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再招集

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 時間を進めて吉田城。



『吉田城!一番乗り!!これより山県様!小浜様の助太刀に向かう!!』

『おぉ!!!』

吉田城内南から大音声がこだまする。その声の主は……。

『おのおの!ぬかりなく取り掛かれ!!』

……真田信綱。



 戻って一宮。



長坂釣閑斎「真田と小幡を再招集したい?……お前。帰したばかりだぞ。」

山県昌景「承知しています。」

長坂釣閑斎「急な召集がある立場であるのは彼らも知っている。しかしそれにも限度があるぞ。」

山県昌景「存じ上げています。しかし物事には時機と言うものがあります。今がその時であります。川と海が封鎖された瞬間。動揺するのは伊奈よりも、地場の者が居ない吉田であります。加えて吉田には明確な弱点が存在します。」

長坂釣閑斎「城の南と西。」

山県昌景「はい。それを実現させるためには、ここ東三河の陣容では足りません。とりわけ不足しているのが攻め手を担う事が出来る人材であります。」

長坂釣閑斎「もし何か不測の実態が発生した時は?」

山県昌景「その責の全てを私が背負う所存であります。」

長坂釣閑斎「殿。如何為されますか?」

私(武田勝頼)「真田と小幡を使って攻める城は吉田のみか?」

山県昌景「はい。」

私(武田勝頼)「日数は?」

山県昌景「3日で片をつけます。」

私(武田勝頼)「延長は認めぬぞ。」

山県昌景「わかりました。」

私(武田勝頼)「では私の名前で召集する。」

跡部勝資「それで宜しいのですか?」

私(武田勝頼)「構わぬ。ただし3日までだぞ。3日で勝敗を付ける事が出来ないと判断したら即座に撤退する事。その責は私が背負う。

 かと言って、それが重荷なっては困る故。1つ禁止事項を設ける。それは……。」



 無理攻めに端を発した討ち死に。



私(武田勝頼)「不慮は仕方が無い。尤もその事態に陥らせる事自体が失敗なのだがな。ただ不利を承知での無駄死には許さぬ。常に退く事が出来る状況での攻撃を試みる事。それは絶対に守ってくれ。」

山県昌景「ありがとうございます。必ずや。」

私(武田勝頼)「いや。必ずやは要らぬ。1つの城のために其方らを失うわけには行かぬ。」

山県昌景「皆無事戻って参ります。」



 吉田城内南の真田信綱に続き、西から真田昌輝も侵入に成功。昌輝は信綱とは別行動を採り、本丸を伺う。そんな中、小幡信貞は……。



私(武田勝頼)「そうなると信貞は、二連木城を守らせる事になるか……。」

山県昌景「はい。同時に船形山も見てもらおうと考えています。その他にも……小幡にお願いしたい事があります。」
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