26 / 31
25
しおりを挟む
水奈は、一年と正月に神社で会って以来、濁っていた、彼と従姉の関係がやけに気になって、はっきりさせたくて仕方がなかった。
彼らは本当に見合いをしたのだろうか?それとも、単なる知人同士なのだろうか?
はたまた、過去何かしら、二人の間にあったのだろうか?
もしや、二人は以前、男女の中にあったのかもしれない!
だとしたら、焼け木杭には火が付き易い・・・なんて事態になりかねないとも言えない!
したがって、水奈は久方ぶりに、志筑親子の営む温泉旅館へ、足を実際に運んだ。
恋は人を行動的にするのだと、彼女は改めてしみじみと思い浸った。
「あら、水奈ちゃん」
玄関前の庭先で、寒椿を剪定していた女将が、やって来た姪に気が付いた。
「こんにちは、実さん(「叔母さん」と言うと、彼女の機嫌が決まって悪くなった)。お札を持ってきました」
本懐を家の用事で上手く擬態した水奈は、愛想の良い明るい笑顔を、美人だが、一見気難しそうな叔母(事実、気難しかった)へ見せた。
「あら、ありがとう。気が利くのね」
「香はいますか?」
「ああ、あの子は今、買い出しに行ってるのよ。さっき出て行ったばかりだから、しばらくは帰ってこないわね」
「・・・そうですか」
「ごめんなさいね?だから代わりと言っちゃ何だけど、あの子の東京土産でも持って行って頂戴」
「東京土産?香、東京へ行ったんですか?」
「そうなのよ。パーティーだか何だか知らないけど、明日葉さんのお父さんへ挨拶してくるって」
女主人は、夕貴を伴った香が、神社で水奈と鉢合わせた話を、娘から事前に聞いていたため、事実を平易に明かした。
「ふあ~、東京でパーティーって、明日葉さん、実は凄い人だったんですか?」
驚いた水奈は目を丸くした。
「そうねぇ・・・。あの明日葉ホテルグループの御曹司なら、凄いわよねぇ・・・」
どうして自分の娘が、夕貴のような高貴な紳士を捕まえることができたのか、未だ懐疑的な香の母は、感慨深げに同意した。
御曹司!
魂消た水奈の目が一段と見張った。
香はそのような美丈夫と付き合っていたのか!
確か、彼女が先日会った時は、ホテルのバーで働いているとか何とか言っていたが、彼は彼女の面目のために、あえて否定しなかったのか・・・!
夕貴の、女性に対する思慮深さと、理想的な身分が合わさって、二重の衝撃に包まれた水奈は、しばし呆然と我を失った。
「水奈ちゃん?」
「あっ、すみません・・・!つい、びっくりしちゃって・・・!あの、じゃあ、お見合いとかは、しなかったですよね・・・?」
「ああ、香から聞いたの?したわよ、お見合い。と言っても、おばさん、明日葉さんがそこまで偉い人だなんて知らなかったから、無理やりさせたんだけどね」
早合点した自分を自分で揶揄う様に、女将は言葉の下でコロコロと笑った。
「・・・相手はどんな人でした?」
「ああ、えーとね、確か・・・、市役所にお勤めで・・・。あら、水奈ちゃんと一緒ね!・・・海、海瀬・・・?やだ、思い出せない!おばさんも年なのねー。いやんなっちゃう。水奈ちゃん知ってる?」
もちろん、水奈は十分名前に聞き覚えがあったが、発作的に嘘をついた。
「い、いえ!あ、実さん!わたし用事を思い出したので、これで失礼します!」
次いで、水奈はカバンから、商売繫盛や魔除けを祈願した札の入った、白い包み紙を取り出すと、叔母へ差し出した。
「あら、ありがとう。一寸待ってて、東京のお土産持ってくるから」
そして、女主人が背をくるりと向けて、入り口へ小走りに向かっていくのを、水奈は目で追いながら、微妙な気持ちと面持ちで、彼女の帰還を待ったのだった。
「えー、今日は、○○小学校の生徒さんたちが、社会見学に来られます」
月曜日、課の長である三島が朝礼時に、課の職員へ告げた。
「まぁ、いつも通り、落ち着いて仕事してくれれば良いそうなので、えー、手本となるような大人を目指しましょう!」
幾人かが、彼の言葉尻に放ったおどけた台詞に反応して、軽く笑った。
それから数時間後、引率の先生に引き連れられてやって来た、集団の子供たちが、市役所の中を自由に歩き回り、公務員の働きぶりを、まるで達観した上司のように監督する姿が、ちらほらと見かけられるようになった。
中には、ひたすら黙って、仕事をする職員をジーッと覗き込む子たちもいて、監視されているようで、どうにも仕事がやりにくい傍ら、何やってるんですか?と、さながら記者の如く、真面目に質問する子もいた。
それは実に微笑ましい光景であると同時に、殺伐としたオフィスを、小さい人間がちょろちょろと動き回る様は、何だか和やかで、へんてこな感じがした。
特に、神経が過敏な一年は、身体がムズムズとむず痒いような気がして、落ち着いて作業へ当たることが難しかった。
よって、気を新たに入れ直そうと、席から立ち上がった一年は、自動販売機の並ぶ、無人の小部屋へ足を向かわせた。
すると、小空間の手前で、二人の小学生たちが目に自然と入って、その上、そのうちの一人が、自分の甥であることを学ぶと、少年が訪れているのを知らなかった一年は、ギョッと目を軽く剥いて、びっくりした。
(真以斗の学年が社会見学をしていたのか・・・)
偶然とはいえ、このような所で、加えて、仕事中の自分を甥に見て取られるのは、一年は何となく気恥ずかしかった。
しかしながら、当の少年は叔父の存在に露ほども気が付かず、彼は何やらもう一人の少女と言い争っているようだった。
「ちょっと~、返してよーっ!」
髪をお下げにした可愛らしい少女は、真以斗の手中にあった、鍔が付いた彼女の黄色い帽子を求めた。
「へへーんだ。やーだねっ!」
対する真以斗は、真紅の布を掲げた闘牛士のように、右へ左へ帽子を動かした。
「何こいつ、超ムカつくんですけどぉ~!」
立腹した少女は悔しそうに地団駄を踏んだ。
「・・・おい、真―――」
遂に見かねた叔父は、意地悪な甥へ声をかけて、やめさせようとしたが、ふとした瞬間、どういう訳だか、彼の表情が生き生きと輝いており、悪意ではなく、どうやら単に少女を困らせて、楽しんでいる実態を把握すると、困惑した一年は、どうするべきか分からず、そのまま黙り込んでしまった。
すると、二対の蝶の如く少年少女は、向こうへひらひらと行ってしまい、一年の前から去っていってしまった。
「真以斗くん、来てたんですね」
出し抜けに、横から後輩の声がして、一年は、書類を抱えた水奈の方を振り向いた。
「・・・ああ、うん。みたいだね」
次いで、当初の目的を思い出した一年は、ほぼ眼前の、無人の小部屋へ入った。
「真以斗くん、あの女の子のこと好きなんですね」
フフッと機嫌良く微笑んだ水奈は、自動販売機から飲み物を買う、先輩の側面に向かって話しかけた。
「さあ・・・、どうなんだろう・・・」
「あれぐらいの年の子って、まだそういうのが恥ずかしくって、わざと好きな子に意地悪なこと言って、ついちょっかい掛けちゃうんですよね。・・・でもそれって、『好き』の裏返しですよね」
一年は後輩の一人語りを聴きながら、自分にも、思い当たる節があるようなないような、不思議な感覚を覚えた。
「・・・海瀬さんは、香のこと、『好き』ですか・・・?」
ちょうどその時、押したボタンによって閊えが自動的に外れ、落下した缶コーヒーが、ガコン、という衝撃音を上げて、取り出し口へ着地した。
「!?」
後輩は突然何を言い出すのかと、動転した一年は、目当てのものには目もくれず、彼女を素早く見た。
「・・・お見合い・・・。明日葉さんがいたから、だめになっちゃったって聞きましたけど・・・。香のこと、今も好きなんじゃないんですか・・・?」
「わ、渡邉さん・・・!?」
声色もそうだったが、一年の顔色は動揺と混乱が色濃く滲んでいた。
「・・・わたしには分かります。・・・だってわたしも、海瀬さんのことが好きだから・・・」
そして、水奈は言うだけ言うと、ただ唖然と驚いた表情を向ける先輩から、背をくるりと向けて、彼もすぐ後で戻るだろう、自分の課へ足早に戻っていったのだった。
彼らは本当に見合いをしたのだろうか?それとも、単なる知人同士なのだろうか?
はたまた、過去何かしら、二人の間にあったのだろうか?
もしや、二人は以前、男女の中にあったのかもしれない!
だとしたら、焼け木杭には火が付き易い・・・なんて事態になりかねないとも言えない!
したがって、水奈は久方ぶりに、志筑親子の営む温泉旅館へ、足を実際に運んだ。
恋は人を行動的にするのだと、彼女は改めてしみじみと思い浸った。
「あら、水奈ちゃん」
玄関前の庭先で、寒椿を剪定していた女将が、やって来た姪に気が付いた。
「こんにちは、実さん(「叔母さん」と言うと、彼女の機嫌が決まって悪くなった)。お札を持ってきました」
本懐を家の用事で上手く擬態した水奈は、愛想の良い明るい笑顔を、美人だが、一見気難しそうな叔母(事実、気難しかった)へ見せた。
「あら、ありがとう。気が利くのね」
「香はいますか?」
「ああ、あの子は今、買い出しに行ってるのよ。さっき出て行ったばかりだから、しばらくは帰ってこないわね」
「・・・そうですか」
「ごめんなさいね?だから代わりと言っちゃ何だけど、あの子の東京土産でも持って行って頂戴」
「東京土産?香、東京へ行ったんですか?」
「そうなのよ。パーティーだか何だか知らないけど、明日葉さんのお父さんへ挨拶してくるって」
女主人は、夕貴を伴った香が、神社で水奈と鉢合わせた話を、娘から事前に聞いていたため、事実を平易に明かした。
「ふあ~、東京でパーティーって、明日葉さん、実は凄い人だったんですか?」
驚いた水奈は目を丸くした。
「そうねぇ・・・。あの明日葉ホテルグループの御曹司なら、凄いわよねぇ・・・」
どうして自分の娘が、夕貴のような高貴な紳士を捕まえることができたのか、未だ懐疑的な香の母は、感慨深げに同意した。
御曹司!
魂消た水奈の目が一段と見張った。
香はそのような美丈夫と付き合っていたのか!
確か、彼女が先日会った時は、ホテルのバーで働いているとか何とか言っていたが、彼は彼女の面目のために、あえて否定しなかったのか・・・!
夕貴の、女性に対する思慮深さと、理想的な身分が合わさって、二重の衝撃に包まれた水奈は、しばし呆然と我を失った。
「水奈ちゃん?」
「あっ、すみません・・・!つい、びっくりしちゃって・・・!あの、じゃあ、お見合いとかは、しなかったですよね・・・?」
「ああ、香から聞いたの?したわよ、お見合い。と言っても、おばさん、明日葉さんがそこまで偉い人だなんて知らなかったから、無理やりさせたんだけどね」
早合点した自分を自分で揶揄う様に、女将は言葉の下でコロコロと笑った。
「・・・相手はどんな人でした?」
「ああ、えーとね、確か・・・、市役所にお勤めで・・・。あら、水奈ちゃんと一緒ね!・・・海、海瀬・・・?やだ、思い出せない!おばさんも年なのねー。いやんなっちゃう。水奈ちゃん知ってる?」
もちろん、水奈は十分名前に聞き覚えがあったが、発作的に嘘をついた。
「い、いえ!あ、実さん!わたし用事を思い出したので、これで失礼します!」
次いで、水奈はカバンから、商売繫盛や魔除けを祈願した札の入った、白い包み紙を取り出すと、叔母へ差し出した。
「あら、ありがとう。一寸待ってて、東京のお土産持ってくるから」
そして、女主人が背をくるりと向けて、入り口へ小走りに向かっていくのを、水奈は目で追いながら、微妙な気持ちと面持ちで、彼女の帰還を待ったのだった。
「えー、今日は、○○小学校の生徒さんたちが、社会見学に来られます」
月曜日、課の長である三島が朝礼時に、課の職員へ告げた。
「まぁ、いつも通り、落ち着いて仕事してくれれば良いそうなので、えー、手本となるような大人を目指しましょう!」
幾人かが、彼の言葉尻に放ったおどけた台詞に反応して、軽く笑った。
それから数時間後、引率の先生に引き連れられてやって来た、集団の子供たちが、市役所の中を自由に歩き回り、公務員の働きぶりを、まるで達観した上司のように監督する姿が、ちらほらと見かけられるようになった。
中には、ひたすら黙って、仕事をする職員をジーッと覗き込む子たちもいて、監視されているようで、どうにも仕事がやりにくい傍ら、何やってるんですか?と、さながら記者の如く、真面目に質問する子もいた。
それは実に微笑ましい光景であると同時に、殺伐としたオフィスを、小さい人間がちょろちょろと動き回る様は、何だか和やかで、へんてこな感じがした。
特に、神経が過敏な一年は、身体がムズムズとむず痒いような気がして、落ち着いて作業へ当たることが難しかった。
よって、気を新たに入れ直そうと、席から立ち上がった一年は、自動販売機の並ぶ、無人の小部屋へ足を向かわせた。
すると、小空間の手前で、二人の小学生たちが目に自然と入って、その上、そのうちの一人が、自分の甥であることを学ぶと、少年が訪れているのを知らなかった一年は、ギョッと目を軽く剥いて、びっくりした。
(真以斗の学年が社会見学をしていたのか・・・)
偶然とはいえ、このような所で、加えて、仕事中の自分を甥に見て取られるのは、一年は何となく気恥ずかしかった。
しかしながら、当の少年は叔父の存在に露ほども気が付かず、彼は何やらもう一人の少女と言い争っているようだった。
「ちょっと~、返してよーっ!」
髪をお下げにした可愛らしい少女は、真以斗の手中にあった、鍔が付いた彼女の黄色い帽子を求めた。
「へへーんだ。やーだねっ!」
対する真以斗は、真紅の布を掲げた闘牛士のように、右へ左へ帽子を動かした。
「何こいつ、超ムカつくんですけどぉ~!」
立腹した少女は悔しそうに地団駄を踏んだ。
「・・・おい、真―――」
遂に見かねた叔父は、意地悪な甥へ声をかけて、やめさせようとしたが、ふとした瞬間、どういう訳だか、彼の表情が生き生きと輝いており、悪意ではなく、どうやら単に少女を困らせて、楽しんでいる実態を把握すると、困惑した一年は、どうするべきか分からず、そのまま黙り込んでしまった。
すると、二対の蝶の如く少年少女は、向こうへひらひらと行ってしまい、一年の前から去っていってしまった。
「真以斗くん、来てたんですね」
出し抜けに、横から後輩の声がして、一年は、書類を抱えた水奈の方を振り向いた。
「・・・ああ、うん。みたいだね」
次いで、当初の目的を思い出した一年は、ほぼ眼前の、無人の小部屋へ入った。
「真以斗くん、あの女の子のこと好きなんですね」
フフッと機嫌良く微笑んだ水奈は、自動販売機から飲み物を買う、先輩の側面に向かって話しかけた。
「さあ・・・、どうなんだろう・・・」
「あれぐらいの年の子って、まだそういうのが恥ずかしくって、わざと好きな子に意地悪なこと言って、ついちょっかい掛けちゃうんですよね。・・・でもそれって、『好き』の裏返しですよね」
一年は後輩の一人語りを聴きながら、自分にも、思い当たる節があるようなないような、不思議な感覚を覚えた。
「・・・海瀬さんは、香のこと、『好き』ですか・・・?」
ちょうどその時、押したボタンによって閊えが自動的に外れ、落下した缶コーヒーが、ガコン、という衝撃音を上げて、取り出し口へ着地した。
「!?」
後輩は突然何を言い出すのかと、動転した一年は、目当てのものには目もくれず、彼女を素早く見た。
「・・・お見合い・・・。明日葉さんがいたから、だめになっちゃったって聞きましたけど・・・。香のこと、今も好きなんじゃないんですか・・・?」
「わ、渡邉さん・・・!?」
声色もそうだったが、一年の顔色は動揺と混乱が色濃く滲んでいた。
「・・・わたしには分かります。・・・だってわたしも、海瀬さんのことが好きだから・・・」
そして、水奈は言うだけ言うと、ただ唖然と驚いた表情を向ける先輩から、背をくるりと向けて、彼もすぐ後で戻るだろう、自分の課へ足早に戻っていったのだった。
0
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説
ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる
Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした
ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。
でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。
彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
契約結婚のはずが、幼馴染の御曹司は溺愛婚をお望みです
紬 祥子(まつやちかこ)
恋愛
旧題:幼なじみと契約結婚しましたが、いつの間にか溺愛婚になっています。
夢破れて帰ってきた故郷で、再会した彼との契約婚の日々。
★第17回恋愛小説大賞(2024年)にて、奨励賞を受賞いたしました!★
☆改題&加筆修正ののち、単行本として刊行されることになりました!☆
※作品のレンタル開始に伴い、旧題で掲載していた本文は2025年2月13日に非公開となりました。
お楽しみくださっていた方々には申し訳ありませんが、何卒ご了承くださいませ。
初色に囲われた秘書は、蜜色の秘処を暴かれる
ささゆき細雪
恋愛
樹理にはかつてひとまわり年上の婚約者がいた。けれど樹理は彼ではなく彼についてくる母親違いの弟の方に恋をしていた。
だが、高校一年生のときにとつぜん幼い頃からの婚約を破棄され、兄弟と逢うこともなくなってしまう。
あれから十年、中小企業の社長をしている父親の秘書として結婚から逃げるように働いていた樹理のもとにあらわれたのは……
幼馴染で初恋の彼が新社長になって、専属秘書にご指名ですか!?
これは、両片想いでゆるふわオフィスラブなひしょひしょばなし。
※ムーンライトノベルズで開催された「昼と夜の勝負服企画」参加作品です。他サイトにも掲載中。
「Grand Duo * グラン・デュオ ―シューベルトは初恋花嫁を諦めない―」で当て馬だった紡の弟が今回のヒーローです(未読でもぜんぜん問題ないです)。
独占欲強めな極上エリートに甘く抱き尽くされました
紡木さぼ
恋愛
旧題:婚約破棄されたワケアリ物件だと思っていた会社の先輩が、実は超優良物件でどろどろに溺愛されてしまう社畜の話
平凡な社畜OLの藤井由奈(ふじいゆな)が残業に勤しんでいると、5年付き合った婚約者と破談になったとの噂があるハイスペ先輩柚木紘人(ゆのきひろと)に声をかけられた。
サシ飲みを経て「会社の先輩後輩」から「飲み仲間」へと昇格し、飲み会中に甘い空気が漂い始める。
恋愛がご無沙汰だった由奈は次第に紘人に心惹かれていき、紘人もまた由奈を可愛がっているようで……
元カノとはどうして別れたの?社内恋愛は面倒?紘人は私のことどう思ってる?
社会人ならではのじれったい片思いの果てに晴れて恋人同士になった2人。
「俺、めちゃくちゃ独占欲強いし、ずっと由奈のこと抱き尽くしたいって思ってた」
ハイスペなのは仕事だけではなく、彼のお家で、オフィスで、旅行先で、どろどろに愛されてしまう。
仕事中はあんなに冷静なのに、由奈のことになると少し甘えん坊になってしまう、紘人とらぶらぶ、元カノの登場でハラハラ。
ざまぁ相手は紘人の元カノです。
隠れ御曹司の手加減なしの独占溺愛
冬野まゆ
恋愛
老舗ホテルのブライダル部門で、チーフとして働く二十七歳の香奈恵。ある日、仕事でピンチに陥った彼女は、一日だけ恋人のフリをするという条件で、有能な年上の部下・雅之に助けてもらう。ところが約束の日、香奈恵の前に現れたのは普段の冴えない彼とは似ても似つかない、甘く色気のある極上イケメン! 突如本性を露わにした彼は、なんと自分の両親の前で香奈恵にプロポーズした挙句、あれよあれよと結婚前提の恋人になってしまい――!? 「誰よりも大事にするから、俺と結婚してくれ」恋に不慣れな不器用OLと身分を隠したハイスペック御曹司の、問答無用な下克上ラブ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる