旅行先で目を覚ましたら武田勝頼になっていた私。どうやら自分が当主らしい。そこまでわかって不安に覚える事が1つ。それは今私が居るのは天正何年?

俣彦

文字の大きさ
上 下
302 / 318

伊木山

しおりを挟む
 その夜。暗闇を使い密かに兵を動かす一団が……。彼らが向かった先それは……。

 戻って小牧山。



武藤喜兵衛「岐阜にとって脅威となり、かつ我らの兵の運用に支障を来さない場所が1つあります。それは……。」



 今の岐阜県各務原市に位置する伊木山城。この城は織田信長による美濃攻めに功績のあった伊木忠次が犬山城対岸の伊木山に築いた城。



武藤喜兵衛「その後、伊木忠次は池田恒興に従い摂津に異動。織田直轄の城となっています。我らが犬山を手に入れてから戦力が増強され、手出しが難しい状況になっています。」

山県昌景「『伊木山を奪われては困る。』

と言っているようなものだな?」

武藤喜兵衛「はい。」

山県昌景「間違い無く岐阜から兵を動かす事になるな。」

武藤喜兵衛「はい。」

山県昌景「しかしそれだけ危険な任務となる。」

武藤喜兵衛「はい。」

山県昌景「俺が行った方が良いか?」

武藤喜兵衛「いえ。山県様は清州と相対していただきたいと考えています。」

山県昌景「高坂か?」

武藤喜兵衛「高坂様を独りにしてしまうのは危険であります。」

山県昌景「信用無いな。お前……。」

武藤喜兵衛「いえ。高坂様の体調を考慮しての事であります。それに高坂様には高坂様が得意としているものがありますので、そちらの方に注力していただく所存であります。」

高坂昌信「(面倒な交渉事押し付けられるぐらいだったら、外居た方がまし……)感謝します。」

山県昌景「大変だな。躑躅ヶ崎勤務は。」

高坂昌信「……そうですね……。」

山県昌景「謙信動かねぇかな?と思っていないだろうな?」

高坂昌信「(それはそれで大変だけど、気を遣う相手が少ないだけ……。)」

山県昌景「となるともしかして……。」

武藤喜兵衛「いえ。殿でもありません。真田信綱、真田昌輝両名に出陣をお願いしています。」

山県昌景「……能力に問題があるわけでは無い。そこは誤解しないでくれ。ただ……難しい仕事だぞ。伊木山に多くの兵が駐屯し、武器弾薬も豊富。そこに岐阜からの後詰めがやって来る。川を背にしているのは我ら。加えて今我らは兵を分散させている状況にある。もし彼らが苦境に立たされた時、助けに行く事も難しい。最悪全滅してしまう恐れがあるが……。」

武藤喜兵衛「兄は承知しています。」

山県昌景「戦略を聞かせてくれ。納得出来なければ(派兵を)認めぬ。」



 翌朝。伊木山城周辺。



真田昌輝「兄上。」

真田信綱「まぁ気付かれているであろうな?」

真田昌輝「はい。」

真田信綱「では喜兵衛の策。実行に移すぞ。」



 武藤喜兵衛が真田兄弟に託した策。それは……。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜

駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。 しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった─── そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。 前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける! 完結まで毎日投稿!

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

大東亜戦争を有利に

ゆみすけ
歴史・時代
 日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。

アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。 両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。 両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。 テッドには、妹が3人いる。 両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。 このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。 そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。 その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。 両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。 両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…   両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが… 母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。 今日も依頼をこなして、家に帰るんだ! この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。 お楽しみくださいね! HOTランキング20位になりました。 皆さん、有り難う御座います。

処理中です...