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信長の持つ経済力
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武藤喜兵衛「織田信長の存在が気になりますね。」
山県昌景「今回の長篠城の拡張も、信長が絡んでいる。」
武藤喜兵衛「織田勢が出入りしているのでありますか?」
山県昌景「いや。それは無い。無いのではあるが、長篠城の拡張工事に要した費用を信長が出している事はわかっている。そうで無ければ、長篠以上に重要な。遠江の制海権を左右する高天神を見捨てるような真似を家康がするわけが無い。」
武藤喜兵衛「大岡様からの情報でありますか?」
山県昌景「その通りだ。信長が高天神の救援に向かう際、用意していた軍資金を家康に渡したそうな。その量を見た徳川の家中は驚愕したとか。
『これだけの金を見た事は無い。』
と。信長はその時、主立った者を連れて来ている。うちに追い掛け回される心配は無いとは言え、(高天神開城を知った今切から)本拠地の岐阜までにはかなりが距離がある。兵も多い。相当の費用が掛かる。にも関わらず信長は、家康が見たことも無い金を気前よく浜松に置いて行った。
『武田への備えに使うように。』
との伝言を添えて。」
武藤喜兵衛「その一環が長篠の普請。」
山県昌景「それだけでは無い。信長も武田が次の標的に定めているのが長篠である事を知っている。しかし城の拡張だけでは守り切る事が難しい事も信長はわかっている。本来であれば、信長自身が指示を出し、家臣を送り込みたい所ではある。しかしそこは徳川の勢力圏。織田と徳川は対等な関係にあるため、信長自らが手を加える事は出来ない。出来る事となれば……。」
上杉謙信が佐竹義重に行おうとしている事。
武藤喜兵衛「最新鋭の武器。鉄砲と、その鉄砲を活かすのに必要不可欠な弾薬を優先的に売却する。」
山県昌景「信長はもっと踏み込んだ支援をしている。無償供与だ。それに武器は鉄砲だけでは無いそうだ。」
武藤喜兵衛「鉄砲では無く。でありますか?」
山県昌景「鉄砲は鉄砲らしい。ただ鉄砲よりも大きなものであるらしい。大岡も現物を見ていない故、どれ程の物かはわからない。大岡の話を聞くと、
『信長が堺もしくは近江に居る鉄砲鍛冶の職人に製造を依頼した物であるらしい。』
『海の向こうで使われている物を参考にしたらしい。』
あくまで『らしい』としか言えないが、得体の知れない何かが仕掛けられている事は間違い無い。」
武藤喜兵衛「これまでの城取の仕方が通用しない可能性がある?」
山県昌景「否定は出来ない。そして新たな武器が何処に仕掛けられ、どのように用いられるのかもわからぬ。しかし、それが長篠城に運び込まれたのは事実である。それは間違いない。」
山県昌景「今回の長篠城の拡張も、信長が絡んでいる。」
武藤喜兵衛「織田勢が出入りしているのでありますか?」
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武藤喜兵衛「大岡様からの情報でありますか?」
山県昌景「その通りだ。信長が高天神の救援に向かう際、用意していた軍資金を家康に渡したそうな。その量を見た徳川の家中は驚愕したとか。
『これだけの金を見た事は無い。』
と。信長はその時、主立った者を連れて来ている。うちに追い掛け回される心配は無いとは言え、(高天神開城を知った今切から)本拠地の岐阜までにはかなりが距離がある。兵も多い。相当の費用が掛かる。にも関わらず信長は、家康が見たことも無い金を気前よく浜松に置いて行った。
『武田への備えに使うように。』
との伝言を添えて。」
武藤喜兵衛「その一環が長篠の普請。」
山県昌景「それだけでは無い。信長も武田が次の標的に定めているのが長篠である事を知っている。しかし城の拡張だけでは守り切る事が難しい事も信長はわかっている。本来であれば、信長自身が指示を出し、家臣を送り込みたい所ではある。しかしそこは徳川の勢力圏。織田と徳川は対等な関係にあるため、信長自らが手を加える事は出来ない。出来る事となれば……。」
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武藤喜兵衛「最新鋭の武器。鉄砲と、その鉄砲を活かすのに必要不可欠な弾薬を優先的に売却する。」
山県昌景「信長はもっと踏み込んだ支援をしている。無償供与だ。それに武器は鉄砲だけでは無いそうだ。」
武藤喜兵衛「鉄砲では無く。でありますか?」
山県昌景「鉄砲は鉄砲らしい。ただ鉄砲よりも大きなものであるらしい。大岡も現物を見ていない故、どれ程の物かはわからない。大岡の話を聞くと、
『信長が堺もしくは近江に居る鉄砲鍛冶の職人に製造を依頼した物であるらしい。』
『海の向こうで使われている物を参考にしたらしい。』
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武藤喜兵衛「これまでの城取の仕方が通用しない可能性がある?」
山県昌景「否定は出来ない。そして新たな武器が何処に仕掛けられ、どのように用いられるのかもわからぬ。しかし、それが長篠城に運び込まれたのは事実である。それは間違いない。」
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