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第五章 最終章 異世界最終決戦編

皆は本気過ぎる

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 もうお腹が痛い。今日は彼女達全員が闘技場で戦うという。

 今回レムリア王国にいるのは俺とリリア、セシリア、マリー、シア、タマ、セルミーだ。他の人達は恐ろしくて来ていない。

 魔王はジルドの世話をして、アネットはいつも通り家事をして、何やら校長がレイシアを見て、歓喜に打ち震えて現在面倒を見てくれている。

 俺もジルドとレイシアと遊んでいたいが、そういう訳にもいかないので現在来ている。

 そして今回は見事に全員予選で分かれている。運がいいのかは知らないが他の参加者が可哀そうで仕方が無い。

 そして今から始まるのはAブロックのマリーがいる会場。

 他の参加者連中も強そうな連中が多いが流石にマリーに勝てそうな奴はいない。

 「それでは今からAブロックの試合を始めます!」

 実況の合図と共に試合が開始される。

 会場はデカいが何十人といる会場でそこまで広くは感じない。

 そんな中色んな武器を持った連中が戦いあっている中、マリーは会場の隅で動いていない。

 「なあ、なんでマリー動いてないんだ?」
 
 「マリーは予選なんて考えてないと思うニャ。多分本選が一日空くとしても体力を温存する作戦ニャ」

 ......マジすぎるだろ。

 結果は見るまでも無い。最後に残った人がマリーに立ち向かい、一発で場外まで吹っ飛ばされるという結果だ。

 「Aブロック勝者マリー選手です!」

 会場が沸く中、次の会場の連中が出てくる。Bブロックはシアだ。

 もの凄い嫌な予感しかしない。

 「それでは始めてください!」

 その瞬間超級魔法が会場全てを襲う。

 「......試合終了です」

 一瞬で終わった。参加した人は一瞬で会場外に飛ばされ、しかも全員気絶で済むように手加減されているから凄すぎる。

 もう次からは実況する意味がない。

 セシリアもリリアも以前と同じように瞬殺して終わりだ。

 ......ほんと会場の皆さんすみません。

 皆を代表して心の中で謝った。

 「あのさ、俺本選見に行かないでも大丈夫と思うか?」

 「殺される覚悟が必要ニャ」

 「あなたそれはほんとにやばいわよ」

 二人に同時に言われてしまった。確かにやばいんだけどこれならミラさんと二人でメルニア王国をデートした方が良いと俺は思ってしまった。

 -本選当日。

 今日という日が来るのが少し怖い自分がいながら若干楽しみにしている自分もいる。

 なんせ冥王の力を受け継いだリリア、魔王の直結の血筋であり身体強化の精霊ミレムと契約しているマリー、ミレイアさんという勇者パーティで活躍した人の血筋であり風の精霊シルフと契約を結んでいるセシリア、巫女の力を受け継いだシア、誰が勝つのか全く予想出来ない所が面白い。

 正直この戦いで誰が勝つのか楽しみである。他の人も一昨日の予選の事を聞いたのか大勢の人が集まっている。

 「なあ、タマとセルミは誰が勝つと思う?」

 タマとセルミは少し考え、

 「私はマリーが勝つと思うニャ。なんせ魔王の力に加えて身体強化の精霊はほんとに強いニャ」

 「私はリリアかシアのどちらかが勝つと思うね。セシリアはそこまで第一の妻にこだわってないし、マリーもこだわっているけどそこまでこだわっているかと言われたらそこまでじゃない気がするし」

 「要するにタマは実力的にマリーが勝つと思って、セルミは第一の妻に賭ける思いが強いリリアとシアのどちらが勝つと?」

 「そうニャ」

 「そうね」

 ただそこで少し疑問も浮かぶ。マリーはそこまで第一の妻の座は気にしていないとセルミは言う。なら、何故マリーは本選に出てまでやる気を漲らせているのかそれが気になるが今は試合を見るのに集中しよう。

 「本選第一試合はシア選手対セシリア選手です!両者武器は持っていなく魔法主戦の戦いとなるでしょう!それでは始め!」

 「おっと!シア選手姿は変わりました!あれは何の魔法でしょうか」

 その光景に俺とタマ、セルミはドン引きだ。

 シアはまさかの大衆の前で巫女の姿になりガチで戦うつもりなのだから。

 

 
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