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第一章
警察
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「また、ですか」
一人の若手刑事が呟いた。
「そうだ。今度は小学生の女の子、名前は中山レイだ」
隣の刑事が頷きながら応える。
「今回は刃物を使ったみたいですね」
しゃがみながら、遺体をじっくり見つめている若手刑事。
そんなことに興味は無い、と言うように、刑事は後ろへ歩いていく。
「だな。だが、まだ同一犯だとは言い切ることができない。また詳しく調査だ」
「はい」
若手刑事は立ち上がって歩き始めた。
「それにしても……何が目的で殺人するんでしょうね」
「目的……か。さあな。そういうものは人によって違うだろう」
「まあそうですけど……。じゃあ、田口さんが人を殺すとすれば、その理由は何だと思いますか?」
刑事は一瞬目を見開いたが、すぐに真剣な表情になった。
「俺か……?そうだな……。嫉妬?」
若手刑事は彼の回答に関心を示した。
「嫉妬……ですか。例えばどんな?」
「……アイツは俺より優れている、だとか、アイツは俺よりもモテるだとか。自分には無いものを持っている人間を、嫉妬がいきすぎて殺すんだろう」
「本人の事を聞いたのに、なんだか他人事ですね」
「俺は人を殺しはしないからな。『正義』側の人間になったから」
若手刑事は疑問を抱いた。
「警察って、必ずしも正義って訳では無いんじゃないですか?」
「どうしてそう思う」
刑事が不機嫌になってきている。
「過去の経験からです。今は言わないでおきますけど」
「……そうか」
「……この事件の犯人って、この辺の人なんですかね?」
束の間の沈黙ののち、若手刑事は問い掛けた。
「お前は黙ってられないのか」
「スイマセン。だけど、気になってしまって」
「……全く」
刑事は思いため息をついた。
「……そうだな……。まだ確かな事は言えないが、そこまで遠くはないだろうな」
「ですよね!怪しいですよね」
「口じゃなくて足を動かしてほしいもんだ」
若手刑事はいつの間にか立ち止まっていた。
「あ……。すいません」
「情けないな……」
一人の若手刑事が呟いた。
「そうだ。今度は小学生の女の子、名前は中山レイだ」
隣の刑事が頷きながら応える。
「今回は刃物を使ったみたいですね」
しゃがみながら、遺体をじっくり見つめている若手刑事。
そんなことに興味は無い、と言うように、刑事は後ろへ歩いていく。
「だな。だが、まだ同一犯だとは言い切ることができない。また詳しく調査だ」
「はい」
若手刑事は立ち上がって歩き始めた。
「それにしても……何が目的で殺人するんでしょうね」
「目的……か。さあな。そういうものは人によって違うだろう」
「まあそうですけど……。じゃあ、田口さんが人を殺すとすれば、その理由は何だと思いますか?」
刑事は一瞬目を見開いたが、すぐに真剣な表情になった。
「俺か……?そうだな……。嫉妬?」
若手刑事は彼の回答に関心を示した。
「嫉妬……ですか。例えばどんな?」
「……アイツは俺より優れている、だとか、アイツは俺よりもモテるだとか。自分には無いものを持っている人間を、嫉妬がいきすぎて殺すんだろう」
「本人の事を聞いたのに、なんだか他人事ですね」
「俺は人を殺しはしないからな。『正義』側の人間になったから」
若手刑事は疑問を抱いた。
「警察って、必ずしも正義って訳では無いんじゃないですか?」
「どうしてそう思う」
刑事が不機嫌になってきている。
「過去の経験からです。今は言わないでおきますけど」
「……そうか」
「……この事件の犯人って、この辺の人なんですかね?」
束の間の沈黙ののち、若手刑事は問い掛けた。
「お前は黙ってられないのか」
「スイマセン。だけど、気になってしまって」
「……全く」
刑事は思いため息をついた。
「……そうだな……。まだ確かな事は言えないが、そこまで遠くはないだろうな」
「ですよね!怪しいですよね」
「口じゃなくて足を動かしてほしいもんだ」
若手刑事はいつの間にか立ち止まっていた。
「あ……。すいません」
「情けないな……」
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