181 / 318
雇われ
しおりを挟む
私(武田勝頼)「空証文をつかまれたのか?」
高坂昌信「いえ。そうではありません。」
私(武田勝頼)「しかし現実問題。」
高坂昌信「はい。そのほとんどが反故にされています。」
私(武田勝頼)「それでも騙されていないと言えるのか?」
高坂昌信「駄目なものについては最初から駄目と念を押されたとの事であります。この中に無いでしょう?あの城が。」
武藤喜兵衛「……吉田城。当時は今橋城でしたか。が見当たりませぬ。」
高坂昌信「牧野一族が牛久保以外の土地で、最も執着しているのが吉田であります。逆に言えば、吉田さえ与えておけば牧野は喜んで今川義元の下に馳せ参じる事になります。この事は当時、三河を担当していた太原雪斎もわかっていたはずであります。しかし雪斎はこれを拒絶しています。」
武藤喜兵衛「吉田は今川にとって重要な場所?」
高坂昌信「対松平対織田を考えた場合、侵攻方向の北を豊川で遮る形となる吉田城は今川としては譲る事の出来ない土地である事は確かであります。しかし理由はそれだけではありません。」
私(武田勝頼)「どのような理由だ?」
高坂昌信「はい。この吉田城でありますが、築いたのは牧野古白と言われています。その事自体に間違いはありません。豊川以南の渥美郡進出を目指す拠点として建てられた牧野にとって思い入れの深い場所であるのも事実であります。しかしこの吉田城は……。」
牧野古白が単独で築いたものでは無い。
私(武田勝頼)「……ほう。」
高坂昌信「吉田城の西に『馬見塚』と言う場所があります。実はこの『馬見塚』。元は別の場所にありました。では何処にあったのかと言いますと……。」
今の吉田城のある所。
高坂昌信「であります。」
武藤喜兵衛「『ここに城を築くから移転してくれ。』
でありますか?」
高坂昌信「その通り。そしてその指示を出し、替地を用立てたのが今川義元の父である今川氏親。」
私(武田勝頼)「となると築城の費用と縄張りに至るまでも?」
高坂昌信「はい。施主は今川氏親であります。」
武藤喜兵衛「牧野古白を今川氏親からの仕事を請け負っただけであって、その後の運用についても牧野が今川から委託を受けてのもの。言い方が適切では無いかも知れませんが、牧野は雇われの身分でしか無かった?」
山県昌景「牧野が
『先祖が築いた城だから。』
と言った所で
『予算はうちが出しているだろう?』
と返されてしまっては、引き下がるしか無かった?」
高坂昌信「そう見て間違いありません。」
高坂昌信「いえ。そうではありません。」
私(武田勝頼)「しかし現実問題。」
高坂昌信「はい。そのほとんどが反故にされています。」
私(武田勝頼)「それでも騙されていないと言えるのか?」
高坂昌信「駄目なものについては最初から駄目と念を押されたとの事であります。この中に無いでしょう?あの城が。」
武藤喜兵衛「……吉田城。当時は今橋城でしたか。が見当たりませぬ。」
高坂昌信「牧野一族が牛久保以外の土地で、最も執着しているのが吉田であります。逆に言えば、吉田さえ与えておけば牧野は喜んで今川義元の下に馳せ参じる事になります。この事は当時、三河を担当していた太原雪斎もわかっていたはずであります。しかし雪斎はこれを拒絶しています。」
武藤喜兵衛「吉田は今川にとって重要な場所?」
高坂昌信「対松平対織田を考えた場合、侵攻方向の北を豊川で遮る形となる吉田城は今川としては譲る事の出来ない土地である事は確かであります。しかし理由はそれだけではありません。」
私(武田勝頼)「どのような理由だ?」
高坂昌信「はい。この吉田城でありますが、築いたのは牧野古白と言われています。その事自体に間違いはありません。豊川以南の渥美郡進出を目指す拠点として建てられた牧野にとって思い入れの深い場所であるのも事実であります。しかしこの吉田城は……。」
牧野古白が単独で築いたものでは無い。
私(武田勝頼)「……ほう。」
高坂昌信「吉田城の西に『馬見塚』と言う場所があります。実はこの『馬見塚』。元は別の場所にありました。では何処にあったのかと言いますと……。」
今の吉田城のある所。
高坂昌信「であります。」
武藤喜兵衛「『ここに城を築くから移転してくれ。』
でありますか?」
高坂昌信「その通り。そしてその指示を出し、替地を用立てたのが今川義元の父である今川氏親。」
私(武田勝頼)「となると築城の費用と縄張りに至るまでも?」
高坂昌信「はい。施主は今川氏親であります。」
武藤喜兵衛「牧野古白を今川氏親からの仕事を請け負っただけであって、その後の運用についても牧野が今川から委託を受けてのもの。言い方が適切では無いかも知れませんが、牧野は雇われの身分でしか無かった?」
山県昌景「牧野が
『先祖が築いた城だから。』
と言った所で
『予算はうちが出しているだろう?』
と返されてしまっては、引き下がるしか無かった?」
高坂昌信「そう見て間違いありません。」
0
お気に入りに追加
44
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

大東亜戦争を有利に
ゆみすけ
歴史・時代
日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる