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お嬢様を返してほしくば1千万用意しな!
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「お嬢さまの命が惜しければ身代金を1千万ギル用意しな」
「どうぞ」
「・・・は?」
ブチ。
オレは、縄で縛られ真っ青な顔をしているお嬢様を見て叫んだ。
「ええええええええええええええええええええええええええええ!!」
「ええええええええええええええええええええええええええええ!!」
お嬢さまも叫んでいた。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!!ちょっと!貸しなさいそれ!電話!!貸しなさい電話!どーーーーーいうことよ!あたし捕まっているのよ!!誰!?誰が言ったの今の!!マイヤー1!?マイヤーね!?覚えてなさいよ!!」
「待て、落ち着け、聞き間違いだろう」
オレは、泣き叫びパニックに陥っているお嬢さまを左手1本で制し、また電話をかけた。
この町で名の知れた名家、フォーデンハイド家に。
「はい」
「おい、もう一度言うぞ。よく聞け。お前のところの、フォーデンハイド家のお嬢さまを誘拐した。返してほしくば、一千万ギル用意しろ」
オレは、よく聞こえなかったようなので今回はさっきより更にゆっくりはっきりと伝えてやった。
「ですから」
相手の女は、はっきりと言い放った。
「結構だと申しておりますわ」
「はあ!?」
「旦那様や奥様が長らく他国にお仕事に行かれているのをいいことに屋敷でも我儘放題で、屋敷の使用人を奴隷のように扱い、勉強やお稽古もさぼりがちで・・・正直清々します」
「いやいやいや待って、ご両親がいない状態で彼女を誘拐したんですよオレ!完全に戻ってきたご両親にあなた方怒られますよ大丈夫なんですか?」
オレは焦って何故か誘拐した娘の使用人の心配をしていた。
「大丈夫ですよ」
「なんで大丈夫なんですかねえ!?」
「旦那様も奥様もご両親が勝手に決めたご結婚でしたので、お仕事とは名ばかりでお互いご本命のご相手のところにいます」
「一緒にいるんじゃないのかよ!!!!」
しかも仕事じゃないのかよ!!!どうなってんだよコイツの家庭は!!
「旦那様の方はそちらでお子様も作られたようでして、もう帰ってこられる気はないそうです」
「まてまてまて、こいつはどうなるんだよじゃあ、まだ若いぞ、16っていってたぞ」
「さあ、わたくしはそのクソガキに唐突にジュースをかけられたり、ノートを投げつかられたり、余程人間の扱いを受けていませんでしたので」
おいおい、仮にも使えていた相手にクソガキって。
「あ、で、でもあれですよね、彼女がいなくなったら、あなたお仕事が」
「ノープログレムです」
声が唐突に明るくなった。
「マイヤー!来週ビーチの貸し切り!予約できたわよ!」
「オーケー!」
「新しい水着買っちゃお!」
「第2の人生楽しも!ここでがっぽり稼げたし!!」
使用人たちで第2の人生エンジョイしようとしてる声聞こえた!!ノリノリだった!!
「マイヤー!別荘の場所ここでいいかな?」
「ちょっと待ってー!はい、というわけでもうお電話は結構です、煮るなり焼くなり好きにしてください」
「おい、仕えていた相手より別荘の場所が大事なのかよ!」
「はい。あなた、勘違いされておいでのようですが、わたくしたちサービス業がゆめゆめ相手に忠義があるから仕えているなどと決めつけないでいただきたいです。お金の為にやっている者や家庭を支えるためにやっている者も当然いるわけですので」
「ちょ・・・まっ」
「それでは」
切られた。
「え・・・ええ」
全てとなりで聞いていたお嬢様は、放心状態だった。
「おい、お前の価値0だぞ」
「・・・・・」
「聞いてんのか」
「・・・うわあああああああああああ!!うああああああああああああああ!!」
オレのボロ屋壊れかけの椅子に縛られているお嬢さまは恥も忘れ大口を開けて大泣きしていた。
「うわあああああああああああああああん!!うわあああああああ!!」
「おいおい、泣くなよ、泣きたいのはこっちだぞ」
「こっちに決まってるでしょ!!ばかあああああ!!ばかああああああああ!!」
「いやこっちだよ、オレの人生逆転計画がお前に人望がないせいで丸つぶれなんだけど。どうしてくれんの」
「こっちこそあんたがあたしのこと誘拐しなければこんなことにはならなかったじゃないの!!」
「いや、近かれ早かれ恨みで殺されてただろお前。むしろそれをオレは救ってやったといえんこともない」
「そんなこと・・・ぐすっ・・・うっないも・・・ぐすっ・・・わたしのこと・・・もっと慰めなさいよ・・・」
性格がクソといえど、顔はいい。お嬢さまらしく、丁寧に手入れされたブロンドの髪に、宝石のような青い瞳、顔も整っているし、服もブルーの高そうなドレスでよく似合っている。
「よしよし」
大人のオレ(21)は、彼女の前にしゃがんで優しく声をかけた。
「使用人さんが優しいからってナメすぎてたんだな、使用人さんにも人の心があるってわかってよかったじゃねえか、次またこういうことがないように色んな人にやさしくしていけばいいさ」
そういうと、お嬢は顔をあげて、花が咲くように顔をぱあっと輝かせた。
「来世でな」
「んぎゃああああああああああああ!!」
およそ獣のおたけびのような声をあげてお嬢は暴れた。
「おいおい、暴れたいのはこっちなんだぞ」
「明らかにこっちでしょ!!」
「仕方ないな、市場に売りに行ってみるか」
オレは、ぎゃあぎゃあ泣きわめくコイツにがんがんする頭を押さえながら泣く泣くコイツを人売りの裏市場に売りにいった。
「どうぞ」
「・・・は?」
ブチ。
オレは、縄で縛られ真っ青な顔をしているお嬢様を見て叫んだ。
「ええええええええええええええええええええええええええええ!!」
「ええええええええええええええええええええええええええええ!!」
お嬢さまも叫んでいた。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!!ちょっと!貸しなさいそれ!電話!!貸しなさい電話!どーーーーーいうことよ!あたし捕まっているのよ!!誰!?誰が言ったの今の!!マイヤー1!?マイヤーね!?覚えてなさいよ!!」
「待て、落ち着け、聞き間違いだろう」
オレは、泣き叫びパニックに陥っているお嬢さまを左手1本で制し、また電話をかけた。
この町で名の知れた名家、フォーデンハイド家に。
「はい」
「おい、もう一度言うぞ。よく聞け。お前のところの、フォーデンハイド家のお嬢さまを誘拐した。返してほしくば、一千万ギル用意しろ」
オレは、よく聞こえなかったようなので今回はさっきより更にゆっくりはっきりと伝えてやった。
「ですから」
相手の女は、はっきりと言い放った。
「結構だと申しておりますわ」
「はあ!?」
「旦那様や奥様が長らく他国にお仕事に行かれているのをいいことに屋敷でも我儘放題で、屋敷の使用人を奴隷のように扱い、勉強やお稽古もさぼりがちで・・・正直清々します」
「いやいやいや待って、ご両親がいない状態で彼女を誘拐したんですよオレ!完全に戻ってきたご両親にあなた方怒られますよ大丈夫なんですか?」
オレは焦って何故か誘拐した娘の使用人の心配をしていた。
「大丈夫ですよ」
「なんで大丈夫なんですかねえ!?」
「旦那様も奥様もご両親が勝手に決めたご結婚でしたので、お仕事とは名ばかりでお互いご本命のご相手のところにいます」
「一緒にいるんじゃないのかよ!!!!」
しかも仕事じゃないのかよ!!!どうなってんだよコイツの家庭は!!
「旦那様の方はそちらでお子様も作られたようでして、もう帰ってこられる気はないそうです」
「まてまてまて、こいつはどうなるんだよじゃあ、まだ若いぞ、16っていってたぞ」
「さあ、わたくしはそのクソガキに唐突にジュースをかけられたり、ノートを投げつかられたり、余程人間の扱いを受けていませんでしたので」
おいおい、仮にも使えていた相手にクソガキって。
「あ、で、でもあれですよね、彼女がいなくなったら、あなたお仕事が」
「ノープログレムです」
声が唐突に明るくなった。
「マイヤー!来週ビーチの貸し切り!予約できたわよ!」
「オーケー!」
「新しい水着買っちゃお!」
「第2の人生楽しも!ここでがっぽり稼げたし!!」
使用人たちで第2の人生エンジョイしようとしてる声聞こえた!!ノリノリだった!!
「マイヤー!別荘の場所ここでいいかな?」
「ちょっと待ってー!はい、というわけでもうお電話は結構です、煮るなり焼くなり好きにしてください」
「おい、仕えていた相手より別荘の場所が大事なのかよ!」
「はい。あなた、勘違いされておいでのようですが、わたくしたちサービス業がゆめゆめ相手に忠義があるから仕えているなどと決めつけないでいただきたいです。お金の為にやっている者や家庭を支えるためにやっている者も当然いるわけですので」
「ちょ・・・まっ」
「それでは」
切られた。
「え・・・ええ」
全てとなりで聞いていたお嬢様は、放心状態だった。
「おい、お前の価値0だぞ」
「・・・・・」
「聞いてんのか」
「・・・うわあああああああああああ!!うああああああああああああああ!!」
オレのボロ屋壊れかけの椅子に縛られているお嬢さまは恥も忘れ大口を開けて大泣きしていた。
「うわあああああああああああああああん!!うわあああああああ!!」
「おいおい、泣くなよ、泣きたいのはこっちだぞ」
「こっちに決まってるでしょ!!ばかあああああ!!ばかああああああああ!!」
「いやこっちだよ、オレの人生逆転計画がお前に人望がないせいで丸つぶれなんだけど。どうしてくれんの」
「こっちこそあんたがあたしのこと誘拐しなければこんなことにはならなかったじゃないの!!」
「いや、近かれ早かれ恨みで殺されてただろお前。むしろそれをオレは救ってやったといえんこともない」
「そんなこと・・・ぐすっ・・・うっないも・・・ぐすっ・・・わたしのこと・・・もっと慰めなさいよ・・・」
性格がクソといえど、顔はいい。お嬢さまらしく、丁寧に手入れされたブロンドの髪に、宝石のような青い瞳、顔も整っているし、服もブルーの高そうなドレスでよく似合っている。
「よしよし」
大人のオレ(21)は、彼女の前にしゃがんで優しく声をかけた。
「使用人さんが優しいからってナメすぎてたんだな、使用人さんにも人の心があるってわかってよかったじゃねえか、次またこういうことがないように色んな人にやさしくしていけばいいさ」
そういうと、お嬢は顔をあげて、花が咲くように顔をぱあっと輝かせた。
「来世でな」
「んぎゃああああああああああああ!!」
およそ獣のおたけびのような声をあげてお嬢は暴れた。
「おいおい、暴れたいのはこっちなんだぞ」
「明らかにこっちでしょ!!」
「仕方ないな、市場に売りに行ってみるか」
オレは、ぎゃあぎゃあ泣きわめくコイツにがんがんする頭を押さえながら泣く泣くコイツを人売りの裏市場に売りにいった。
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