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《第4章》―傷つけるつもりなんてない…。ただ…お前と…キスしたい…―
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「あっ…あぁぁぁぁ…!!」
ヒクッと桂が体を撓らせて、亮の手の中に今夜何度目かの吐精をする。
鈴口を喘がせてチロチロと零す熱い蜜を愛しげに指で掬いながら、亮はその蜜を口に含んだ。
激しい絶頂で落ち着かずに収縮を繰り返す桂の蕾の刺激にたまらず亮も抜き差しするスピードを上げ始めた。
ギリギリまで引きぬく度に、熱く潤んだ桂の襞が亮のペニスに絡みつく。最奥を激しく打ちつける度に桂の中が淫猥に蠕動した。
もう達する事も出来ずに、桂は亮の激しい律動に快感だけを受けいれながら熱い喘ぎを上げつづける。桂の嬌声を聞きながら、亮は自分も激しく桂の中に熱い飛沫を放っていた。
はぁはぁと荒い呼吸を繰り返しながら、亮はグッタリと桂の胸の中に体を沈めた。弄ったせいで紅くプクッと勃っている桂の胸の果実に誘われるように、それを唇に含んで舌先で転がしながら吸い上げていく。
「…ん…」
切なそうな吐息を零して桂が亮の体を抱きしめる。その腕の強さが嬉しくて、亮は飽かずに桂の乳首に愛撫を執拗に施しつづけた。
…そう…健志からの電話さえなければ…。
乳首の甘い硬さに夢中になって舌先で転がしながら、亮は恋人からの…電話を思い出す。
…あの電話さえなければ…もっと…桂は俺に心を開いてくれたかもしれないのに…。
留守電に健志がメッセージを吹き込むなんて思わなかった。思いもよらない…誤算だった。
あの瞬間まで、桂は絶対に俺のものだった…。
最初、健志の声が流れてきた時一体何が起こっているのか、亮はわからなかった。桂の方が素早くて、パッと亮の胸の中から飛び出すと、呆けたままの亮に早く電話に出るよう促したのだ。
『俺…煙草吸ってくるから…。ゆっくり話して…。久し振りなんだろ…。』
全てを悟ったような、穏やかな笑みを浮かべてそう告げた桂。
多分…俺の為にそう言った…。
煙草なんか吸えやしないのに…。
自分がいちゃいけない…そう思ったんだ…。
俺と健志の邪魔をしちゃいけない…と…。
いつの間にか、桂は意識を失ったのか眠り始めていた。
亮は胸への愛撫を止めると、静かに体を起こして桂の顔を眺める。そっと汗ばんだ額にくちづける。
桂は、俺が健志と話していても平気なんだろうか?
どうして…電話に出るなって…言わないんだろう?それとも俺と健志の関係に興味は無いのか…?
いや…違う…。
そこまで考えて亮はその考えを否定した。
桂は絶対…俺に惚れている筈。だったらどうして健志に嫉妬しない?普通するだろ…。
え…?…俺は…桂に嫉妬して欲しいのか…?
亮はそっと繋がりを解くと、桂の体を胸の中に抱きしめる。フッと自分たちの始まりを思い出した。
自分が桂に突き付けた虫の良い要求。
―もっと軽く考えて欲しいんだ—
―お互い軽いノリの恋愛を楽しむ。ドライでライトな関係。都会的でお洒落じゃない?—
それを聞いて桂は傷ついたような瞳で返した。
―良く分かりました。ようはセックスフレンドって事ですよね—
セックス・フレンドって言う言葉が嫌で…俺は色々へ理屈を並べた。
でも…そうなんだ…。
亮は気付く。
亮は桂の瞼にもう一度キスをする。桂が擽ったそうに無意識に顔を捩った。
自分に、健志という恋人がいる以上…いくら格好つけた事をいくら言ってみても…桂は俺のセックス・フレンド…なんだ。
その事実に亮はギョッとした。
だから、桂は自分と距離を置くし、キスもしない、マンションの場所も教えない…そして嫉妬もしない。
―期間は10ヶ月。割り切った大人の関係。そして愛情は抜き。そうですよね—
…そう…愛情は抜き…俺はそう言った。
―貴方の愛は健志さんのモノだから…俺の愛ももちろん俺が愛する人のモノって事ですよね—
…そう…俺の愛情は健志のモノ…。
―俺達は愛情抜きの関係。心は自由。
ということは貴方と健志さんの間で存在する、束縛や嫉妬心は当然無いって事ですよね。ドライでライトな関係…ですよね—
…そう…。ドライでライトで軽い恋愛…。束縛も嫉妬も俺と桂の間には存在しない…。
自分たちの関係を整理したい…桂はそう言ってこの言葉を並べた。
そして…あの時は自分もその通りだと思っていた。お遊びだから…恋人ごっこだから…セックス・フレンドだから…。
亮は、苛立たしげに髪の毛を掻き毟った。自分がどういう状況に陥り始めているのかが朧気ながら理解できたのだ。
桂は何も悪くない…。俺が望んだ通りに振舞っている…。悪いのは俺だ…俺なんだ…。
亮は桂をもう一度強く抱きしめる。
悪いのは俺なんだ…。俺の方が契約を守れていないのかもしれない…。
でも、俺はどうすれば良いんだ?俺は桂とどうなりたいんだ…?
亮は、混乱したまま桂を見つめ続けた。セックス・フレンド…割り切れていない自分に気付いて亮は愕然としていた。
ヒクッと桂が体を撓らせて、亮の手の中に今夜何度目かの吐精をする。
鈴口を喘がせてチロチロと零す熱い蜜を愛しげに指で掬いながら、亮はその蜜を口に含んだ。
激しい絶頂で落ち着かずに収縮を繰り返す桂の蕾の刺激にたまらず亮も抜き差しするスピードを上げ始めた。
ギリギリまで引きぬく度に、熱く潤んだ桂の襞が亮のペニスに絡みつく。最奥を激しく打ちつける度に桂の中が淫猥に蠕動した。
もう達する事も出来ずに、桂は亮の激しい律動に快感だけを受けいれながら熱い喘ぎを上げつづける。桂の嬌声を聞きながら、亮は自分も激しく桂の中に熱い飛沫を放っていた。
はぁはぁと荒い呼吸を繰り返しながら、亮はグッタリと桂の胸の中に体を沈めた。弄ったせいで紅くプクッと勃っている桂の胸の果実に誘われるように、それを唇に含んで舌先で転がしながら吸い上げていく。
「…ん…」
切なそうな吐息を零して桂が亮の体を抱きしめる。その腕の強さが嬉しくて、亮は飽かずに桂の乳首に愛撫を執拗に施しつづけた。
…そう…健志からの電話さえなければ…。
乳首の甘い硬さに夢中になって舌先で転がしながら、亮は恋人からの…電話を思い出す。
…あの電話さえなければ…もっと…桂は俺に心を開いてくれたかもしれないのに…。
留守電に健志がメッセージを吹き込むなんて思わなかった。思いもよらない…誤算だった。
あの瞬間まで、桂は絶対に俺のものだった…。
最初、健志の声が流れてきた時一体何が起こっているのか、亮はわからなかった。桂の方が素早くて、パッと亮の胸の中から飛び出すと、呆けたままの亮に早く電話に出るよう促したのだ。
『俺…煙草吸ってくるから…。ゆっくり話して…。久し振りなんだろ…。』
全てを悟ったような、穏やかな笑みを浮かべてそう告げた桂。
多分…俺の為にそう言った…。
煙草なんか吸えやしないのに…。
自分がいちゃいけない…そう思ったんだ…。
俺と健志の邪魔をしちゃいけない…と…。
いつの間にか、桂は意識を失ったのか眠り始めていた。
亮は胸への愛撫を止めると、静かに体を起こして桂の顔を眺める。そっと汗ばんだ額にくちづける。
桂は、俺が健志と話していても平気なんだろうか?
どうして…電話に出るなって…言わないんだろう?それとも俺と健志の関係に興味は無いのか…?
いや…違う…。
そこまで考えて亮はその考えを否定した。
桂は絶対…俺に惚れている筈。だったらどうして健志に嫉妬しない?普通するだろ…。
え…?…俺は…桂に嫉妬して欲しいのか…?
亮はそっと繋がりを解くと、桂の体を胸の中に抱きしめる。フッと自分たちの始まりを思い出した。
自分が桂に突き付けた虫の良い要求。
―もっと軽く考えて欲しいんだ—
―お互い軽いノリの恋愛を楽しむ。ドライでライトな関係。都会的でお洒落じゃない?—
それを聞いて桂は傷ついたような瞳で返した。
―良く分かりました。ようはセックスフレンドって事ですよね—
セックス・フレンドって言う言葉が嫌で…俺は色々へ理屈を並べた。
でも…そうなんだ…。
亮は気付く。
亮は桂の瞼にもう一度キスをする。桂が擽ったそうに無意識に顔を捩った。
自分に、健志という恋人がいる以上…いくら格好つけた事をいくら言ってみても…桂は俺のセックス・フレンド…なんだ。
その事実に亮はギョッとした。
だから、桂は自分と距離を置くし、キスもしない、マンションの場所も教えない…そして嫉妬もしない。
―期間は10ヶ月。割り切った大人の関係。そして愛情は抜き。そうですよね—
…そう…愛情は抜き…俺はそう言った。
―貴方の愛は健志さんのモノだから…俺の愛ももちろん俺が愛する人のモノって事ですよね—
…そう…俺の愛情は健志のモノ…。
―俺達は愛情抜きの関係。心は自由。
ということは貴方と健志さんの間で存在する、束縛や嫉妬心は当然無いって事ですよね。ドライでライトな関係…ですよね—
…そう…。ドライでライトで軽い恋愛…。束縛も嫉妬も俺と桂の間には存在しない…。
自分たちの関係を整理したい…桂はそう言ってこの言葉を並べた。
そして…あの時は自分もその通りだと思っていた。お遊びだから…恋人ごっこだから…セックス・フレンドだから…。
亮は、苛立たしげに髪の毛を掻き毟った。自分がどういう状況に陥り始めているのかが朧気ながら理解できたのだ。
桂は何も悪くない…。俺が望んだ通りに振舞っている…。悪いのは俺だ…俺なんだ…。
亮は桂をもう一度強く抱きしめる。
悪いのは俺なんだ…。俺の方が契約を守れていないのかもしれない…。
でも、俺はどうすれば良いんだ?俺は桂とどうなりたいんだ…?
亮は、混乱したまま桂を見つめ続けた。セックス・フレンド…割り切れていない自分に気付いて亮は愕然としていた。
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