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第一章 幼少期編

第九話 その後

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 ~レイロード視点~

 俺はあの後すっかり寝てしまい、起きたのはもう次の日の昼だった。

 リビングに行くと母と親父が何か話していたが俺に気が付いて話をやめた。

 てか、母とは昨日あんだけの事をしたからちょっと気まずい。

 親父が、

 「レイ。ちょっとこっちに座りなさい」

 真剣な顔をしていってきた。

 俺が座ると親父は、

 「レイ。昨日のことは反省しているか?」

 やはり昨日の事か。まぁ。それしかやらかしてないから当たり前か。

 「はい。反省してます」

 これは半分本当だ。

 半分は行って良かったと思っている。行った結果女の子を助ける事が出来たし、俺にもいい経験になったと思う。

 「反省しているならいい。けど、一カ月は練習は禁止だ」

 .....は?今親父なんて言った?嘘だろ?

 俺は冷静に対応しないとな。

 「えーと。何で?」

 親父は当たり前だろうとした顔で、

 「レイのその傷は完全に治っていないんだ。相当深くやられたんだろう。アンナの中級の治癒でも完治は出来なかった。それに、反省は態度で示さないとな」

 ド正論すぎて何も言い返せない。母も当たり前だ、という顔をしていた。

 俺は渋々、

 「....分かった。」

 親父はそんな俺を見てか

 「一カ月後はもっと色んなことを教えるから厳しくなるぞ」

 親父はフォローしてくれた。優しい親父だ。

 俺は笑顔で、

 「うん!」

 俺はだらけないよう、アネットの手伝いをしようと思った。

 初めアネットはやらしてくれなかったが、暇だからやらしてくれと言うと渋々許してくれた。

 はっきり言って、結構きつかった。こんな仕事をするアネットを見て改めて、獣人は凄いということが分かった。

 だが、一つ気になっていたことをアネットに聞いた。

 「なぁ。アネット。何でお前俺にも敬語使うんだ?」

 アネットが昔ジルダ達に助けられて、敬語で話すのは分かる。だけど、俺にまで使う必要があるんだろうか。

 アネットは当然とばかりに、

 「それは、ジルダ様とアンナ様の子供ですから。使いますよ」

 ......ふむ。分からん。

 「俺に敬語はやめてくれ。年上に敬語を使われるとか違和感しかない。それに俺敬語嫌いなんだ」

 そう言うと渋々アネットは、

 「分かった。少しずつ直していくね。レイ」

 そう笑顔で言ってくれた。

 それからほぼ毎日アネットとは話すことで大分仲良くなれた気がする。

 掃除を手伝ったら次は勉強をした。

 おもに数学だ。母に手伝って貰ったりしながら勉強をした。

 そんな日々を過ごした。


 ~一カ月~

 あれから一カ月が経った。短いようで、長かった。この世界に来て一番長い時間かもしれない。

 俺は何故か掃除レベルが上がった気がする。

 .....掃除レベルを上げる為に異世界で頑張ってるわけじゃないけどな。

 一カ月後の練習では、大きな変化があった。

 俺は親父との模擬戦中一度親父に攻撃を加えられたのだ。

 これは、本当に嬉しかった。

 今まで一度も当たらなかったから成長が感じられなかったからな。

 親父はゴブリン戦での経験だなと言っていた。

 俺は親父にゴブリンと戦ったこと言ったっけ?ま、いっか。

 魔法の方も何故か順調だ。

 火、風以外の魔法も中級まで使えるようになった。

 魔法の本では中級までしか載っていなかったからゴブリン戦で使ったような応用技を練習中だ。

 ゴブリン戦はやはり、俺にとって大きな踏台になったと改めて思う。

 ただ、不安だった。何もかもが順調すぎて。

 そんなことを思ったせいだろうか。

 俺はいつものように模擬戦をして、親父と話していた。

 親父は唐突に、

 「なぁ。レイ。お前家庭教師をしてみないか?」

 そんな事を言ってきたのだ。

 
 第一章 幼少期編 終了

 第二章 少年編 開始
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