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「溝沼くん、ちょっと」
「はい」
明日はとうとう海の日。今日を頑張れば明日は海。そして2日も連続して休みよ。
これはすごい事なんだから。1日休みで海に行くんだけど、次の日も休みなのよ。これはすごい事よ。
ハゲ上司の前に行くと、
「この書類のコピー、一枚ないんだけど」
「え?」
私が頼まれた書類のコピー6枚を、一部30枚にして印刷してくるという仕事を頼まれていた。
でも、その書類本当は7枚だったらしく一枚足りないのだそうだ。
「いえ、私がもらったのは6枚だった...ですけど」
「いや、7枚ちゃんと渡したよね」
「もらってないです」
「ちょっとコピー機のところ行って忘れてないか見に行ってみたら」
ムッとしてコピー機のところに行くけれどコピー機の裏にも上にも床にもそんなものはなかった。
「なかったじゃないの」
更にムッとしてハゲ上司のところに戻る。
「ないですけど」
「そんなはずはないよ。ちゃんと7枚渡したはずだから」
「はぁ...」
私はため息をついて、ハゲ上司を睨みつけた。
「だからっ...ぐっ...」
急にどくんと心臓が痛くなった。
また総司に仕組まれた発作だわ。痛い...わけわかんないくらい痛い...!!心臓が痛いのよ!!痛い!!痛い痛い痛い!!
「はぁっ...はぁっ...申し訳ございませんでした」
「見つけるか、今日中にこれ打ち込んでおいてよ」
細かい字の書いてある紙を見せられた。
これを...打ち込めと?
紙とハゲ上司を交互に見ると、ハゲ上司は冷たい目で私を見ていた。
どうして私がこんな事しないといけないのよ...本当に6枚しかもらってないっていうのに...。
「最近の若い子はサボろうとした事が見つかると言い訳するのが困るなぁ」
他の人に聞こえるようにハゲ上司はやれやれと大きな声で言っていた。
私は拳を握りしめた。どうしてこんな事を言われないといけないのよ。
「どうしたの?灰子ちゃん」
席に戻ると理沙が心配そうに私を見上げていた。
「なんでもないわ」
「その紙...」
理沙は、私が持っている紙を見て目を見開いた。
「え?」
「私同じ紙をシュレッダーをかける紙入れで見たよ」
「嘘!?」
私は急いでシュレッダーをかける紙を分けていれる箱を覗いた。
どういう事よ?
ガガガというシュレッダーの音がして、音のする方を見ると、紙共がシュレッダーにかかっていた。
「あ.....」
シュレッダーにかかった紙クズ達は細かくされてゴミ袋へ。
なんて事よ。私はこれを最初から打ち込まないといけないの?誰よ、一枚シュレッダーに入れたやつは!
会社を見回してもそんな人はいない。
コピー中にあまりにも長いからトイレに行ったわ。
その間に一枚抜かれてシュレッダーの所に入れられたって事?
誰がやったかわからない。
落ちていたものをゴミかと思ってシュレッダーの箱の中に入れた、間違いなのかもしれない。
席について、私は息を吐いた。
「仕方ないわね。打ち込みますか」
こんなのよくあることよ。ここでは。
仕事のイライラを新入社員へのいたずらへと平気でぶつけてきたり、なんか紙がなくなったと思ったら捨てられてたりするんだから。
私は首をポキポキならして仕事に励んだ。明日は休みなのよ。
全然平気よこんなの!
「はい」
明日はとうとう海の日。今日を頑張れば明日は海。そして2日も連続して休みよ。
これはすごい事なんだから。1日休みで海に行くんだけど、次の日も休みなのよ。これはすごい事よ。
ハゲ上司の前に行くと、
「この書類のコピー、一枚ないんだけど」
「え?」
私が頼まれた書類のコピー6枚を、一部30枚にして印刷してくるという仕事を頼まれていた。
でも、その書類本当は7枚だったらしく一枚足りないのだそうだ。
「いえ、私がもらったのは6枚だった...ですけど」
「いや、7枚ちゃんと渡したよね」
「もらってないです」
「ちょっとコピー機のところ行って忘れてないか見に行ってみたら」
ムッとしてコピー機のところに行くけれどコピー機の裏にも上にも床にもそんなものはなかった。
「なかったじゃないの」
更にムッとしてハゲ上司のところに戻る。
「ないですけど」
「そんなはずはないよ。ちゃんと7枚渡したはずだから」
「はぁ...」
私はため息をついて、ハゲ上司を睨みつけた。
「だからっ...ぐっ...」
急にどくんと心臓が痛くなった。
また総司に仕組まれた発作だわ。痛い...わけわかんないくらい痛い...!!心臓が痛いのよ!!痛い!!痛い痛い痛い!!
「はぁっ...はぁっ...申し訳ございませんでした」
「見つけるか、今日中にこれ打ち込んでおいてよ」
細かい字の書いてある紙を見せられた。
これを...打ち込めと?
紙とハゲ上司を交互に見ると、ハゲ上司は冷たい目で私を見ていた。
どうして私がこんな事しないといけないのよ...本当に6枚しかもらってないっていうのに...。
「最近の若い子はサボろうとした事が見つかると言い訳するのが困るなぁ」
他の人に聞こえるようにハゲ上司はやれやれと大きな声で言っていた。
私は拳を握りしめた。どうしてこんな事を言われないといけないのよ。
「どうしたの?灰子ちゃん」
席に戻ると理沙が心配そうに私を見上げていた。
「なんでもないわ」
「その紙...」
理沙は、私が持っている紙を見て目を見開いた。
「え?」
「私同じ紙をシュレッダーをかける紙入れで見たよ」
「嘘!?」
私は急いでシュレッダーをかける紙を分けていれる箱を覗いた。
どういう事よ?
ガガガというシュレッダーの音がして、音のする方を見ると、紙共がシュレッダーにかかっていた。
「あ.....」
シュレッダーにかかった紙クズ達は細かくされてゴミ袋へ。
なんて事よ。私はこれを最初から打ち込まないといけないの?誰よ、一枚シュレッダーに入れたやつは!
会社を見回してもそんな人はいない。
コピー中にあまりにも長いからトイレに行ったわ。
その間に一枚抜かれてシュレッダーの所に入れられたって事?
誰がやったかわからない。
落ちていたものをゴミかと思ってシュレッダーの箱の中に入れた、間違いなのかもしれない。
席について、私は息を吐いた。
「仕方ないわね。打ち込みますか」
こんなのよくあることよ。ここでは。
仕事のイライラを新入社員へのいたずらへと平気でぶつけてきたり、なんか紙がなくなったと思ったら捨てられてたりするんだから。
私は首をポキポキならして仕事に励んだ。明日は休みなのよ。
全然平気よこんなの!
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