旅行先で目を覚ましたら武田勝頼になっていた私。どうやら自分が当主らしい。そこまでわかって不安に覚える事が１つ。それは今私が居るのは天正何年？

応用

　このいくさに際し、何やら用意している様子の山県昌景。馬場信春と別れ、彼が向かった先。それは……。



山県昌景「皆の者良く聞けぇ！これより憎き織田を倒すべく、川を押し渡る！！掛かれ！！！」



の号令と共に隊を前進させる山県昌景。川を越え。鉄砲の射程距離に差し掛かり、織田の鉄砲隊による発射準備が整ったのを確認した所で……。



山県昌景「放て！！」



　織田山県双方が一斉射撃。



山県昌景「長槍は前へ！」



　鉄砲隊を保護するように躍り出る槍部隊。彼らを先頭に更なる前進を試みる山県昌景隊。しかし相手は織田。大量に用意してある鉄砲に物を言わせ、次なる発射までに要する時間は短い。しかも織田隊の前には柵が……。このまま近付いては味方の被害を生むばかり。それでも山県昌景は前進を続け、鉄砲の命中率が高まる危険地帯に達しようかとしたその時。



山県昌景「打て！！！」

と叫ぶや否や槍部隊後方から放たれたのは……焙烙玉。



　戻って大高。



小浜景隆「『投石隊をお借りしたい。』

でありますか？」

山県昌景「頼む。」

小浜景隆「頼むも何も投石隊は小山田様の部隊であります。しかし何故？」

山県昌景「小牧山に移動する事になった。織田と戦うためである。織田を相手にする際、どうしても気になるのが大量に装備された鉄砲と馬の行動を遮る柵である。奴らはこれらを用い我らを翻弄しようと考えている。幸い先のいくさでは背後に回り込む事が出来たから良かったものの、敵は当然対策を施して来る。同じ方法は通用しない。残された手は正面突破しかない。

　今回、織田は恐らく柵から出て来る事は無い。」

小浜景隆「何故そう言い切れるのでありますか？」

山県昌景「あの時は

『このいくさは徳川のいくさである。』

と大久保兄弟が前に出ていたが、今回徳川は参戦していない。徳川は我らと同盟関係にある。織田の家臣が柵の前に出て来るのは恐らく……。」



　織田の勝利が確定した時。



山県昌景「になる。」

小浜景隆「敵が出て来る事が無いとは言え、柵の中から鉄砲を放たれ続けられるのは……。」

山県昌景「避けたい事態である。しかし今回、我らに残された手立ては正面突破しかない。どうにかして柵の中からの脅威である鉄砲を取り除く事は出来ないか？と考えた所……。」

小浜景隆「そう言う事でありましたか。」



　いくさが始まる前の浮野。



山県昌景「この距離になるが？」

投石衆頭目「足場の安定した地の上でありましたら問題ありません。」



　いくさ中の浮野。



投石衆頭目「ここでの働きが俺らの今後に繋がるぞ！！」

投石衆「おぉ！！」



　一斉に投げ込まれた焙烙玉は、見事織田陣内に着弾。少しの時間を経て大量の火の粉が織田陣内を駆け巡り、彼らの持つ豊富な弾薬に……。