわ強く、弱いところを抉られて、フェリは再び達した。
と、ほぼ同時に剛直が引き抜かれ、フェリの臀部に数回挟むように擦りつけられて。噛み殺したような甘い喘ぎが聞こえて、ぱたぱたと熱い欲が放たれた。フェリの背を白濁が濡らした。
これが、何らかの罠であったら、フェリは完全に、ジグムントの手中にあることになる。
けれど、フェリには、もう既に知ってしまったこの温もりと、快感を拒むことが出来なかった。
駄目だ、と自分を諫めるのに、いざジグムントを前に、こうして触れられると、なし崩し的に許してしまう。
それどころか。フェリはもう、ジグムントが与えてくれる熱を、求めてしまっている。
ジグムントの意図がわからない。それ以上に、自分の気持ちがわからない。
考えて判別できないことを、抱え続けることは、心を疲弊する。
だから、フェリは愛玩動物として、この紅い獅子に愛でられているのだ。と、そんな風に、思うことにした。フェリには、それすらも、自惚れているように感じるのだけど。
59
お気に入りに追加
878
あなたにおすすめの小説
【完結】ワンコ系オメガの花嫁修行
古井重箱
BL
【あらすじ】アズリール(16)は、オメガ専用の花嫁学校に通うことになった。花嫁学校の教えは、「オメガはアルファに心を開くなかれ」「閨事では主導権を握るべし」といったもの。要するに、ツンデレがオメガの理想とされている。そんな折、アズリールは王太子レヴィウス(19)に恋をしてしまう。好きな人の前ではデレデレのワンコになり、好き好きオーラを放ってしまうアズリール。果たして、アズリールはツンデレオメガになれるのだろうか。そして王太子との恋の行方は——?【注記】インテリマッチョなアルファ王太子×ワンコ系オメガ。R18シーンには*をつけます。ムーンライトノベルズとアルファポリスに掲載中です。
侯爵様の愛人ですが、その息子にも愛されてます
muku
BL
魔術師フィアリスは、地底の迷宮から湧き続ける魔物を倒す使命を担っているリトスロード侯爵家に雇われている。
仕事は魔物の駆除と、侯爵家三男エヴァンの家庭教師。
成人したエヴァンから突然恋心を告げられたフィアリスは、大いに戸惑うことになる。
何故ならフィアリスは、エヴァンの父とただならぬ関係にあったのだった。
汚れた自分には愛される価値がないと思いこむ美しい魔術師の青年と、そんな師を一心に愛し続ける弟子の物語。
愛しの妻は黒の魔王!?
ごいち
BL
「グレウスよ、我が弟を妻として娶るがいい」
――ある日、平民出身の近衛騎士グレウスは皇帝に呼び出されて、皇弟オルガを妻とするよう命じられる。
皇弟オルガはゾッとするような美貌の持ち主で、貴族の間では『黒の魔王』と怖れられている人物だ。
身分違いの政略結婚に絶望したグレウスだが、いざ結婚してみるとオルガは見事なデレ寄りのツンデレで、しかもその正体は…。
魔法の国アスファロスで、熊のようなマッチョ騎士とツンデレな『魔王』がイチャイチャしたり無双したりするお話です。
表紙は豚子さん(https://twitter.com/M_buibui)に描いていただきました。ありがとうございます!
11/28番外編2本と、終話『なべて世は事もなし』に挿絵をいただいております! ありがとうございます!
平民男子と騎士団長の行く末
きわ
BL
平民のエリオットは貴族で騎士団長でもあるジェラルドと体だけの関係を持っていた。
ある日ジェラルドの見合い話を聞き、彼のためにも離れたほうがいいと決意する。
好きだという気持ちを隠したまま。
過去の出来事から貴族などの権力者が実は嫌いなエリオットと、エリオットのことが好きすぎて表からでは分からないように手を回す隠れ執着ジェラルドのお話です。
第十一回BL大賞参加作品です。
大嫌いだったアイツの子なんか絶対に身籠りません!
みづき
BL
国王の妾の子として、宮廷の片隅で母親とひっそりと暮らしていたユズハ。宮廷ではオメガの子だからと『下層の子』と蔑まれ、次期国王の子であるアサギからはしょっちゅういたずらをされていて、ユズハは大嫌いだった。
そんなある日、国王交代のタイミングで宮廷を追い出されたユズハ。娼館のスタッフとして働いていたが、十八歳になり、男娼となる。
初めての夜、客として現れたのは、幼い頃大嫌いだったアサギ、しかも「俺の子を孕め」なんて言ってきて――絶対に嫌! と思うユズハだが……
架空の近未来世界を舞台にした、再会から始まるオメガバースです。
今夜のご飯も一緒に食べよう~ある日突然やってきたヒゲの熊男はまさかのスパダリでした~
松本尚生
BL
瞬は失恋して職と住み処を失い、小さなワンルームから弁当屋のバイトに通っている。
ある日瞬が帰ると、「誠~~~!」と背後からヒゲの熊男が襲いかかる。「誠って誰!?」上がりこんだ熊は大量の食材を持っていた。瞬は困り果てながら調理する。瞬が「『誠さん』って恋人?」と尋ねると、彼はふふっと笑って瞬を抱きしめ――。
恋なんてコリゴリの瞬と、正体不明のスパダリ熊男=伸幸のお部屋グルメの顛末。
伸幸の持ちこむ謎の食材と、それらをテキパキとさばいていく瞬のかけ合いもお楽しみください。
獅子王と後宮の白虎
三国華子
BL
#2020男子後宮BL 参加作品
間違えて獅子王のハーレムに入ってしまった白虎のお話です。
オメガバースです。
受けがゴリマッチョから細マッチョに変化します。
ムーンライトノベルズ様にて先行公開しております。
【完結】あなたの恋人(Ω)になれますか?〜後天性オメガの僕〜
MEIKO
BL
この世界には3つの性がある。アルファ、ベータ、オメガ。その中でもオメガは希少な存在で。そのオメガで更に希少なのは┉僕、後天性オメガだ。ある瞬間、僕は恋をした!その人はアルファでオメガに対して強い拒否感を抱いている┉そんな人だった。もちろん僕をあなたの恋人(Ω)になんてしてくれませんよね?
前作「あなたの妻(Ω)辞めます!」スピンオフ作品です。こちら単独でも内容的には大丈夫です。でも両方読む方がより楽しんでいただけると思いますので、未読の方はそちらも読んでいただけると嬉しいです!
後天性オメガの平凡受け✕心に傷ありアルファの恋愛
※独自のオメガバース設定有り
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる