完全犯罪

みかげなち

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13・現実的蜜月

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 三か月して暖かい南の土地に蒼葉と旭は転居した。
 東京よりも地方は家賃が安くて、旭は蒼葉に部屋を割り振ることを譲らなかった。たったそれだけで随分と喧嘩した。何度も喧嘩して、それでも同じ空間にいて、食事して、同じベッドで眠った。それを蒼葉は嫌だとは思わなかったが、喧嘩ばかりしているのは嫌だった。旭はひとりになりたい時があるからと言って譲らない。蒼葉はその時だけ使う部屋なら狭くていいと折れた。
 青葉の身のまわりのこともすっきり片付けた。旭は結局大学病院を退職した。
 更に三か月が経った。知らない土地の生活に、少し慣れた。家を探すときには随分喧嘩したが、その後は喧嘩らしい喧嘩はない。時々、旭はまだ蒼葉を確かめるように抱く。時々、ぐちゃぐちゃなセックスをする。セックスの回数が減ったわけではなく、無茶なセックスが減っただけだ。相変わらず同じベッドで眠って、ほとんどの時間を同じ空間で過ごしている。

「蒼葉。明日どこか行こうか」
 ある日、旭が言った。
「うん。どこ行きたいの」
「どこって言うか……天気よくて、海きれいで、缶ビール飲んでぼーっとしたいみたいな……」
「それは俺もビール飲みたい」
「そうなんだよね」
 のんびりした言葉を交わして、旭はひとつ溜息をついた。ここは車が主な交通手段で、蒼葉も旭も運転免許は持っているけれど、飲酒運転をするわけにはいかない。公共の交通手段が少ない分、簡単なことがままならないことが多い。
「オフシーズンじゃん。泊まる?」
「そうだね。ホテル探そう」
 青葉の提案は簡単に採用されて、旭はホテルの検索を始めた。
 一緒に出掛けることが普通。蒼葉がアルバイトをすると言い出した時も、簡単に頷かれた。蒼葉は一人で外出して、帰ってくる。旭は必要なこと以外、あまり外に出ないけれど蒼葉はなにも言わない。専門ではないけれどと言いながら、旭は毎日蒼葉のリハビリをみる。
 なにも制約されなくても蒼葉は旭と一緒にいるのが当然になっている。
 青葉は通信制の大学に編入して、授業と課題の合間にアルバイトをしている。必然的にパソコンやネット環境が必要で、旭はどう言うだろうかと思ったけれど「その方がいい」と嬉しそうに言われた。外出に制限もなく、情報を遮断されているわけでもない。蒼葉はアルバイトをしているとはいえ、経済的な部分で頼っているが、ただの穏やかな同居、あるいは同棲。
 生活が普通で穏やかなほど、蒼葉は不安になる。
「蒼葉。ホテルの予約、取れたよ」
「うん」
 上の空な返事をしたことに蒼葉は気付かなかった。

 翌日の天気は晴天になった。
 旭の予約したホテルまで行って、先に車だけ預けて近くの砂浜に向かった。途中のコンビニでビールを買うのも忘れない。シーズンオフの砂浜には誰もいない。しかも平日。南の島らしい白い砂浜と青い海はシーズンを過ぎても変わらないが、海月は出るらしい。
 汗をかいた缶ビールを開けて、半分ほど一気に飲むと蒼葉は砂浜に転がった。
「天気いいなあ」
「うん。よかった」
「南の海ーって感じ」
「いいよね。のんびりする」
「心中って感じの海じゃねえよなあ」
 わざと何気ないふりをして蒼葉は言ったけれど、旭は聞き逃してくれず顔を覗き込まれた。
「蒼葉。いまのなに」
 旭の表情に驚きと心配が滲んでいる。蒼葉はそれを見ないふりして手を伸ばして旭を引き寄せてキスしたけれど、舌を絡めようとして引きはがされた。
「駄目。蒼葉。誤魔化さないで。いまの、なに」
「死にたい訳じゃないよ。ままならないだけ」
「なにが。ちゃんと説明して。ぼくにも教えて。蒼葉は……帰りたくなったの?」
 キスをしていた近い距離で、目の前で、旭は言う。だいたい半年、一度も旭はそう蒼葉に問いかけなかった。蒼葉の一言で、旭の不安が溢れかえったのがわかる。
「違うよ。俺の帰るとこは旭のとこ。でも、俺がいくらそう言っても旭が怖がってるままじゃ、俺だって嫌だ。それが、ままならない。半年じゃ全然足りないことくらいわかってても、さ」
 引き寄せた距離を抱き寄せてなくすと、蒼葉はずっと引っ掛かっていた違和感を言葉にした。
「好きなだけじゃ、足りない。結婚しようなんて言うなよ? そういうんじゃないから。そうじゃ、ない」
「蒼葉はどうしたいの」
 寝転がって旭を抱き締めてると蒼葉には表情がもう見えない。けれど、くぐもった声と不安そうで抱き返す腕がとても強かった。
「……閉じ込められてた時の方が安心した。めちゃくちゃなセックスばかりの方が、安心した……。旭を好きなことはなにも変わんない。もっと好きになってる。だから、俺は不安。俺だけ普通っぽい生活してて、旭はまだ休んでいたくて、俺とあんたの生活がすれ違ってる。大学編入したのも、バイトしたいって言ったのも俺だけど……俺は自分のことちゃんとしたくて、焦ったかもしれない。あんたの負担になりたくなかった。だけど……俺だけ普通っぽくなってても、だんだん旭を追い詰めてる気がする。俺さ、あんたの迷惑になりたくなかったんだよ。それから、あんな風に好きになったから……普通っぽくしてても気持ちは変わんないって、わかってもらいたかったかも」
「ぼくのせいだよ。ごめん」
「違う。俺はちゃんと旭のことが好きなの。だから……あんたが疲れて休んでいる間は、俺も一緒にいたい。まだ閉じ込められて、めちゃくちゃに抱かれてたい。旭を置いて俺だけ普通っぽいことしてるのが、やだ。それで、たぶんあんたはこういうことを言う俺を、心配する。イカれたこと言ってるとは思わねえんだけどなあ……」
 旭を抱いていた腕を解いて放り出すと、蒼葉は最後に独り言のように呟いた。ゆっくりと躰を起こした旭は蒼葉の頭をゆるりと撫でた。
「蒼葉は、優しいんだよ。ありがとう」
「旭さあ……俺の気持ちは錯覚なの? だから、普通の生活が嫌とか駄々こねて、閉じ込めてめちゃくちゃにしろとか言っちゃうの? 嫌だよ。今更、あんたに突き放されるなんて。もう、色々苦しいんだよ。おかしくなりそうだ。ずっと一緒にいるのに、あんたとちゃんと話してない気がする。旭は……もう別に俺なんかもういらないんじゃないかって、思いそうになる」
 たぶん、蒼葉は初めて弱音を吐いた。そんなことを言ったら旭は簡単にいなくなってしまうだろうと思って吐き出せなかった。けれど、蒼葉の不安の方が膨れ上がってしまった。
 悔しくて顔を隠してしまうと、頭を撫でられてから起こされて頭と背中の砂を払われて、「おいで」と導かれて旭に背中から抱かれた。外でそういうことをするのは嫌だろうと蒼葉は思い込んでいて、意外だった。
「蒼葉の気持ちが錯覚かどうか……ぼくにはもうわからないよ。だって、蒼葉はどれだけ喧嘩してもぼくとまだ一緒にいてくれている。ぼくを置いていくようで嫌だって言ってくれる。ぼくは蒼葉がどこかに行ってしまったら、立ち直れないと思う。確かにぼくは物分かりがいいふりをした。そうしないと、蒼葉を束縛してしまうから。蒼葉はさ、こんなにちゃんとぼくのことを見てくれてるのに」
「……なんもわかんねえよ……」
「ぼくはまだ蒼葉を閉じ込めていたいし、セックスする度にめちゃくちゃにしたいって思ってるんだよ……。ぼくの手で、痛くても苦しくても気持ちよくなっちゃう蒼葉が、とても好き。そういう本心を隠してた。閉じ込めて安心して、めちゃくちゃに酷く抱いてそれでも蒼葉がぼくを好きって言ってくれることに安心するってことができないから、ぼくは蒼葉とふたりだけの場所に来てもまだ不安なままだ。おかしいままなのは、ぼくだよ。それを隠して物分かりがいいふりをしてたから余計にどこにも行きたくなかったし、なにもできない。休んでるはずなのに、気が休まらない」
「旭、馬鹿なの……」
「うん」
 青葉が膝を抱えて俯くと、肩に旭の額が押し付けられて短い返事があった。
「普通っぽくするの、やめよ、旭。イカれたままでいいじゃん。俺も普通っぽくするの、疲れた。ぐちゃぐちゃに抱かれる方が気持ちいい。あんたのこと以外、俺は全部邪魔。破綻しててもいい」
「いいの」
「うん。もう、いい。あんたが俺の最優先。首輪でもなんでもつけろよ」
「それ、いいなあ……。結婚なんて紙切れよりずっといい」
「あんたらしい」
 俯いた顔を上げて、蒼葉はくすりと笑った。男同士が事実上の結婚と同じようになれることは知っている。けれど、そんな紙切れの契約を望まない旭が蒼葉は愛おしい。蒼葉も紙切れの契約を望んでいない。契約は、破棄できるのだ。
「蒼葉が笑ってると、可愛くて、どこにも行けないようにしたくなる」
「怖いから? それとも、独占欲?」
 青葉は上半身をひねって、片手で旭を捕まえてキスした。
「独占欲の方が、近いと思う」
「旭さ、わかってないんだよ。俺はいくらあんたに束縛されて、独占欲剥き出しにされてもいいんだよ。その方がいいんだよ」
「……なにも、わかってなかった……」
 苦笑する旭に抱き直されて、キスに舌が絡まった。蒼葉に回った片手がシャツの下から素肌を撫でて、蒼葉は吐息を零してからさすがに抗議した。
「旭、ここ外。めっちゃ昼間」
「誰もいないよ」
「あー……じゃあ、いいや」
 あっさりと抗議を取り下げると蒼葉は躰を旭に預けてしまった。キスが絡まりながら、シャツの下で旭の指が乳首を探っている。撫でて反応させて、強くつままれて痛い快感が襲ってくる。蒼葉から悩ましい声が控えめに溢れた。
 そのまま、白い砂浜で蒼葉は旭のキスと痛い快感に溺れた。夜はホテルでぐちゃぐちゃなセックスに耽った。痛くて苦しいのに、全部快感に塗り替えられて何度も貪る。体力の限界を超えてもまだ交わって、常識を全部捨てて気持ちだけを何度も確かめた。危なくて乱暴で異常だとしても、蒼葉と旭にとっては幸せな行為でしかない。

 一緒に暮らす家に戻って、蒼葉は自分が使っていたパソコンを仕舞って、アルバイト先には辞めると電話した。拘束まで旭は望まなかったけれど、隣にいた。その方が蒼葉も落ち着いて、ずっとどこかにあった焦りが消えていった。一歩も外に出ない訳ではない。生活必需品や食料を買いに出かけ、時々、散歩もする。それも蒼葉が言い出すのではなく、旭に「行こう」と言われて一緒に行く。ひとりになりたい時間など一ミリもない。蒼葉の部屋としていたはずの個室は次第に物置になった。
 玄関でなにか注文したものを受け取って戻ってきた旭は封筒の中身を確かめると、封筒と薬箱を持ってきて蒼葉の頭を撫でた。
「こっち向いて座って」
 手にしていたものを並べた旭の言われるままにすると、着ていたTシャツを脱がされた。
「旭。なにするの」
 青葉が訊くと、旭は困ったように笑った。
「蒼葉。首輪でもつけていいっていったの、本当にいいんだよね」
「いいよ」
 けれど、まだ蒼葉には旭のしようとしていることがわからない。封筒の中身はわからず、薬箱とも結びつかない。
「ここに、ピアスつけていい?」
 右乳首にキスを落とされて、蒼葉は反射的に濡れた声を零して遅れて「いいよ」と返事した。
 青葉が痛くて気持ちよくなる場所の片方にピアス。首輪のように見えない。指輪のような清純さもない。隠した独占欲。とても旭らしかった。
「ニードル刺せるように、するから……」
「うん。気持ちいい」
「痛いよ」
「いい」
 ゆるりと旭の背中に腕を回して、蒼葉は右乳首を立たせようとして 旭がキスをして舌を這わせて歯を立てる度にじんわりとした快感に声を上げて、時々躰を震わせた。乳首を可愛がられると、もう簡単に反応して硬くなるのに、旭はたっぷりすぎるほどの愛撫を施してからようやく硬くなった乳首を解放した。
 指先で硬くなった乳首を弾いて、期待を隠せない顔で旭は笑う。もう困った様子はない。
「消毒してから、ニードル刺すよ。痛いけど、我慢して」
「たぶん……痛くないと思う」
 散々、乳首を痛めつけられて達する蒼葉は首を傾げた。
「噛んだり、ひねり潰したりするのとは痛みの種類が違うよ」
 旭は穏やかに笑って蒼葉に言い聞かせる。
 躰になにかを刺される痛みは、確かに種類が違う。蒼葉はピアスをつけていないから、その痛みも初めてだ。それなりの太さのものを刺されるのだろうと考えてから、「うん」と言った。あまり怖くなかった。
 旭は手袋をはめると封筒の中身をステンレスのトレイに出し、ピアスは片方のキャッチを外して消毒液に浸した。ニードルには細い管を簡単そうに通す。蒼葉が旭の手元を見ていると、消毒液を含ませた綿で乳首を消毒されて、片手でぎゅっと摘まれたかと思うと、鋭い痛みが走った。手際が良すぎて覚悟する間もなかった。躰の一部を刺し貫かれる痛みは、確かに種類が違って呻き声が零れたけれど動いてはいけないだろうと蒼葉は躰を硬くしてじっとしていた。
 ニードルがずるりと貫通して抜かれると中に通された管だけが残った。片側を短く切り落とすと管に消毒したピアスが装着されて、慎重にピアスごと管が逆側に抜けていって、ピアスが乳首の根元まで動かされると管が抜かれた。ピアスの装着が完了した後、キャッチをつけられて、最後にもう一度消毒されて終わった。
 旭の手際は流れるようでひとつの迷いもなかったけれど、初めてのことに唇を嚙んでいた蒼葉には随分長い時間が経ったように思えた。
 使い終わったニードルと管と綿と手袋を小さな袋にまとめて、片付けてから旭はくったりと緊張がほどけた蒼葉を愛おしそうに撫でた。
「痛いとこなんだよ。病院やスタジオであけるなら、表面麻酔する。なのに、偉かったね蒼葉。あと……優しくできなくて、ごめんね」
 旭の声は聞こえるけれどまだ蒼葉はぼんやりしていた。じっと見ていた旭の手際が焼き付いている。ひとつも躊躇わない。迷わない。準備と手順に無駄がなくて、旭にはピアスを開けることなど簡単なんだろうけれど、医者なのだと思った。前に脱水症状を起こした時も、旭はそうだとわかると迷いがなかった。
「旭、かっこいいな」
「え? なにが? 待って、蒼葉。大丈夫?」
「痛かったし、痛いけど、あんたの手際がきれいで見惚れたんだよ」
 ふふと笑うと、旭は大きな溜息をついて本気で困った顔をした。
「あのね、蒼葉。ぼくはこれくらいできないと困るの。ちゃんと麻酔してあげられなかったのは、用意できなかったからじゃなくて、ぼくの狭量さなんだよ。また蒼葉を試したんだよ。それを見惚れたとかかっこいいって言っちゃ駄目。そういうこと言うなら、本当にぼくがかっこいい時に言って」
「じゃあ、本当にかっこいい旭も楽しみにしてる」
 青葉は腕を伸ばして旭を引き寄せて抱くと、笑ったまま言った。いますぐでなくていい。
「首輪よりいいな、ピアス」
 あけたばかりのピアスに触れないようにしていると、旭は抱き返す腕と撫でる手をくれた。
「ぼく蒼葉に酷いことしてるんだけどな」
「あんたがわざわざ、自分でつけてくれた。だから首輪なんかよりずっといい」
「蒼葉はどんどんぼくに縛り付けられてるのに。わかってる?」
「だから嬉しいんじゃん。あんたが俺を好きだから縛り付けたいんだろ」
 くったりと旭に躰を預けて蒼葉は言う。やっと、ひとつ安心できた気がする。ずっと一緒に過ごして、ぐちゃぐちゃなセックスばかりしてもまだ満たされなかったものが、ひとつ満たされた。
「旭、あんたはどうなの? 少しは満足した?」
「ぼく?」
「あんたがしたがった。だから、いまどんな気持ちか知りたい」
 旭を見上げて訊くと、意外な顔をしていて蒼葉は驚いた。少し顔が火照ったように赤い。さっきまでとても穏やかで冷静な顔をしていたのに、セックス中の興奮したような顔をしている。
「なに。ヤリたくなってんの?」
「そんな風に見えるの? ……完全に否定できないけど……蒼葉が服の下にぼくのつけたピアス隠すんだって思ったら、想像以上に、よかった……。誰かに見られたら恥ずかしい?」
「全然。自慢する。シたくなったんでしょ、旭。シよ。っていうか、俺はヤリたい。あんた、いまめっちゃエロい顔してるから」
 青葉がキスを強請ると、たっぷり絡まるキスが落ちた。息が詰まるくらい長いキスをして、そのままベッドになだれ込んだ。
「蒼葉。好き。大好き。もっと、ずっとぼくだけに縛られててよ。いっぱい気持ちよくしてあげるから、痛いのも苦しいのも全部気持ちよくしてあげるから、えっちな可愛い顔たくさん見せて。ぼくだけに見せて」
 そっとあけたばかりのピアスに触れながら覆いかぶさるキスをして旭は囁く。まだそこに触れられると、真新しい傷が痛い。
「俺は、旭の素直な独占欲が好き」
 触れた痛みをやり過ごして蒼葉はキスを返した。
 普通の暮らしではない。けれど、いまはこうしているのが一番落ち着いて安心できる。先のことを考えるのはまだ置いておく。監禁と暴行から始まった関係がようやく落ち着いて、少し互いの気持ちが落ち着いただけの、まだ蜜月だから。
 ずっと一緒にいたいと願うなら、人生の一年や二年は安いものだ。ゆっくりと歩きだせると蒼葉はようやく確信した。たぶん、旭もそうだと思う。

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