旅行先で目を覚ましたら武田勝頼になっていた私。どうやら自分が当主らしい。そこまでわかって不安に覚える事が1つ。それは今私が居るのは天正何年?

俣彦

文字の大きさ
上 下
243 / 318

言った者勝ち

しおりを挟む
内藤昌豊「水野の件に久松の件……言った者勝ちだな……。」

高坂昌信「織田信雄が佐久間信盛を信じ切ってしまっている可能性を否定する事は出来ません。」

内藤昌豊「今後、同じような動きを見せる者が出て来ますね。」

山県昌景「確かに。」

高坂昌信「ところで馬場様。」

馬場信春「どうした?」

高坂昌信「久松の家臣は今、どうしています?」

馬場信春「水野の家臣と同じである。」

高坂昌信「……呼びません?彼らを。」

馬場信春「そうだな。今後、佐久間といくさをする事になる。主戦場は刈谷に知多。そして尾張。水野と久松の勢力圏にあった場所にあたる。当地に留まるも善し。我らと行動を共にするも善し。」

山県昌景「その中でも水野の家臣は、牧野や奥三河の者と繋がりのある者も多い。我らの政権運営において野田や牛久保は重要な場所。彼らとの関係を維持する上でも必要な人材は多い。」

高坂昌信「徳川の事を考えても同様であります。」

馬場信春「取り掛かっても宜しいでしょうか?」

私(武田勝頼)「お願いします。」

山県昌景「徳川は如何為されますか?」

馬場信春「徳川信康と織田信雄の関係は、先に斬られた水野信元と織田信雄との関係に限りなく近いものがあります。」

山県昌景「彼らを陥れる種はあります。恐らくこの情報を用いれば、本人が知らなかったとは言え。信康を雇用主責任に問う事が可能となります。」

馬場信春「加えて信康の所領は佐久間の勢力圏に隣接した場所にあります。」

山県昌景「この情報を佐久間に流せば、徳川は瓦解します。」

私(武田勝頼)「うむ。」

馬場信春「しかし今、我らはそれを望んではいません。」

内藤昌豊「織田との全面衝突に耐え得るだけの国力はありません。徳川と言う緩衝材。

『東は徳川』

の状況を維持したいのが1つ。」

高坂昌信「次に来るのが徳川からの情報源であります。今も織田による経済封鎖並びに情報統制が続いています。尤も物の行き来については越後を介する事で対応する事が出来ています。しかし情報については如何ともし難い所があります。速さは勿論の事でありますが、問題なのは正確性であります。越後と京を行き来する際、敦賀や小浜の港を利用する事になります。これらの港。更には港から京までの全てを今、織田が押さえています。織田と同盟関係にある徳川から来る情報を断つのは得策ではありません。」

山県昌景「暫しの猶予を願います。」

私(武田勝頼)「其方らがそう言うのであれば構わぬ。引き続き情報収集並びに水野と久松の家臣の勧誘をお願いします。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

いや、婿を選べって言われても。むしろ俺が立候補したいんだが。

SHO
歴史・時代
時は戦国末期。小田原北条氏が豊臣秀吉に敗れ、新たに徳川家康が関八州へ国替えとなった頃のお話。 伊豆国の離れ小島に、弥五郎という一人の身寄りのない少年がおりました。その少年は名刀ばかりを打つ事で有名な刀匠に拾われ、弟子として厳しく、それは厳しく、途轍もなく厳しく育てられました。 そんな少年も齢十五になりまして、師匠より独立するよう言い渡され、島を追い出されてしまいます。 さて、この先の少年の運命やいかに? 剣術、そして恋が融合した痛快エンタメ時代劇、今開幕にございます! *この作品に出てくる人物は、一部実在した人物やエピソードをモチーフにしていますが、モチーフにしているだけで史実とは異なります。空想時代活劇ですから! *この作品はノベルアップ+様に掲載中の、「いや、婿を選定しろって言われても。だが断る!」を改題、改稿を経たものです。

大東亜戦争を有利に

ゆみすけ
歴史・時代
 日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を

俺だけ皆の能力が見えているのか!?特別な魔法の眼を持つ俺は、その力で魔法もスキルも効率よく覚えていき、周りよりもどんどん強くなる!!

クマクマG
ファンタジー
勝手に才能無しの烙印を押されたシェイド・シュヴァイスであったが、落ち込むのも束の間、彼はあることに気が付いた。『俺が見えているのって、人の能力なのか?』  自分の特別な能力に気が付いたシェイドは、どうやれば魔法を覚えやすいのか、どんな練習をすればスキルを覚えやすいのか、彼だけには魔法とスキルの経験値が見えていた。そのため、彼は効率よく魔法もスキルも覚えていき、どんどん周りよりも強くなっていく。  最初は才能無しということで見下されていたシェイドは、そういう奴らを実力で黙らせていく。魔法が大好きなシェイドは魔法を極めんとするも、様々な困難が彼に立ちはだかる。時には挫け、時には悲しみに暮れながらも周囲の助けもあり、魔法を極める道を進んで行く。これはそんなシェイド・シュヴァイスの物語である。

旧陸軍の天才?に転生したので大東亜戦争に勝ちます

竹本田重朗
ファンタジー
転生石原閣下による大東亜戦争必勝論 東亜連邦を志した同志達よ、ごきげんようである。どうやら、私は旧陸軍の石原莞爾に転生してしまったらしい。これは神の思し召しなのかもしれない。どうであれ、現代日本のような没落を回避するために粉骨砕身で働こうじゃないか。東亜の同志と手を取り合って真なる独立を掴み取るまで… ※超注意書き※ 1.政治的な主張をする目的は一切ありません 2.そのため政治的な要素は「濁す」又は「省略」することがあります 3.あくまでもフィクションのファンタジーの非現実です 4.そこら中に無茶苦茶が含まれています 5.現実的に存在する如何なる国家や地域、団体、人物と関係ありません 6.カクヨムとマルチ投稿 以上をご理解の上でお読みください

処理中です...