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激突
第25話
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高坂昌信「もし極楽寺の周囲を馬場や山県。それに真田の旗で埋め尽くされていたら、信長はどう出るでしょうか?」
内藤昌豊「多勢に無勢。即逃げる態勢に入る事になる。」
高坂昌信「一方、その全てが佐久間の旗印であったらどうでしょうか?」
内藤昌豊「佐久間は……。」
高坂昌信「連吾川に拵えた土塁に布陣しています。」
内藤昌豊「極楽寺に居るはずの無い佐久間が居る……。しかし佐久間は信長の重臣。何か不測の事態が発生しているのは確かな事ではあるが、様子を伺う事になるな。」
高坂昌信「信長は、将軍様に呼応し裏切った松永久秀を許しています。」
内藤昌豊「何故ここに居るのかの事情を聴き……。」
高坂昌信「何か不満に思う事があるのであれば……。」
内藤昌豊「出来る限りの事はするから持ち場に戻ってくれ。」
高坂昌信「翻意を促す行動に出ます。」
内藤昌豊「逃げ出すまでの時間を稼ぐため?」
高坂昌信「はい。ただ目的はそれだけではありません。極楽寺周辺は長篠同様山県が管轄していました。故に土地勘については問題ありません。怠りなく備えをすれば、脱出するのは不可能であります。しかし相手は信長。恐らくでありますが、包囲を盤石にしましても信長を捕らえる事は難しいと見ています。
そのために必要なのが重臣佐久間信盛の旗印であります。織田信長から見て極楽寺の周りは安全地帯であります。我らがそこに到達するためには信長が仕掛けた連吾川の罠を越えなければなりません。突破は困難であります。仮に突破出来たとしましても時間は掛かりますし被害も甚大。とてもではありませんが信長の本陣に迫る事は出来ません。当初、私もその考えでありましたが……。」
内藤昌豊「酒井の動きを見て、鳶ヶ巣への道を探し当てた?」
高坂昌信「はい。極楽寺周りは手薄でありますし、信長も我らが無傷で攻め込むとは考えていない事でありましょう。極楽寺が攻められる恐れがあるとするならば、味方の裏切りしかありません。」
内藤昌豊「そこに重臣中の重臣である佐久間信盛が裏切り、備えをする必要が無いため何もしていない。信長と身の回りの世話をする者しか居ない極楽寺を狙われ……。」
高坂昌信「佐久間は、美濃尾張への抜け道を知っています。」
内藤昌豊「たとえ包囲を脱したとしても、無事。岐阜に戻る事は難しい。ならばここでと諦める……。」
高坂昌信「その可能性を少しでも高めるために、佐久間の旗印の輸送をお願いしたい。」
内藤昌豊「わかった。ただ断られたら持って帰るからな。」
高坂昌信「ありがとうございます。」
極楽寺を包囲した佐久間信盛に偽装した馬場信春他武田別動隊は、全ての出口を封鎖した上で攻撃を開始。反撃と脱出を試みる敵の動きに細心の注意を払いつつ包囲網を狭め、いよいよ織田信長が泊る本堂に迫ろうとした所……。
馬場信春「誰だ!!勝手に火を放ったのは!?」
山県昌景「いえ。私ではありませぬ。」
同様の報告が真田兄弟からも……。どうやら織田信長の宿所で織田方の何者かが火を点けた模様……。
馬場信春「しまった……。これでは奴の生き死にがわからなくなってしまったでは無いか……。仕方無い。皆を集めよ!!」
山県昌景と真田兄弟は不審者を発見するための最低限の人員を残し、馬場信春が召集をかけた消失した極楽寺に集結。
馬場信春「信長の姿を確認した者は?」
山県昌景「見ていません。」
真田信綱「同じく。」
真田昌輝「私もであります。」
馬場信春「可能性があるとすれば、ここしか無いか……。」
山県昌景「もしくは既に陣を引き払った後であった?」
馬場信春「その可能性も無きにしもあらずであるが、もしそうであれば……このような(火を放つ)事はしないであろう。」
山県昌景「確かに。」
馬場信春「だが信長がここに居たか居なかったかを試す術はある。」
真田昌輝「どのような方法でありますか?」
馬場信春「皆の者。まだいくさをする元気は残されているか?」
真田信綱「もとより覚悟しています。」
山県昌景「先駆けでは真田に負けるわけにはいきません。」
馬場信春「昌輝良いか?」
静かに頷く真田昌輝。
馬場信春「わかった。では次の作戦に移る。皆の者。油断するで無いぞ。」
一同「御意。」
馬場信春率いる武田勝頼別動隊が向かった先。そこは織田信長次男信雄が陣取る新御堂山。到着した彼らが目にしたもの。それは……。
真田昌輝「馬場様!あれを……。」
馬場信春「佐久間の旗がここでも効果を発揮したな。」
真田信綱「あの様子を見る限り……。」
山県昌景「あぁ、極楽寺に信長が居た事は間違いない。」
馬場信春「勝機は我にあり!信綱!!」
真田信綱「はい!!」
馬場信春「昌輝!!」
真田昌輝「はい!!」
馬場信春「其方らは逃げる奴らを尾張では無く、茶臼山へ追い払え!!!」
真田兄弟「わかりました。」
馬場信春「山県!」
山県昌景「わかっています。我らが向かうのはその先でありますね。」
馬場信春「おう。あの様子を見る限り、奴は踏み止まっている可能性が高い。奴を討つ事が出来れば……。」
山県昌景「いくさ後の展開を優位に進める事が可能となります。」
馬場信春「一気に方をつけるぞ!!」
馬場信春、山県昌景の両隊向かった先。そこは織田信雄が居た新御堂山のすぐ東に位置する野辺神社。そこで待ち構えていたのは……。
山県昌景「やはり居ましたか。」
馬場信春「時間が無い。すぐに取り掛かるぞ。」
山県昌景「わかりました。」
織田信長嫡男織田信忠。織田信長にもしもの事があった時、当主となるべき立場にあるのが織田信忠。彼にとって最もやらなければならない大事な事は自らの命を守る事。危機に接した際、信忠が採るべき行動はただ1つ。一目散に安全地帯へ退避する事。逆に絶対にしてはいけない事は危険を冒して戦う事。その事は信忠もわかっているハズなのでありましたが、彼の足を鈍らせるのに効果を発揮したのが……。
山県昌景「佐久間信盛って、俺たちが思っている以上に織田家中で影響力があるんだな。」
馬場信春「三方ヶ原だけで判断してはいけないな……。」
山県昌景「大岡の話だと援軍として浜松にやって来た佐久間を見て、家康が落胆した。と聞いているが。」
馬場信春「今ここに居る織田軍の数。3万以上の兵を動員出来る信長だぞ。家康もそれを期待していたのであろう。しかしあの時佐久間が連れて来たのは……。」
山県昌景「3千だったとか。」
馬場信春「3千でも大きいけどな。」
山県昌景「確かに。」
野辺神社にて、最後の抵抗を試みる織田信忠。しかし衆寡敵せず。
野辺神社に入る馬場信春と山県昌景。
馬場信春「信忠は見つかったか?」
山県昌景「いえ。」
馬場信春「徹底してるな。あの親子。」
山県昌景「えぇ。まだ我らの勝利を確定させる事は出来ません。」
馬場信春「生きて何処かの部隊と合流していたら厄介だ。」
山県昌景「はい。」
馬場信春「ここは危ない。真田と合流するぞ。」
山県昌景「わかりました。」
真田信綱昌輝兄弟は既に退却に移っていた織田信雄の背後を衝き、馬場信春の指示通り茶臼山方面に追いやる事に成功。その狙いは……。
山県昌景「連吾川に陣取る織田勢を混乱させるためでありますね?」
馬場信春「奴らの退路は2つ。1つは連吾川を渡って長篠城の奥平と合流する事。そしてもう1つが茶臼山を登る事。その茶臼山を安全地帯に居るハズの織田信雄の隊が逃げ惑っていたら……。」
山県昌景「下で陣取っている者共は大混乱に陥る事になります。」
戦況を見つめる馬場信春。
馬場信春「そろそろだな。」
山県昌景「我らも加勢を?」
馬場信春「いや違う。」
山県昌景「と言われますと?」
馬場信春「頃合いは良し!真田両隊に退却を知らせる狼煙を上げよ!!」
山県昌景「えっ!何故でありますか!?」
内藤昌豊「多勢に無勢。即逃げる態勢に入る事になる。」
高坂昌信「一方、その全てが佐久間の旗印であったらどうでしょうか?」
内藤昌豊「佐久間は……。」
高坂昌信「連吾川に拵えた土塁に布陣しています。」
内藤昌豊「極楽寺に居るはずの無い佐久間が居る……。しかし佐久間は信長の重臣。何か不測の事態が発生しているのは確かな事ではあるが、様子を伺う事になるな。」
高坂昌信「信長は、将軍様に呼応し裏切った松永久秀を許しています。」
内藤昌豊「何故ここに居るのかの事情を聴き……。」
高坂昌信「何か不満に思う事があるのであれば……。」
内藤昌豊「出来る限りの事はするから持ち場に戻ってくれ。」
高坂昌信「翻意を促す行動に出ます。」
内藤昌豊「逃げ出すまでの時間を稼ぐため?」
高坂昌信「はい。ただ目的はそれだけではありません。極楽寺周辺は長篠同様山県が管轄していました。故に土地勘については問題ありません。怠りなく備えをすれば、脱出するのは不可能であります。しかし相手は信長。恐らくでありますが、包囲を盤石にしましても信長を捕らえる事は難しいと見ています。
そのために必要なのが重臣佐久間信盛の旗印であります。織田信長から見て極楽寺の周りは安全地帯であります。我らがそこに到達するためには信長が仕掛けた連吾川の罠を越えなければなりません。突破は困難であります。仮に突破出来たとしましても時間は掛かりますし被害も甚大。とてもではありませんが信長の本陣に迫る事は出来ません。当初、私もその考えでありましたが……。」
内藤昌豊「酒井の動きを見て、鳶ヶ巣への道を探し当てた?」
高坂昌信「はい。極楽寺周りは手薄でありますし、信長も我らが無傷で攻め込むとは考えていない事でありましょう。極楽寺が攻められる恐れがあるとするならば、味方の裏切りしかありません。」
内藤昌豊「そこに重臣中の重臣である佐久間信盛が裏切り、備えをする必要が無いため何もしていない。信長と身の回りの世話をする者しか居ない極楽寺を狙われ……。」
高坂昌信「佐久間は、美濃尾張への抜け道を知っています。」
内藤昌豊「たとえ包囲を脱したとしても、無事。岐阜に戻る事は難しい。ならばここでと諦める……。」
高坂昌信「その可能性を少しでも高めるために、佐久間の旗印の輸送をお願いしたい。」
内藤昌豊「わかった。ただ断られたら持って帰るからな。」
高坂昌信「ありがとうございます。」
極楽寺を包囲した佐久間信盛に偽装した馬場信春他武田別動隊は、全ての出口を封鎖した上で攻撃を開始。反撃と脱出を試みる敵の動きに細心の注意を払いつつ包囲網を狭め、いよいよ織田信長が泊る本堂に迫ろうとした所……。
馬場信春「誰だ!!勝手に火を放ったのは!?」
山県昌景「いえ。私ではありませぬ。」
同様の報告が真田兄弟からも……。どうやら織田信長の宿所で織田方の何者かが火を点けた模様……。
馬場信春「しまった……。これでは奴の生き死にがわからなくなってしまったでは無いか……。仕方無い。皆を集めよ!!」
山県昌景と真田兄弟は不審者を発見するための最低限の人員を残し、馬場信春が召集をかけた消失した極楽寺に集結。
馬場信春「信長の姿を確認した者は?」
山県昌景「見ていません。」
真田信綱「同じく。」
真田昌輝「私もであります。」
馬場信春「可能性があるとすれば、ここしか無いか……。」
山県昌景「もしくは既に陣を引き払った後であった?」
馬場信春「その可能性も無きにしもあらずであるが、もしそうであれば……このような(火を放つ)事はしないであろう。」
山県昌景「確かに。」
馬場信春「だが信長がここに居たか居なかったかを試す術はある。」
真田昌輝「どのような方法でありますか?」
馬場信春「皆の者。まだいくさをする元気は残されているか?」
真田信綱「もとより覚悟しています。」
山県昌景「先駆けでは真田に負けるわけにはいきません。」
馬場信春「昌輝良いか?」
静かに頷く真田昌輝。
馬場信春「わかった。では次の作戦に移る。皆の者。油断するで無いぞ。」
一同「御意。」
馬場信春率いる武田勝頼別動隊が向かった先。そこは織田信長次男信雄が陣取る新御堂山。到着した彼らが目にしたもの。それは……。
真田昌輝「馬場様!あれを……。」
馬場信春「佐久間の旗がここでも効果を発揮したな。」
真田信綱「あの様子を見る限り……。」
山県昌景「あぁ、極楽寺に信長が居た事は間違いない。」
馬場信春「勝機は我にあり!信綱!!」
真田信綱「はい!!」
馬場信春「昌輝!!」
真田昌輝「はい!!」
馬場信春「其方らは逃げる奴らを尾張では無く、茶臼山へ追い払え!!!」
真田兄弟「わかりました。」
馬場信春「山県!」
山県昌景「わかっています。我らが向かうのはその先でありますね。」
馬場信春「おう。あの様子を見る限り、奴は踏み止まっている可能性が高い。奴を討つ事が出来れば……。」
山県昌景「いくさ後の展開を優位に進める事が可能となります。」
馬場信春「一気に方をつけるぞ!!」
馬場信春、山県昌景の両隊向かった先。そこは織田信雄が居た新御堂山のすぐ東に位置する野辺神社。そこで待ち構えていたのは……。
山県昌景「やはり居ましたか。」
馬場信春「時間が無い。すぐに取り掛かるぞ。」
山県昌景「わかりました。」
織田信長嫡男織田信忠。織田信長にもしもの事があった時、当主となるべき立場にあるのが織田信忠。彼にとって最もやらなければならない大事な事は自らの命を守る事。危機に接した際、信忠が採るべき行動はただ1つ。一目散に安全地帯へ退避する事。逆に絶対にしてはいけない事は危険を冒して戦う事。その事は信忠もわかっているハズなのでありましたが、彼の足を鈍らせるのに効果を発揮したのが……。
山県昌景「佐久間信盛って、俺たちが思っている以上に織田家中で影響力があるんだな。」
馬場信春「三方ヶ原だけで判断してはいけないな……。」
山県昌景「大岡の話だと援軍として浜松にやって来た佐久間を見て、家康が落胆した。と聞いているが。」
馬場信春「今ここに居る織田軍の数。3万以上の兵を動員出来る信長だぞ。家康もそれを期待していたのであろう。しかしあの時佐久間が連れて来たのは……。」
山県昌景「3千だったとか。」
馬場信春「3千でも大きいけどな。」
山県昌景「確かに。」
野辺神社にて、最後の抵抗を試みる織田信忠。しかし衆寡敵せず。
野辺神社に入る馬場信春と山県昌景。
馬場信春「信忠は見つかったか?」
山県昌景「いえ。」
馬場信春「徹底してるな。あの親子。」
山県昌景「えぇ。まだ我らの勝利を確定させる事は出来ません。」
馬場信春「生きて何処かの部隊と合流していたら厄介だ。」
山県昌景「はい。」
馬場信春「ここは危ない。真田と合流するぞ。」
山県昌景「わかりました。」
真田信綱昌輝兄弟は既に退却に移っていた織田信雄の背後を衝き、馬場信春の指示通り茶臼山方面に追いやる事に成功。その狙いは……。
山県昌景「連吾川に陣取る織田勢を混乱させるためでありますね?」
馬場信春「奴らの退路は2つ。1つは連吾川を渡って長篠城の奥平と合流する事。そしてもう1つが茶臼山を登る事。その茶臼山を安全地帯に居るハズの織田信雄の隊が逃げ惑っていたら……。」
山県昌景「下で陣取っている者共は大混乱に陥る事になります。」
戦況を見つめる馬場信春。
馬場信春「そろそろだな。」
山県昌景「我らも加勢を?」
馬場信春「いや違う。」
山県昌景「と言われますと?」
馬場信春「頃合いは良し!真田両隊に退却を知らせる狼煙を上げよ!!」
山県昌景「えっ!何故でありますか!?」
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