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犬山城

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 犬山城は北を流れる木曽川に守られた後堅固な城。断崖絶壁の上に本丸を配し、北以外には惣構え。



真田昌輝「信長が攻略に2年を要したのも頷けますね。」

真田信綱「当時の縄張りで2年何だよな……。」

小幡信貞「池田恒興が入ってから拡張されていると見て間違いありませんから……。」

馬場信春「正面から攻め落とす事は出来ない。この点について異論は?」



 ありません。



馬場信春「池田恒興がどのように手を加えたのか定かでは無い。しかしそれを知っているのは池田恒興しかいない。そして何より犬山城は、池田恒興の手から離れている。」

小幡信貞「中川定成が入ってからどれくらい経ちますか?」

馬場信春「着任したばかりと聞いている。加えて中川は織田信雄の重臣。織田の領域は広範囲に及ぶ事も手伝い、信雄自身。本拠地である南伊勢や伊賀に居る事はほとんどない。中川はその留守居役を任されている。現に今もここ犬山には居ない。」

真田昌輝「犬山城の情報の少なさに関しては同等?」

馬場信春「と見て間違いない。」

真田信綱「しかし城の内部がわからないとなりますと、うちの金堀衆を活用するのは難しいのでは?」

馬場信春「故に此度のいくさに彼らを連れて来てはいない。」

真田昌輝「井楼を組むにも(断崖絶壁の上にある)本丸の高さまでは……。」

小幡信貞「仮に組み立てる事が出来たとしても、あの距離では鉄砲も機能しません。」

馬場信春「どうだ?正面突破を図るのは?」

真田信綱「無謀でしかありません。」

馬場信春「良い判断だ。これ以上長居しては敵に気付かれてしまう。皆(兵)の居る所まで戻るぞ。」



 犬山城から確認出来ない場所まで移動して……。



馬場信春「さてここからの用兵について伝える。」

一同「はい。」

馬場信春「夜になったら川を渡る。」

真田昌輝「えっ!?川向こうから攻略する方が……。」

馬場信春「川があり崖もある。」

真田昌輝「そこに向かうのでありますか?」

馬場信春「城内の者も同じ考えを持つであろう。故にそこへ向かう。」

真田昌輝「……はい。」

馬場信春「目的地は川を渡った先にある鵜沼。鵜沼には今は使われていない城がある。そこに兵を動かし、犬山城から見えない場所で1日やり過ごす。」

小幡信貞「川幅は?」

馬場信春「この辺りはそれ程広くはない。舟が10もあれば橋の代わりになる。日が落ちたら即座に設営し、皆が渡り終えたら撤去する。ただ城主が不在とは言え、地の利は向こうにある。油断なく行動するように。」

一同「わかりました。」

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