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《第1章》 ―お遊び…それは分かってる…でも俺は「ごっこ」をしたかったのか?―
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そう、お遊び…。
健志がいないから他の奴と遊ぶ…。
健志が出発して、すぐウキウキする様に相手を物色した。
真っ先に思い浮かんだのが…桂だった。健志と良く飲みに行くショット・バーの常連。
自分が行くたび、ジッと俺を見つめていた…。
多分、あいつ俺に惚れているな…有りがちな視線で、そう思っていた。
だったら、手っ取り早い。確実に手に入る相手の方が楽だ…。それにアライグマみたいで可愛い。
健志とは違った意味で好みのタイプだった…。
最初こそ、戸惑ったような様子の桂だったが、慣れたのか自分とのデートを楽しんでいるように見える。
そう…桂は最高だった…。予想以上に…。
家庭的で、料理上手。桂と過ごす時間はやけに甘やかされて居心地が良かった。…何の不満も無いはず…そう…絶対に…。
―期間は10ヶ月。割り切った大人の関係。そして愛情は抜き。そうですよね―
―貴方の愛は健志さんのモノだから…俺の愛ももちろん俺が愛する人のモノって事ですよね―
―俺達は愛情抜きの関係。心は自由。ということは貴方と健志さんの間で存在する、束縛や嫉妬心は当然無いって事ですよね。ドライでライトな関係…ですよね―
最近、やけにはじめてのデートの時、桂が念を押すように言った言葉が繰り返し脳裏を過ぎる。
桂の言葉は一々ごもっともで、自分が望んだ通り…それでも…心に引っかかった。
あの時、少し哀しそうな瞳の色で桂が自分を見つめたことが思い出されて、亮は今になってなぜか胸が痛むような気がしていた。
何かが、胸に棘のように刺さっていて、ささくれ立つような痛みを教える。でもその棘の原因が何なのか今の亮には一向に分からなかった。
健志がいないから他の奴と遊ぶ…。
健志が出発して、すぐウキウキする様に相手を物色した。
真っ先に思い浮かんだのが…桂だった。健志と良く飲みに行くショット・バーの常連。
自分が行くたび、ジッと俺を見つめていた…。
多分、あいつ俺に惚れているな…有りがちな視線で、そう思っていた。
だったら、手っ取り早い。確実に手に入る相手の方が楽だ…。それにアライグマみたいで可愛い。
健志とは違った意味で好みのタイプだった…。
最初こそ、戸惑ったような様子の桂だったが、慣れたのか自分とのデートを楽しんでいるように見える。
そう…桂は最高だった…。予想以上に…。
家庭的で、料理上手。桂と過ごす時間はやけに甘やかされて居心地が良かった。…何の不満も無いはず…そう…絶対に…。
―期間は10ヶ月。割り切った大人の関係。そして愛情は抜き。そうですよね―
―貴方の愛は健志さんのモノだから…俺の愛ももちろん俺が愛する人のモノって事ですよね―
―俺達は愛情抜きの関係。心は自由。ということは貴方と健志さんの間で存在する、束縛や嫉妬心は当然無いって事ですよね。ドライでライトな関係…ですよね―
最近、やけにはじめてのデートの時、桂が念を押すように言った言葉が繰り返し脳裏を過ぎる。
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あの時、少し哀しそうな瞳の色で桂が自分を見つめたことが思い出されて、亮は今になってなぜか胸が痛むような気がしていた。
何かが、胸に棘のように刺さっていて、ささくれ立つような痛みを教える。でもその棘の原因が何なのか今の亮には一向に分からなかった。
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