49 / 318
終わらせない
しおりを挟む
私(武田勝頼)「謙信の考えは、氏政を亡き者にしたい?」
跡部勝資「いえ。そうは考えていません。今の状況。織田信長とのいくさを想定した場合、南の安全は必要不可欠であります。そのためにはうちと北条が揺らぐ。滅亡すると言う事を謙信は望んでいません。ただ謙信はいずれうちと北条とのいくさが再開する事も忘れていません。そのきっかけとなるのが三者の内の誰かが目的を達成した時であります。うちと上杉は織田信長を倒した時。北条は関東を掌握した時であります。」
私(武田勝頼)「最初に到達するのは氏政と見ている?」
跡部勝資「間違いありません。」
私(武田勝頼)「つまり謙信は、氏政に勝たせるわけにはいかない。かと言って滅びてしまうのも良くない。氏政がずっと関東の東でのいくさに明け暮れなければならない状況に追い込む必要がある。」
跡部勝資「はい。」
私(武田勝頼)「しかし謙信自らが関東に入る術を絶ってしまったため、氏政の膨張を自らの手で封じ込める事は出来なくなってしまった。」
跡部勝資「はい。」
私(武田勝頼)「となると……。」
高坂昌信「うちが里見に対して行っている事を謙信も考えています。」
安房の里見は北条と上杉が和睦した際、新たな提携先を求めたのが北条と袂を分かった武田信玄。その後、武田と北条の関係が復活するも連絡体制は継続中。
私(武田勝頼)「しかしうちが里見に出来る事は何も無いぞ。」
跡部勝資「はい。氏政の話を聞いていますと、
『里見を滅ぼすまでは考えていない。現実問題難しい。同じ事は下総にも下野にも言える。常陸の小田同様傘下に収める施策を考えている。』と。」
高坂昌信「あとは養子を送り込んで家臣もろとも北条家臣団に組み込んでいくものと思われます。」
私(武田勝頼)「里見がそれに従うかどうか……。謙信は里見についてどう考えているんだ?」
跡部勝資「氏政と同じでありましょう。
『その都度その都度相手を変えて保身に奔る者を嫌う人物でありますので。』」
高坂昌信「元を辿れば謙信が北条と手を携えたからでありますが。」
私(武田勝頼)「これにうちも加わったとなれば、北条を牽制出来る勢力は居なくなる。」
跡部勝資「里見が北条の軍門に降るのは時間の問題では無いかと。」
私(武田勝頼)「謙信はそれを望んでは居ない?」
跡部勝資「はい。」
私(武田勝頼)「しかし里見を軍事支援する事はもはや出来ない。」
跡部勝資「はい。故に謙信は里見との関係を復活させる事はありません。」
私(武田勝頼)「そうなると……。」
跡部勝資「いえ。そうは考えていません。今の状況。織田信長とのいくさを想定した場合、南の安全は必要不可欠であります。そのためにはうちと北条が揺らぐ。滅亡すると言う事を謙信は望んでいません。ただ謙信はいずれうちと北条とのいくさが再開する事も忘れていません。そのきっかけとなるのが三者の内の誰かが目的を達成した時であります。うちと上杉は織田信長を倒した時。北条は関東を掌握した時であります。」
私(武田勝頼)「最初に到達するのは氏政と見ている?」
跡部勝資「間違いありません。」
私(武田勝頼)「つまり謙信は、氏政に勝たせるわけにはいかない。かと言って滅びてしまうのも良くない。氏政がずっと関東の東でのいくさに明け暮れなければならない状況に追い込む必要がある。」
跡部勝資「はい。」
私(武田勝頼)「しかし謙信自らが関東に入る術を絶ってしまったため、氏政の膨張を自らの手で封じ込める事は出来なくなってしまった。」
跡部勝資「はい。」
私(武田勝頼)「となると……。」
高坂昌信「うちが里見に対して行っている事を謙信も考えています。」
安房の里見は北条と上杉が和睦した際、新たな提携先を求めたのが北条と袂を分かった武田信玄。その後、武田と北条の関係が復活するも連絡体制は継続中。
私(武田勝頼)「しかしうちが里見に出来る事は何も無いぞ。」
跡部勝資「はい。氏政の話を聞いていますと、
『里見を滅ぼすまでは考えていない。現実問題難しい。同じ事は下総にも下野にも言える。常陸の小田同様傘下に収める施策を考えている。』と。」
高坂昌信「あとは養子を送り込んで家臣もろとも北条家臣団に組み込んでいくものと思われます。」
私(武田勝頼)「里見がそれに従うかどうか……。謙信は里見についてどう考えているんだ?」
跡部勝資「氏政と同じでありましょう。
『その都度その都度相手を変えて保身に奔る者を嫌う人物でありますので。』」
高坂昌信「元を辿れば謙信が北条と手を携えたからでありますが。」
私(武田勝頼)「これにうちも加わったとなれば、北条を牽制出来る勢力は居なくなる。」
跡部勝資「里見が北条の軍門に降るのは時間の問題では無いかと。」
私(武田勝頼)「謙信はそれを望んでは居ない?」
跡部勝資「はい。」
私(武田勝頼)「しかし里見を軍事支援する事はもはや出来ない。」
跡部勝資「はい。故に謙信は里見との関係を復活させる事はありません。」
私(武田勝頼)「そうなると……。」
10
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
気がついたら異世界に転生していた。
みみっく
ファンタジー
社畜として会社に愛されこき使われ日々のストレスとムリが原因で深夜の休憩中に死んでしまい。
気がついたら異世界に転生していた。
普通に愛情を受けて育てられ、普通に育ち屋敷を抜け出して子供達が集まる広場へ遊びに行くと自分の異常な身体能力に気が付き始めた・・・
冒険がメインでは無く、冒険とほのぼのとした感じの日常と恋愛を書いていけたらと思って書いています。
戦闘もありますが少しだけです。
高天神攻略の祝宴でしこたま飲まされた武田勝頼。翌朝、事の顛末を聞いた勝頼が採った行動とは?
俣彦
ファンタジー
高天神城攻略の祝宴が開かれた翌朝。武田勝頼が採った行動により、これまで疎遠となっていた武田四天王との関係が修復。一致団結し向かった先は長篠城。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
ここ掘れわんわんから始まる異世界生活―陸上戦艦なにそれ?―
北京犬(英)
ファンタジー
第一章改稿版に差し替中。
暫く繋がりがおかしくなりますが、ご容赦ください。(2020.10.31)
第四章完結。第五章に入りました。
追加タグ:愛犬がチート、モフモフ、農業、奴隷、少しコメディ寄り、時々シリアス、ほのぼの
愛犬のチワワと共に異世界転生した佐々木蔵人(ささき くらんど)が、愛犬プチのユニークスキル”ここ掘れわんわん”に助けられて異世界でスローライフを満喫しようとします。
しかし転生して降り立った場所は魔物が蔓延る秘境の森。
蔵人の基本レベルは1で、持っているスキルも初期スキルのLv.1のみ。
ある日、プチの”ここ掘れわんわん”によりチート能力を得てしまいます。
しかし蔵人は自身のイメージ力の問題でチート能力を使いこなせません。
思い付きで農場をチート改造して生活に困らなくなり、奴隷を買い、なぜか全員が嫁になってハーレム生活を開始。
そして塒(ねぐら)として確保した遺跡が……。大きな陰謀に巻き込まれてしまいます。
前途多難な異世界生活を愛犬や嫁達と共に生き延びて、望みのスローライフを送れるのだろうかという物語です。
基本、生産チートでほのぼの生活が主体――のはずだったのですが、陸上戦艦の艦隊戦や戦争描写が増えています。
小説家になろう、カクヨムでも公開しています。改稿版はカクヨム最新。
せっかく転生したのに得たスキルは「料理」と「空間厨房」。どちらも外れだそうですが、私は今も生きています。
リーゼロッタ
ファンタジー
享年、30歳。どこにでもいるしがないOLのミライは、学校の成績も平凡、社内成績も平凡。
そんな彼女は、予告なしに突っ込んできた車によって死亡。
そして予告なしに転生。
ついた先は、料理レベルが低すぎるルネイモンド大陸にある「光の森」。
そしてやって来た謎の獣人によってわけの分からん事を言われ、、、
赤い鳥を仲間にし、、、
冒険系ゲームの世界につきもののスキルは外れだった!?
スキルが何でも料理に没頭します!
超・謎の世界観とイタリア語由来の名前・品名が特徴です。
合成語多いかも
話の単位は「食」
3月18日 投稿(一食目、二食目)
3月19日 え?なんかこっちのほうが24h.ポイントが多い、、、まあ嬉しいです!
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる