赤毛の不人気令嬢は俺様王様に寵愛される!?
由緒正しい貴族の家柄に生まれたマージョリーは、まれにみる珍しい赤毛をしているせいで、貴族の令嬢らしからぬ不幸な人生を送ってきた。人々は彼女の赤毛を呪われた血の色だと決めつけ、わが身可愛さに彼女を否応なく遠ざけてきた。そんな境遇で育ったにもかかわらず、彼女は自分以外の人々、すなわち彼女の両親や家名を気にかけ、豊富な医療知識を生かして国王の住まう城で宮仕えを始める。城の中でも目立たぬ半地下の医務室で穏やかな日常を過ごしてきたマージョリーであったが、そんなあるとき、彼女は偶然にも城の主で、君主でもあるネス王に見初められ、彼の絶対的な権力にあらがう術も持たず、婚礼の儀を済ませて王妃となってしまった。控えめな彼女は、身分があまりにも違いすぎる点をはじめ、自身の赤毛が王の妃としては不名誉である点を理由に、ネスとの婚姻関係を解消するよう談判したが、ネスは聞く耳を持たないどころか固辞として彼女を求めた。彼女は生まれて初めて異性から慕われ、愛されることへの戸惑いを覚えつつも、ネスの寵愛を受け入れていく。そんなある日、彼女はネスとの婚礼を祝して開かれた武芸試合で、ある一人の優美な若者の存在に気が付く。若者は華麗な剣さばきで試合を勝ち抜き、王であるネスとの特典試合も交え、称えられた若者は、王妃であるマージョリーの手に接吻する権利を得た。彼女は兵士に似つかわしくない端正な顔立ちをした若者にひそかに胸を高鳴らせた。また別の日、マージョリーはネスから贈られたドレスを着て、同盟国のキンバリー公国が主催する舞踏会へネスとともに出席した。彼女の嫌な予感は的中し、周りの招待客たちに陰口をたたかれたが、愛するネスのためにも彼女は知らんふりした。しかし彼女の不幸は続き、ネスの従妹でキンバリー公国の王女であるイネスに、髪を整えてもらいがてら化粧室に閉じ込められてしまった。悲嘆にくれるマージョリーだったが、勇気を奮って何とか苦難を脱した。その勇気が功を奏したのか、彼女はみんなの前でキンバリー公国の皇后に認められ、彼女の名誉が回復した。そしてマージョリーはネスの妻となって一年が経ったが、一向に懐妊しないことに焦っていた。そんな中、不吉な赤毛の王妃を毛嫌いするネスの乳母、ミセス・ケイトが策を企て、ネスと彼女の仲を引き裂こうとする。しかしながら、王に次ぐ剣の使い手でもある若い兵士の助力もあり、ミセス・ケイトの計画は失敗し、マージョリーは幸運にもネスの子を身ごもる。そして紆余曲折を経て男児を出産したマージョリーは、親愛なる剣士の昇格を見届けると同時に、再び宿った新しい命の防護を彼に託したのだった。
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感想
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