龍神は月を乞う

なつあきみか

文字の大きさ
上 下
29 / 69
第二幕〈再会〉

春の嵐 2

しおりを挟む
 夕闇近い暮れの時刻、不意の客が西の離宮を訪れた。
 昼間にカムリ領からの客が帰って以来、ここ数日の苛立ちをふたたび身に纏っていたレスタだったが、城代に伝えられたその名を聞くなりひそめた眉間を一層歪めた。
「…ひょっとして名目は見舞いか?」
「まぁ…。あとは、あらためて詫びを、とのことだ」
「……」
 その真偽はともかくとしてだ。
 見舞いを理由に突然、――実際に先触れもなく突然離宮を訪れたのは、レスタの怪我の遠因となったトロワ・ローエン王弟殿下とその側近という、まったくもって招かざる客そのものだった。
「…どうする、レスタ」
 どこか神妙な城代の問いに、カウチから身を起こしたレスタは片手で払うような仕種をみせた。その仕種からしても苛立っているのは明らかだ。
「ノエルの屋敷に誘導するにも時間が時間だ。今夜はとりあえず客間にでも放り込んで、明日早々にたたき出せ」
 もともと客人の受け入れは整っている。人物はまるで違ったが。
 城代は重々しい溜息のあと、やむを得ないというように小さく頷いた。
「ならばそうしよう。しかし相手は仮にもおまえの叔父だ。…夕食の席はどうする? 顔を出すか?」
 ぴり。と、レスタの気配が静電気でも走らせそうなほどに険を帯びた。
 今日はもともとの来客予定に気を遣ったようで癒しのハルクもここにはいない。にもかかわらず、待ちかねていたはずの遠来の客は早々に屋敷を辞している。利き手と右足は役立たずで、その上さらに諸悪の根元が先触れも寄越さずに詫びだの見舞いだのときたものだ。
 まったく静養にならない。と城代は思った。レスタの傍らに控えるシドも思った。
 むろんいちばんそう思ったのはレスタ本人だ。
「…レスタ、短慮は…」
 日頃から短気で知られるレスタだが、気性に反して短慮はない。――が、今日だけはシドもその確信が持てなかった。現にクラウドが帰ってからのこの数時間、レスタの奥底の不機嫌は静かなだけに相当なものだ。
 宥められるとも思えなかったが、かといっていまにも逆上しそうなこの空気を放っておけるはずもない。意を決して声を掛けたシドだったが、命じるような尖った声に遮られた。
「シドはカムリに行け」
「…、…え…?」
「すぐにクラウドを連れてこい」
 苛立ちの籠もった不本意そうな声で、レスタは短くそれだけを命じた。

 実際、その選択はレスタにとって不本意には違いなかった。
 早々に帰っていった男を再度こちらへ呼び寄せるというのは、まるきり子どもの駄々のようで気にくわなかったし、何となくあの男のご機嫌をよくしてやるような気もして尚さら業腹だ。
 とはいえ背に腹は替えられない。この二年でレスタの新たな周辺となった王都の環境やら宮廷の顔触れやら、とかく面倒なことは多くなっていたが、今日のこの状況はそんなものでは較べようもなかった。
 切れそうだ、とレスタは本気で思った。
 原因はいうまでもない。こんなときに限って近くにいるのに傍にはいない、あの男だ。これに尽きた。


「ひとまず客人は客間に通しておいたが…。夕食はカムリの総領殿がお見えになるまで待っていただくということで、殿下には本来の客人の到着が遅れているからだと、ちと方便を使っておいた。…それでいいな?」
「それでいい」
「さいわいカムリ家はこちらでも名の知れたナーガきっての名門旧家だ。何より異国の高位貴族という点で緩衝剤としてはうってつけだろう」
「…外面もいいしな」
 レスタはぼそりと毒を吐いた。
 淀みなく家政をこなす城代はそんなレスタに苦笑をこぼし、間もなくふたたび訪れるだろうかれの友人、と称してよいものか、ナーガの若き辺境伯爵総領を思い浮かべた。
 漆黒の豊かな髪は背の半ばほど、そこに幾すじか混じる細いドレッドロックスが男の香気によく似合っていて、背からざらりと流れるたびに隙のない立ち居振る舞いをより際立たせていた。
 いまだ成年に満たないとは思えないほど大人びた体躯も、希有な金色の双眸も、それらを目にした一瞬でたちまち理解できた。
「内も外も初めて対面した儂には分からんが、あの威容はひとかたのものではないな。ことさら物騒な眸の色も」
 城代の言葉にレスタはふん、と鼻を鳴らした。不機嫌のままカウチに根を生やしていた身体を大儀そうに起こし、すでに夜の帳を降ろしてしまった窓の外を見やった。
「…支配者の眸だからな」
「それを釘付けにする者もここには居るようだが」
「……」
 赤い虹彩が威嚇するように睨みをきかせたが、城代は慣れたようすで肩をすくめただけだった。これだから老成した傍観者の目は厄介だ。
 それとも簡単に見透かされてしまったあの男が浅はかなのか。あるいはレスタ自身が。
 昼間この部屋に居合わせていたのはそれぞれの側近だけだったのに。
「…たぬきじじい」
「むろんこの狸は何も知らんがな。…しかし傑物というのは違えず自らに相応しいものを見抜くということだ。どちらも、互いにな」
「ふさわしい?」
「違うか?」
「……いや、」
 違わない、と思った。
 己がどういった器であるかはともかく、クラウドにとってそれが最も肝要なものだということをレスタはとっくに知っている。そうして生まれた感情にどんな呼び名がついているかということも。それを、あの男が自ら認めているということも。
 久しぶりに顔を見て、その唇や髪に触れて、実感として思いだした。
 二年の空白を隔ててもあの男が気を変えなかったなんて、有り難いやら、面倒くさいやら。
「……めんどくさい…」
 呟いたレスタに城代は怪訝な顔をしてみせた。
「何がだ?」
「いやべつに、…こっちの話」
 気のない溜息をひとつ。動かせない右手の包帯を軽く撫でて、レスタはふたたび暗い窓の外を見た。鏡状になった硝子には室内の燭台の灯りが点々と映っていた。
 クラウドはまだ来ない。
(…じゃなくて、)
 確かにクラウドのことは他の何よりも重要で面倒だったが、いまはそれよりも客間の連中が問題だ。
 だから城代の言うように、この顔触れであれば表向き部外者とされるクラウドを呼び寄せた。高位を持つ異国の客をまえにして、面子を重んじる王侯貴族は軽率な言動など取りはしない。
 あとは見舞いを主張する招かざる客にそれ相応のもてなしを示して、また一方で優先すべき大事な客人のあることを前面に知らしめておけば、レスタが彼をいちいち構わなくても事は足りる。
 べつに個人的に嫌っているわけではないが、二年ぶりの辺境に在ってわざわざ顔を会わせたい相手であるはずもなかった。
 そういう相手ならほかにいる。会いたいと思っていた男が。
 思考がまたそちらに流れて、レスタはやれやれと自分に溜息をついた。


   + + +

 
 突然の訪問者というなら、カムリの屋敷でもそれは同様だった。
 ひどく慇懃に頭をさげた白装束の男に、クラウドはわざと怪訝な表情を隠さずに敷居の高みからシドを見下ろした。
「急ぎの用か?」
「…は。…諸事により、カムリの総領殿におかれましてはいま一度離宮へお越しいただきますよう。あるじの命にて参上つかまつりました」
 身を伏せたまま返したシドの言葉に、クラウドは一層訝るように眉間に皺を刻んだ。
「何があった?」
 問い質し、けれどすぐさま思い直したように、あとでいい、と返事を遮った。間口に控える衛士に声を掛け、厩舎への馬の支度を命じさせる。それからふたたびシドを見やり、
「カムリの名は要るか」
 と訊いた。
 シドはその察しの良さに密かに驚きながら、要ります、と慌てて答えを返した。
 正装ではないものの、ナーガの貴族階級であることが一目で分かる民族衣装へと身支度を済ませたクラウドは、陽の落ちた夕闇の道をふたたび離宮へ向けて馬を走らせることになった。


 あのレスタが、日没過ぎのこんな時間になってから迎えを寄越すというのも妙な話だ。
 呼ぶならもっと動きの取りやすいうちにそうしただろうし、昼のうちにクラウドが部屋を辞するときも、不機嫌そうな声で明日の時間を念押しまでした。
 明日、昼食のまえには顔をだせ、と言ったのだ。
 思いだしてクラウドは笑った。意外にも、たぶん出会って初めてレスタを可愛いと思ってしまった。
「……」
 そんなこんなで、今回レスタがクラウドを呼んだのはこれで二度だ。
 いくら故郷同然とはいえ、静養のためにわざわざ遠隔地の辺境までやってきたということ自体、レスタの中に王都を離れたい理由があったのかも知れない。もちろん己に会いたかったから、というのがクラウドの中では最大の理由になってはいるが。
 見舞いがうるさいとも言っていたし、レスタの自由が制限されているいま、これを機会に近づきたがる人間が頻出したとしても何となく分かる話だとは思う。
 仮にそんな理由で追いかけてきた輩がいたとしたら、確かに煩わしいに違いない。またあるいは、これは単なる穿ち過ぎかも知れないが、たとえばの話として。
「…実は馬が暴れたってのも作為ありか?」

 それは馬蹄に掻き消されそうな声だったが、夜気をつたって後方のシドにも確かに届いた。
 もちろんレスタの怪我のことだというのはすぐに分かった。
 問いかけというよりは独白が聞こえただけのような気もしたが、シドはクラウドの疑問に答えを返した。
「その可能性は低いですが、…ただ、周囲の関心は誰の不始末かということより、誰の馬だったかを噂にしたし、レスタもそういう勘繰りをうるさがったのが第一でした」
「誰の馬だったんだ?」
 クラウドは続きを促した。
「トロワ王弟殿下…、王の腹違いの弟で、水面下ではユアル王子の対立相手と目されている男です。べつに当人たちが反目し合ってるわけじゃないですが…、レスタはただでさえ目立つから」
「…ふん。確かに聞いた名だな」
 レスタの周辺についてはリヒトを経由してクラウドも聞き及んでいる。
 もちろんクラウドにはどうでもいいことに等しかったが、おかげでこうして話の通りが速やかなのは確かだ。
「で? まさかその叔父貴ってのがわざわざ来たのか? 詫びなら王都にいるうちにとっくに済ませてるもんだろ」
「…確かにそうです。…だから考えられるとしたら、従者の処罰について…」
 馬車止めでの不始末なら、その咎は従者ではなく馬を預かる御者にあるはずだ。それをあえて従者というからには、馬を暴れさせてしまったのは御者ではなく、王弟の側近を務める人間だったということになる。
 なるほど。だから誰の不始末かではなく、誰の馬だったか、ということか。
 あらかたの事情を察して、クラウドはあきれた。
 身分の低い御者に責任をなすりつけなかったのは王弟も側近も真っ当だったが、その不手際で怪我を負ってしまった相手が、さすがに悪すぎた。
「ひょっとして首でも飛んだか?」
「いえ…、それはレスタが止めたので。ただ、それじゃ内裏府も諸衛府も示しがつかないってことで、向こう半年の禁固を命じたところまでは報告がありました」
「…そりゃまたえらく軽い刑じゃねえか」
 低く呟いたクラウドの声は、僅かな揶揄を含んでなお物騒だった。
 正直、クラウドにとって怪我の遠因などはこの際どうでもいい。こうして聞けばやはり単なる過失のようだが、結果的に怪我をしたのはレスタ本人の油断だし、それでどこかに責任の所在が行ったとしても、相手が第一王子である以上これもまた当然の結末だ。
 だから、クラウドが言いたいのはそういうことではなくて。
 そんなんでわざわざ辺境まで来てんじゃねえよ。
 夜道の向こう、見えてきた古い離宮の正門を目指しながら、クラウドは胸の裡でレスタの心境を代弁した。これはさぞかし機嫌が悪いに違いない。


 離宮では昼間の来訪と同様に、城代のほか居並んだ侍従らがクラウドの到着を出迎えた。
 突然の招きについて詫びた城代はシドに客人の案内を任せ、自らは王弟らの待つ客室へと向かった。
 どうやらこのあとは宮廷茶会よりくだらない会食の席が待っているらしい。クラウドは小さく肩を竦めつつ、めずらしくレスタを気の毒に思った。
 もちろん半分は嫌味もこめて。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

恋人が出て行った

すずかけあおい
BL
同棲している恋人が書き置きを残して出て行った?話です。 ハッピーエンドです。 〔攻め〕素史(もとし)25歳 〔受け〕千温(ちはる)24歳

繋がれた絆はどこまでも

mahiro
BL
生存率の低いベイリー家。 そんな家に生まれたライトは、次期当主はお前であるのだと父親である国王は言った。 ただし、それは公表せず表では双子の弟であるメイソンが次期当主であるのだと公表するのだという。 当主交代となるそのとき、正式にライトが当主であるのだと公表するのだとか。 それまでは国を離れ、当主となるべく教育を受けてくるようにと指示をされ、国を出ることになったライト。 次期当主が発表される数週間前、ライトはお忍びで国を訪れ、屋敷を訪れた。 そこは昔と大きく異なり、明るく温かな空気が流れていた。 その事に疑問を抱きつつも中へ中へと突き進めば、メイソンと従者であるイザヤが突然抱き合ったのだ。 それを見たライトは、ある決意をし……?

家族になろうか

わこ
BL
金持ち若社長に可愛がられる少年の話。 かつて自サイトに載せていたお話です。 表紙画像はぱくたそ様(www.pakutaso.com)よりお借りしています。

幼い精霊を預けられたので、俺と主様が育ての父母になった件

雪玉 円記
BL
ハイマー辺境領主のグルシエス家に仕える、ディラン・サヘンドラ。 主である辺境伯グルシエス家三男、クリストファーと共に王立学園を卒業し、ハイマー領へと戻る。 その数日後、魔獣討伐のために騎士団と共に出撃したところ、幼い見た目の言葉を話せない子供を拾う。 リアンと名付けたその子供は、クリストファーの思惑でディランと彼を父母と認識してしまった。 個性豊かなグルシエス家、仕える面々、不思議な生き物たちに囲まれ、リアンはのびのびと暮らす。 ある日、世界的宗教であるマナ・ユリエ教の教団騎士であるエイギルがリアンを訪ねてきた。 リアンは次代の世界樹の精霊である。そのため、次のシンボルとして教団に居を移してほしい、と告げるエイギル。 だがリアンはそれを拒否する。リアンが嫌なら、と二人も支持する。 その判断が教皇アーシスの怒髪天をついてしまった。 数週間後、教団騎士団がハイマー辺境領邸を襲撃した。 ディランはリアンとクリストファーを守るため、リアンを迎えにきたエイギルと対峙する。 だが実力の差は大きく、ディランは斬り伏せられ、死の淵を彷徨う。 次に目が覚めた時、ディランはユグドラシルの元にいた。 ユグドラシルが用意したアフタヌーンティーを前に、意識が途絶えたあとのこと、自分とクリストファーの状態、リアンの決断、そして、何故自分とクリストファーがリアンの養親に選ばれたのかを聞かされる。 ユグドラシルに送り出され、意識が戻ったのは襲撃から数日後だった。 後日、リアンが拾ってきた不思議な生き物たちが実は四大元素の精霊たちであると知らされる。 彼らとグルシエス家中の協力を得て、ディランとクリストファーは鍛錬に励む。 一ヶ月後、ディランとクリスは四大精霊を伴い、教団本部がある隣国にいた。 ユグドラシルとリアンの意思を叶えるために。 そして、自分達を圧倒的戦闘力でねじ伏せたエイギルへのリベンジを果たすために──……。 ※一部に流血を含む戦闘シーン、R-15程度のイチャイチャが含まれます。 ※現在、改稿したものを順次投稿中です。  詳しくは最新の近況ボードをご覧ください。

その男、有能につき……

大和撫子
BL
 俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか? 「君、どうかしたのかい?」  その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。  黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。  彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。  だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。  大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?  更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!

俺にとってはあなたが運命でした

ハル
BL
第2次性が浸透し、αを引き付ける発情期があるΩへの差別が医療の発達により緩和され始めた社会 βの少し人付き合いが苦手で友人がいないだけの平凡な大学生、浅野瑞穂 彼は一人暮らしをしていたが、コンビニ生活を母に知られ実家に戻される。 その隣に引っ越してきたαΩ夫夫、嵯峨彰彦と菜桜、αの子供、理人と香菜と出会い、彼らと交流を深める。 それと同時に、彼ら家族が頼りにする彰彦の幼馴染で同僚である遠月晴哉とも親睦を深め、やがて2人は惹かれ合う。

処理中です...