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最も安全な場所が
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跡部勝資「吉田城に弱点はありませんか?」
山県昌景「無いわけではありません。」
跡部勝資「教えていただけませんか?」
山県昌景「はい。吉田城の弱点は、豊川であります。」
跡部勝資「えっ!豊川でありますか?」
山県昌景「はい。豊川であります。」
跡部勝資「吉田城は豊川を頼みに築かれたと認識していましたが、それが弱点でありますか?」
山県昌景「はい。」
跡部勝資「あの川を渡って攻め込むのは難しいのではありませんか?」
山県昌景「はい。惣構えに突撃を敢行する事以上に困難を極める事になるのは間違いありません。」
跡部勝資「それが何故弱点になるのでありますか?」
山県昌景「これは長篠城にも言えた事なのでありますが……。」
敵が攻め込めないと言う事は、味方も脱出出来ない事を意味します。
山県昌景「仮に大手門や惣構えが破られ三方から迫られた場合、城側が局面を打開するためにはその敵を打ち破り虎口を脱するか……。」
溺れる事を覚悟の上で、川を渡らなければ敵の手から逃れる事は出来ません。
山県昌景「北から攻め込まれるのでありましたら、城側にとって豊川は頼もしい存在となります。水浸しとなり、いくさ処では無い敵を難なく討ち取るだけでよいのでありますから。しかし我らが攻め込んでいるのは北を除く三方向であります。迫っていないのは北側のみ。つまり吉田城の徳川兵は、脱出不可能な川を背に戦わなければならない状況に追い込まれているのであります。しかもこの川。徒歩での行き来は困難を極める事になります。」
跡部勝資「しかし効力を発揮するためには三方向から追い込まなければならないのではありませんか?」
山県昌景「いや。その必要はありません。」
跡部勝資「何故でありますか?」
山県昌景「この豊川。徒歩での行き来は難しい川でありますが……。」
船での移動には便が良い。
山県昌景「川を渡れば本丸に辿り着く事が出来ますし、長篠同様。船着き場の機能も有しているため、防備は手薄であります。実際、この方法で以て吉田城。当時は今橋と言われていましたか。は落城しています。」
跡部勝資「この山県の発言について、異論のある方は?」
静かに頷く一同。
山県昌景「しかし現在、この戦術を用いる事は出来ません。理由は先程も述べましたように吉田城から下流の豊川一帯は徳川の勢力圏にあるからであります。長篠から川を下る選択肢もありますが、途中の野田、牛久保双方。去就が不透明にありますので、不慣れな戦い方を採用する事は出来ません。」
跡部勝資「『その前に落とすべき城がある。』
と仰りたいのでありますね?」
山県昌景「その通りであります。」
山県昌景「無いわけではありません。」
跡部勝資「教えていただけませんか?」
山県昌景「はい。吉田城の弱点は、豊川であります。」
跡部勝資「えっ!豊川でありますか?」
山県昌景「はい。豊川であります。」
跡部勝資「吉田城は豊川を頼みに築かれたと認識していましたが、それが弱点でありますか?」
山県昌景「はい。」
跡部勝資「あの川を渡って攻め込むのは難しいのではありませんか?」
山県昌景「はい。惣構えに突撃を敢行する事以上に困難を極める事になるのは間違いありません。」
跡部勝資「それが何故弱点になるのでありますか?」
山県昌景「これは長篠城にも言えた事なのでありますが……。」
敵が攻め込めないと言う事は、味方も脱出出来ない事を意味します。
山県昌景「仮に大手門や惣構えが破られ三方から迫られた場合、城側が局面を打開するためにはその敵を打ち破り虎口を脱するか……。」
溺れる事を覚悟の上で、川を渡らなければ敵の手から逃れる事は出来ません。
山県昌景「北から攻め込まれるのでありましたら、城側にとって豊川は頼もしい存在となります。水浸しとなり、いくさ処では無い敵を難なく討ち取るだけでよいのでありますから。しかし我らが攻め込んでいるのは北を除く三方向であります。迫っていないのは北側のみ。つまり吉田城の徳川兵は、脱出不可能な川を背に戦わなければならない状況に追い込まれているのであります。しかもこの川。徒歩での行き来は困難を極める事になります。」
跡部勝資「しかし効力を発揮するためには三方向から追い込まなければならないのではありませんか?」
山県昌景「いや。その必要はありません。」
跡部勝資「何故でありますか?」
山県昌景「この豊川。徒歩での行き来は難しい川でありますが……。」
船での移動には便が良い。
山県昌景「川を渡れば本丸に辿り着く事が出来ますし、長篠同様。船着き場の機能も有しているため、防備は手薄であります。実際、この方法で以て吉田城。当時は今橋と言われていましたか。は落城しています。」
跡部勝資「この山県の発言について、異論のある方は?」
静かに頷く一同。
山県昌景「しかし現在、この戦術を用いる事は出来ません。理由は先程も述べましたように吉田城から下流の豊川一帯は徳川の勢力圏にあるからであります。長篠から川を下る選択肢もありますが、途中の野田、牛久保双方。去就が不透明にありますので、不慣れな戦い方を採用する事は出来ません。」
跡部勝資「『その前に落とすべき城がある。』
と仰りたいのでありますね?」
山県昌景「その通りであります。」
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