93 / 318
野戦築城
しおりを挟む
織田信長による経済封鎖により、ただでさえ不足気味となっている武田の弾薬。これを先に使い切らせる作戦を実行に移そうとしている事を伝える高坂昌信。
山県昌景「確か連吾川の両岸は崖であったように記憶しているが。」
高坂昌信「その通りであります。我らが当地に辿り着く事は難しい場所であります。」
馬場信春「となると信長は何か対策を施している?」
高坂昌信「はい。織田軍は連吾川の両岸の崖を削っていました。」
内藤昌豊「どのように?」
高坂昌信「はい。まずは我らの進路にあたる側についてであります。そこで織田軍が行っていたのは連吾川に至る事の出来る道。それも大規模な部隊が一気に下りる事が出来る道を、崖もろとも削り取る形で設置していました。」
内藤昌豊「傾きは当然きつく?」
高坂昌信「はい。入るに易く、退くには厳しいものとなっています。」
山県昌景「下りた以上、信長の仕掛けを突破しない限り我らに生き残る術は残されていない?」
高坂昌信「そう見て間違いありません。」
馬場信春「信長側はどうなっている?」
高坂昌信「はい。織田側の崖についても手が加えられていました。それも我らとは異なる方法であります。」
馬場信春「どのような仕掛けが施されていた?」
高坂昌信「織田側の崖も削られ斜面となっていました。ここまでは同じであります。異なるのはここからであります。織田軍は連吾川両岸の崖を削る際発生した大量の土を用い、織田側の斜面に土塁を幾重にも構築していました。1つの1つの土塁はそれ程大きなものではありません。しかし設置されている箇所を多数確認する事が出来ています。」
山県昌景「我らの進む道を想定しているのか?」
高坂昌信「はい。馬を活用する事が出来る道筋に合わせ設置されています。」
馬場信春「馬で到達する事が出来ない坂なのか?」
高坂昌信「いえ。そこまで急な坂ではありません。」
馬場信春「そうだよな。もし人のみであったら、駆け下るような真似はしないからな……。」
高坂昌信「はい。」
馬場信春「しかしそうなると何れ土塁に辿り着く事になってしまうぞ。接近戦となれば人海戦術で準備に時間の掛かる鉄砲を無力化する事が出来る。そうなってしまえば自力で勝る我らに勝機が訪れる事になる。当然信長も……。」
高坂昌信「はい。対策が施されていました。」
馬場信春「どのような?」
高坂昌信「はい。各土塁の前など要所要所に柵が設けられていました。それも土塁同様幾重にも。」
馬場信春「馬で突破するのは?」
高坂昌信「恐らく躊躇してしまうかと。突破するには人の手が。つまり馬から降りなければなりません。そこで我らの得意とする機動力を発揮する事は出来ません。」
山県昌景「確か連吾川の両岸は崖であったように記憶しているが。」
高坂昌信「その通りであります。我らが当地に辿り着く事は難しい場所であります。」
馬場信春「となると信長は何か対策を施している?」
高坂昌信「はい。織田軍は連吾川の両岸の崖を削っていました。」
内藤昌豊「どのように?」
高坂昌信「はい。まずは我らの進路にあたる側についてであります。そこで織田軍が行っていたのは連吾川に至る事の出来る道。それも大規模な部隊が一気に下りる事が出来る道を、崖もろとも削り取る形で設置していました。」
内藤昌豊「傾きは当然きつく?」
高坂昌信「はい。入るに易く、退くには厳しいものとなっています。」
山県昌景「下りた以上、信長の仕掛けを突破しない限り我らに生き残る術は残されていない?」
高坂昌信「そう見て間違いありません。」
馬場信春「信長側はどうなっている?」
高坂昌信「はい。織田側の崖についても手が加えられていました。それも我らとは異なる方法であります。」
馬場信春「どのような仕掛けが施されていた?」
高坂昌信「織田側の崖も削られ斜面となっていました。ここまでは同じであります。異なるのはここからであります。織田軍は連吾川両岸の崖を削る際発生した大量の土を用い、織田側の斜面に土塁を幾重にも構築していました。1つの1つの土塁はそれ程大きなものではありません。しかし設置されている箇所を多数確認する事が出来ています。」
山県昌景「我らの進む道を想定しているのか?」
高坂昌信「はい。馬を活用する事が出来る道筋に合わせ設置されています。」
馬場信春「馬で到達する事が出来ない坂なのか?」
高坂昌信「いえ。そこまで急な坂ではありません。」
馬場信春「そうだよな。もし人のみであったら、駆け下るような真似はしないからな……。」
高坂昌信「はい。」
馬場信春「しかしそうなると何れ土塁に辿り着く事になってしまうぞ。接近戦となれば人海戦術で準備に時間の掛かる鉄砲を無力化する事が出来る。そうなってしまえば自力で勝る我らに勝機が訪れる事になる。当然信長も……。」
高坂昌信「はい。対策が施されていました。」
馬場信春「どのような?」
高坂昌信「はい。各土塁の前など要所要所に柵が設けられていました。それも土塁同様幾重にも。」
馬場信春「馬で突破するのは?」
高坂昌信「恐らく躊躇してしまうかと。突破するには人の手が。つまり馬から降りなければなりません。そこで我らの得意とする機動力を発揮する事は出来ません。」
0
お気に入りに追加
42
あなたにおすすめの小説
旅行先で目を覚ましたら森長可になっていた私。京で政変と聞き急ぎ美濃を目指す中、唯一の協力者。出浦盛清から紹介された人物が……どうも怪しい。
俣彦
ファンタジー
旅先で目を覚ましたら森長可になっていた私。場面は本能寺直後の越後。急ぎ美濃に戻ろうと試みると周りは敵だらけ。唯一協力を申し出てくれた出浦盛清に助けられ、美濃を目指す途中。出浦盛清に紹介されたのが真田昌幸。
大日本帝国、アラスカを購入して無双する
雨宮 徹
歴史・時代
1853年、ロシア帝国はクリミア戦争で敗戦し、財政難に悩んでいた。友好国アメリカにアラスカ購入を打診するも、失敗に終わる。1867年、すでに大日本帝国へと生まれ変わっていた日本がアラスカを購入すると金鉱や油田が発見されて……。
大日本帝国VS全世界、ここに開幕!
※架空の日本史・世界史です。
※分かりやすくするように、領土や登場人物など世界情勢を大きく変えています。
※ツッコミどころ満載ですが、ご勘弁を。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
日本が日露戦争後大陸利権を売却していたら? ~ノートが繋ぐ歴史改変~
うみ
SF
ロシアと戦争がはじまる。
突如、現代日本の少年のノートにこのような落書きが成された。少年はいたずらと思いつつ、ノートに冗談で返信を書き込むと、また相手から書き込みが成される。
なんとノートに書き込んだ人物は日露戦争中だということだったのだ!
ずっと冗談と思っている少年は、日露戦争の経緯を書き込んだ結果、相手から今後の日本について助言を求められる。こうして少年による思わぬ歴史改変がはじまったのだった。
※地名、話し方など全て現代基準で記載しています。違和感があることと思いますが、なるべく分かりやすくをテーマとしているため、ご了承ください。
※この小説はなろうとカクヨムへも投稿しております。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
この争いの絶えない世界で ~魔王になって平和の為に戦いますR
ばたっちゅ
ファンタジー
相和義輝(あいわよしき)は新たな魔王として現代から召喚される。
だがその世界は、世界の殆どを支配した人類が、僅かに残る魔族を滅ぼす戦いを始めていた。
無為に死に逝く人間達、荒廃する自然……こんな無駄な争いは止めなければいけない。だが人類にもまた、戦うべき理由と、戦いを止められない事情があった。
人類を会話のテーブルまで引っ張り出すには、結局戦争に勝利するしかない。
だが魔王として用意された力は、死を予感する力と全ての文字と言葉を理解する力のみ。
自分一人の力で戦う事は出来ないが、強力な魔人や個性豊かな魔族たちの力を借りて戦う事を決意する。
殺戮の果てに、互いが共存する未来があると信じて。
豪華地下室チートで異世界救済!〜僕の地下室がみんなの憩いの場になるまで〜
自来也
ファンタジー
カクヨム、なろうで150万PV達成!
理想の家の完成を目前に異世界に転移してしまったごく普通のサラリーマンの翔(しょう)。転移先で手にしたスキルは、なんと「地下室作成」!? 戦闘スキルでも、魔法の才能でもないただの「地下室作り」
これが翔の望んだ力だった。
スキルが成長するにつれて移動可能、豪華な浴室、ナイトプール、釣り堀、ゴーカート、ゲーセンなどなどあらゆる物の配置が可能に!?
ある時は瀕死の冒険者を助け、ある時は獣人を招待し、翔の理想の地下室はいつのまにか隠れた憩いの場になっていく。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しております。
女神に冷遇された不遇スキル、実は無限成長の鍵だった
昼から山猫
ファンタジー
女神の加護でスキルを与えられる世界。主人公ラゼルが得たのは“不遇スキル”と揶揄される地味な能力だった。女神自身も「ハズレね」と吐き捨てるほど。しかし、そのスキルを地道に磨くと、なぜかあらゆる魔法や武技を吸収し、無限成長する力に変化。期待されていなかったラゼルは、その才能を見抜いてくれた美女剣士や巫女に助けられ、どん底から成り上がりを果たす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる