258 / 318
仲介
しおりを挟む
会議中の深志城に来訪者が……。
武藤喜兵衛「穴山様到着されました。」
高坂昌信「穴山様が遅刻とは、珍しいですね。」
私(武田勝頼)「ん!?そう言えば。」
穴山信君「酷いですよ、殿。集まる場所をきちんと伝えていただかなければ。躑躅ヶ崎に着いたら
『深志城に向かわれましたが。』
と言われ急いでこちらに……。」
私(武田勝頼)「申し訳ない。場所の連絡を怠っていた。」
穴山信君「しかし殿。」
私(武田勝頼)「如何為されましたか?」
穴山信君「跡部から
『殿へ。』
と書状を託されました。」
私(武田勝頼)「将軍からだな。」
穴山信君「内容は跡部から聞きました。」
私(武田勝頼)「構わぬ。ところでどのような文言が?」
穴山信君「とりあえず開けて下され。」
私(武田勝頼)「勿体ぶらなくても……どれどれ……。ん!?」
将軍足利義昭からの書状に記されていた文言とは?
私(武田勝頼)「『徳川信康が織田信雄と決別する事を決意した。私と和睦したいとの事。その仲介を担う事とした。』」
穴山信君「殿。待望の報せであります。」
馬場信春「待望の報せと申されますと?」
私(武田勝頼)「皆に内緒にしていた事がある。皆と前。ここ深志で話した後、穴山が訪ねて来た。理由は私の真意を確かめるためであった。
確認された事は、正直な話。徳川とのいくさを勝ち切るだけの手立てを見つける事が出来ていない。仮に徳川を倒したとしても単独で織田と戦い続ける体力も無い。そして私自らが京に上り覇を為す事は考えていない。以上の3点である。
私の考えに反対の方がいましたら謝ります。」
山県昌景「現状を考えますと、殿の仰る通りであります。攻めてはいますが、苦しい状況にあるのは事実であります。」
高坂昌信「最前線で戦う山県が言っている以上、反対する者はいません。」
内藤昌豊「人に物。そして銭に至るまで先の遠征で疲弊しています。故に味方となる勢力が増える事は歓迎であります。」
馬場信春「しかし殿。織田とのいくさは続く事になります。」
私(武田勝頼)「その通り。」
穴山信君「織田は強大であります。東山道に東海道。そして海の3つ全てを我らが請け負うのは苦しいと言わざるを得ません。その中の1つないし2つを別の勢力に託す事は出来ないか?と言う結論に至りました。」
馬場信春「それが信康からの和睦要請に結び付いた?」
穴山信君「その通りであります。」
山県昌景「しかし信康にとって我らは父の仇。斯様な勢力に和を請う。しかも織田と決別する事を将軍様に宣言するとはとても思えぬ。何処から斬り込んだのでありますか?」
武藤喜兵衛「穴山様到着されました。」
高坂昌信「穴山様が遅刻とは、珍しいですね。」
私(武田勝頼)「ん!?そう言えば。」
穴山信君「酷いですよ、殿。集まる場所をきちんと伝えていただかなければ。躑躅ヶ崎に着いたら
『深志城に向かわれましたが。』
と言われ急いでこちらに……。」
私(武田勝頼)「申し訳ない。場所の連絡を怠っていた。」
穴山信君「しかし殿。」
私(武田勝頼)「如何為されましたか?」
穴山信君「跡部から
『殿へ。』
と書状を託されました。」
私(武田勝頼)「将軍からだな。」
穴山信君「内容は跡部から聞きました。」
私(武田勝頼)「構わぬ。ところでどのような文言が?」
穴山信君「とりあえず開けて下され。」
私(武田勝頼)「勿体ぶらなくても……どれどれ……。ん!?」
将軍足利義昭からの書状に記されていた文言とは?
私(武田勝頼)「『徳川信康が織田信雄と決別する事を決意した。私と和睦したいとの事。その仲介を担う事とした。』」
穴山信君「殿。待望の報せであります。」
馬場信春「待望の報せと申されますと?」
私(武田勝頼)「皆に内緒にしていた事がある。皆と前。ここ深志で話した後、穴山が訪ねて来た。理由は私の真意を確かめるためであった。
確認された事は、正直な話。徳川とのいくさを勝ち切るだけの手立てを見つける事が出来ていない。仮に徳川を倒したとしても単独で織田と戦い続ける体力も無い。そして私自らが京に上り覇を為す事は考えていない。以上の3点である。
私の考えに反対の方がいましたら謝ります。」
山県昌景「現状を考えますと、殿の仰る通りであります。攻めてはいますが、苦しい状況にあるのは事実であります。」
高坂昌信「最前線で戦う山県が言っている以上、反対する者はいません。」
内藤昌豊「人に物。そして銭に至るまで先の遠征で疲弊しています。故に味方となる勢力が増える事は歓迎であります。」
馬場信春「しかし殿。織田とのいくさは続く事になります。」
私(武田勝頼)「その通り。」
穴山信君「織田は強大であります。東山道に東海道。そして海の3つ全てを我らが請け負うのは苦しいと言わざるを得ません。その中の1つないし2つを別の勢力に託す事は出来ないか?と言う結論に至りました。」
馬場信春「それが信康からの和睦要請に結び付いた?」
穴山信君「その通りであります。」
山県昌景「しかし信康にとって我らは父の仇。斯様な勢力に和を請う。しかも織田と決別する事を将軍様に宣言するとはとても思えぬ。何処から斬り込んだのでありますか?」
0
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
天冥聖戦 伝説への軌跡
くらまゆうき
ファンタジー
あらすじ
狐の神族にはどんな過去があって人に封印されたのか?
もはや世界の誰からも忘れられた男となった狐神はどうにかして人の体から出ようとするが、思いもよらぬ展開へと発展していく…
消えている過去の記憶を追い求めながら彼が感じた事は戦争のない世界を作りたい。
シーズンを重ねるごとに解き明かされていく狐の神族の謎は衝撃の連発!
書籍化、アニメ化したいと大絶賛の物語をお見逃しなく
不死の少女は王女様
未羊
ファンタジー
※カクヨム、エブリスタでの完結作品の自己転載です
大陸ひとつを統一していたエルミタージュ王国。その栄華は永遠に続くかと思われた。
ある時、小さな内乱をきっかけに王国は一気に傾き、ついに滅亡の時を迎えてしまう。
国王と王妃は一人娘を逃すために魔法をかけ、自らはその戦火に姿を消した。
一人残された王女は何度となく絶望をしたものの生きながらえてしまう。
絶望の果てにやがて落ち着いた王女は、両親の最後の言葉を胸に、気の遠くなるあてのない旅へと出たのだった。
幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
この争いの絶えない世界で ~魔王になって平和の為に戦いますR
ばたっちゅ
ファンタジー
相和義輝(あいわよしき)は新たな魔王として現代から召喚される。
だがその世界は、世界の殆どを支配した人類が、僅かに残る魔族を滅ぼす戦いを始めていた。
無為に死に逝く人間達、荒廃する自然……こんな無駄な争いは止めなければいけない。だが人類にもまた、戦うべき理由と、戦いを止められない事情があった。
人類を会話のテーブルまで引っ張り出すには、結局戦争に勝利するしかない。
だが魔王として用意された力は、死を予感する力と全ての文字と言葉を理解する力のみ。
自分一人の力で戦う事は出来ないが、強力な魔人や個性豊かな魔族たちの力を借りて戦う事を決意する。
殺戮の果てに、互いが共存する未来があると信じて。
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
少年神官系勇者―異世界から帰還する―
mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる?
別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨
この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行)
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。
この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。
この作品は「pixiv」にも掲載しています。
【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!
まにゅまにゅ
ファンタジー
平均レベルの低い底辺パーティ『龍炎光牙《りゅうえんこうが》』はオーク一匹倒すのにも命懸けで注目もされていないどこにでもでもいる冒険者たちのチームだった。
そんなある日ようやく資金も貯まり、神殿でお金を払って恩恵《ギフト》を授かるとその恩恵《ギフト》スキルは『拡大解釈』というもの。
その効果は魔法やスキルの内容を拡大解釈し、別の効果を引き起こせる、という神スキルだった。その拡大解釈により色んなものを回復《ヒール》で治したり強化《ブースト》で獲得経験値を増やしたりととんでもない効果を発揮する!
底辺パーティ『龍炎光牙』の大躍進が始まる!
第16回ファンタジー大賞奨励賞受賞作です。
俺の召喚獣だけレベルアップする
摂政
ファンタジー
【第10章、始動!!】ダンジョンが現れた、現代社会のお話
主人公の冴島渉は、友人の誘いに乗って、冒険者登録を行った
しかし、彼が神から与えられたのは、一生レベルアップしない召喚獣を用いて戦う【召喚士】という力だった
それでも、渉は召喚獣を使って、見事、ダンジョンのボスを撃破する
そして、彼が得たのは----召喚獣をレベルアップさせる能力だった
この世界で唯一、召喚獣をレベルアップさせられる渉
神から与えられた制約で、人間とパーティーを組めない彼は、誰にも知られることがないまま、どんどん強くなっていく……
※召喚獣や魔物などについて、『おーぷん2ちゃんねる:にゅー速VIP』にて『おーぷん民でまじめにファンタジー世界を作ろう』で作られた世界観……というか、モンスターを一部使用して書きました!!
内容を纏めたwikiもありますので、お暇な時に一読していただければ更に楽しめるかもしれません?
https://www65.atwiki.jp/opfan/pages/1.html
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる