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GWがくるようです

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「ゴーーーールデンウィーーク!!素晴らしいわ!素晴らしい!おやすみなのでしょう?ねぇねぇ10日も休みがあるなんて幸せの極みよ!」

「え...灰子ちゃん?」

理沙は、困惑顔で私を見る。

「休憩室のテレビでやってたわよ!!世間はお休みだそうね!シュクジツっていうの?ふふ、なんて素晴らしい日なの!」

「は、灰子ちゃん...?」

「あー!10日も休みがあるなんて!幸せ!出勤しなくていいだけで幸せ!嬉しい!ゴールデンウィーク最高よ!」

「灰子ちゃーん」

「な、なによ」

理沙は、心底心配した顔で私を見ていた。

「ゴールデンウィーク、普通に仕事だよ」

「は?」

「休みなのは、休みの所だけだよ」

「は?」

「ここは普通に出勤だよ」

「.....」

バンっと私は机に突っ伏して呟いた。

「ゴールデンウィークとか、死ねばいいのに...なによ、期待させておいて...私以外の奴らがのうのうと休むってわけ?10日も?はぁ?死ねばいいのに...」

「呪詛を吐かないで!灰子ちゃん!」

「GW、一日だけ休みがあるみたいですよ」

総司が、そんな私達の会話に入ってきた。

「えぇ!嘘!初めての休み!?」

がばりと机から顔を上げて私はキラキラ顔を輝かせた。

「うん。そのかわり五月の休みその一日しかないけどね」

「なによそれ...頭おかしいんじゃないの」

31日も日数あって何で休みが一日しかないのよ。頭おかしいんじゃないの?

ゴールデンウィークに休みがあってもそれはそれで私はキレていた。

「3日が休み...みたいですね」

「やったわ!もうすぐじゃないの!花見も終わったし!ふふ、もう会社に呼ばれることもないわ!一日寝まくるわよ!」

イェーイと右手を突き上げる私に、理沙が申し訳なさそうにもじもじしていた。

「何よ理沙」

「えっと...その」

「?」

首を傾げると、少し顔を赤らめながらもじもじと、

「その...次、いつこうまともな休みがあるかわからないし...その、私、次の休み、灰子ちゃんと出かけたいなって...」

「.....」

「あ、いや...ごめんね。その、休みたいよね。ごめんね」

理沙は、申し訳なさそうに俯いて徐々に語気が弱まっていく。

「私ね、灰子ちゃんが初めてできた友達なの。今までずっと、いじめられてきて、利用されてきて、友達なんて、その、いなかったから...だから、その友達とショッピング...とか、夢だったの。ごめんね。迷惑...だよね」

「.....」

「いいの!休みたいよねおやすみだもん。ごめんね。我儘言っちゃって...」

ジトーっと総司が私を見てくる。
なによ、行けってこと?いや、私は初めての休みは一日中寝るって決めてるんだってば!ちょっと!そんな目で見るんじゃなわよ!
理沙も!なんて顔でこっち見てんのよ!

「うっ...う~」

口をへの字にして 、私は数秒俯いた後、

「あー!わかったわよ!出かけるわよ!出かければいいんでしょ!」

顔を上げて理沙を見ると、理沙は本当に嬉しそうに微笑んでいた。
仕方ないわね...。
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