231 / 318
脆弱性
しおりを挟む
戦後処理についての交渉をまとめ上げた高坂昌信。しかしまだ仕事は残されているとか。それは……。
高坂昌信「今後の吉田城の扱いについてであります。吉田城は今川が使う事を目的に建てられた城であり、その後も徳川が東三河の拠点として構えた城であります。そのため多くの人を収容する事が出来。かつ維持するために必要な物資を蓄える事も可能な造りとなっています。うちとしても利用したい場所であるのは事実であります。」
山県昌景「うむ。」
高坂昌信「しかし吉田城には弱点があります。その弱点を衝く事により、今回我らは吉田城を手に入れる事が出来ました。吉田は伊奈と田原。更には岡崎に遠江と言った敵に囲まれた場所に立地しています。今後も狙われる続ける事になる城であります。しかも相手は徳川。つい今しがたまで支配していた者共であります。吉田城の弱点を徳川も把握している事になります。」
山県昌景「そうだな。」
高坂昌信「この弱点を克服しなければなりません。尤も弱点は二連木に長沢。一宮に船形山にもあります。ただこれらの城は吉田に比べれば小規模な城。留める事の出来る人と物も限られています。最悪、対の城を構築してしまえば済む話であります。しかし吉田は違います。野戦に打って出ても負けないだけの兵の数と物資弾薬を常備する事が可能となっています。故に奪われると厄介な城であります。至急対策を講じなければなりません。」
山県昌景「確かに。」
高坂昌信「問題はここからであります。吉田城は弱点が多過ぎます。」
吉田城の弱点。
1、川から攻められると即本丸が危機に陥ってしまう事。
2、大手門が二連木城の正面にある事。
3、今川が使う事が前提であったため、北以外の守りがおろそかになっている事。
4、脱出不可能。
高坂昌信「こんな所になりますでしょうか?」
山県昌景「『北以外』で括っているが、細かく言い出したら……。」
高坂昌信「切がありませんので、まとめる事にしました。」
内藤昌豊「弱点を克服するのに必要な事は?」
高坂昌信「喫緊の課題は2と3であります。大手門を南に移す事。更には豊川以外の三方向を惣構えにする事。それも地中から攻撃されぬよう伊奈城のように水堀で以て囲う必要があります。豊川から引き入れる事が最も簡単な手立てではありますが、豊川を伝って回り込まれる危険性がありますので出来ません。別の場所から水を確保しなければなりません。その見積もりを出し、跡部に見せた所……。」
揉めているのはそれです。
高坂昌信「今後の吉田城の扱いについてであります。吉田城は今川が使う事を目的に建てられた城であり、その後も徳川が東三河の拠点として構えた城であります。そのため多くの人を収容する事が出来。かつ維持するために必要な物資を蓄える事も可能な造りとなっています。うちとしても利用したい場所であるのは事実であります。」
山県昌景「うむ。」
高坂昌信「しかし吉田城には弱点があります。その弱点を衝く事により、今回我らは吉田城を手に入れる事が出来ました。吉田は伊奈と田原。更には岡崎に遠江と言った敵に囲まれた場所に立地しています。今後も狙われる続ける事になる城であります。しかも相手は徳川。つい今しがたまで支配していた者共であります。吉田城の弱点を徳川も把握している事になります。」
山県昌景「そうだな。」
高坂昌信「この弱点を克服しなければなりません。尤も弱点は二連木に長沢。一宮に船形山にもあります。ただこれらの城は吉田に比べれば小規模な城。留める事の出来る人と物も限られています。最悪、対の城を構築してしまえば済む話であります。しかし吉田は違います。野戦に打って出ても負けないだけの兵の数と物資弾薬を常備する事が可能となっています。故に奪われると厄介な城であります。至急対策を講じなければなりません。」
山県昌景「確かに。」
高坂昌信「問題はここからであります。吉田城は弱点が多過ぎます。」
吉田城の弱点。
1、川から攻められると即本丸が危機に陥ってしまう事。
2、大手門が二連木城の正面にある事。
3、今川が使う事が前提であったため、北以外の守りがおろそかになっている事。
4、脱出不可能。
高坂昌信「こんな所になりますでしょうか?」
山県昌景「『北以外』で括っているが、細かく言い出したら……。」
高坂昌信「切がありませんので、まとめる事にしました。」
内藤昌豊「弱点を克服するのに必要な事は?」
高坂昌信「喫緊の課題は2と3であります。大手門を南に移す事。更には豊川以外の三方向を惣構えにする事。それも地中から攻撃されぬよう伊奈城のように水堀で以て囲う必要があります。豊川から引き入れる事が最も簡単な手立てではありますが、豊川を伝って回り込まれる危険性がありますので出来ません。別の場所から水を確保しなければなりません。その見積もりを出し、跡部に見せた所……。」
揉めているのはそれです。
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
気がついたら異世界に転生していた。
みみっく
ファンタジー
社畜として会社に愛されこき使われ日々のストレスとムリが原因で深夜の休憩中に死んでしまい。
気がついたら異世界に転生していた。
普通に愛情を受けて育てられ、普通に育ち屋敷を抜け出して子供達が集まる広場へ遊びに行くと自分の異常な身体能力に気が付き始めた・・・
冒険がメインでは無く、冒険とほのぼのとした感じの日常と恋愛を書いていけたらと思って書いています。
戦闘もありますが少しだけです。
精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します
カオリグサ
ファンタジー
病で幼いころから病室から出たことがなかった少年
生きるため懸命にあがいてきたものの、進行が恐ろしく速い癌によって体が蝕まれ
手術の甲斐もむなしく死んでしまった
そんな生を全うできなかった少年に女神が手を差し伸べた
女神は少年に幸せになってほしいと願う
そして目覚めると、少年は少女になっていた
今生は精霊王女として生きることとなった少女の
チートクラスに強い仲間と共に歩む旅物語
高天神攻略の祝宴でしこたま飲まされた武田勝頼。翌朝、事の顛末を聞いた勝頼が採った行動とは?
俣彦
ファンタジー
高天神城攻略の祝宴が開かれた翌朝。武田勝頼が採った行動により、これまで疎遠となっていた武田四天王との関係が修復。一致団結し向かった先は長篠城。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
ここ掘れわんわんから始まる異世界生活―陸上戦艦なにそれ?―
北京犬(英)
ファンタジー
第一章改稿版に差し替中。
暫く繋がりがおかしくなりますが、ご容赦ください。(2020.10.31)
第四章完結。第五章に入りました。
追加タグ:愛犬がチート、モフモフ、農業、奴隷、少しコメディ寄り、時々シリアス、ほのぼの
愛犬のチワワと共に異世界転生した佐々木蔵人(ささき くらんど)が、愛犬プチのユニークスキル”ここ掘れわんわん”に助けられて異世界でスローライフを満喫しようとします。
しかし転生して降り立った場所は魔物が蔓延る秘境の森。
蔵人の基本レベルは1で、持っているスキルも初期スキルのLv.1のみ。
ある日、プチの”ここ掘れわんわん”によりチート能力を得てしまいます。
しかし蔵人は自身のイメージ力の問題でチート能力を使いこなせません。
思い付きで農場をチート改造して生活に困らなくなり、奴隷を買い、なぜか全員が嫁になってハーレム生活を開始。
そして塒(ねぐら)として確保した遺跡が……。大きな陰謀に巻き込まれてしまいます。
前途多難な異世界生活を愛犬や嫁達と共に生き延びて、望みのスローライフを送れるのだろうかという物語です。
基本、生産チートでほのぼの生活が主体――のはずだったのですが、陸上戦艦の艦隊戦や戦争描写が増えています。
小説家になろう、カクヨムでも公開しています。改稿版はカクヨム最新。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる