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歓声
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翌朝。武田勝頼本陣。
武藤喜兵衛「殿。」
私(武田勝頼)「どうした?」
武藤喜兵衛「城が何やら騒がしい様子であります。」
私(武田勝頼)「城内で揉めているのか?」
武藤喜兵衛「そのような声ではありません。」
私(武田勝頼)「となると出撃もしくは城を脱出するための準備をしている?」
武藤喜兵衛「いえ。聞いた感じでしかありませんが、いくさをする前の悲壮感は見られません。」
私(武田勝頼)「では何の騒ぎだ?」
武藤喜兵衛「純粋に喜びを爆発させている様子であります。」
私(武田勝頼)「えっ!?奴ら城を囲まれているのだぞ!」
武藤喜兵衛「はい。」
私(武田勝頼)「しかも籠城に必要不可欠な食糧が焼け落ちてしまったのだぞ!」
武藤喜兵衛「はい。」
私(武田勝頼)「それでいて何故喜びを爆発させる事が出来るのだ?」
武藤喜兵衛「某にもわかりませぬ。」
私(武田勝頼)「何か動きがあるやもしれぬ。全部隊に油断無きよう通達してくれ。」
武藤喜兵衛「わかりました。」
武田勝頼が触れを出すや否や、各陣地から共通の情報が……。
武藤喜兵衛「城の西方から烽火が上がったとの目撃情報が複数の陣地より確認されています。」
私(武田勝頼)「城内の歓声との因果関係は?」
武藤喜兵衛「わかりません。しかし烽火と城内における歓声が発生した時刻はほぼ同じであります。」
私(武田勝頼)「場所の特定は?」
武藤喜兵衛「方角はわかりますが……。」
私(武田勝頼)「調べる必要があるな。高坂を呼んでくれ。」
武藤喜兵衛「わかりました。」
高坂昌信到着。
高坂昌信「今朝の烽火の件でありますか?」
私(武田勝頼)「其方に頼みがある。」
高坂昌信「殿からお預かりしています早道之一番と忍之名人の2名に烽火が上げられた場所の特定と不審な人物の捕獲のために使わせて欲しい。そうでありますね?」
早道之一番と忍之名人の2名は武田信玄が採用した忍者。主に越後の上杉謙信の動きを探るため、高坂昌信が預かっている人物。そんな彼らが何故長篠に来ているのか?それは武田勝頼と上杉謙信が和睦したため、探索する必要が無くなったから。
私(武田勝頼)「流石の彼らも不案内な土地故、難しい仕事になると思うが頼む。」
高坂昌信「わかりました。すぐに調べさせます。」
翌朝。
武藤喜兵衛「殿。」
私(武田勝頼)「何があった?」
武藤喜兵衛「高坂様が殿に知らせたい事があると、本陣に。」
私(武田勝頼)「わかった。通してくれ。」
高坂昌信「朝早くに申し訳御座いません。」
私(武田勝頼)「それは構わぬ。してそれから変わった動きはあったか?」
武藤喜兵衛「殿。」
私(武田勝頼)「どうした?」
武藤喜兵衛「城が何やら騒がしい様子であります。」
私(武田勝頼)「城内で揉めているのか?」
武藤喜兵衛「そのような声ではありません。」
私(武田勝頼)「となると出撃もしくは城を脱出するための準備をしている?」
武藤喜兵衛「いえ。聞いた感じでしかありませんが、いくさをする前の悲壮感は見られません。」
私(武田勝頼)「では何の騒ぎだ?」
武藤喜兵衛「純粋に喜びを爆発させている様子であります。」
私(武田勝頼)「えっ!?奴ら城を囲まれているのだぞ!」
武藤喜兵衛「はい。」
私(武田勝頼)「しかも籠城に必要不可欠な食糧が焼け落ちてしまったのだぞ!」
武藤喜兵衛「はい。」
私(武田勝頼)「それでいて何故喜びを爆発させる事が出来るのだ?」
武藤喜兵衛「某にもわかりませぬ。」
私(武田勝頼)「何か動きがあるやもしれぬ。全部隊に油断無きよう通達してくれ。」
武藤喜兵衛「わかりました。」
武田勝頼が触れを出すや否や、各陣地から共通の情報が……。
武藤喜兵衛「城の西方から烽火が上がったとの目撃情報が複数の陣地より確認されています。」
私(武田勝頼)「城内の歓声との因果関係は?」
武藤喜兵衛「わかりません。しかし烽火と城内における歓声が発生した時刻はほぼ同じであります。」
私(武田勝頼)「場所の特定は?」
武藤喜兵衛「方角はわかりますが……。」
私(武田勝頼)「調べる必要があるな。高坂を呼んでくれ。」
武藤喜兵衛「わかりました。」
高坂昌信到着。
高坂昌信「今朝の烽火の件でありますか?」
私(武田勝頼)「其方に頼みがある。」
高坂昌信「殿からお預かりしています早道之一番と忍之名人の2名に烽火が上げられた場所の特定と不審な人物の捕獲のために使わせて欲しい。そうでありますね?」
早道之一番と忍之名人の2名は武田信玄が採用した忍者。主に越後の上杉謙信の動きを探るため、高坂昌信が預かっている人物。そんな彼らが何故長篠に来ているのか?それは武田勝頼と上杉謙信が和睦したため、探索する必要が無くなったから。
私(武田勝頼)「流石の彼らも不案内な土地故、難しい仕事になると思うが頼む。」
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武藤喜兵衛「高坂様が殿に知らせたい事があると、本陣に。」
私(武田勝頼)「わかった。通してくれ。」
高坂昌信「朝早くに申し訳御座いません。」
私(武田勝頼)「それは構わぬ。してそれから変わった動きはあったか?」
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