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処遇
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高坂昌信「如何なされましたか?」
菅沼正貞「奥平親子の処遇について教えていただきたい。」
高坂昌信「わかる範囲でしかありませんが。」
菅沼正貞「構いません。」
高坂昌信「わかりました。徳川家康は元三河先方衆筆頭奥平貞能に対し3つ条件を提示し、内応を打診しました。
1つ目は加増。2つ目が奥平の娘と徳川重臣本多広孝次男との婚姻。そして最後が奥平貞昌と徳川家康の娘との婚姻であります。今、奥平と徳川は親戚関係にあります。」
菅沼正貞「つまり武田の攻撃によって奥平親子が窮地に立たされた場合、家康は責任を以て対応する事を宣言した事になる?」
高坂昌信「はい。そして先程述べました条件を奥平に提示するよう命じたのは織田信長であります。」
菅沼正貞「そうだよな……。家康は頼みにする事は出来ない事は貞能もわかっているからな……。」
高坂昌信「今、我らが仇敵。奥平貞能の息子貞昌が長篠城の城主を務めています。」
菅沼正貞「長篠攻める事は裏切り者を征伐するいくさではもはや無い。」
高坂昌信「織田信長は我らを長篠に誘き寄せ、討ち果たそうと考えていると見て間違いありません。」
菅沼正貞「貞能はどうしている?」
高坂昌信「浜松に居ます。」
菅沼正貞「少し話を戻すが宜しいか?」
高坂昌信「構いません。」
菅沼正貞「貞能が家康の打診に応じた時期は御存知か?」
高坂昌信「うちに内応している徳川家臣大岡弥四郎からの情報によりますと元亀4年の6月であります。」
菅沼正貞「ん!?私が包囲される……。」
高坂昌信「はい。長篠城が攻められる1ヶ月前の事。その際貞能は、御館様が亡くなった情報を家康に伝えたとの情報が入っています。」
菅沼正貞「奴はそのいくさには……。」
高坂昌信「勿論参加しています。」
菅沼正貞「援軍の情報が齎されなかった理由が……。」
高坂昌信「如何なされましたか?」
菅沼正貞「長篠近辺の地勢に明るく、地場の者であるため疑われる事も無い。伝令役には持って来いであるが故、信豊様も……。」
高坂昌信「奥平を使って長篠城に使いを送りました。」
菅沼正貞「しかし私の所には一度として使いは来なかった。」
高坂昌信「しかし武田信豊には、菅沼殿からの伝言を携えた使者が戻って来ています。」
菅沼正貞「……なるほど。」
高坂昌信「如何なされましたか?」
菅沼正貞「うまくやりやがったな。あいつ……。」
高坂昌信「何か御気分を悪くするような事を申し上げていましたらお詫びします。」
菅沼正貞「いや。そうでは御座らぬ。変だったんだよ。家康が何の条件も付けずに私を許した事が。その理由が全てわかった。面白い。貞能。お前の思惑を全て打ち砕いてやろうではないか。」
菅沼正貞「奥平親子の処遇について教えていただきたい。」
高坂昌信「わかる範囲でしかありませんが。」
菅沼正貞「構いません。」
高坂昌信「わかりました。徳川家康は元三河先方衆筆頭奥平貞能に対し3つ条件を提示し、内応を打診しました。
1つ目は加増。2つ目が奥平の娘と徳川重臣本多広孝次男との婚姻。そして最後が奥平貞昌と徳川家康の娘との婚姻であります。今、奥平と徳川は親戚関係にあります。」
菅沼正貞「つまり武田の攻撃によって奥平親子が窮地に立たされた場合、家康は責任を以て対応する事を宣言した事になる?」
高坂昌信「はい。そして先程述べました条件を奥平に提示するよう命じたのは織田信長であります。」
菅沼正貞「そうだよな……。家康は頼みにする事は出来ない事は貞能もわかっているからな……。」
高坂昌信「今、我らが仇敵。奥平貞能の息子貞昌が長篠城の城主を務めています。」
菅沼正貞「長篠攻める事は裏切り者を征伐するいくさではもはや無い。」
高坂昌信「織田信長は我らを長篠に誘き寄せ、討ち果たそうと考えていると見て間違いありません。」
菅沼正貞「貞能はどうしている?」
高坂昌信「浜松に居ます。」
菅沼正貞「少し話を戻すが宜しいか?」
高坂昌信「構いません。」
菅沼正貞「貞能が家康の打診に応じた時期は御存知か?」
高坂昌信「うちに内応している徳川家臣大岡弥四郎からの情報によりますと元亀4年の6月であります。」
菅沼正貞「ん!?私が包囲される……。」
高坂昌信「はい。長篠城が攻められる1ヶ月前の事。その際貞能は、御館様が亡くなった情報を家康に伝えたとの情報が入っています。」
菅沼正貞「奴はそのいくさには……。」
高坂昌信「勿論参加しています。」
菅沼正貞「援軍の情報が齎されなかった理由が……。」
高坂昌信「如何なされましたか?」
菅沼正貞「長篠近辺の地勢に明るく、地場の者であるため疑われる事も無い。伝令役には持って来いであるが故、信豊様も……。」
高坂昌信「奥平を使って長篠城に使いを送りました。」
菅沼正貞「しかし私の所には一度として使いは来なかった。」
高坂昌信「しかし武田信豊には、菅沼殿からの伝言を携えた使者が戻って来ています。」
菅沼正貞「……なるほど。」
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