39 / 318
上杉抜きでは
しおりを挟む
山県昌景「上杉抜きで織田信長と。でありますか……。現状優位を保ってはいますが、実際にいくさをしているのは織田信長では無く徳川家康。長篠を除く二俣から作手を結んだ線の北側の遠江と三河を自由に行き来する事が出来る状況にはありますが、両国の主要部とも言える浜松に吉田。そして岡崎に至る地域を手に入れる事は出来ていません。
尤も武田本隊が居る事が前提ではありますが、家康がこちらと戦う意志を示してはいません。故に家康を無視して岐阜を狙う事も不可能ではありません。しかし信長と家康が同盟関係にある以上、全軍で以て美濃に押し入る事は出来ません。
高坂も言うように全軍でも倒す事が難しいのが信長であります。対織田最前線にいる私が言ってはいけないのかもしれませんが、単独で正面衝突は避けたいのが本音であります。」
馬場信春「織田信長の勢力圏に接する中で、信長に対抗するだけの力のある勢力を挙げるとすれば本願寺であります。特に石山では互角以上の戦いを繰り広げ、越前に至っては織田を追い払う事に成功しています。
しかし本願寺の力を以てしても外に押し出す。織田領を削り取るだけの力を持っているわけではありません。石山は互角と申しましたが、織田からの攻撃を防ぐのに手一杯。それも紀伊からの援軍があって初めて維持する事が出ているのが実情であります。
可能性があるとすれば越前であります。背後は同じく一向宗の持つ加賀と越中西部に守られています。加えて越後の上杉謙信との和睦が成立した事に伴い、加賀越中の一向宗も動員する事が可能となっています。ただ彼らには問題があります。それは……。」
国人衆の集合体に過ぎない。
馬場信春「今ある利益を維持するための手段として一向宗を用いている。利用しているのが現実であります。故に権益拡大のため、遠く離れた他国に打って出る事はあり得ません。もし実現する可能性があるとするならば……。」
織田信長に侵略され叩かれた後、上杉謙信が上洛を試みた時。
馬場信春「であります。本願寺に期待する事は出来ません。」
跡部勝資「このような状況にありますので、将軍様は新たな協力者を探しています。能登の畠山や近江の六角。果ては薩摩の島津にまで。なりふり構わずであります。そんな中にありまして将軍様が期待しているのが毛利輝元であります。山陰山陽に瀬戸内海を掌握する毛利の力を以てすれば、信長も対応に苦慮する事間違いありません。しかし信長の事であります。危険な相手に対しては当然の如く手を回しています。そうです。両者は既に同盟関係にあるため、軍事衝突に発展する事はあり得ません。」
尤も武田本隊が居る事が前提ではありますが、家康がこちらと戦う意志を示してはいません。故に家康を無視して岐阜を狙う事も不可能ではありません。しかし信長と家康が同盟関係にある以上、全軍で以て美濃に押し入る事は出来ません。
高坂も言うように全軍でも倒す事が難しいのが信長であります。対織田最前線にいる私が言ってはいけないのかもしれませんが、単独で正面衝突は避けたいのが本音であります。」
馬場信春「織田信長の勢力圏に接する中で、信長に対抗するだけの力のある勢力を挙げるとすれば本願寺であります。特に石山では互角以上の戦いを繰り広げ、越前に至っては織田を追い払う事に成功しています。
しかし本願寺の力を以てしても外に押し出す。織田領を削り取るだけの力を持っているわけではありません。石山は互角と申しましたが、織田からの攻撃を防ぐのに手一杯。それも紀伊からの援軍があって初めて維持する事が出ているのが実情であります。
可能性があるとすれば越前であります。背後は同じく一向宗の持つ加賀と越中西部に守られています。加えて越後の上杉謙信との和睦が成立した事に伴い、加賀越中の一向宗も動員する事が可能となっています。ただ彼らには問題があります。それは……。」
国人衆の集合体に過ぎない。
馬場信春「今ある利益を維持するための手段として一向宗を用いている。利用しているのが現実であります。故に権益拡大のため、遠く離れた他国に打って出る事はあり得ません。もし実現する可能性があるとするならば……。」
織田信長に侵略され叩かれた後、上杉謙信が上洛を試みた時。
馬場信春「であります。本願寺に期待する事は出来ません。」
跡部勝資「このような状況にありますので、将軍様は新たな協力者を探しています。能登の畠山や近江の六角。果ては薩摩の島津にまで。なりふり構わずであります。そんな中にありまして将軍様が期待しているのが毛利輝元であります。山陰山陽に瀬戸内海を掌握する毛利の力を以てすれば、信長も対応に苦慮する事間違いありません。しかし信長の事であります。危険な相手に対しては当然の如く手を回しています。そうです。両者は既に同盟関係にあるため、軍事衝突に発展する事はあり得ません。」
10
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
気がついたら異世界に転生していた。
みみっく
ファンタジー
社畜として会社に愛されこき使われ日々のストレスとムリが原因で深夜の休憩中に死んでしまい。
気がついたら異世界に転生していた。
普通に愛情を受けて育てられ、普通に育ち屋敷を抜け出して子供達が集まる広場へ遊びに行くと自分の異常な身体能力に気が付き始めた・・・
冒険がメインでは無く、冒険とほのぼのとした感じの日常と恋愛を書いていけたらと思って書いています。
戦闘もありますが少しだけです。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します
カオリグサ
ファンタジー
病で幼いころから病室から出たことがなかった少年
生きるため懸命にあがいてきたものの、進行が恐ろしく速い癌によって体が蝕まれ
手術の甲斐もむなしく死んでしまった
そんな生を全うできなかった少年に女神が手を差し伸べた
女神は少年に幸せになってほしいと願う
そして目覚めると、少年は少女になっていた
今生は精霊王女として生きることとなった少女の
チートクラスに強い仲間と共に歩む旅物語
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
高天神攻略の祝宴でしこたま飲まされた武田勝頼。翌朝、事の顛末を聞いた勝頼が採った行動とは?
俣彦
ファンタジー
高天神城攻略の祝宴が開かれた翌朝。武田勝頼が採った行動により、これまで疎遠となっていた武田四天王との関係が修復。一致団結し向かった先は長篠城。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる