37 / 48
海に行ってもらいます
しおりを挟む
「海ってこんなに広いのね」
サングラスをした八木杉が、レンタカーという赤い車を借りてきてくれてそれに乗って私を含め四人は海へ。
相澤も誘ったんだけど、仕事の休みが取れなかったみたい。最初から仕事の都合上なんとなく相澤は来れないんじゃないかとは思っていたけれどね。
目の前の壮大な青い海を見て私は息を飲んだ。
「これが海なのね...」
「灰子ちゃん海知らないの?」
「あぁ、この人田舎者なので海知らないんですよ」
「なんかよくわからないけど馬鹿にしてるでしょ」
ムキー!と怒って総司を追いかける砂浜。
とても広くてサラサラしていて綺麗だわ。
向こうの世界にいたら、こんな景色見られなかったわね。
「日焼け止めを塗らないと焼けちゃうよ」
私は理沙に更衣室に引っ張り込まれた。
「こんなところに来れるとは思わなかったよ」
「まぁね。八月の休みが2日もあってよかったわ...」
仕事を頑張ったご褒美として、今日は沢山遊ぶわよー!
理沙に借りた黒い水着を着て早く外に出たくてワクワクしていた。
少し、ほんの少し胸がぶかぶかだったのでパッドを入れたわ。
理沙は白いワンピースタイプの水着を着て外に出たがる私を引き止めた。
「日焼け止め、ちゃんと塗って」
「わ、わかったわよ」
理沙は心配性だわ。
ブーブー言いながら日焼け止めを塗って外に出た。
海に入るの夢だったのよね!日曜だったから若い人たちや、親子連れも多かった。
いつも会社の中で缶詰だからこう開放感のあるところに行くとなんだか清々しい気持ちになるわね!
理沙は、大きな穴の空いた丸輪を抱えていた。
「理沙、何よそれ」
「浮き輪だよ」
少し恥ずかしそうな理沙に首を傾げた。
「私、泳げないの」
「そうなの?」
海を見るとよく子供達がバシャバシャ海を泳いでいる。その中でポツポツと理沙の持っている浮き輪をお腹に巻いてぷかぷか浮いている子供もいる。
「あれ、八木杉さん達じゃない?」
理沙が指差した方を見ると、八木杉と総司が肌の黒い知らない女二人組に声をかけられていた。
「何やってんのよ。誰よその人達」
声をかけると、女達は顔を見合わせて背を向けて行ってしまった。
「彼女もちなの」
「嘘、こんなにイケメンなのに」
「ありがとう溝沼さん」
八木杉に何故かお礼を言われた。
「なんでお礼を言われないといけないのよ声かけただけよ」
「オレと総司君でちょっとサーフィンに行ってくるよ」
「サーフィン?」
八木杉が指差す方を見ると、板に乗って人が波に乗っていた。
「何よあれ危ないじゃない」
「大丈夫だよ。オレは慣れてる」
「総司なんてサーフィンしたことないでしょ大丈夫なの」
「俺器用なんで」
確かにこいつなら一回見ただけでできそうね。
「あっそ。せいぜい気をつけなさい」
「溝沼さんも、他人に迷惑かけないように海で遊んでくださいね」
総司は私に背を向けて物凄く失礼なことを吐き捨てて言ってしまった。
「どーいう意味よ!!」
隣では理沙が「最高...最高...」と呟いていた。
サングラスをした八木杉が、レンタカーという赤い車を借りてきてくれてそれに乗って私を含め四人は海へ。
相澤も誘ったんだけど、仕事の休みが取れなかったみたい。最初から仕事の都合上なんとなく相澤は来れないんじゃないかとは思っていたけれどね。
目の前の壮大な青い海を見て私は息を飲んだ。
「これが海なのね...」
「灰子ちゃん海知らないの?」
「あぁ、この人田舎者なので海知らないんですよ」
「なんかよくわからないけど馬鹿にしてるでしょ」
ムキー!と怒って総司を追いかける砂浜。
とても広くてサラサラしていて綺麗だわ。
向こうの世界にいたら、こんな景色見られなかったわね。
「日焼け止めを塗らないと焼けちゃうよ」
私は理沙に更衣室に引っ張り込まれた。
「こんなところに来れるとは思わなかったよ」
「まぁね。八月の休みが2日もあってよかったわ...」
仕事を頑張ったご褒美として、今日は沢山遊ぶわよー!
理沙に借りた黒い水着を着て早く外に出たくてワクワクしていた。
少し、ほんの少し胸がぶかぶかだったのでパッドを入れたわ。
理沙は白いワンピースタイプの水着を着て外に出たがる私を引き止めた。
「日焼け止め、ちゃんと塗って」
「わ、わかったわよ」
理沙は心配性だわ。
ブーブー言いながら日焼け止めを塗って外に出た。
海に入るの夢だったのよね!日曜だったから若い人たちや、親子連れも多かった。
いつも会社の中で缶詰だからこう開放感のあるところに行くとなんだか清々しい気持ちになるわね!
理沙は、大きな穴の空いた丸輪を抱えていた。
「理沙、何よそれ」
「浮き輪だよ」
少し恥ずかしそうな理沙に首を傾げた。
「私、泳げないの」
「そうなの?」
海を見るとよく子供達がバシャバシャ海を泳いでいる。その中でポツポツと理沙の持っている浮き輪をお腹に巻いてぷかぷか浮いている子供もいる。
「あれ、八木杉さん達じゃない?」
理沙が指差した方を見ると、八木杉と総司が肌の黒い知らない女二人組に声をかけられていた。
「何やってんのよ。誰よその人達」
声をかけると、女達は顔を見合わせて背を向けて行ってしまった。
「彼女もちなの」
「嘘、こんなにイケメンなのに」
「ありがとう溝沼さん」
八木杉に何故かお礼を言われた。
「なんでお礼を言われないといけないのよ声かけただけよ」
「オレと総司君でちょっとサーフィンに行ってくるよ」
「サーフィン?」
八木杉が指差す方を見ると、板に乗って人が波に乗っていた。
「何よあれ危ないじゃない」
「大丈夫だよ。オレは慣れてる」
「総司なんてサーフィンしたことないでしょ大丈夫なの」
「俺器用なんで」
確かにこいつなら一回見ただけでできそうね。
「あっそ。せいぜい気をつけなさい」
「溝沼さんも、他人に迷惑かけないように海で遊んでくださいね」
総司は私に背を向けて物凄く失礼なことを吐き捨てて言ってしまった。
「どーいう意味よ!!」
隣では理沙が「最高...最高...」と呟いていた。
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
おもかげをさがして
日暮照太郎
BL
幼馴染の愛楽と昌平。二人は誰よりも親友で、誰よりもお互いのことを思い合っていた。
そんな二人だったが、ある事故で愛楽が命を落としてからというもの、昌平は精神を病み家に引きこもりがちになってしまう。
それもそのはず、昌平は愛楽のことを親友以上に、恋として好きだったのだ。愛楽のいない人生に価値を見出せず、生きるか死ぬかで生きていた昌平。
とある夏の日、そんな昌平の前に一人の、いや、一体のクリーチャーが現れる。そのバケモノは、自分のことを「愛楽」だと名乗った。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
風船葛の実る頃
藤本夏実
ライト文芸
野球少年の蒼太がラブレター事件によって知り合った京子と岐阜の町を探索するという、地元を紹介するという意味でも楽しい作品となっています。又、この本自体、藤本夏実作品の特選集となっています。
【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる