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11・現実的実行
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旭が蒼葉の言葉に納得して怖がりながらも受け入れた後は、蒼葉にとってほとんどが事後処理だった。捜索願が出されたというが、そんなものは誰かが騒ぎ立てなければ受理されない。蒼葉は一人暮らしの学生だから両親ではない。そうなると大学内で親しい誰かしか候補はいないが、それも大方予想がついていた。
「旭。俺の持ち物、捨ててないんだろ。スマホ、あるよな?」
「うん。電源切ってるだけ」
あっさりと旭は返事して、居室に向かってしばらくして蒼葉のスマートフォンを手にして戻ってきた。渡されたスマートフォンの通知の数が一目で凄い数になっていることがわかる。両親からの着信には留守番電話が残っていて、まずはそれを聞く。警察から行方不明になっていると連絡がきたがどういうことか、という内容だった。その後はメッセンジャーを開いて通知の一番多いものをまず確かめる。
相手は蒼葉を振った女だった。最初のメッセージは蒼葉を振った翌日。それから数時間おき数分おきに何件も。ずっと既読のつかないことに次第に焦れた女の文面はヒステリックになっていく。大量のメッセージの半分ほどスクロールした時点で行方を心配する内容に変わり、警察に行くと言い出している。
捜索願を出したのは蒼葉を捨てた女で間違いなかった。ほかの同級生や後輩からのメッセージは女ほどヒステリックでも鬼気迫ってもいなく、ただ女をからかうような内容と授業や課題に関することくらいだった。
それから蒼葉はようやく旭にどれだけの期間、監禁されていたのかも把握した。
一か月半。それだけの間、一歩も外に出ず、ずっと旭とふたりだけでいた。長い気もするし短い気もする。けれど、感慨にふけるのは後にして、蒼葉はスマートフォンの通知を確認し終わる前に女に通話をかけた。苛立ち紛れに会話を曝け出すために、スピーカーにして呼び出し音を聞くと三つほどで繋がった。女はメッセージと同じくヒステリックだった。
「蒼葉!? ねえどこにいるの? あれからずっと大学にも来ないし、私すごく心配してるのよ!?」
「お前に心配される義理ねえんだよ。別れた女がなに彼女ヅラしてんだ。迷惑なんだよ。いいから捜索願取り下げろ」
「そんな風に言わなくてもいいじゃない! 心配してるのに! 青葉、ねえどこにいるのよ」
「うるせえな。カレシのとこだよ。わかったか? お前はとっくに用済み。余計なことすんじゃねえ」
「──なによ、カレシって」
「わかんないのかよ。馬鹿な女だな。とにかく、お前が面倒なことするからこっちは迷惑こうむってんの。さっさと取り下げに行けよな」
青葉は一方的に喋って通話をオフにした。うるさい女の声が消えた。
「あー……すっきりした」
だらりと蒼葉は背中をもたれて上を向くと呟いた。
「あのさ。蒼葉、いまのよかったの?」
「いいんだよ。どうせ、あれは俺がいなくなったことを都合よく解釈して自分が振った男が行方不明になった、そんなに思いつめるなんてっていう悲劇のヒロインヅラしたいんだから。俺に未練があるんじゃないし。別の男とよろしくやっておきながら、騒ぎ立てて注目集めようとしてんのバレバレなんだよ、ウザイ……」
脳裏にちらつく女の姿を苦々しく思いながら蒼葉が返事すると、旭は別のことを訊いてきた。
「そうじゃなくて、蒼葉、さっきカレシのところにいるって言ったんだよ」
「え? 違うの?」
ふと蒼葉は背中を戻して旭を見た。
「言い方、間違ってる?」
真顔で訊くと、旭の顔が赤くなっていった。
「間違ってない。間違ってないけど、蒼葉はぼくが恋人でいいの。男の恋人がいるってさっきの子に言ったんだよ。口が堅いかどうかわからないけれど、蒼葉、他人に男の恋人がいるって言ったんだよ」
「口? めっちゃ軽いんじゃない? んで、明日には学部に広まってんじゃない?」
「蒼葉は、それでいいの」
何度も重ねて訊く旭をどうしてだろうと考えて、ふと蒼葉は納得した。蒼葉自身は無自覚のうちに慣れてしまっていた。けれど、最初は旭を同性愛者だというだけで恐れたのだった。旭は蒼葉に偏見がつくことを気にしている。
「いいよ。俺は旭のことを隠す気はない。旭がいろんな都合で隠さなきゃ困るならそうするけど、俺は誰かに恋人いないかって訊かれたら、旭が彼氏ってちゃんと言える。えーと。言い方違うなら直すけど?」
「言い方は、割とどうでもよくて。人それぞれだし。ぼくは……いや。それより、蒼葉がぼくを彼氏って言ってくれたの、嬉しくて」
ずっと穏やかな仮面を被ったままだった旭の情緒が今日は乱高下している。旭も無理をしていたのだろうと蒼葉は手を伸ばした。片手を捕まえると、引き寄せてキスを落とす。
「何回好きだって言っても突っぱねてたのに、そんなに彼氏呼びが嬉しいのかよ。旭って呼ぶ代わりに彼氏って呼んでやろうか?」
「それは嫌だよ」
テーブルに乗り出して片手を頬に寄せて蒼葉が笑うと、さすがに旭は拒否した。それでも嬉しそうに擽ったそうにしている旭を蒼葉はたぶん初めて見る。穏やかなだけではなく、そんな風に恥ずかしがる旭を見て、蒼葉も嬉しい。ようやく、ちゃんと言葉を交わせるようになった。
「親には明日にでも電話するとして、あといっこだけ片付けさせて」
全部をいっぺんに片付けることは蒼葉にも難しい。学校や借りているマンションのことなどはどうしても外に出なければならない。
まずは、現時点で一番問題になっていて通話や電話だけで片が付くもので優先度が高く、危険性のあるものをどうにかしたかった。電話の着信履歴と留守番電話に、警察からのものがあった。行方を聞くだけのメッセージだったが、女が捜索願を出したせいで入った着信だろう。
その通話をスピーカーにするかどうか蒼葉は迷ったが、結局、旭にも聞こえるようにして発信した。スマートフォンの画面に後ろ三桁が一一〇の番号が表示される。それが警察の番号だと旭は気付いたのだろう。触れている手が緊張したのがわかった。
呼び出し音が数回してから繋がった通話に、蒼葉は落ち着いた声で話した。
「すみません。三浦蒼葉といいます。そちらから居場所を聞く留守電が入ってたので折り返したのですが」
そう言うと、いくつか質問をされて担当に代わると言われた。思わず黒い画面を見ていた蒼葉が視線を上げると、旭が少し青ざめている。それでもこの電話は蒼葉にしかかけられないし、通話を聞かせないようにした方が旭に不安が残るだろうと蒼葉はスピーカーにした。頬に当てた手に蒼葉はそっと頬を寄せて笑って見せた。
しばらくして担当者が電話口に出ると、蒼葉は同じようなことをもう一度繰り返した。
「ああ、三浦君、君ね捜索願が出てるんだよ。だから電話したんだけど、繋がらないから警察で捜索中ってことになっているんだ。電話したの半月くらい前だと思うけれど、いままで君どこでなにしてたんだい?」
「先生の家にいました。スマホはどこかに落としたと思っていて、気付きませんでした。ちょっと立て込んでいて忙しかったんでほったらかしで。さっき、片付けてたらなくしたと思ったスマホが出て来たんで折り返したんです。警察の人から電話もらう覚えなんてないし、なんだろうって思って」
「大学にも行ってないそうじゃないか」
「忙しかったんですよ。急に入ったバイトで、先生の手伝いだから泊まり込みなんです」
「安全なところにいるんだろうね?」
「なに言ってるんですか。危ない場所にいたらこんな電話できませんよ」
青葉が軽く笑うと、電話先の担当者は納得したようだった。大きな溜息が聞こえて、少し説教をされて電話が切れた。
「旭。もう安心だよね? だって、そんなに嘘だってついてない」
通話が終わって蒼葉もほっとしてから、旭を見上げた。旭はまだ青い顔をしてぼんやりとしている。蒼葉は椅子を立って旭の方へ回り込み、椅子を引いて勝手に膝の上に座った。
「旭。大丈夫。もう、あんたがどうにかなることはない」
ぎゅ、と抱く腕を回すと旭の力が抜けて、蒼葉は重みを感じた。震えた手が蒼葉に回って、「蒼葉、ごめん」とくぐもった声がした。
「そんなこと言うくらいなら、俺にご褒美ちょうだい」
わざと冗談めかして言うと、しばらく強く抱き締められてから蒼葉が焦れた頃にようやくキスが落とされた。
「旭。俺の持ち物、捨ててないんだろ。スマホ、あるよな?」
「うん。電源切ってるだけ」
あっさりと旭は返事して、居室に向かってしばらくして蒼葉のスマートフォンを手にして戻ってきた。渡されたスマートフォンの通知の数が一目で凄い数になっていることがわかる。両親からの着信には留守番電話が残っていて、まずはそれを聞く。警察から行方不明になっていると連絡がきたがどういうことか、という内容だった。その後はメッセンジャーを開いて通知の一番多いものをまず確かめる。
相手は蒼葉を振った女だった。最初のメッセージは蒼葉を振った翌日。それから数時間おき数分おきに何件も。ずっと既読のつかないことに次第に焦れた女の文面はヒステリックになっていく。大量のメッセージの半分ほどスクロールした時点で行方を心配する内容に変わり、警察に行くと言い出している。
捜索願を出したのは蒼葉を捨てた女で間違いなかった。ほかの同級生や後輩からのメッセージは女ほどヒステリックでも鬼気迫ってもいなく、ただ女をからかうような内容と授業や課題に関することくらいだった。
それから蒼葉はようやく旭にどれだけの期間、監禁されていたのかも把握した。
一か月半。それだけの間、一歩も外に出ず、ずっと旭とふたりだけでいた。長い気もするし短い気もする。けれど、感慨にふけるのは後にして、蒼葉はスマートフォンの通知を確認し終わる前に女に通話をかけた。苛立ち紛れに会話を曝け出すために、スピーカーにして呼び出し音を聞くと三つほどで繋がった。女はメッセージと同じくヒステリックだった。
「蒼葉!? ねえどこにいるの? あれからずっと大学にも来ないし、私すごく心配してるのよ!?」
「お前に心配される義理ねえんだよ。別れた女がなに彼女ヅラしてんだ。迷惑なんだよ。いいから捜索願取り下げろ」
「そんな風に言わなくてもいいじゃない! 心配してるのに! 青葉、ねえどこにいるのよ」
「うるせえな。カレシのとこだよ。わかったか? お前はとっくに用済み。余計なことすんじゃねえ」
「──なによ、カレシって」
「わかんないのかよ。馬鹿な女だな。とにかく、お前が面倒なことするからこっちは迷惑こうむってんの。さっさと取り下げに行けよな」
青葉は一方的に喋って通話をオフにした。うるさい女の声が消えた。
「あー……すっきりした」
だらりと蒼葉は背中をもたれて上を向くと呟いた。
「あのさ。蒼葉、いまのよかったの?」
「いいんだよ。どうせ、あれは俺がいなくなったことを都合よく解釈して自分が振った男が行方不明になった、そんなに思いつめるなんてっていう悲劇のヒロインヅラしたいんだから。俺に未練があるんじゃないし。別の男とよろしくやっておきながら、騒ぎ立てて注目集めようとしてんのバレバレなんだよ、ウザイ……」
脳裏にちらつく女の姿を苦々しく思いながら蒼葉が返事すると、旭は別のことを訊いてきた。
「そうじゃなくて、蒼葉、さっきカレシのところにいるって言ったんだよ」
「え? 違うの?」
ふと蒼葉は背中を戻して旭を見た。
「言い方、間違ってる?」
真顔で訊くと、旭の顔が赤くなっていった。
「間違ってない。間違ってないけど、蒼葉はぼくが恋人でいいの。男の恋人がいるってさっきの子に言ったんだよ。口が堅いかどうかわからないけれど、蒼葉、他人に男の恋人がいるって言ったんだよ」
「口? めっちゃ軽いんじゃない? んで、明日には学部に広まってんじゃない?」
「蒼葉は、それでいいの」
何度も重ねて訊く旭をどうしてだろうと考えて、ふと蒼葉は納得した。蒼葉自身は無自覚のうちに慣れてしまっていた。けれど、最初は旭を同性愛者だというだけで恐れたのだった。旭は蒼葉に偏見がつくことを気にしている。
「いいよ。俺は旭のことを隠す気はない。旭がいろんな都合で隠さなきゃ困るならそうするけど、俺は誰かに恋人いないかって訊かれたら、旭が彼氏ってちゃんと言える。えーと。言い方違うなら直すけど?」
「言い方は、割とどうでもよくて。人それぞれだし。ぼくは……いや。それより、蒼葉がぼくを彼氏って言ってくれたの、嬉しくて」
ずっと穏やかな仮面を被ったままだった旭の情緒が今日は乱高下している。旭も無理をしていたのだろうと蒼葉は手を伸ばした。片手を捕まえると、引き寄せてキスを落とす。
「何回好きだって言っても突っぱねてたのに、そんなに彼氏呼びが嬉しいのかよ。旭って呼ぶ代わりに彼氏って呼んでやろうか?」
「それは嫌だよ」
テーブルに乗り出して片手を頬に寄せて蒼葉が笑うと、さすがに旭は拒否した。それでも嬉しそうに擽ったそうにしている旭を蒼葉はたぶん初めて見る。穏やかなだけではなく、そんな風に恥ずかしがる旭を見て、蒼葉も嬉しい。ようやく、ちゃんと言葉を交わせるようになった。
「親には明日にでも電話するとして、あといっこだけ片付けさせて」
全部をいっぺんに片付けることは蒼葉にも難しい。学校や借りているマンションのことなどはどうしても外に出なければならない。
まずは、現時点で一番問題になっていて通話や電話だけで片が付くもので優先度が高く、危険性のあるものをどうにかしたかった。電話の着信履歴と留守番電話に、警察からのものがあった。行方を聞くだけのメッセージだったが、女が捜索願を出したせいで入った着信だろう。
その通話をスピーカーにするかどうか蒼葉は迷ったが、結局、旭にも聞こえるようにして発信した。スマートフォンの画面に後ろ三桁が一一〇の番号が表示される。それが警察の番号だと旭は気付いたのだろう。触れている手が緊張したのがわかった。
呼び出し音が数回してから繋がった通話に、蒼葉は落ち着いた声で話した。
「すみません。三浦蒼葉といいます。そちらから居場所を聞く留守電が入ってたので折り返したのですが」
そう言うと、いくつか質問をされて担当に代わると言われた。思わず黒い画面を見ていた蒼葉が視線を上げると、旭が少し青ざめている。それでもこの電話は蒼葉にしかかけられないし、通話を聞かせないようにした方が旭に不安が残るだろうと蒼葉はスピーカーにした。頬に当てた手に蒼葉はそっと頬を寄せて笑って見せた。
しばらくして担当者が電話口に出ると、蒼葉は同じようなことをもう一度繰り返した。
「ああ、三浦君、君ね捜索願が出てるんだよ。だから電話したんだけど、繋がらないから警察で捜索中ってことになっているんだ。電話したの半月くらい前だと思うけれど、いままで君どこでなにしてたんだい?」
「先生の家にいました。スマホはどこかに落としたと思っていて、気付きませんでした。ちょっと立て込んでいて忙しかったんでほったらかしで。さっき、片付けてたらなくしたと思ったスマホが出て来たんで折り返したんです。警察の人から電話もらう覚えなんてないし、なんだろうって思って」
「大学にも行ってないそうじゃないか」
「忙しかったんですよ。急に入ったバイトで、先生の手伝いだから泊まり込みなんです」
「安全なところにいるんだろうね?」
「なに言ってるんですか。危ない場所にいたらこんな電話できませんよ」
青葉が軽く笑うと、電話先の担当者は納得したようだった。大きな溜息が聞こえて、少し説教をされて電話が切れた。
「旭。もう安心だよね? だって、そんなに嘘だってついてない」
通話が終わって蒼葉もほっとしてから、旭を見上げた。旭はまだ青い顔をしてぼんやりとしている。蒼葉は椅子を立って旭の方へ回り込み、椅子を引いて勝手に膝の上に座った。
「旭。大丈夫。もう、あんたがどうにかなることはない」
ぎゅ、と抱く腕を回すと旭の力が抜けて、蒼葉は重みを感じた。震えた手が蒼葉に回って、「蒼葉、ごめん」とくぐもった声がした。
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