169 / 318
萩城
しおりを挟む
一宮砦。
真田昌輝「我らの目的は野田城と牛久保城を孤立化させる事と聞いています。」
真田信綱「そのために(地図を指し示しながら)ここを目指すと言う事を承っています。」
高坂昌信「うむ。」
真田昌輝「問題はそこに至るまでの道のりであります。」
真田信綱「ここに到達するためには、どうしても牛久保領の。それも中枢を通過しなければなりません。途中、敵が攻め寄せて来ました場合は合戦に及んでも問題はありませんか?」
高坂昌信「極力避けていただきたいと考えている。」
真田昌輝「しかしこの道筋を辿って行きますと……。」
高坂昌信「間違い無く敵方主力とのいくさに発展してしまう事になる。」
真田信綱「高坂様はこの事態を望んでは?」
高坂昌信「居ない。此度のいくさの想定を根底から覆される事になってしまう。」
真田昌輝「しかし
『ここを目指すべき。』
と言う事は、高坂様に算段があると考えて宜しいのでしょうか?」
高坂昌信「で無ければ其方らをここには連れては来ない。」
一宮砦を出発した真田兄弟が到着した場所。そこは萩城。高坂昌信は真田兄弟に対し、牛久保城と野田城双方の管轄地では無い端境の地である千両村と財賀村を通り萩城に入る事を指示。この道順はかつてまだ牛久保城が今川方であった時、徳川家康が一宮で今川氏真と戦った後牛久保を避けるために使ったもの。そして真田兄弟が入った萩城は元々作手奥平の城。萩城の全てを知り尽くす奥平貞勝の情報を活用し真田兄弟は難なく城の奪取に成功したのでありました。萩城奪取の報を受け、作手古宮城より新たな物資と共に……。
馬場信春「働き見事であった。」
馬場信春着陣。
真田昌輝「ありがとうございます。」
真田信綱「これも偏に高坂様の指導の賜物であります。」
真田昌輝「その高坂様が(一宮で)孤立したままであるのが気になります。」
馬場信春「本来ならここと一宮。それに古宮と長篠の四方から野田城を圧迫するのが手筋であると私も考えている。しかしあいつの考えているのはもっと大きな戦果。」
東三河全域の領国化。
馬場信春「それにここも一宮同様敵に囲まれている。しかも岡崎にも近く、補給路も細い上にその道も安全とは言えない。しかも高坂が我らに求めているのは野田、牛久保では無い。一宮については、高坂の考えを信じる事にする。」
真田昌輝「そして我々も高坂様の考えを信じ。」
馬場信春「進むしかあるまい。それに萩はあくまで借り住まい。大兵で攻め寄せられては叶わぬ。休息を取り次第出陣する。」
真田信綱「御意であります。」
真田昌輝「我らの目的は野田城と牛久保城を孤立化させる事と聞いています。」
真田信綱「そのために(地図を指し示しながら)ここを目指すと言う事を承っています。」
高坂昌信「うむ。」
真田昌輝「問題はそこに至るまでの道のりであります。」
真田信綱「ここに到達するためには、どうしても牛久保領の。それも中枢を通過しなければなりません。途中、敵が攻め寄せて来ました場合は合戦に及んでも問題はありませんか?」
高坂昌信「極力避けていただきたいと考えている。」
真田昌輝「しかしこの道筋を辿って行きますと……。」
高坂昌信「間違い無く敵方主力とのいくさに発展してしまう事になる。」
真田信綱「高坂様はこの事態を望んでは?」
高坂昌信「居ない。此度のいくさの想定を根底から覆される事になってしまう。」
真田昌輝「しかし
『ここを目指すべき。』
と言う事は、高坂様に算段があると考えて宜しいのでしょうか?」
高坂昌信「で無ければ其方らをここには連れては来ない。」
一宮砦を出発した真田兄弟が到着した場所。そこは萩城。高坂昌信は真田兄弟に対し、牛久保城と野田城双方の管轄地では無い端境の地である千両村と財賀村を通り萩城に入る事を指示。この道順はかつてまだ牛久保城が今川方であった時、徳川家康が一宮で今川氏真と戦った後牛久保を避けるために使ったもの。そして真田兄弟が入った萩城は元々作手奥平の城。萩城の全てを知り尽くす奥平貞勝の情報を活用し真田兄弟は難なく城の奪取に成功したのでありました。萩城奪取の報を受け、作手古宮城より新たな物資と共に……。
馬場信春「働き見事であった。」
馬場信春着陣。
真田昌輝「ありがとうございます。」
真田信綱「これも偏に高坂様の指導の賜物であります。」
真田昌輝「その高坂様が(一宮で)孤立したままであるのが気になります。」
馬場信春「本来ならここと一宮。それに古宮と長篠の四方から野田城を圧迫するのが手筋であると私も考えている。しかしあいつの考えているのはもっと大きな戦果。」
東三河全域の領国化。
馬場信春「それにここも一宮同様敵に囲まれている。しかも岡崎にも近く、補給路も細い上にその道も安全とは言えない。しかも高坂が我らに求めているのは野田、牛久保では無い。一宮については、高坂の考えを信じる事にする。」
真田昌輝「そして我々も高坂様の考えを信じ。」
馬場信春「進むしかあるまい。それに萩はあくまで借り住まい。大兵で攻め寄せられては叶わぬ。休息を取り次第出陣する。」
真田信綱「御意であります。」
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
高天神攻略の祝宴でしこたま飲まされた武田勝頼。翌朝、事の顛末を聞いた勝頼が採った行動とは?
俣彦
ファンタジー
高天神城攻略の祝宴が開かれた翌朝。武田勝頼が採った行動により、これまで疎遠となっていた武田四天王との関係が修復。一致団結し向かった先は長篠城。
気がついたら異世界に転生していた。
みみっく
ファンタジー
社畜として会社に愛されこき使われ日々のストレスとムリが原因で深夜の休憩中に死んでしまい。
気がついたら異世界に転生していた。
普通に愛情を受けて育てられ、普通に育ち屋敷を抜け出して子供達が集まる広場へ遊びに行くと自分の異常な身体能力に気が付き始めた・・・
冒険がメインでは無く、冒険とほのぼのとした感じの日常と恋愛を書いていけたらと思って書いています。
戦闘もありますが少しだけです。
『スキルの素』を3つ選べって言うけど、早いもの勝ちで余りモノしか残っていませんでした。※チートスキルを生み出してバカにした奴らを見返します
ヒゲ抜き地蔵
ファンタジー
【書籍化に伴う掲載終了について】詳しくは近況ボードをご参照下さい。
ある日、まったく知らない空間で目覚めた300人の集団は、「スキルの素を3つ選べ」と謎の声を聞いた。
制限時間は10分。まさかの早いもの勝ちだった。
「鑑定」、「合成」、「錬成」、「癒やし」
チートの匂いがするスキルの素は、あっという間に取られていった。
そんな中、どうしても『スキルの素』の違和感が気になるタクミは、あるアイデアに従って、時間ギリギリで余りモノの中からスキルの素を選んだ。
その後、異世界に転生したタクミは余りモノの『スキルの素』で、世界の法則を変えていく。
その大胆な発想に人々は驚嘆し、やがて彼は人間とエルフ、ドワーフと魔族の勢力図を変えていく。
この男がどんなスキルを使うのか。
ひとつだけ確かなことは、タクミが選択した『スキルの素』は世界を変えられる能力だったということだ。
※【同時掲載】カクヨム様、小説家になろう様
スキルポイントが無限で全振りしても余るため、他に使ってみます
銀狐
ファンタジー
病気で17歳という若さで亡くなってしまった橘 勇輝。
死んだ際に3つの能力を手に入れ、別の世界に行けることになった。
そこで手に入れた能力でスキルポイントを無限にできる。
そのため、いろいろなスキルをカンストさせてみようと思いました。
※10万文字が超えそうなので、長編にしました。
異世界帰りの俺は、スキル『ゲート』で現実世界を楽しむ
十本スイ
ファンタジー
ある日、唐突にバスジャック犯に殺されてしまった少年――同本日六(どうもとひろく)。しかし目が覚めると、目の前には神と名乗る男がいて、『日本に戻してもらう』ことを条件に、異世界を救うことになった。そして二年後、見事条件をクリアした日六は、神の力で日本への帰還を果たした。しかし目の前には、日六を殺そうとするバスジャック犯が。しかし異世界で培った尋常ではないハイスペックな身体のお蔭で、今度は難なく取り押さえることができたのである。そうして日六は、待ち望んでいた平和な世界を堪能するのだが……。それまで自分が生きていた世界と、この世界の概念がおかしいことに気づく。そのきっかけは、友人である夜疋(やびき)しおんと、二人で下校していた時だった。突如見知らぬ連中に拉致され、その行き先が何故かしおんの自宅。そこで明かされるしおんの……いや、夜疋家の正体。そしてこの世界には、俺が知らなかった真実があることを知った時、再び神が俺の前に降臨し、すべての謎を紐解いてくれたのである。ここは……この世界は――――並行世界(パラレルワールド)だったのだ。
幼馴染み達が寝取られたが,別にどうでもいい。
みっちゃん
ファンタジー
私達は勇者様と結婚するわ!
そう言われたのが1年後に再会した幼馴染みと義姉と義妹だった。
「.....そうか,じゃあ婚約破棄は俺から両親達にいってくるよ。」
そう言って俺は彼女達と別れた。
しかし彼女達は知らない自分達が魅了にかかっていることを、主人公がそれに気づいていることも,そして,最初っから主人公は自分達をあまり好いていないことも。
あ、出ていって差し上げましょうか?許可してくださるなら喜んで出ていきますわ!
リーゼロッタ
ファンタジー
生まれてすぐ、国からの命令で神殿へ取られ十二年間。
聖女として真面目に働いてきたけれど、ある日婚約者でありこの国の王子は爆弾発言をする。
「お前は本当の聖女ではなかった!笑わないお前など、聖女足り得ない!本来の聖女は、このマルセリナだ。」
裏方の聖女としてそこから三年間働いたけれど、また王子はこう言う。
「この度の大火、それから天変地異は、お前がマルセリナの祈りを邪魔したせいだ!出ていけ!二度と帰ってくるな!」
あ、そうですか?許可が降りましたわ!やった!
、、、ただし責任は取っていただきますわよ?
◆◇◆◇◆◇
誤字・脱字等のご指摘・感想・お気に入り・しおり等をくださると、作者が喜びます。
100話以内で終わらせる予定ですが、分かりません。あくまで予定です。
更新は、夕方から夜、もしくは朝七時ごろが多いと思います。割と忙しいので。
また、更新は亀ではなくカタツムリレベルのトロさですので、ご承知おきください。
更新停止なども長期の期間に渡ってあることもありますが、お許しください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる