36 / 48
打ち込んでもらいます
しおりを挟む
「溝沼くん、ちょっと」
「はい」
明日はとうとう海の日。今日を頑張れば明日は海。そして2日も連続して休みよ。
これはすごい事なんだから。1日休みで海に行くんだけど、次の日も休みなのよ。これはすごい事よ。
ハゲ上司の前に行くと、
「この書類のコピー、一枚ないんだけど」
「え?」
私が頼まれた書類のコピー6枚を、一部30枚にして印刷してくるという仕事を頼まれていた。
でも、その書類本当は7枚だったらしく一枚足りないのだそうだ。
「いえ、私がもらったのは6枚だった...ですけど」
「いや、7枚ちゃんと渡したよね」
「もらってないです」
「ちょっとコピー機のところ行って忘れてないか見に行ってみたら」
ムッとしてコピー機のところに行くけれどコピー機の裏にも上にも床にもそんなものはなかった。
「なかったじゃないの」
更にムッとしてハゲ上司のところに戻る。
「ないですけど」
「そんなはずはないよ。ちゃんと7枚渡したはずだから」
「はぁ...」
私はため息をついて、ハゲ上司を睨みつけた。
「だからっ...ぐっ...」
急にどくんと心臓が痛くなった。
また総司に仕組まれた発作だわ。痛い...わけわかんないくらい痛い...!!心臓が痛いのよ!!痛い!!痛い痛い痛い!!
「はぁっ...はぁっ...申し訳ございませんでした」
「見つけるか、今日中にこれ打ち込んでおいてよ」
細かい字の書いてある紙を見せられた。
これを...打ち込めと?
紙とハゲ上司を交互に見ると、ハゲ上司は冷たい目で私を見ていた。
どうして私がこんな事しないといけないのよ...本当に6枚しかもらってないっていうのに...。
「最近の若い子はサボろうとした事が見つかると言い訳するのが困るなぁ」
他の人に聞こえるようにハゲ上司はやれやれと大きな声で言っていた。
私は拳を握りしめた。どうしてこんな事を言われないといけないのよ。
「どうしたの?灰子ちゃん」
席に戻ると理沙が心配そうに私を見上げていた。
「なんでもないわ」
「その紙...」
理沙は、私が持っている紙を見て目を見開いた。
「え?」
「私同じ紙をシュレッダーをかける紙入れで見たよ」
「嘘!?」
私は急いでシュレッダーをかける紙を分けていれる箱を覗いた。
どういう事よ?
ガガガというシュレッダーの音がして、音のする方を見ると、紙共がシュレッダーにかかっていた。
「あ.....」
シュレッダーにかかった紙クズ達は細かくされてゴミ袋へ。
なんて事よ。私はこれを最初から打ち込まないといけないの?誰よ、一枚シュレッダーに入れたやつは!
会社を見回してもそんな人はいない。
コピー中にあまりにも長いからトイレに行ったわ。
その間に一枚抜かれてシュレッダーの所に入れられたって事?
誰がやったかわからない。
落ちていたものをゴミかと思ってシュレッダーの箱の中に入れた、間違いなのかもしれない。
席について、私は息を吐いた。
「仕方ないわね。打ち込みますか」
こんなのよくあることよ。ここでは。
仕事のイライラを新入社員へのいたずらへと平気でぶつけてきたり、なんか紙がなくなったと思ったら捨てられてたりするんだから。
私は首をポキポキならして仕事に励んだ。明日は休みなのよ。
全然平気よこんなの!
「はい」
明日はとうとう海の日。今日を頑張れば明日は海。そして2日も連続して休みよ。
これはすごい事なんだから。1日休みで海に行くんだけど、次の日も休みなのよ。これはすごい事よ。
ハゲ上司の前に行くと、
「この書類のコピー、一枚ないんだけど」
「え?」
私が頼まれた書類のコピー6枚を、一部30枚にして印刷してくるという仕事を頼まれていた。
でも、その書類本当は7枚だったらしく一枚足りないのだそうだ。
「いえ、私がもらったのは6枚だった...ですけど」
「いや、7枚ちゃんと渡したよね」
「もらってないです」
「ちょっとコピー機のところ行って忘れてないか見に行ってみたら」
ムッとしてコピー機のところに行くけれどコピー機の裏にも上にも床にもそんなものはなかった。
「なかったじゃないの」
更にムッとしてハゲ上司のところに戻る。
「ないですけど」
「そんなはずはないよ。ちゃんと7枚渡したはずだから」
「はぁ...」
私はため息をついて、ハゲ上司を睨みつけた。
「だからっ...ぐっ...」
急にどくんと心臓が痛くなった。
また総司に仕組まれた発作だわ。痛い...わけわかんないくらい痛い...!!心臓が痛いのよ!!痛い!!痛い痛い痛い!!
「はぁっ...はぁっ...申し訳ございませんでした」
「見つけるか、今日中にこれ打ち込んでおいてよ」
細かい字の書いてある紙を見せられた。
これを...打ち込めと?
紙とハゲ上司を交互に見ると、ハゲ上司は冷たい目で私を見ていた。
どうして私がこんな事しないといけないのよ...本当に6枚しかもらってないっていうのに...。
「最近の若い子はサボろうとした事が見つかると言い訳するのが困るなぁ」
他の人に聞こえるようにハゲ上司はやれやれと大きな声で言っていた。
私は拳を握りしめた。どうしてこんな事を言われないといけないのよ。
「どうしたの?灰子ちゃん」
席に戻ると理沙が心配そうに私を見上げていた。
「なんでもないわ」
「その紙...」
理沙は、私が持っている紙を見て目を見開いた。
「え?」
「私同じ紙をシュレッダーをかける紙入れで見たよ」
「嘘!?」
私は急いでシュレッダーをかける紙を分けていれる箱を覗いた。
どういう事よ?
ガガガというシュレッダーの音がして、音のする方を見ると、紙共がシュレッダーにかかっていた。
「あ.....」
シュレッダーにかかった紙クズ達は細かくされてゴミ袋へ。
なんて事よ。私はこれを最初から打ち込まないといけないの?誰よ、一枚シュレッダーに入れたやつは!
会社を見回してもそんな人はいない。
コピー中にあまりにも長いからトイレに行ったわ。
その間に一枚抜かれてシュレッダーの所に入れられたって事?
誰がやったかわからない。
落ちていたものをゴミかと思ってシュレッダーの箱の中に入れた、間違いなのかもしれない。
席について、私は息を吐いた。
「仕方ないわね。打ち込みますか」
こんなのよくあることよ。ここでは。
仕事のイライラを新入社員へのいたずらへと平気でぶつけてきたり、なんか紙がなくなったと思ったら捨てられてたりするんだから。
私は首をポキポキならして仕事に励んだ。明日は休みなのよ。
全然平気よこんなの!
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】内緒で死ぬことにした 〜いつかは思い出してくださいわたしがここにいた事を〜
たろ
恋愛
手術をしなければ助からないと言われました。
でもわたしは利用価値のない人間。
手術代など出してもらえるわけもなく……死ぬまで努力し続ければ、いつかわたしのことを、わたしの存在を思い出してくれるでしょうか?
少しでいいから誰かに愛されてみたい、死ぬまでに一度でいいから必要とされてみたい。
生きることを諦めた女の子の話です
★異世界のゆるい設定です
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる