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総攻撃
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話を進めて。
伊奈城の権益である前芝湊に渡津、平井など豊川下流域の封鎖に小浜景隆が成功したのを見た山県昌景は総攻撃を決意。向かった先は……吉田城。
小浜景隆が豊川を更に遡り、本丸裏に進出。船着き場から上陸を試みた所を吉田城兵が咎め交戦。城内の視線が豊川に注ぎ込まれた事を確認した山県昌景は城東の大手門に殺到し城門突破を目指すも、ここは徳川が選抜した精鋭が集う吉田城兵が対応。一進一退の攻防が繰り広げられたのでありました。
しばらくして、城内から轟音が。鳴り響いた場所は城の南と西の複数個所。その原因となったのが……。
戻って一宮。
私(武田勝頼)「金山衆を用いたい?」
山県昌景「はい。此度の城攻め。特に吉田城を落とすには彼らの力は不可欠であります。」
金山衆は、武田領内で金山経営に携わる山師の事。掘削技術などに長け、地下トンネルを通じ城内に侵入を試みる等いくさにおいても重宝された集団。
長坂釣閑斎「しかし大丈夫か?我らの戦術は奥平を通じ徳川に知られてしまっていると聞いている。長篠で苦戦を強いられた原因の1つがそれであったはずだが。」
山県昌景「確かに。しかしその時の長篠の城主であった奥平貞昌は我らに帰順しています。貞昌の父と上司であった酒井忠次はこの世にいません。そして今、吉田城を守っているのは(酒井忠次の家臣であった)東三河の者ではありません。装備も長篠より劣っています。そして何より敵は……。」
「東を注意していれば良い。」
と油断しています。
長坂釣閑斎「もし敵も掘って来たらどうする?」
高坂昌信「奥平に確認していました。どう対処するつもりだったのか?を。貞昌の答えは
『城内から穴を掘り、鉄砲で撃退する。』
何故そうするかについて併せて尋ねました所
『金堀中、金山衆は無防備であるから。』
でありました。」
山県昌景「これに対応するため金山衆に鉄砲に長けた者を付け、もしもの時に備えます。」
長坂釣閑斎「鉄砲には鉄砲?」
山県昌景「その通りであります。」
長坂釣閑斎「仮に隧道を掘る事に成功し、城内に入る事が出来たとしよう。次の質問だ。誰を城内に乱入させる?小浜は川の上。東側は……。」
山県昌景「私が担います。」
長坂釣閑斎「金山衆が侵入を試みるのは?」
山県昌景「手薄な西と南であります。」
長坂釣閑斎「城内は安全な場所では?」
山県昌景「勿論ありません。危険極まりない事に変わりありません。」
長坂釣閑斎「金山衆はいくさに長けているわけでは無いぞ。」
山県昌景「存じ上げています。そこでもう1つ。私の我儘を聞いて下さい。」
伊奈城の権益である前芝湊に渡津、平井など豊川下流域の封鎖に小浜景隆が成功したのを見た山県昌景は総攻撃を決意。向かった先は……吉田城。
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しばらくして、城内から轟音が。鳴り響いた場所は城の南と西の複数個所。その原因となったのが……。
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山県昌景「はい。此度の城攻め。特に吉田城を落とすには彼らの力は不可欠であります。」
金山衆は、武田領内で金山経営に携わる山師の事。掘削技術などに長け、地下トンネルを通じ城内に侵入を試みる等いくさにおいても重宝された集団。
長坂釣閑斎「しかし大丈夫か?我らの戦術は奥平を通じ徳川に知られてしまっていると聞いている。長篠で苦戦を強いられた原因の1つがそれであったはずだが。」
山県昌景「確かに。しかしその時の長篠の城主であった奥平貞昌は我らに帰順しています。貞昌の父と上司であった酒井忠次はこの世にいません。そして今、吉田城を守っているのは(酒井忠次の家臣であった)東三河の者ではありません。装備も長篠より劣っています。そして何より敵は……。」
「東を注意していれば良い。」
と油断しています。
長坂釣閑斎「もし敵も掘って来たらどうする?」
高坂昌信「奥平に確認していました。どう対処するつもりだったのか?を。貞昌の答えは
『城内から穴を掘り、鉄砲で撃退する。』
何故そうするかについて併せて尋ねました所
『金堀中、金山衆は無防備であるから。』
でありました。」
山県昌景「これに対応するため金山衆に鉄砲に長けた者を付け、もしもの時に備えます。」
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山県昌景「その通りであります。」
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山県昌景「手薄な西と南であります。」
長坂釣閑斎「城内は安全な場所では?」
山県昌景「勿論ありません。危険極まりない事に変わりありません。」
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山県昌景「存じ上げています。そこでもう1つ。私の我儘を聞いて下さい。」
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