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前田家に謀反の疑いあり
前田利長が国もとに帰る理由
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私(三成):(そんな中。前田利長謀反の理由なのでありますが。)
所員:(秀吉子飼い同士による不和の原因となりました朝鮮出兵でありますが、前田家につきましては、利家は北九州。利長は京都に居たため、別段不満を覚えるような出来事は無かったかと思われます。待遇面にしましても利家は、上杉・宇喜多と言いました五大老よりも先に権中納言の地位が秀吉から与えられています。その理由の1つが『家康対策』であったことは言うまでもありません。その後、余命を悟りました秀吉が、まだ幼い秀頼の傅役に指名したのも前田利家。秀吉死去。大坂城に入ったのも前田利家。)
私(三成):(ここまではこれと言って謀反を抱くような理由は見当たりませんね。)
所員:(秀吉が死去しましたあと、大坂城に入った前田利家と伏見城に入りました徳川家康の2人が豊臣政権の中核を担うことになったのでありましたが、家康が亡き秀吉の法度を無視し、伊達・蜂須賀・福島との婚姻を進めていることが発覚。これに怒ったのが利家。諸大名が徳川・前田両邸に集結する騒ぎに発展するのでありました。ただこの時は、上杉・毛利に宇喜多と言った家康を除く大老の全てが前田家を支持したことに加え、細川・浅野に加藤清正・嘉明。更には三成も前田家についたため、不利を悟った家康が折れ、その時は和解となりました。)
私(三成):(家康としては不本意であったと思われますね……。)
所員:(前田家にとって不幸なことは、和解した直後に利家の病状が悪化し、そのまま死去してしまいます。)
私(三成):(その夜に発生しましたのが石田三成襲撃事件。当然、喪主を務めることになる利長にとっては迷惑この上ない話……。)
所員:(この混乱を収拾すべく善意の第三者として登場したのが徳川家康。家康はこれ幸いとばかりに被害者であるハズの三成を追放することになります。そんな中。反家康の急先鋒としての立場を独り引き継ぐことになったのが前田利長。利家時代同様。秀頼の傅役を務めることになったのでありましたが。これまで利家を炊き付けていましたうるさ型の石田三成が居らず。大坂城も平穏な状態が保たれている。)
私(三成):(……混乱の原因の全ては、三成が神経質過ぎたからなのでは無いか?と……。)
所員:(そんな中、家康から『国もとは大丈夫ですか?』のアドバイス。秀吉は、各大名に対しまして、毛利のように経営層と呼ばれる立場にあたる人物のヘッドハンティングを試みましたり、小早川のように養子縁組に伴い、豊臣から家臣を送り込むことにより、分断化。弱体化を狙いましたり、豊臣色の刷り込みを図るなどしていました。このことは加賀、能登、越中に跨る大大名前田家にも当然の如く仕掛けられておりました。ただこれまでは創業者の利家が居ましたので、家中が乱れることは無かったのでありましたが。)
私(三成):(御多分に漏れず。利長も『苦労知らずの二世タレント』の扱いをする家臣が現れても不思議なことではありません。)
所員:(他の大老であります毛利輝元、宇喜多秀家に上杉景勝も前田家と同様の事態が。多かれ少なかれあったと思います。秀吉も居ない。利家も居ない。でありますから。そこに登場するのが善意の第三者である徳川家康。『大坂のことはこちらで見ておきますので。どうぞ所領にお戻りくださいませ。』と……。これを聞き。こちらもこれ幸いとばかりに家康を除く4人の大老は大坂の地を離れることになりました。)
私(三成):(全員利家についた人物でありましたね……。)
所員:(で。中央政界に残った実力者は徳川家康のみ。秀吉恩顧の家臣は大坂に居るには居るのでありますが、そもそも三成のように家康の野心を見抜いているわけでも無く。)
私(三成):(『豊臣株式会社の序列2位の人物だから……』でむしろ接近を図る。そうしないと『三成のように……』となるのは、自然な流れと言えば自然な流れではありますね……。)
所員:(利家と三成が居なくなって半年。機は熟したと家康は突如として『家康暗殺計画』があったと主張。大坂城に乗り込むことになるのでありました。利長以下4人の大老は、まんまと家康に騙されたことになります。)
私(三成):(利長に当然の如く叛意は無かった。と……。)
所員:(もちろん無いのでありますが、本来大坂城に居て秀頼を補佐しなければならない立場ではありましたので、職場放棄と言えば職場放棄。家康の勧めがあったとは言え。利家の遺言『3年は大坂を離れるな』を無視したことが『謀反人』のレッテルを貼られる原因となった。『だから2世は……』と言われても仕方が無いと言えば仕方の無い話……。)
私(三成):(意地でも大坂に残るべきであった。と……。)
所員:(ただ利長からしますと任務を放棄してでも国もとに帰らなければならない事情がありまして。このことは秀吉の所領を増やす錬金術とも絡んだ話でありまして……。)
所員:(秀吉子飼い同士による不和の原因となりました朝鮮出兵でありますが、前田家につきましては、利家は北九州。利長は京都に居たため、別段不満を覚えるような出来事は無かったかと思われます。待遇面にしましても利家は、上杉・宇喜多と言いました五大老よりも先に権中納言の地位が秀吉から与えられています。その理由の1つが『家康対策』であったことは言うまでもありません。その後、余命を悟りました秀吉が、まだ幼い秀頼の傅役に指名したのも前田利家。秀吉死去。大坂城に入ったのも前田利家。)
私(三成):(ここまではこれと言って謀反を抱くような理由は見当たりませんね。)
所員:(秀吉が死去しましたあと、大坂城に入った前田利家と伏見城に入りました徳川家康の2人が豊臣政権の中核を担うことになったのでありましたが、家康が亡き秀吉の法度を無視し、伊達・蜂須賀・福島との婚姻を進めていることが発覚。これに怒ったのが利家。諸大名が徳川・前田両邸に集結する騒ぎに発展するのでありました。ただこの時は、上杉・毛利に宇喜多と言った家康を除く大老の全てが前田家を支持したことに加え、細川・浅野に加藤清正・嘉明。更には三成も前田家についたため、不利を悟った家康が折れ、その時は和解となりました。)
私(三成):(家康としては不本意であったと思われますね……。)
所員:(前田家にとって不幸なことは、和解した直後に利家の病状が悪化し、そのまま死去してしまいます。)
私(三成):(その夜に発生しましたのが石田三成襲撃事件。当然、喪主を務めることになる利長にとっては迷惑この上ない話……。)
所員:(この混乱を収拾すべく善意の第三者として登場したのが徳川家康。家康はこれ幸いとばかりに被害者であるハズの三成を追放することになります。そんな中。反家康の急先鋒としての立場を独り引き継ぐことになったのが前田利長。利家時代同様。秀頼の傅役を務めることになったのでありましたが。これまで利家を炊き付けていましたうるさ型の石田三成が居らず。大坂城も平穏な状態が保たれている。)
私(三成):(……混乱の原因の全ては、三成が神経質過ぎたからなのでは無いか?と……。)
所員:(そんな中、家康から『国もとは大丈夫ですか?』のアドバイス。秀吉は、各大名に対しまして、毛利のように経営層と呼ばれる立場にあたる人物のヘッドハンティングを試みましたり、小早川のように養子縁組に伴い、豊臣から家臣を送り込むことにより、分断化。弱体化を狙いましたり、豊臣色の刷り込みを図るなどしていました。このことは加賀、能登、越中に跨る大大名前田家にも当然の如く仕掛けられておりました。ただこれまでは創業者の利家が居ましたので、家中が乱れることは無かったのでありましたが。)
私(三成):(御多分に漏れず。利長も『苦労知らずの二世タレント』の扱いをする家臣が現れても不思議なことではありません。)
所員:(他の大老であります毛利輝元、宇喜多秀家に上杉景勝も前田家と同様の事態が。多かれ少なかれあったと思います。秀吉も居ない。利家も居ない。でありますから。そこに登場するのが善意の第三者である徳川家康。『大坂のことはこちらで見ておきますので。どうぞ所領にお戻りくださいませ。』と……。これを聞き。こちらもこれ幸いとばかりに家康を除く4人の大老は大坂の地を離れることになりました。)
私(三成):(全員利家についた人物でありましたね……。)
所員:(で。中央政界に残った実力者は徳川家康のみ。秀吉恩顧の家臣は大坂に居るには居るのでありますが、そもそも三成のように家康の野心を見抜いているわけでも無く。)
私(三成):(『豊臣株式会社の序列2位の人物だから……』でむしろ接近を図る。そうしないと『三成のように……』となるのは、自然な流れと言えば自然な流れではありますね……。)
所員:(利家と三成が居なくなって半年。機は熟したと家康は突如として『家康暗殺計画』があったと主張。大坂城に乗り込むことになるのでありました。利長以下4人の大老は、まんまと家康に騙されたことになります。)
私(三成):(利長に当然の如く叛意は無かった。と……。)
所員:(もちろん無いのでありますが、本来大坂城に居て秀頼を補佐しなければならない立場ではありましたので、職場放棄と言えば職場放棄。家康の勧めがあったとは言え。利家の遺言『3年は大坂を離れるな』を無視したことが『謀反人』のレッテルを貼られる原因となった。『だから2世は……』と言われても仕方が無いと言えば仕方の無い話……。)
私(三成):(意地でも大坂に残るべきであった。と……。)
所員:(ただ利長からしますと任務を放棄してでも国もとに帰らなければならない事情がありまして。このことは秀吉の所領を増やす錬金術とも絡んだ話でありまして……。)
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