273 / 318
動き
しおりを挟む
しばらくして……。
山県昌景「小浜より連絡がありました。
『志摩に動きが見られます。』
と……。」
馬場信春「恐らく石山に向かうのであろう。」
内藤昌豊「と言われますと?」
馬場信春「石山は現在、織田により包囲されている。しかし完全なものでは無い。抜け穴が2ヶ所ある。1つは荒木村重が離反した有岡城。そしてもう1つが……。」
木津川河口。
馬場信春「包囲当初、木津川河口も織田の手にあった。しかし将軍様の意を汲んだ毛利が水軍を編制し、東上。これに対し、当地の織田水軍は対応する事が出来ず。そのため織田の兵糧攻めは機能していない。」
内藤昌豊「この現状を打破するために……。」
馬場信春「九鬼が召集された可能性はある。」
高坂昌信「どれくらいの船が動きそうですか?」
山県昌景「総動員では無いかと。それに動くのは九鬼だけは無い。」
高坂昌信「と言われますと?」
山県昌景「同じ動きが北伊勢にも見られる。」
滝川一益。
山県昌景「小浜曰く
『船いくさはとにかく数がものを言います。』」
馬場信春「先のいくさで毛利が用意した船は600と聞く。これに対し木津川に居た織田方は200だったとか。」
内藤昌豊「九鬼と滝川の船を全て使わないと毛利を追い返す事は……。」
山県昌景「難しいと見ているに違いない。」
高坂昌信「小浜がこの事を山県に伝えて来たと言う事は……。」
馬場信春「伊勢志摩がもぬけの殻になったこの機に乗じ、故地奪回を狙いたいと考えていると言う事だな?」
山県昌景「その通りであります。と同時に躊躇もしています。」
馬場信春「勝算は?」
山県昌景「『舟いくさだけであれば。』
であります。先年、徳川とのいくさにおいて小浜は大塚まで進出しました。しかし大塚は徳川に返却しました。理由は……。」
陸からの支援が見込めなかった。
山県昌景「からであります。石山の現状を見ると分かり易いでしょうか。石山は毛利の支援を得る事により、兵糧や武器弾薬が欠乏する危機から逃れる事が出来ています。しかし石山は……。」
海を除き、外に出る事が出来ません。
山県昌景「もし九鬼と滝川の水軍により、毛利の支援を期待する事が出来ない状況に追い込まれたら……。」
し尿処理が難しい中での食糧危機による飢餓が加わり。
山県昌景「石山が阿鼻叫喚となるのは必至であります。同じ事は伊勢志摩の進出に成功した後の小浜にも言える事であります。加えて我らは小浜以外に水軍を持っていません。故に我らは尾張更には伊勢を陸から突破しなければ小浜の危機を救う事は出来ません。小浜が二の足を踏んでいるのはこの点であります。」
山県昌景「小浜より連絡がありました。
『志摩に動きが見られます。』
と……。」
馬場信春「恐らく石山に向かうのであろう。」
内藤昌豊「と言われますと?」
馬場信春「石山は現在、織田により包囲されている。しかし完全なものでは無い。抜け穴が2ヶ所ある。1つは荒木村重が離反した有岡城。そしてもう1つが……。」
木津川河口。
馬場信春「包囲当初、木津川河口も織田の手にあった。しかし将軍様の意を汲んだ毛利が水軍を編制し、東上。これに対し、当地の織田水軍は対応する事が出来ず。そのため織田の兵糧攻めは機能していない。」
内藤昌豊「この現状を打破するために……。」
馬場信春「九鬼が召集された可能性はある。」
高坂昌信「どれくらいの船が動きそうですか?」
山県昌景「総動員では無いかと。それに動くのは九鬼だけは無い。」
高坂昌信「と言われますと?」
山県昌景「同じ動きが北伊勢にも見られる。」
滝川一益。
山県昌景「小浜曰く
『船いくさはとにかく数がものを言います。』」
馬場信春「先のいくさで毛利が用意した船は600と聞く。これに対し木津川に居た織田方は200だったとか。」
内藤昌豊「九鬼と滝川の船を全て使わないと毛利を追い返す事は……。」
山県昌景「難しいと見ているに違いない。」
高坂昌信「小浜がこの事を山県に伝えて来たと言う事は……。」
馬場信春「伊勢志摩がもぬけの殻になったこの機に乗じ、故地奪回を狙いたいと考えていると言う事だな?」
山県昌景「その通りであります。と同時に躊躇もしています。」
馬場信春「勝算は?」
山県昌景「『舟いくさだけであれば。』
であります。先年、徳川とのいくさにおいて小浜は大塚まで進出しました。しかし大塚は徳川に返却しました。理由は……。」
陸からの支援が見込めなかった。
山県昌景「からであります。石山の現状を見ると分かり易いでしょうか。石山は毛利の支援を得る事により、兵糧や武器弾薬が欠乏する危機から逃れる事が出来ています。しかし石山は……。」
海を除き、外に出る事が出来ません。
山県昌景「もし九鬼と滝川の水軍により、毛利の支援を期待する事が出来ない状況に追い込まれたら……。」
し尿処理が難しい中での食糧危機による飢餓が加わり。
山県昌景「石山が阿鼻叫喚となるのは必至であります。同じ事は伊勢志摩の進出に成功した後の小浜にも言える事であります。加えて我らは小浜以外に水軍を持っていません。故に我らは尾張更には伊勢を陸から突破しなければ小浜の危機を救う事は出来ません。小浜が二の足を踏んでいるのはこの点であります。」
0
お気に入りに追加
42
あなたにおすすめの小説
旅行先で目を覚ましたら森長可になっていた私。京で政変と聞き急ぎ美濃を目指す中、唯一の協力者。出浦盛清から紹介された人物が……どうも怪しい。
俣彦
ファンタジー
旅先で目を覚ましたら森長可になっていた私。場面は本能寺直後の越後。急ぎ美濃に戻ろうと試みると周りは敵だらけ。唯一協力を申し出てくれた出浦盛清に助けられ、美濃を目指す途中。出浦盛清に紹介されたのが真田昌幸。
大日本帝国、アラスカを購入して無双する
雨宮 徹
歴史・時代
1853年、ロシア帝国はクリミア戦争で敗戦し、財政難に悩んでいた。友好国アメリカにアラスカ購入を打診するも、失敗に終わる。1867年、すでに大日本帝国へと生まれ変わっていた日本がアラスカを購入すると金鉱や油田が発見されて……。
大日本帝国VS全世界、ここに開幕!
※架空の日本史・世界史です。
※分かりやすくするように、領土や登場人物など世界情勢を大きく変えています。
※ツッコミどころ満載ですが、ご勘弁を。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
日本が日露戦争後大陸利権を売却していたら? ~ノートが繋ぐ歴史改変~
うみ
SF
ロシアと戦争がはじまる。
突如、現代日本の少年のノートにこのような落書きが成された。少年はいたずらと思いつつ、ノートに冗談で返信を書き込むと、また相手から書き込みが成される。
なんとノートに書き込んだ人物は日露戦争中だということだったのだ!
ずっと冗談と思っている少年は、日露戦争の経緯を書き込んだ結果、相手から今後の日本について助言を求められる。こうして少年による思わぬ歴史改変がはじまったのだった。
※地名、話し方など全て現代基準で記載しています。違和感があることと思いますが、なるべく分かりやすくをテーマとしているため、ご了承ください。
※この小説はなろうとカクヨムへも投稿しております。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
この争いの絶えない世界で ~魔王になって平和の為に戦いますR
ばたっちゅ
ファンタジー
相和義輝(あいわよしき)は新たな魔王として現代から召喚される。
だがその世界は、世界の殆どを支配した人類が、僅かに残る魔族を滅ぼす戦いを始めていた。
無為に死に逝く人間達、荒廃する自然……こんな無駄な争いは止めなければいけない。だが人類にもまた、戦うべき理由と、戦いを止められない事情があった。
人類を会話のテーブルまで引っ張り出すには、結局戦争に勝利するしかない。
だが魔王として用意された力は、死を予感する力と全ての文字と言葉を理解する力のみ。
自分一人の力で戦う事は出来ないが、強力な魔人や個性豊かな魔族たちの力を借りて戦う事を決意する。
殺戮の果てに、互いが共存する未来があると信じて。
豪華地下室チートで異世界救済!〜僕の地下室がみんなの憩いの場になるまで〜
自来也
ファンタジー
カクヨム、なろうで150万PV達成!
理想の家の完成を目前に異世界に転移してしまったごく普通のサラリーマンの翔(しょう)。転移先で手にしたスキルは、なんと「地下室作成」!? 戦闘スキルでも、魔法の才能でもないただの「地下室作り」
これが翔の望んだ力だった。
スキルが成長するにつれて移動可能、豪華な浴室、ナイトプール、釣り堀、ゴーカート、ゲーセンなどなどあらゆる物の配置が可能に!?
ある時は瀕死の冒険者を助け、ある時は獣人を招待し、翔の理想の地下室はいつのまにか隠れた憩いの場になっていく。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しております。
軍艦少女は死に至る夢を見る~戦時下の大日本帝国から始まる艦船擬人化物語~
takahiro
キャラ文芸
『船魄』(せんぱく)とは、軍艦を自らの意のままに操る少女達である。船魄によって操られる艦艇、艦載機の能力は人間のそれを圧倒し、彼女達の前に人間は殲滅されるだけの存在なのだ。1944年10月に覚醒した最初の船魄、翔鶴型空母二番艦『瑞鶴』は、日本本土進攻を企てるアメリカ海軍と激闘を繰り広げ、ついに勝利を掴んだ。
しかし戦後、瑞鶴は帝国海軍を脱走し行方をくらませた。1955年、アメリカのキューバ侵攻に端を発する日米の軍事衝突の最中、瑞鶴は再び姿を現わし、帝国海軍と交戦状態に入った。瑞鶴の目的はともかくとして、船魄達を解放する戦いが始まったのである。瑞鶴が解放した重巡『妙高』『高雄』、いつの間にかいる空母『グラーフ・ツェッペリン』は『月虹』を名乗って、国家に属さない軍事力として活動を始める。だが、瑞鶴は大義やら何やらには興味がないので、利用できるものは何でも利用する。カリブ海の覇権を狙う日本・ドイツ・ソ連・アメリカの間をのらりくらりと行き交いながら、月虹は生存の道を探っていく。
登場する艦艇はなんと58隻!(2024/12/30時点)(人間のキャラは他に多数)(まだまだ増える)。人類に反旗を翻した軍艦達による、異色の艦船擬人化物語が、ここに始まる。
――――――――――
●本作のメインテーマは、あくまで(途中まで)史実の地球を舞台とし、そこに船魄(せんぱく)という異物を投入したらどうなるのか、です。いわゆる艦船擬人化ものですが、特に軍艦や歴史の知識がなくとも楽しめるようにしてあります。もちろん知識があった方が楽しめることは違いないですが。
●なお軍人がたくさん出て来ますが、船魄同士の関係に踏み込むことはありません。つまり船魄達の人間関係としては百合しかありませんので、ご安心もしくはご承知おきを。もちろんがっつり性描写はないですが、GL要素大いにありです。
●全ての船魄に挿絵ありですが、AI加筆なので雰囲気程度にお楽しみください。
●少女たちの愛憎と謀略が絡まり合う、新感覚、リアル志向の艦船擬人化小説を是非お楽しみください。
●お気に入りや感想などよろしくお願いします。毎日一話投稿します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる