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4.開発者の男
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帰宅して早々、スーツも脱がずに会社PCにリモート接続し、夢見産業の契約書類をPDFにまとめあげ、成果としてメールで部長に報告、成果物フォルダに格納する。
成果物フォルダは個人毎に分かれており、自分自身と上司しか中身の参照権限がなく、基本的には他の者の成果を見ることはできない。ただしフォルダに格納された中身のサイズは誰にでも見ることができた。
サイズ順にフォルダをソートする。一番上に斎藤、一番下が一ノ瀬であった。一つ上のフォルダでさえも一ノ瀬の倍のサイズがある。契約内容は何であれ契約数でいったらまだ一番下なのだ。
一ノ瀬が爪を噛みながら、その画面を見ていると画面の裏の壁の向こうから、ガサゴソと物音が聞こえてきた。
急いでイヤホンを探すがイヤホンを見つけるより前に壁の向こうから、女のいやらしげな声が聞こえてきた。木村のマンションを思い出すと惨めな気分になってくる。
わざとらしく大きな声で咳払いをする。ピタッと一瞬だけ声がとまり、それからゲラゲラと大きな笑い声が返ってきた。殺す……。一ノ瀬は今日は契約のとれた勢いでなんでも出来そうだった。立ち上がり、壁を強く蹴りあげた。
ビキッという立ててはいけない音を立て、壁が大きくしなった。幸い穴は空いていないが、若干の凹みができてしまった。一ノ瀬は背中にダラダラと汗が流れるのを感じた。敷金が返ってこなくなる上に修繕費を請求されたら、払える自信がない。
凹んだ壁の前に立ち尽くしていると、何者かが部屋のドアを激しく叩いた。魂が抜けたようにふらふらとドアの方へ向かう。薄いドアは叩かれる度にゆがみ、ドアと框の間に隙間を作っていた。
ドアを開くと、もじゃもじゃとしたパーマの男が立っていた。ラフな黄色のジャージ姿にサンダルを履き、縁の太い眼鏡をかけている。
男は最初、目を見開き歯をむき出しにして何かを言おうとしていたが、一ノ瀬と目が合うとじょじょに惚けた顔に変わっていった。
「なんですか?」
「…………」
男は黙ったままぼーっと一ノ瀬を見ている。
「どうせ隣の人でしょ。あんたらうるせーんですよ、夜な夜な。ホテルでやってください。おかげで俺はまた金が無くなった。」
男が何も言わないので、ドアを閉めようとするとサンダルばきの足がドアの隙間に突っ込まれた。ぎょっとした一ノ瀬はさらにもう一度強くドアを閉めたが、男は無理やり部屋に入ってくるなり、一ノ瀬の手を両手で握って撫で始めた。こんなに湿った手は初めてだ。
「あんた、うちの商品のモニターやってくれんか?」
「なんですか、いきなり。警察呼びますよ。」
「いやいやいや、悪いようにはせんから、ちょっとうちの部屋覗いてくれ」
「嫌ですよ、きもちわ」
「金払うから」
「……いくら?」
「1万円」
一ノ瀬は男の手を振り払い、部屋の外に押し出すとドアの鍵を閉めた。
「俺はそんなに安い男じゃありません。」
ドアの向こうにまだ男がいる気配がした。
◆
会社に顔を出さず、リモートで勤務記録をつけていると会社用の電話が鳴った。部長だ。
今まで部長から直接電話がかかってきたことなどなかった。出社して顔を合わせるたびにねちねちと嫌味を言われ唾を吐きかけられてきたが。
「はい。一ノ瀬です。」
「お前、全然会議に出てこないじゃないか、何してるんだ?」
そもそも会社にほとんど行っていないことにさえ気が付いていないらしい。
「申し訳ございません。新規に契約がとれそうなものでしたので、そちらに集中しておりました。」
「夢見産業の件見たぞ。お前にしては大物契約じゃないか。」
「……ほめてるんですか?」
「ほめてなどいない。とにかく連続した会議の無断欠席は問題だ。時間が空いたなら顔を出せ。」
「……了解しました。それでは失礼いたします。」
一ノ瀬は携帯を閉じ、ここだけは好い会社だなと思った。
前職では自分がいてもいなくてもいいような会議にも無理やり出席させられ、意見を求められた。意見などないし、女上司のねばつくような視線が気持ちが悪く、そのせいで当時付き合っていた彼女からはののしられ、会議の場は険悪な空気に満ち溢れていた。男の同僚のほどんどから嫌われていた。それも直接何か言われるでもされるでもなく、とにかく一ノ瀬を避け、遠まきにするのである。
インターホンが鳴る。寝間着姿のままドアを開けるとスーツを着、縁の一部が黄色の派手なメガネを着た男が立っていた。パーマのかかった髪がうしろになでつけられ、ひとつに後ろで束ねられている。広告代理店のクリエイティブ職みたいななりの人間が、このようなボロアパートに来る理由がわからなかった。
「どなたですか?」
「兄ちゃん。俺よ俺、この前の。」
一ノ瀬は目を細めて男を頭からつま先まで眺め、首を傾げた。
「はぁ~そないなラフな格好でもいい男やわ、たまらんなぁ~」
男はドアの隙間に勢いよく足を入れ、中に押し入ってきた。そのしぐさはこの前の男と全く同じだった。
一ノ瀬は目を見張って男を見据えた。不潔な雰囲気は消えたが胡散臭さが倍加している。
「ちょっと、何ですかアンタ。不法侵入ですよ!」
「こんなクソボロアパートに不法侵入も何もあるかい!いいから話だけでも聞いてくれや。」
男は猫なで声でそういうと後ろ手にドアを閉めてしまう。それからずかずかと散らかった部屋にあがりこみ、ローテーブルの脇にドカッと割った。テーブル上にはインスタント食品のごみが散乱していた。
男はそれをみるやいなやため息をついた。
「もっといい物食べぇよ。せっかく天性の面してんのに、こんなん食ってたら早々に劣化するで、劣化。」
「……」
一ノ瀬は男の勢いに押され、ローテーブルをはさんだ反対側に座った。男は目の前に座った一ノ瀬をにやりと一瞥すると懐から黄色の名刺ケースを取り出した。一ノ瀬の会社であれば絶対にありえない色味の名刺入れだ。
「こういうものです。よろしくな。」
男は名刺を机上に置き、人差し指をのせて名刺を一ノ瀬のほうにスライドさせた。
株式会社TNI
製品開発部長 長谷部修
「株式会社TNI……?」
「せや、まあ知らんかもしれんが、絶対兄ちゃんもお世話になったことあるよ~」
一ノ瀬は長谷部の会社説明の言葉を聞き流しながら、脳内で会社のデータベースを思い出していた。
詳細は覚えていないが、たしか急成長中のベンチャーとして有力株として見られている会社であった。しかも、まだ誰も手を付けていないレア企業だ。
「ほら、こんなもん見たことあるやろ」
どんっと大きな音がして机の上に紫色のグロテスクな物体がそびえたっていた。クリアカラーのそれは表面に凹凸のデコレートされたバイブレーターである。
「は」
一ノ瀬があからさまにひいているのも気にせず男は鞄をひっくりかえし、色とりどり淫具をテーブルに並べ、まくしたてるように話し続ける。
「これ開発してんのが、俺や。すごいやろ~。AVの会社も積極的にうちの商品つかってくれとるから、兄ちゃんも絶対一回は見とるで。そんでな、最近男向けのも開発しろと上がうるさくてかなわんのや。」
男はきらきらとした視線を自らが開発した商品から一ノ瀬の方に向けた。
「ええか兄ちゃん、こういうもんつくるにはインスピレーションが大事なんや。俺は女が大好きやから一年中そのことばっかり考えて製品を次から次へと企画、開発してきた、天才じゃ。開発したもんは全部俺の女に試して、満足させてきた。しかし男は抜けん。そういう趣味はない。だから何を言われようが無理やと思ってたが、あんたを見たら世界がぐわあ~と、こう、広がる感じがしたんや……」
「……」
長谷部はあたまをぐしゃぐしゃとかきむしってから、一ノ瀬のほうに勢いよくてをのばしてきた。
長谷部の湿った手が強く一ノ瀬の両手を握る。それから淫具を押しのけ、顔を近づけてきた。
「頼むよ、うちの会社が男向けに進出したら天下獲れるで。それにはアンタの力が必要なんや。悪いようにはせん、協力してくれたらこんなボロアパートから普通のマンションに住めるくらいの金は払ってやる。もっと欲しいなら言ってみい、ある程度の金額なら会社から開発費として経費で落としたるぞ。」
一ノ瀬は長谷部の勢いに飲まれていたが、姿勢を正しゆっくりと彼の手をはがした。呼吸を整える。
「協力って、具体的になにをすればいいんですか。それ次第です。」
男は顔を近づけままの姿勢を崩さず、目と鼻の先で口を開いた。見た目と裏腹にミントの清潔な香りがした。
「まず、俺の前でアンタの身体を隅から隅まで見せてくれ。キンタマの裏からケツの穴まで全部や。それから、俺が定期的に持ってくる新開発商品を俺の目の前で試して感想を言ってくれ。視線が気になるんだったらビデオで送ってくれてもええが、できれば目の前でやってるところ生で見せてほしい。その方が報酬もガシガシ弾むで。」
男は熱い調子で語り続ける。一ノ瀬は口元に手をあて、長谷部の条件を真面目に聞き始めていた。
淫具のひとつに手を伸ばし、子細に素材を観察する。長谷部はひとつひとつの淫具について熱い説明を繰り返し、開発者としてどこに以下にこだわったかを細かく早口で説明してくる。
一ノ瀬は、淫具を生産するために必要な素材と四角商事の取り扱う製品の一覧を頭の中で当てはめていく。
「わかりました。」
長谷部の言葉を遮るようにきっぱりとした口調でそう言い、一ノ瀬はPCの周りにに散乱したゴミ山の中から、革製のブランド物の黒い名刺入れを取り出した。元カノが贈ってくれたもので、何度も捨てようと思ったが新しく名刺入れを買うのも面倒くさく、使い続けていた。
「私はこういうものです。」
四角商事
総合事業本部 第二営業部 一ノ瀬 リョウ
長谷部は名刺を受け取ると、名刺と一ノ瀬の顔を何度も往復させ、大きくため息をついた。
「馬鹿いうなや、あんたなんでこんなとこ住んでるん?変人なんか?俺よか給料よほどええやろう」
変人はアンタの方だろうという言葉が口先まででかかるが、黙って会社から支給されているipadを机の上に出した。
それからゴム素材やプラスチック素材の一覧を画面に表示させる。
「長谷部さん、うちの会社の素材使ってくれるなら、考えてもいいいですよ。今契約している会社からウチに乗り換えてください。できる限り全部。製品には自信があります。」
長谷部は真面目な顔つきになり、表示された画面の中の製品を見始めた。一ノ瀬はその間に会社のPCから会社のデータベースに接続し、改めてTINの情報を確認した。
「御社の契約先を確認しましたが、大した会社じゃないですね。むしろうちと契約できてありがたいくらいじゃないですか?どうです?」
「……ほお~、兄ちゃんすごいねぇ、商人の鏡やん。」
長谷部はipadから顔を上げると一ノ瀬の顔をじっと見据えた。
「ちょっと社長に話してみるわ。俺はあんまりこの辺のこと知らんからな。おいそれ"はい"とは言えんのや。」
「詳細な資料と契約書は名刺の住所とメールアドレス宛に送っておきますから、ぜひお願いします。」
長谷部は机の上に散らかった淫具をそのままに鞄を持つ。それからゆっくりと立ち上がり、一ノ瀬を見下げた。
「一応確認しておくが、ここに社長のサイン入った契約書持ってきたら、アンタは条件を飲むんやな?」
「はい、もちろんでございます。」
一ノ瀬は笑顔で長谷部を見上げた。今度は長谷部が逆に一ノ瀬を胡散臭そうな顔で見るばんであった。
「約束やからな。アンタわかっとるやろうな、これは10万、100万の話やないで。やっぱりできませんじゃ済まんのやぞ。俺にどんなこと指示されようが、黙って言うこと聞けるんやな?」
笑顔のままうなずく。
「あ、ただ、記録に残るものはやめてください。これはあくまで匿名で。流出して弊社の商業イメージが壊れると大変困りますので…」
長谷部は噴き出したように笑うと「アンタ面白いな」といい、散らばった淫具のほうに向かって手を広げた。
「これはアンタにやるから、今度来るまでにうちの製品研究でもしとけや。もっといい商品売り込めるチャンスかもしれんしなあ。まあ、期待してまっといてくれや。社長と俺は共同経営者みたいなもんやから、多分通るで。」
「宜しくお願いします。」
長谷部は一ノ瀬がいままでないほど可愛らしい笑顔を見せているの見て、なにか身体の奥にむずがゆさを感じた。もし一ノ瀬が女であればここで一発キめて帰るところだと思いながら、ボロアパートのドアを蹴破るようにして外に出た。勃起していた。
長谷部が出ていった部屋の中で一ノ瀬はうずくまり、ガッツポーズをする。
「これは、イケた……!絶対イケた。」
それからPCの方に向き直り、再びフォルダ一覧を眺めた。見ていろよ斎藤、お前と違うやり方で一位になってやる。
◆
長谷部が再び部屋にやってきたのはそれから三日後の夜であった。
その日一ノ瀬は別の男を探るために外出しており、卸したばかりのスーツ姿で帰宅したのであったが、アパートの入口の前に派手なスーツにパーマの男がしゃがみこんでいた。すぐに長谷部だということがわかる。その日の彼は眼鏡をしていなかった。
足音に気が付き、顔を上げた彼は勢いよくたちあがり、手に持っていた紙を一ノ瀬の鼻先につきつけた。
「おら、約束通りとってきてやったで!よく見ろ!」
一ノ瀬はひったくるようにして契約書の中身を確認しながら、片手でドアのかぎを開けた。確かに社長のサインで2億5千万円分の新規契約がなされている。ドアを開き、中に入る。長谷部が後ろ手にドアを閉めた。
「たしかに」
に、の部分で長谷部の手が後ろから一ノ瀬のスーツのベルトにかけられた。
「は?」
そのままもつれるようにして二人は部屋の中に倒れ込み、長谷部に上からのしかかられた。
息があらくなっており、一ノ瀬は直観的にやばいなと思った。無理に笑顔を作る。
「おいおい、長谷部さん。ちょっと、どうしたんです?あんた男には興味ないんでしょ。身体ならすぐ見せてあげますから、いったんどきましょ、ねぇ?」
「ああ興味ないね。」
長谷部は発言とは逆にベルトを外し、一ノ瀬のスーツと下着を一気に脱がした。
「ははぁ、顔だけじゃなく身体までスケベじゃねぇか。」
目の前で長谷部のペニスが完全に勃起していた。
それについて何か言う前に、身体をうつぶせにひっくりかえされ、後ろからコンドームの袋がピリピリと破れる音がした。
「長谷部さん?」
「身体はあとからじっくり見させてもらうが、その前に一発ヤらせてもらう。そんな淫乱面して、どうせ初めてじゃないんだろ。俺は男とヤんのは初めてだがな。」
身体に長谷部のローションに濡れた指が侵入してくる。思わず身をよじるが尻を抱えこまれるように無理やりひきよさられた。
「ほら見ろ、ガバガバじゃねぇかこの野郎、一気に入れてやる。」
長谷部は有言実行の男である。宣言通りにいっきに突き破るように乱暴に身体の中に一物が挿入された。
「おっ……、は、長谷部さん?、やめましょうよ、こんな」
「なるほど、女とはまた違うな」
長谷部は一ノ瀬の言葉を無視して動き始めた。その腰遣いは乱雑なだけでなく、相手に対する気遣いのようなものが感じられ丁寧に一ノ瀬の中をこすり上げ続けた。思わず声が漏れ出てしまうのを手で押さえる。
「お前が悪いんだぞ、俺は男なんかに興味ないんだ。」
「あ……っそう、ですか。」
一ノ瀬は抵抗を辞め、長谷部のされるがまま陰茎を受け入れた。受け入れてしまえば気持ちがいいもので、さすがあまたの女と寝てきた男の腰遣いであった。完全に男しか受け付けない男の腰遣いはもっと乱雑で暴力的だ。それはそれでいいが、良いところにここまで執拗にこすりつけくるような物は新しい快楽を感じさせた。自分のペニスが勃起し、気持ちよさにだらだらと汁がこぼれ畳を汚した。
◆
一ノ瀬が射精するより前に長谷部が達し、身体の中から一物が引き抜かれた。
背後で衣服を整える音がし、一ノ瀬もゆっくりと身体を起こし、下着に手をかけた。その手を長谷部がつかむ。
「何してる。今から身体を見せてもらうんだから、そのまま脱げ。」
「……」
一ノ瀬はだまってスーツに手をかけ、一糸まとわぬ姿を長谷部の前に晒した。それから長谷部の指示されるままの姿勢をとり、身体をまさぐられる。感じないことはないが、セックスを求められているわけではないので、こちらから長谷部に触れたり話しかけたりするのはやめた。しかし、一物は無邪気に膨張したり萎えたりを繰り返した。
長谷部は何かをしきりにメモ帳に書き記しては、一ノ瀬に姿勢を変えさせた。
「なるほど、本当にアンタは良い身体しとるな。そそるそそる、ああインスピレーションが爆発しそうや」
インスピレーションとはペニスの隠語だろうかと思い、長谷部の股間のあたりを見上げるが、まったくもってスーツの面は平面のままである。
「なんや物欲しそうな顔し腐って、そんなに良かったんか?俺の物は。あ?」
目の下がぴくぴくと痙攣した。
「……ちがいますよ、アンタがまた勃起してるんじゃないかと思ってみただけです。」
「ははぁ~そないなこと言って、人の下でひぃひぃ言っとったくせに、素直やないのぉ~。まあそういう奴ほど感じやすいからな。嫌いやないで。」
長谷部が普段の調子でゲラゲラと笑うので、徐々に頭の中が冷めてきて、勃起していたペニスはほとんど元の形に戻っていた。
「試作品ができたら、またガンガンしてやるから、それまでケツの穴切なくして待ってろや。営業さん。」
長谷部はあっけからんとした口調でそういうとメモ帳を鞄にしまい、代わりに封筒をとりだした。
それから乱雑に脱ぎ捨てられた一ノ瀬の部屋着を手に取り、封筒と一緒に一ノ瀬に投げわたした。
「じゃあな、風邪ひかんようにちゃんと飯食えよ。あとこんなとこ早く引っ越せ。声出しづろうてしゃあないわ。」
長谷部は大股で部屋を横切り、きしむドアを開けて出ていった。
手渡された封筒を開くと万札の束が入っていた。
成果物フォルダは個人毎に分かれており、自分自身と上司しか中身の参照権限がなく、基本的には他の者の成果を見ることはできない。ただしフォルダに格納された中身のサイズは誰にでも見ることができた。
サイズ順にフォルダをソートする。一番上に斎藤、一番下が一ノ瀬であった。一つ上のフォルダでさえも一ノ瀬の倍のサイズがある。契約内容は何であれ契約数でいったらまだ一番下なのだ。
一ノ瀬が爪を噛みながら、その画面を見ていると画面の裏の壁の向こうから、ガサゴソと物音が聞こえてきた。
急いでイヤホンを探すがイヤホンを見つけるより前に壁の向こうから、女のいやらしげな声が聞こえてきた。木村のマンションを思い出すと惨めな気分になってくる。
わざとらしく大きな声で咳払いをする。ピタッと一瞬だけ声がとまり、それからゲラゲラと大きな笑い声が返ってきた。殺す……。一ノ瀬は今日は契約のとれた勢いでなんでも出来そうだった。立ち上がり、壁を強く蹴りあげた。
ビキッという立ててはいけない音を立て、壁が大きくしなった。幸い穴は空いていないが、若干の凹みができてしまった。一ノ瀬は背中にダラダラと汗が流れるのを感じた。敷金が返ってこなくなる上に修繕費を請求されたら、払える自信がない。
凹んだ壁の前に立ち尽くしていると、何者かが部屋のドアを激しく叩いた。魂が抜けたようにふらふらとドアの方へ向かう。薄いドアは叩かれる度にゆがみ、ドアと框の間に隙間を作っていた。
ドアを開くと、もじゃもじゃとしたパーマの男が立っていた。ラフな黄色のジャージ姿にサンダルを履き、縁の太い眼鏡をかけている。
男は最初、目を見開き歯をむき出しにして何かを言おうとしていたが、一ノ瀬と目が合うとじょじょに惚けた顔に変わっていった。
「なんですか?」
「…………」
男は黙ったままぼーっと一ノ瀬を見ている。
「どうせ隣の人でしょ。あんたらうるせーんですよ、夜な夜な。ホテルでやってください。おかげで俺はまた金が無くなった。」
男が何も言わないので、ドアを閉めようとするとサンダルばきの足がドアの隙間に突っ込まれた。ぎょっとした一ノ瀬はさらにもう一度強くドアを閉めたが、男は無理やり部屋に入ってくるなり、一ノ瀬の手を両手で握って撫で始めた。こんなに湿った手は初めてだ。
「あんた、うちの商品のモニターやってくれんか?」
「なんですか、いきなり。警察呼びますよ。」
「いやいやいや、悪いようにはせんから、ちょっとうちの部屋覗いてくれ」
「嫌ですよ、きもちわ」
「金払うから」
「……いくら?」
「1万円」
一ノ瀬は男の手を振り払い、部屋の外に押し出すとドアの鍵を閉めた。
「俺はそんなに安い男じゃありません。」
ドアの向こうにまだ男がいる気配がした。
◆
会社に顔を出さず、リモートで勤務記録をつけていると会社用の電話が鳴った。部長だ。
今まで部長から直接電話がかかってきたことなどなかった。出社して顔を合わせるたびにねちねちと嫌味を言われ唾を吐きかけられてきたが。
「はい。一ノ瀬です。」
「お前、全然会議に出てこないじゃないか、何してるんだ?」
そもそも会社にほとんど行っていないことにさえ気が付いていないらしい。
「申し訳ございません。新規に契約がとれそうなものでしたので、そちらに集中しておりました。」
「夢見産業の件見たぞ。お前にしては大物契約じゃないか。」
「……ほめてるんですか?」
「ほめてなどいない。とにかく連続した会議の無断欠席は問題だ。時間が空いたなら顔を出せ。」
「……了解しました。それでは失礼いたします。」
一ノ瀬は携帯を閉じ、ここだけは好い会社だなと思った。
前職では自分がいてもいなくてもいいような会議にも無理やり出席させられ、意見を求められた。意見などないし、女上司のねばつくような視線が気持ちが悪く、そのせいで当時付き合っていた彼女からはののしられ、会議の場は険悪な空気に満ち溢れていた。男の同僚のほどんどから嫌われていた。それも直接何か言われるでもされるでもなく、とにかく一ノ瀬を避け、遠まきにするのである。
インターホンが鳴る。寝間着姿のままドアを開けるとスーツを着、縁の一部が黄色の派手なメガネを着た男が立っていた。パーマのかかった髪がうしろになでつけられ、ひとつに後ろで束ねられている。広告代理店のクリエイティブ職みたいななりの人間が、このようなボロアパートに来る理由がわからなかった。
「どなたですか?」
「兄ちゃん。俺よ俺、この前の。」
一ノ瀬は目を細めて男を頭からつま先まで眺め、首を傾げた。
「はぁ~そないなラフな格好でもいい男やわ、たまらんなぁ~」
男はドアの隙間に勢いよく足を入れ、中に押し入ってきた。そのしぐさはこの前の男と全く同じだった。
一ノ瀬は目を見張って男を見据えた。不潔な雰囲気は消えたが胡散臭さが倍加している。
「ちょっと、何ですかアンタ。不法侵入ですよ!」
「こんなクソボロアパートに不法侵入も何もあるかい!いいから話だけでも聞いてくれや。」
男は猫なで声でそういうと後ろ手にドアを閉めてしまう。それからずかずかと散らかった部屋にあがりこみ、ローテーブルの脇にドカッと割った。テーブル上にはインスタント食品のごみが散乱していた。
男はそれをみるやいなやため息をついた。
「もっといい物食べぇよ。せっかく天性の面してんのに、こんなん食ってたら早々に劣化するで、劣化。」
「……」
一ノ瀬は男の勢いに押され、ローテーブルをはさんだ反対側に座った。男は目の前に座った一ノ瀬をにやりと一瞥すると懐から黄色の名刺ケースを取り出した。一ノ瀬の会社であれば絶対にありえない色味の名刺入れだ。
「こういうものです。よろしくな。」
男は名刺を机上に置き、人差し指をのせて名刺を一ノ瀬のほうにスライドさせた。
株式会社TNI
製品開発部長 長谷部修
「株式会社TNI……?」
「せや、まあ知らんかもしれんが、絶対兄ちゃんもお世話になったことあるよ~」
一ノ瀬は長谷部の会社説明の言葉を聞き流しながら、脳内で会社のデータベースを思い出していた。
詳細は覚えていないが、たしか急成長中のベンチャーとして有力株として見られている会社であった。しかも、まだ誰も手を付けていないレア企業だ。
「ほら、こんなもん見たことあるやろ」
どんっと大きな音がして机の上に紫色のグロテスクな物体がそびえたっていた。クリアカラーのそれは表面に凹凸のデコレートされたバイブレーターである。
「は」
一ノ瀬があからさまにひいているのも気にせず男は鞄をひっくりかえし、色とりどり淫具をテーブルに並べ、まくしたてるように話し続ける。
「これ開発してんのが、俺や。すごいやろ~。AVの会社も積極的にうちの商品つかってくれとるから、兄ちゃんも絶対一回は見とるで。そんでな、最近男向けのも開発しろと上がうるさくてかなわんのや。」
男はきらきらとした視線を自らが開発した商品から一ノ瀬の方に向けた。
「ええか兄ちゃん、こういうもんつくるにはインスピレーションが大事なんや。俺は女が大好きやから一年中そのことばっかり考えて製品を次から次へと企画、開発してきた、天才じゃ。開発したもんは全部俺の女に試して、満足させてきた。しかし男は抜けん。そういう趣味はない。だから何を言われようが無理やと思ってたが、あんたを見たら世界がぐわあ~と、こう、広がる感じがしたんや……」
「……」
長谷部はあたまをぐしゃぐしゃとかきむしってから、一ノ瀬のほうに勢いよくてをのばしてきた。
長谷部の湿った手が強く一ノ瀬の両手を握る。それから淫具を押しのけ、顔を近づけてきた。
「頼むよ、うちの会社が男向けに進出したら天下獲れるで。それにはアンタの力が必要なんや。悪いようにはせん、協力してくれたらこんなボロアパートから普通のマンションに住めるくらいの金は払ってやる。もっと欲しいなら言ってみい、ある程度の金額なら会社から開発費として経費で落としたるぞ。」
一ノ瀬は長谷部の勢いに飲まれていたが、姿勢を正しゆっくりと彼の手をはがした。呼吸を整える。
「協力って、具体的になにをすればいいんですか。それ次第です。」
男は顔を近づけままの姿勢を崩さず、目と鼻の先で口を開いた。見た目と裏腹にミントの清潔な香りがした。
「まず、俺の前でアンタの身体を隅から隅まで見せてくれ。キンタマの裏からケツの穴まで全部や。それから、俺が定期的に持ってくる新開発商品を俺の目の前で試して感想を言ってくれ。視線が気になるんだったらビデオで送ってくれてもええが、できれば目の前でやってるところ生で見せてほしい。その方が報酬もガシガシ弾むで。」
男は熱い調子で語り続ける。一ノ瀬は口元に手をあて、長谷部の条件を真面目に聞き始めていた。
淫具のひとつに手を伸ばし、子細に素材を観察する。長谷部はひとつひとつの淫具について熱い説明を繰り返し、開発者としてどこに以下にこだわったかを細かく早口で説明してくる。
一ノ瀬は、淫具を生産するために必要な素材と四角商事の取り扱う製品の一覧を頭の中で当てはめていく。
「わかりました。」
長谷部の言葉を遮るようにきっぱりとした口調でそう言い、一ノ瀬はPCの周りにに散乱したゴミ山の中から、革製のブランド物の黒い名刺入れを取り出した。元カノが贈ってくれたもので、何度も捨てようと思ったが新しく名刺入れを買うのも面倒くさく、使い続けていた。
「私はこういうものです。」
四角商事
総合事業本部 第二営業部 一ノ瀬 リョウ
長谷部は名刺を受け取ると、名刺と一ノ瀬の顔を何度も往復させ、大きくため息をついた。
「馬鹿いうなや、あんたなんでこんなとこ住んでるん?変人なんか?俺よか給料よほどええやろう」
変人はアンタの方だろうという言葉が口先まででかかるが、黙って会社から支給されているipadを机の上に出した。
それからゴム素材やプラスチック素材の一覧を画面に表示させる。
「長谷部さん、うちの会社の素材使ってくれるなら、考えてもいいいですよ。今契約している会社からウチに乗り換えてください。できる限り全部。製品には自信があります。」
長谷部は真面目な顔つきになり、表示された画面の中の製品を見始めた。一ノ瀬はその間に会社のPCから会社のデータベースに接続し、改めてTINの情報を確認した。
「御社の契約先を確認しましたが、大した会社じゃないですね。むしろうちと契約できてありがたいくらいじゃないですか?どうです?」
「……ほお~、兄ちゃんすごいねぇ、商人の鏡やん。」
長谷部はipadから顔を上げると一ノ瀬の顔をじっと見据えた。
「ちょっと社長に話してみるわ。俺はあんまりこの辺のこと知らんからな。おいそれ"はい"とは言えんのや。」
「詳細な資料と契約書は名刺の住所とメールアドレス宛に送っておきますから、ぜひお願いします。」
長谷部は机の上に散らかった淫具をそのままに鞄を持つ。それからゆっくりと立ち上がり、一ノ瀬を見下げた。
「一応確認しておくが、ここに社長のサイン入った契約書持ってきたら、アンタは条件を飲むんやな?」
「はい、もちろんでございます。」
一ノ瀬は笑顔で長谷部を見上げた。今度は長谷部が逆に一ノ瀬を胡散臭そうな顔で見るばんであった。
「約束やからな。アンタわかっとるやろうな、これは10万、100万の話やないで。やっぱりできませんじゃ済まんのやぞ。俺にどんなこと指示されようが、黙って言うこと聞けるんやな?」
笑顔のままうなずく。
「あ、ただ、記録に残るものはやめてください。これはあくまで匿名で。流出して弊社の商業イメージが壊れると大変困りますので…」
長谷部は噴き出したように笑うと「アンタ面白いな」といい、散らばった淫具のほうに向かって手を広げた。
「これはアンタにやるから、今度来るまでにうちの製品研究でもしとけや。もっといい商品売り込めるチャンスかもしれんしなあ。まあ、期待してまっといてくれや。社長と俺は共同経営者みたいなもんやから、多分通るで。」
「宜しくお願いします。」
長谷部は一ノ瀬がいままでないほど可愛らしい笑顔を見せているの見て、なにか身体の奥にむずがゆさを感じた。もし一ノ瀬が女であればここで一発キめて帰るところだと思いながら、ボロアパートのドアを蹴破るようにして外に出た。勃起していた。
長谷部が出ていった部屋の中で一ノ瀬はうずくまり、ガッツポーズをする。
「これは、イケた……!絶対イケた。」
それからPCの方に向き直り、再びフォルダ一覧を眺めた。見ていろよ斎藤、お前と違うやり方で一位になってやる。
◆
長谷部が再び部屋にやってきたのはそれから三日後の夜であった。
その日一ノ瀬は別の男を探るために外出しており、卸したばかりのスーツ姿で帰宅したのであったが、アパートの入口の前に派手なスーツにパーマの男がしゃがみこんでいた。すぐに長谷部だということがわかる。その日の彼は眼鏡をしていなかった。
足音に気が付き、顔を上げた彼は勢いよくたちあがり、手に持っていた紙を一ノ瀬の鼻先につきつけた。
「おら、約束通りとってきてやったで!よく見ろ!」
一ノ瀬はひったくるようにして契約書の中身を確認しながら、片手でドアのかぎを開けた。確かに社長のサインで2億5千万円分の新規契約がなされている。ドアを開き、中に入る。長谷部が後ろ手にドアを閉めた。
「たしかに」
に、の部分で長谷部の手が後ろから一ノ瀬のスーツのベルトにかけられた。
「は?」
そのままもつれるようにして二人は部屋の中に倒れ込み、長谷部に上からのしかかられた。
息があらくなっており、一ノ瀬は直観的にやばいなと思った。無理に笑顔を作る。
「おいおい、長谷部さん。ちょっと、どうしたんです?あんた男には興味ないんでしょ。身体ならすぐ見せてあげますから、いったんどきましょ、ねぇ?」
「ああ興味ないね。」
長谷部は発言とは逆にベルトを外し、一ノ瀬のスーツと下着を一気に脱がした。
「ははぁ、顔だけじゃなく身体までスケベじゃねぇか。」
目の前で長谷部のペニスが完全に勃起していた。
それについて何か言う前に、身体をうつぶせにひっくりかえされ、後ろからコンドームの袋がピリピリと破れる音がした。
「長谷部さん?」
「身体はあとからじっくり見させてもらうが、その前に一発ヤらせてもらう。そんな淫乱面して、どうせ初めてじゃないんだろ。俺は男とヤんのは初めてだがな。」
身体に長谷部のローションに濡れた指が侵入してくる。思わず身をよじるが尻を抱えこまれるように無理やりひきよさられた。
「ほら見ろ、ガバガバじゃねぇかこの野郎、一気に入れてやる。」
長谷部は有言実行の男である。宣言通りにいっきに突き破るように乱暴に身体の中に一物が挿入された。
「おっ……、は、長谷部さん?、やめましょうよ、こんな」
「なるほど、女とはまた違うな」
長谷部は一ノ瀬の言葉を無視して動き始めた。その腰遣いは乱雑なだけでなく、相手に対する気遣いのようなものが感じられ丁寧に一ノ瀬の中をこすり上げ続けた。思わず声が漏れ出てしまうのを手で押さえる。
「お前が悪いんだぞ、俺は男なんかに興味ないんだ。」
「あ……っそう、ですか。」
一ノ瀬は抵抗を辞め、長谷部のされるがまま陰茎を受け入れた。受け入れてしまえば気持ちがいいもので、さすがあまたの女と寝てきた男の腰遣いであった。完全に男しか受け付けない男の腰遣いはもっと乱雑で暴力的だ。それはそれでいいが、良いところにここまで執拗にこすりつけくるような物は新しい快楽を感じさせた。自分のペニスが勃起し、気持ちよさにだらだらと汁がこぼれ畳を汚した。
◆
一ノ瀬が射精するより前に長谷部が達し、身体の中から一物が引き抜かれた。
背後で衣服を整える音がし、一ノ瀬もゆっくりと身体を起こし、下着に手をかけた。その手を長谷部がつかむ。
「何してる。今から身体を見せてもらうんだから、そのまま脱げ。」
「……」
一ノ瀬はだまってスーツに手をかけ、一糸まとわぬ姿を長谷部の前に晒した。それから長谷部の指示されるままの姿勢をとり、身体をまさぐられる。感じないことはないが、セックスを求められているわけではないので、こちらから長谷部に触れたり話しかけたりするのはやめた。しかし、一物は無邪気に膨張したり萎えたりを繰り返した。
長谷部は何かをしきりにメモ帳に書き記しては、一ノ瀬に姿勢を変えさせた。
「なるほど、本当にアンタは良い身体しとるな。そそるそそる、ああインスピレーションが爆発しそうや」
インスピレーションとはペニスの隠語だろうかと思い、長谷部の股間のあたりを見上げるが、まったくもってスーツの面は平面のままである。
「なんや物欲しそうな顔し腐って、そんなに良かったんか?俺の物は。あ?」
目の下がぴくぴくと痙攣した。
「……ちがいますよ、アンタがまた勃起してるんじゃないかと思ってみただけです。」
「ははぁ~そないなこと言って、人の下でひぃひぃ言っとったくせに、素直やないのぉ~。まあそういう奴ほど感じやすいからな。嫌いやないで。」
長谷部が普段の調子でゲラゲラと笑うので、徐々に頭の中が冷めてきて、勃起していたペニスはほとんど元の形に戻っていた。
「試作品ができたら、またガンガンしてやるから、それまでケツの穴切なくして待ってろや。営業さん。」
長谷部はあっけからんとした口調でそういうとメモ帳を鞄にしまい、代わりに封筒をとりだした。
それから乱雑に脱ぎ捨てられた一ノ瀬の部屋着を手に取り、封筒と一緒に一ノ瀬に投げわたした。
「じゃあな、風邪ひかんようにちゃんと飯食えよ。あとこんなとこ早く引っ越せ。声出しづろうてしゃあないわ。」
長谷部は大股で部屋を横切り、きしむドアを開けて出ていった。
手渡された封筒を開くと万札の束が入っていた。
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