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第14話 変化
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「そんなすごい人があんたなんかに付いてるんか。社長さん見る目ないんちゃうか?」
「失礼な。めっちゃ期待されてるんや」
「まあ、頑張りや。ご飯どうする?」
「少なめでお願い」
「はいはい」
母は手際良く料理を皿に盛り付けた。今日は鮭の塩焼き。一番小さな鮭とサラダ、味噌汁が机に運ばれてきた。普段なら肉っ気のない食事にはうんざりするが、意識の変化だろうか、むしろ喜んでいる自分がいた。
「肉の方がええやろ?」
「別に、ヘルシーな食事も好きやで」
「あらまあ、いつもは文句言うくせに」
そういうと母は冷蔵庫から肉を取り出し、フライパンで炒めた。
「あっ、ずるい」
「あんたがいつも文句言うから買うてたんやけど、ヘルシーな食事好きやもんなあ?」
にやける母に、はいはいと答えて食事を済ませた。
「お兄最近雰囲気変わったなあ」
「どんな風に?」
「最近流行の意識高い系」
「系じゃなくて、意識高いぞ。今日も食事はヘルシーやったし、これからジムに行くんや」
「あっそう、別にどうでもいいけど」
奈々は相変わらずのツンデレだ。
もはやジムは日課になっていた。家からジムまではウォーミングアップがてらランニングで行き、ジムではマシンを使った無酸素性トレーニングをする。そして、帰りはクールダウンの意味も込めてゆっくりとランニングして帰る。全部で約1時間30分だ。不思議なことにこの時間も全く苦にならなかった。自分がどんどん磨かれていく感覚にすっかりハマっていたのだろう。
明日は映画でも観に行こうかな
帰りのランニング中に今日言われた先生の言葉を思い出し、明日は映画館に行くことにした。誰かを誘おうとも思ったが、勉強しに行くんだという気持ちだったため一人で行くことにした。
風呂上りに流行の映画を調べていると、陽介さん主演の恋愛映画『儚い恋物語、涼と愛の真実』が人気らしい。すぐさまチケットを予約した。
一人で恋愛映画を見る日が来るなんてなあ
僕はこれまで恋愛映画なんて全く興味なく、観たこともなかった。もっぱらアクション映画専門だった。しかし、先生に人気俳優への近道は恋愛映画だよと言われたこともあり、渋々観ることにしたのだ。
「明日映画観に行ってくるわ」
「何観に行くの?」
「『儚い恋物語、涼と愛の真実』」
「恋愛映画じゃん、翔太が恋愛映画って珍しい。急にどうしたの?」
「勉強のために行ってくるわ」
「映画で勉強かあ、がんばってね。また感想教えてね」
「うん」
「失礼な。めっちゃ期待されてるんや」
「まあ、頑張りや。ご飯どうする?」
「少なめでお願い」
「はいはい」
母は手際良く料理を皿に盛り付けた。今日は鮭の塩焼き。一番小さな鮭とサラダ、味噌汁が机に運ばれてきた。普段なら肉っ気のない食事にはうんざりするが、意識の変化だろうか、むしろ喜んでいる自分がいた。
「肉の方がええやろ?」
「別に、ヘルシーな食事も好きやで」
「あらまあ、いつもは文句言うくせに」
そういうと母は冷蔵庫から肉を取り出し、フライパンで炒めた。
「あっ、ずるい」
「あんたがいつも文句言うから買うてたんやけど、ヘルシーな食事好きやもんなあ?」
にやける母に、はいはいと答えて食事を済ませた。
「お兄最近雰囲気変わったなあ」
「どんな風に?」
「最近流行の意識高い系」
「系じゃなくて、意識高いぞ。今日も食事はヘルシーやったし、これからジムに行くんや」
「あっそう、別にどうでもいいけど」
奈々は相変わらずのツンデレだ。
もはやジムは日課になっていた。家からジムまではウォーミングアップがてらランニングで行き、ジムではマシンを使った無酸素性トレーニングをする。そして、帰りはクールダウンの意味も込めてゆっくりとランニングして帰る。全部で約1時間30分だ。不思議なことにこの時間も全く苦にならなかった。自分がどんどん磨かれていく感覚にすっかりハマっていたのだろう。
明日は映画でも観に行こうかな
帰りのランニング中に今日言われた先生の言葉を思い出し、明日は映画館に行くことにした。誰かを誘おうとも思ったが、勉強しに行くんだという気持ちだったため一人で行くことにした。
風呂上りに流行の映画を調べていると、陽介さん主演の恋愛映画『儚い恋物語、涼と愛の真実』が人気らしい。すぐさまチケットを予約した。
一人で恋愛映画を見る日が来るなんてなあ
僕はこれまで恋愛映画なんて全く興味なく、観たこともなかった。もっぱらアクション映画専門だった。しかし、先生に人気俳優への近道は恋愛映画だよと言われたこともあり、渋々観ることにしたのだ。
「明日映画観に行ってくるわ」
「何観に行くの?」
「『儚い恋物語、涼と愛の真実』」
「恋愛映画じゃん、翔太が恋愛映画って珍しい。急にどうしたの?」
「勉強のために行ってくるわ」
「映画で勉強かあ、がんばってね。また感想教えてね」
「うん」
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