石田三成

俣彦

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賤ケ岳の戦い3

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三成「御館様。」

秀吉「三成か。入れ。」

三成「はッ。」

秀吉「何の用じゃ三成。」

三成「先日、殿より指示されました柴田とのいくさについてまとめてまいりました。」

秀吉「そうかそうか見せて見よ。」



三成からの書状を眺める秀吉



秀吉「……ほう。余呉の湖を要塞化にしようと考えているのだな。」

三成「はい。」

秀吉「勝家が畿内に出て来るなら丹羽殿の若狭か我が領内の近江の2つ1つ。」

三成「はい。」

秀吉「勝家と同盟を結んでいるのが南の滝川……。挟み撃ちだな……。それはそうと余呉から美濃に掛けて狼煙台を設置しようと考えているのは何でだ?」

三成「美濃の信孝は殿に降伏しております。」

秀吉「ただ信孝の。その降伏は偽りであると考えておるのだな。」

三成「はい。柴田が近江に出陣した時、信孝がどのような動きをするのか気になります故。」

秀吉「なるほど。で。もしもの伝達手段として早馬も用意しておると。」

三成「はい。」

秀吉「ところで三成。」

三成「何でしょうか?」

秀吉「柴田はどれだけの兵糧を確保することが出来ると考えておる。」



大谷吉継の意見を代読する形で



三成「我がほうが余呉の湖を要塞化することにより、柴田も我が陣の北方を要塞化することが予想されます。」

秀吉「このままでは睨み合って終わるだけだな。」

三成「はい。ただ柴田が居城。北ノ庄はまだ雪深く。加えて柴田が越える越前と近江の国境は山岳地帯。当然の如く行軍には苦労することになりますし、補給にも苦労が生じることになります。」

秀吉「飯の心配をしなければならないとなると、兵の士気にも影響が出ることになるな。」

三成「その通りにございます。計算しましたところ。柴田が近江で陣を構えることが出来る期間は1ヶ月半と想定しております。」



資料を差し出す三成



秀吉「……ふむ。……と言うことは柴田がまだ近江に居ることの出来るひと月半の間に勝負を決めなければならない。……と言う事だな。」

三成「はい。」

秀吉「わかった。ところで三成。」

三成「はい。」

秀吉「先程の陣構えであるが。」

三成「はい。」

秀吉「本陣に考えておる木之本の西側は空けておけ。」

三成「空けておけ。……となりますと琵琶湖と余呉の間を通って……。」

秀吉「まぁまぁワシの言う通りにしておけ。」

三成「……はぁぁ……。」



秀吉「で。三成。」

三成「はい。」

秀吉「柴田が近江に居るひと月半の間の我がほうの兵糧弾薬は大丈夫なんだろうな。」

三成「私に考えがございます。」

秀吉「なんじゃ申してみよ。」



秀吉に方策を伝える三成



秀吉「わかった。お前の考えた通りにやってみよ。資金については心配しなくてもよい。」
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