本当にある事故物件の話

アカバネ

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閑話

公園にある掲示板

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 熊本県のM町にあるY公園。

 地域開発の流れで、やおいかん(一筋縄ではいかない)神様を奉ってあった古い祠を撤去して建てられた公園である。

 …………

 「きょうは、おいでにならんごたる」(今日は留守だ)

 福田さんは工事現場を訪れては、祠をじっと見つめ。そう呟いていた。

 「きょうは、おいでにならんごたる」(今日は留守だ)

 福田さんは工事現場を訪れては、祠をじっと見つめ。そう呟いていた。

 「きょうは、おいでにならんごたる」(今日は留守だ)

 福田さんは工事現場を訪れては、祠をじっと見つめ。そう呟いていた。
 
 「きょうは、おいでなはった……。」(今日はいた) 

 ある日福田さんが、祠をじっと見つめたあと。震えながらいつもと違う事を呟いた。

 その日、祠撤去を行った工事関係者……全員死亡。

 原因はまだ分かっていない。

 …………

 「祟りのあっぞ、神さんばうしたりもんのごつ扱うて」(祟りがあるぞ、神様を余計物のように扱って)

 「祟りのあっぞ」(祟りがあるぞ)
 
 「祟りのあっぞ」(祟りがあるぞ)

 死の直前まで、何かを見つめながら、福田さんは呪文のようにそう繰り返し唱えていた。

 福田 信三ふくだ しんぞう 享年75歳。

 死因はまだ分かっていない。

 …………
 
 熊本県のM町にあるY公園。

 この公園には何も書いてない真っ白な掲示板がある。

 ある日掲示板に

 ・畜生の糞を片付けろ。
  飼い主には必ず責任を取ってもらう。

 と書き込まれた。

 書き込み後、Y公園に犬を連れて訪れた飼い主全員が、喰われて死亡。

 そのは、今だにわかっていない……。

 別の日に

 ・火をつかうな。大きな音を出すな。
  全員に必ず責任を取ってもらう。

 と書き込まれた。

 書き込み後、Y公園で花火を楽しんだ四人家族。

 数日後。家族四人全員が焼死体で発見された。

 一家心中として処理されたが、理由はまだわかっていない……。

 別の日に

 ・玉遊びをするな。大きな声を出すな。
  全員に必ず責任を取ってもらう。
 
 と書き込まれた。

 書き込み後、Y公園でサッカーをした子供たち。十人。

 その日の夜、子供たち全員が首のない状態で死亡。

 子供たちの首は今だに見つかっていない……。

 …………

 M町にある全ての学校で、Y公園での『球技禁止』。
 
 Y公園への『立ち入り禁止』が言い渡された。

 …………

 何も知らない外部の人が、公園の掲示板の写真を添付して、SNSで呟いた。

「『玉遊びをするな。大きな声を出すな』ってさ無茶苦茶じゃね?こういう事決める奴ってさ~マジで老害だわw」

 このツイートがバズり。

 ニュースでも度々取り上げられた。

 …………
 
 掲示板に新たな書き込みが増えた。
 
 ・この公園に何も口出しをするな。
  全員に必ず責任を取ってもらう。
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