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恋する乙女の恋愛相談
付き合う、って
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私は半ば放心状態で自分の部屋へと戻り、ベッドへと倒れ込んだ。
「ふいーーっ」
やっと、肩に乗った重荷が外れた心地だ。
ゴロンと転がり、そのまま天井を仰ぐ。
「……はぁ」
そして思わず溜息が漏れる。
これからどうしよう。
どうするべき?
なんとなく、また距離が生まれた感じだ。
車の中でも、何も話さなかったし……。
もう。両想い?
そういうことなのだろうか。
……なんだか私もなんかあっさりしすぎている。
私は、天崎さんのことが好き、なんだよね?
あの心臓の高鳴りは、それ以外に考えられないし……。
初めてのことで、もう何がなんだか分からない。
もやもやとした何かが私の中を満たしている。
これが恋? 恋だとしたら、結構苦しい。
きゅーと締め付けられるような感じ。
思えば、今も心臓の動きが早い。
観覧車の出来事を思い出すだけで、耳まで熱くなる。
ともかく。
考えていてもしょうがない。
何かメッセージを送ろう。
『今日はありがとー』
送った瞬間に既読がつく。
ずっとラインを開いていたらしい。
『こちらこそ、ありがとうございます! ……それと。すみませんでした』
『えっと、何が?』
『キスしてしまったことです……。私の想いを伝えたかったとはいえ、あの方法は少し強引だったかなって。それと不快にさせたと思いますし。……だから。忘れてください! あのキスのことは』
観覧車を乗り終え、そして今まで。
何もラインを送ってこなかったのは、そのことを気にしてたからだろうか。
にしても、困る。
どう返信すればいいのか。
少し悩み、結局無難に、思ったことを返信することにした。
『嫌じゃなかったよ』
『え! じゃあ、嬉しかったんですか⁉︎』
……と、食いつくように返信される。
またまたなんて返信すればいいか迷う。
『……普通に、嬉しかったよ?』
『えっと。じゃあ、私と付き合えるってことですか?』
付き合うって言われても。
何をすればいいのか。
第一、天崎さんは私とそういう関係になりたいんだ。
あの時は好きと言われただけで──いや、キスをされたんだ。
あれが天崎さんの想いなら。『付き合いたい』ってことを伝えようとしていたのかな。と思う。
嬉しい。めっちゃ嬉しい。
好意を抱かれたことない私にとって、それは初めてのことで。
本当に嬉しかった。
付き合うというのも悪くない気はするけど。
私はまだ、天崎さんのことを全くと言っていいほど知らない。
だから、付き合って。うまくいかなくて。破綻する。
なんてことになりかねない。
私は、思ったそのままをラインに打ち込む。
『いや、それは。……まだ、私は天崎さんのことを良く知らないし……。このままで付き合っても、価値観の違いで別れたりとか。そういう話、よく聞く』
『そうですか……。じゃあ、もっと私のことを知れたら、付き合ってくれるってことですか?』
『まぁ……多分』
『なんだか曖昧ですけど……確証はないんですか?』
『いや、なんというか。……付き合っても、上手くいくか分からないし。……それに、天崎さんと付き合って一緒に遊びに行ったりして、万一怪我を負わせたら。色々なところに迷惑をかけちゃう』
『……そうですか。分かりました。じゃあ、待っててください』
待っててください。って何を。
と思ったのも束の間、すぐにアンサーが届いた。
『私という人物を、伊奈さんに教えます。それこそ付き合いたいって、伊奈さんが思えるくらいに』
「ふいーーっ」
やっと、肩に乗った重荷が外れた心地だ。
ゴロンと転がり、そのまま天井を仰ぐ。
「……はぁ」
そして思わず溜息が漏れる。
これからどうしよう。
どうするべき?
なんとなく、また距離が生まれた感じだ。
車の中でも、何も話さなかったし……。
もう。両想い?
そういうことなのだろうか。
……なんだか私もなんかあっさりしすぎている。
私は、天崎さんのことが好き、なんだよね?
あの心臓の高鳴りは、それ以外に考えられないし……。
初めてのことで、もう何がなんだか分からない。
もやもやとした何かが私の中を満たしている。
これが恋? 恋だとしたら、結構苦しい。
きゅーと締め付けられるような感じ。
思えば、今も心臓の動きが早い。
観覧車の出来事を思い出すだけで、耳まで熱くなる。
ともかく。
考えていてもしょうがない。
何かメッセージを送ろう。
『今日はありがとー』
送った瞬間に既読がつく。
ずっとラインを開いていたらしい。
『こちらこそ、ありがとうございます! ……それと。すみませんでした』
『えっと、何が?』
『キスしてしまったことです……。私の想いを伝えたかったとはいえ、あの方法は少し強引だったかなって。それと不快にさせたと思いますし。……だから。忘れてください! あのキスのことは』
観覧車を乗り終え、そして今まで。
何もラインを送ってこなかったのは、そのことを気にしてたからだろうか。
にしても、困る。
どう返信すればいいのか。
少し悩み、結局無難に、思ったことを返信することにした。
『嫌じゃなかったよ』
『え! じゃあ、嬉しかったんですか⁉︎』
……と、食いつくように返信される。
またまたなんて返信すればいいか迷う。
『……普通に、嬉しかったよ?』
『えっと。じゃあ、私と付き合えるってことですか?』
付き合うって言われても。
何をすればいいのか。
第一、天崎さんは私とそういう関係になりたいんだ。
あの時は好きと言われただけで──いや、キスをされたんだ。
あれが天崎さんの想いなら。『付き合いたい』ってことを伝えようとしていたのかな。と思う。
嬉しい。めっちゃ嬉しい。
好意を抱かれたことない私にとって、それは初めてのことで。
本当に嬉しかった。
付き合うというのも悪くない気はするけど。
私はまだ、天崎さんのことを全くと言っていいほど知らない。
だから、付き合って。うまくいかなくて。破綻する。
なんてことになりかねない。
私は、思ったそのままをラインに打ち込む。
『いや、それは。……まだ、私は天崎さんのことを良く知らないし……。このままで付き合っても、価値観の違いで別れたりとか。そういう話、よく聞く』
『そうですか……。じゃあ、もっと私のことを知れたら、付き合ってくれるってことですか?』
『まぁ……多分』
『なんだか曖昧ですけど……確証はないんですか?』
『いや、なんというか。……付き合っても、上手くいくか分からないし。……それに、天崎さんと付き合って一緒に遊びに行ったりして、万一怪我を負わせたら。色々なところに迷惑をかけちゃう』
『……そうですか。分かりました。じゃあ、待っててください』
待っててください。って何を。
と思ったのも束の間、すぐにアンサーが届いた。
『私という人物を、伊奈さんに教えます。それこそ付き合いたいって、伊奈さんが思えるくらいに』
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