11 / 29
猫好きの猫ババ
しおりを挟む
「そんなペースじゃ夕方になっても終わんないよ!」
「何でよおおおおおおおおおおおおお!!」
由緒正しいフォーデンハイド家の令嬢であるこのあたしが、ボロ屋の性格の悪いババアの部屋の掃除をさせられることになるとは。
こき使われて、どれくらいたったかしら。
猫の形をした時計を確認する。
「4時ぃ!?」
朝から、窓ふき、床、廊下の掃除、猫の毛をとり、絨毯交換作業など頭が悪くなるくらい働かされているあたしは、ソファでのんきに横になりながら指示だけしてくる猫ババに雑巾を持った手を握りしめていた。
「5時までにはその絨毯の毛とり終わらせな」
猫ババは、偉そうにあたしを指さして指図してきた。
ムカつく・・・何よこのババア。こんなに広いのに1時間で終わると思ってるの?
周りにいる猫さえも、あたしをあざわらっているように見えて、あたしは歯をぎりぎり噛みしめた。
これも、全部ハーネス!あの男のせいだわ。
アイツがあたしを置いて逃げたりするから!
帰ってきたら顔をひっかいて怪我したところを強めにつんつんしてやるんだから。
あたしは、床に膝をついて、コロコロでまた毛だらけになるであろう絨毯を掃除していた。
「ドクソ猫、怪我していたけどなんかやらかしたのかい?」
猫ババは、ソファにねっころがってソーダのアイスを食べながら聞いてきた。
「しらない」
あたしは、なんとなく猫ババに話す気にはなれなくてぷいっとそっぽを向いた。
「そうかい、あんたの顔にも大層な処置がしてあるじゃないかい。ドクソ猫と喧嘩でもしたのかい」
「喧嘩なんか毎日よ」
「へえ、それはドクソ猫に殴られたのかい?」
「いいえ、違うわ」
思い出したくなくて、あたしは顔をしかめた。
「生意気猫、あんたそんなに小さいのに嫌な大人に殴られたなんて、苦労してるね。それを助けて怪我したわけか。あのバカは」
猫ババは、独り言をぶつぶつぼやいて食べ終わったアイスの棒を近くのゴミ箱に慣れた手つきで放り投げた。
「そんなこと誰もいってないでしょ」
猫ババは、あたしが話していないことをほとんど自分で考察してしまった。しかも当たっている。
あたしは、もう自分のことを聞かれたくなくて猫ババに何か質問することにした。
猫まみれの家?ここにはハーネス以外住人はいるの?仕事は何をしているの?何歳?どうしてそんなに性格が悪いの?あなたは魔女?色々聞きたいことがある。
「おばさん、名前は?」
「オーラ」
猫ババは、そっけなく答えた。
「あたしはアリス。あたしのこと、もう生意気猫って呼ばないでくれる?」
「嫌だ」
即答だった。
「どうして変なあだ名つけるの?」
「人間が大嫌いだからさ」
全然答えになっていなかった。
人を人の名前で呼ぶことも嫌なのかもしれない。
だとしたらとんでもない変わり者だ。
「どうして人間がキライなの?」
「嘘つきで汚いからだ」
「猫は好きなの?」
「好きじゃなきゃここにいないだろ」
猫ババは、質問されるのが嫌みたいだった。
自分は質問するくせに、質問されると不機嫌になるなんて勝手すぎるわ。
猫ババは、しばらくあくびをしながらあたしの掃除を観察した後、
「餌の時間だ」
4:55分。そういって重い腰をあげた。
これだけの猫にどうやって餌をやってるのよ。
どうせ呼び出されて手伝わされるんだわ。
あたしは、まだ毛取りが半分しか終わっていない絨毯を見てため息をついた。
でも、顔をあげたら猫ババは床にそって餌の入った容器を置いていき、それを猫たちは一直線になって待っていた。
どうしてそんなことができるのだろう。
動物なのに、まるで統率のとれた人間のようだった。
「うちの猫は、猫同士で教えあって生きていくように躾けているんだ」
猫ババが壁に沿って並べていった餌の容器は、部屋の壁を1辺以外埋め尽くした。
猫ババが少し離れてソファに寝転がり、パンと手を叩くと、並んでいた猫たちがそれぞれの容器へと向かっていく。
「凄い」
感心していると、ピンポンとインターフォンがなった。
「なんだい、食事中だろ」
猫ババは、心底嫌そうな顔をして立ち上がった。
「全く相変わらずタイミングが最悪だね」
猫ババは吐き捨てるようにいうと、ずんずん玄関に向かっていく。
まるで、訪ねてきた人が誰なのかわかっているようだった。
こっそり猫ババの後についていってみると、
「オーラさん、お土産です」
銃で撃たれていない方の手で大きな麻袋を持つハーネスがいた。何故か顔も手もひっかき傷やかみつき跡だらけだった。袋には動くものが何か入っている。
1日も経っていないのに、随分懐かしいような感じがした。
「なに袋に入れてんだい、抱えて持ってきな」
「怪我してるんで、すみません」
ハーネスは、怪我した肩を庇うように麻袋を持っていた。
「甘えたこといってんじゃないよ」
猫ババは、怪しい袋を受け取って中身を確認する。
「なんだい、怪我してるのもいるじゃないか。こっちの方が一大事だよ。ほんっとにあんたはドクソだね」
猫ババはそういって怪我しているハーネスの肩をぱしっと叩いた。
「いっっっっでえええ!!何しやがるこのクソ猫ババア!!」
ハーネスは涙目になりながら本性を出して叫んだのに、
「はいはい、あんたに構ってやってる暇は毛頭ないんだ」
猫ババは、廊下の脇の掃除を頼まれなかった部屋に入っていった。
ハーネスは、ばたんと閉められた扉の前、玄関で震えながら肩を押さえてうずくまっていた。
「あのクソ猫ババ、いつか覚えていやがれ・・・」
廊下に拳をそっと叩きつけてハーネスは押し殺すようにつぶやいた。
あたしは、そんなみじめなハーネスの前でしゃがんだ。
「なんだよ」
あたしが怪我している肩に向かって思いっきり手を振り上げると、ハーネスは足だけでのたうちまわって玄関扉の方へ後ずさった。
「あはははははははっあーはっはははは!!」
「指さして笑うな!鬼か!お前は!」
「いい気味だわ!今日はあんたのせいでどんな目にあったか!」
「オレだってやることはやってきたんだよ!!お前の方がまだマシだろうが!」
「うるっさいねえ!あんたたちは!!」
ばんと勢いよく扉が開いて、あたしはびっくりして扉の方を見た。
扉からは、猫を4匹抱きかかえた猫ババが出てきた。小さい猫が3匹、大きいのが1匹。
そのうちの子猫2匹は、1匹は頭に、もう1匹は手に包帯が巻かれていた。片目が潰れている猫もいた。
「よし、まあ今日はこれくらいで勘弁してやるよ。でも、今度家賃を払わなかったら容赦しないからね」
猫ババは、今日初めて少しだけ笑顔を見せた。
猫たちを優しくゆっくり下ろすと、
「チョコ!チップ!」
黒猫を2匹呼んだ。すっとやってきた2匹の黒猫たち。1匹は最初にあたしにすり寄ってきた黒猫だわ。
黒猫は、どれも同じ顔だと思っていたけど、案外顔の見分けがつくみたい。
「この子たちに色々教えてやんな、あと他の猫たちへの紹介もね」
猫ババは、少ししゃがんでさっきハーネスが連れてきたらしい猫たちを1匹1匹指さして、
「シャーベット、ソルベ、バニラ、クリーム」
アイスの種類をさらっと並べると、チョコとチップと呼ばれていた猫たちに紹介した。
猫たちは、それをしっかり聞いて頷くとそのまま4匹についてこいと言わんばかりに目配せする。
3匹の子猫は、ついていくが1匹の成猫だけはついていく様子がない。
それどころか、別の方向、玄関の方へ歩いていこうとしている。
「ドクソ猫をひっかいたのはソルベだね、生意気そうな顔してえ」
猫ババは、そういって母親のように微笑んで嫌がるソルベを抱き上げた。
「猫に対しては、本当に優しいのね」
ぽつりと本心を呟くと、それをハーネスは聞いていたようで、
「まあな」
といって困ったような顔をした。
「まあ、裏で猫専門の獣医をやっているからな、あの人」
「獣医って動物のお医者さんってこと?凄いじゃない」
魔女にしか見えないんだけど・・・そんなに凄い人だったの?
「もう仕事はいいよ。帰りな」
猫ババは、ソルベを抱きながらあたしにありがとうも言わずにそう言った。
何よ、本当にマイペースな人だわ。
でも、帰るときに、猫ババに呼び止められた。
「ちょっと、生意気猫」
「なによ」
まだ何かしろっていうの?あたしは咄嗟に身構えた。
「これを持っていきな」
猫ババに、白い袋を渡された。
「何よこれ」
袋の中を見ると、沢山のパンが入っていた。
「最近来た人間(患者)からもらったんだけど、あたしも猫たちも食べないからあげるよ」
あたしも人間なんだけど・・・。
でも、パンなんて久しぶり!しかもこんなに!
「ありがとう、猫バ・・・オーラおばさん!」
猫をかぶってあたしは笑った。
「ふん」
オーラおばさんは、腕を組んでこの猫部屋から出ていくあたしたちに背中を向けたまま、鼻をならした。
「何でよおおおおおおおおおおおおお!!」
由緒正しいフォーデンハイド家の令嬢であるこのあたしが、ボロ屋の性格の悪いババアの部屋の掃除をさせられることになるとは。
こき使われて、どれくらいたったかしら。
猫の形をした時計を確認する。
「4時ぃ!?」
朝から、窓ふき、床、廊下の掃除、猫の毛をとり、絨毯交換作業など頭が悪くなるくらい働かされているあたしは、ソファでのんきに横になりながら指示だけしてくる猫ババに雑巾を持った手を握りしめていた。
「5時までにはその絨毯の毛とり終わらせな」
猫ババは、偉そうにあたしを指さして指図してきた。
ムカつく・・・何よこのババア。こんなに広いのに1時間で終わると思ってるの?
周りにいる猫さえも、あたしをあざわらっているように見えて、あたしは歯をぎりぎり噛みしめた。
これも、全部ハーネス!あの男のせいだわ。
アイツがあたしを置いて逃げたりするから!
帰ってきたら顔をひっかいて怪我したところを強めにつんつんしてやるんだから。
あたしは、床に膝をついて、コロコロでまた毛だらけになるであろう絨毯を掃除していた。
「ドクソ猫、怪我していたけどなんかやらかしたのかい?」
猫ババは、ソファにねっころがってソーダのアイスを食べながら聞いてきた。
「しらない」
あたしは、なんとなく猫ババに話す気にはなれなくてぷいっとそっぽを向いた。
「そうかい、あんたの顔にも大層な処置がしてあるじゃないかい。ドクソ猫と喧嘩でもしたのかい」
「喧嘩なんか毎日よ」
「へえ、それはドクソ猫に殴られたのかい?」
「いいえ、違うわ」
思い出したくなくて、あたしは顔をしかめた。
「生意気猫、あんたそんなに小さいのに嫌な大人に殴られたなんて、苦労してるね。それを助けて怪我したわけか。あのバカは」
猫ババは、独り言をぶつぶつぼやいて食べ終わったアイスの棒を近くのゴミ箱に慣れた手つきで放り投げた。
「そんなこと誰もいってないでしょ」
猫ババは、あたしが話していないことをほとんど自分で考察してしまった。しかも当たっている。
あたしは、もう自分のことを聞かれたくなくて猫ババに何か質問することにした。
猫まみれの家?ここにはハーネス以外住人はいるの?仕事は何をしているの?何歳?どうしてそんなに性格が悪いの?あなたは魔女?色々聞きたいことがある。
「おばさん、名前は?」
「オーラ」
猫ババは、そっけなく答えた。
「あたしはアリス。あたしのこと、もう生意気猫って呼ばないでくれる?」
「嫌だ」
即答だった。
「どうして変なあだ名つけるの?」
「人間が大嫌いだからさ」
全然答えになっていなかった。
人を人の名前で呼ぶことも嫌なのかもしれない。
だとしたらとんでもない変わり者だ。
「どうして人間がキライなの?」
「嘘つきで汚いからだ」
「猫は好きなの?」
「好きじゃなきゃここにいないだろ」
猫ババは、質問されるのが嫌みたいだった。
自分は質問するくせに、質問されると不機嫌になるなんて勝手すぎるわ。
猫ババは、しばらくあくびをしながらあたしの掃除を観察した後、
「餌の時間だ」
4:55分。そういって重い腰をあげた。
これだけの猫にどうやって餌をやってるのよ。
どうせ呼び出されて手伝わされるんだわ。
あたしは、まだ毛取りが半分しか終わっていない絨毯を見てため息をついた。
でも、顔をあげたら猫ババは床にそって餌の入った容器を置いていき、それを猫たちは一直線になって待っていた。
どうしてそんなことができるのだろう。
動物なのに、まるで統率のとれた人間のようだった。
「うちの猫は、猫同士で教えあって生きていくように躾けているんだ」
猫ババが壁に沿って並べていった餌の容器は、部屋の壁を1辺以外埋め尽くした。
猫ババが少し離れてソファに寝転がり、パンと手を叩くと、並んでいた猫たちがそれぞれの容器へと向かっていく。
「凄い」
感心していると、ピンポンとインターフォンがなった。
「なんだい、食事中だろ」
猫ババは、心底嫌そうな顔をして立ち上がった。
「全く相変わらずタイミングが最悪だね」
猫ババは吐き捨てるようにいうと、ずんずん玄関に向かっていく。
まるで、訪ねてきた人が誰なのかわかっているようだった。
こっそり猫ババの後についていってみると、
「オーラさん、お土産です」
銃で撃たれていない方の手で大きな麻袋を持つハーネスがいた。何故か顔も手もひっかき傷やかみつき跡だらけだった。袋には動くものが何か入っている。
1日も経っていないのに、随分懐かしいような感じがした。
「なに袋に入れてんだい、抱えて持ってきな」
「怪我してるんで、すみません」
ハーネスは、怪我した肩を庇うように麻袋を持っていた。
「甘えたこといってんじゃないよ」
猫ババは、怪しい袋を受け取って中身を確認する。
「なんだい、怪我してるのもいるじゃないか。こっちの方が一大事だよ。ほんっとにあんたはドクソだね」
猫ババはそういって怪我しているハーネスの肩をぱしっと叩いた。
「いっっっっでえええ!!何しやがるこのクソ猫ババア!!」
ハーネスは涙目になりながら本性を出して叫んだのに、
「はいはい、あんたに構ってやってる暇は毛頭ないんだ」
猫ババは、廊下の脇の掃除を頼まれなかった部屋に入っていった。
ハーネスは、ばたんと閉められた扉の前、玄関で震えながら肩を押さえてうずくまっていた。
「あのクソ猫ババ、いつか覚えていやがれ・・・」
廊下に拳をそっと叩きつけてハーネスは押し殺すようにつぶやいた。
あたしは、そんなみじめなハーネスの前でしゃがんだ。
「なんだよ」
あたしが怪我している肩に向かって思いっきり手を振り上げると、ハーネスは足だけでのたうちまわって玄関扉の方へ後ずさった。
「あはははははははっあーはっはははは!!」
「指さして笑うな!鬼か!お前は!」
「いい気味だわ!今日はあんたのせいでどんな目にあったか!」
「オレだってやることはやってきたんだよ!!お前の方がまだマシだろうが!」
「うるっさいねえ!あんたたちは!!」
ばんと勢いよく扉が開いて、あたしはびっくりして扉の方を見た。
扉からは、猫を4匹抱きかかえた猫ババが出てきた。小さい猫が3匹、大きいのが1匹。
そのうちの子猫2匹は、1匹は頭に、もう1匹は手に包帯が巻かれていた。片目が潰れている猫もいた。
「よし、まあ今日はこれくらいで勘弁してやるよ。でも、今度家賃を払わなかったら容赦しないからね」
猫ババは、今日初めて少しだけ笑顔を見せた。
猫たちを優しくゆっくり下ろすと、
「チョコ!チップ!」
黒猫を2匹呼んだ。すっとやってきた2匹の黒猫たち。1匹は最初にあたしにすり寄ってきた黒猫だわ。
黒猫は、どれも同じ顔だと思っていたけど、案外顔の見分けがつくみたい。
「この子たちに色々教えてやんな、あと他の猫たちへの紹介もね」
猫ババは、少ししゃがんでさっきハーネスが連れてきたらしい猫たちを1匹1匹指さして、
「シャーベット、ソルベ、バニラ、クリーム」
アイスの種類をさらっと並べると、チョコとチップと呼ばれていた猫たちに紹介した。
猫たちは、それをしっかり聞いて頷くとそのまま4匹についてこいと言わんばかりに目配せする。
3匹の子猫は、ついていくが1匹の成猫だけはついていく様子がない。
それどころか、別の方向、玄関の方へ歩いていこうとしている。
「ドクソ猫をひっかいたのはソルベだね、生意気そうな顔してえ」
猫ババは、そういって母親のように微笑んで嫌がるソルベを抱き上げた。
「猫に対しては、本当に優しいのね」
ぽつりと本心を呟くと、それをハーネスは聞いていたようで、
「まあな」
といって困ったような顔をした。
「まあ、裏で猫専門の獣医をやっているからな、あの人」
「獣医って動物のお医者さんってこと?凄いじゃない」
魔女にしか見えないんだけど・・・そんなに凄い人だったの?
「もう仕事はいいよ。帰りな」
猫ババは、ソルベを抱きながらあたしにありがとうも言わずにそう言った。
何よ、本当にマイペースな人だわ。
でも、帰るときに、猫ババに呼び止められた。
「ちょっと、生意気猫」
「なによ」
まだ何かしろっていうの?あたしは咄嗟に身構えた。
「これを持っていきな」
猫ババに、白い袋を渡された。
「何よこれ」
袋の中を見ると、沢山のパンが入っていた。
「最近来た人間(患者)からもらったんだけど、あたしも猫たちも食べないからあげるよ」
あたしも人間なんだけど・・・。
でも、パンなんて久しぶり!しかもこんなに!
「ありがとう、猫バ・・・オーラおばさん!」
猫をかぶってあたしは笑った。
「ふん」
オーラおばさんは、腕を組んでこの猫部屋から出ていくあたしたちに背中を向けたまま、鼻をならした。
0
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説
側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。
とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」
成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。
「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」
********************************************
ATTENTION
********************************************
*世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。
*いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。
*R-15は保険です。
裏切られた令嬢は死を選んだ。そして……
希猫 ゆうみ
恋愛
スチュアート伯爵家の令嬢レーラは裏切られた。
幼馴染に婚約者を奪われたのだ。
レーラの17才の誕生日に、二人はキスをして、そして言った。
「一度きりの人生だから、本当に愛せる人と結婚するよ」
「ごめんねレーラ。ロバートを愛してるの」
誕生日に婚約破棄されたレーラは絶望し、生きる事を諦めてしまう。
けれど死にきれず、再び目覚めた時、新しい人生が幕を開けた。
レーラに許しを請い、縋る裏切り者たち。
心を鎖し生きて行かざるを得ないレーラの前に、一人の求婚者が現れる。
強く気高く冷酷に。
裏切り者たちが落ちぶれていく様を眺めながら、レーラは愛と幸せを手に入れていく。
☆完結しました。ありがとうございました!☆
(ホットランキング8位ありがとうございます!(9/10、19:30現在))
(ホットランキング1位~9位~2位ありがとうございます!(9/6~9))
(ホットランキング1位!?ありがとうございます!!(9/5、13:20現在))
(ホットランキング9位ありがとうございます!(9/4、18:30現在))
私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです
こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。
まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。
幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。
「子供が欲しいの」
「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」
それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。
【完結】記憶を失くした貴方には、わたし達家族は要らないようです
たろ
恋愛
騎士であった夫が突然川に落ちて死んだと聞かされたラフェ。
お腹には赤ちゃんがいることが分かったばかりなのに。
これからどうやって暮らしていけばいいのか……
子供と二人で何とか頑張って暮らし始めたのに……
そして………
完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。
音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。
だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。
そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。
そこには匿われていた美少年が棲んでいて……
貴方の愛人を屋敷に連れて来られても困ります。それより大事なお話がありますわ。
もふっとしたクリームパン
恋愛
「早速だけど、カレンに子供が出来たんだ」
隣に居る座ったままの栗色の髪と青い眼の女性を示し、ジャンは笑顔で勝手に話しだす。
「離れには子供部屋がないから、こっちの屋敷に移りたいんだ。部屋はたくさん空いてるんだろ? どうせだから、僕もカレンもこれからこの屋敷で暮らすよ」
三年間通った学園を無事に卒業して、辺境に帰ってきたディアナ・モンド。モンド辺境伯の娘である彼女の元に辺境伯の敷地内にある離れに住んでいたジャン・ボクスがやって来る。
ドレスは淑女の鎧、扇子は盾、言葉を剣にして。正々堂々と迎え入れて差し上げましょう。
妊娠した愛人を連れて私に会いに来た、無法者をね。
本編九話+オマケで完結します。*2021/06/30一部内容変更あり。カクヨム様でも投稿しています。
随時、誤字修正と読みやすさを求めて試行錯誤してますので行間など変更する場合があります。
拙い作品ですが、どうぞよろしくお願いします。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
私が死んだあとの世界で
もちもち太郎
恋愛
婚約破棄をされ断罪された公爵令嬢のマリーが死んだ。
初めはみんな喜んでいたが、時が経つにつれマリーの重要さに気づいて後悔する。
だが、もう遅い。なんてったって、私を断罪したのはあなた達なのですから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる