589 / 625
叩くのは
しおりを挟む
真田幸隆「箕輪は金井。鷹留は安中にそれぞれ迫られていますが、脅威とはなっていません。」
私(村上義清)「俺の武名を貶めるのと引き換えにな。」
真田幸隆「ですので里見、雉郷からの援軍要請に応える事は可能であります。ただ箕輪も鷹留もうちに攻められていますので、全ての兵で以て駆け付ける事は出来ません。派兵は限定的な物となります。重要なのはここからです。金井と安中には
『敵が城門を開け、兵を出して来ても手を出すな。これまで通り安全な場所に退避せよ。敵の目的は里見と雉郷の救援である以上、深追いをして来る事は無い。そのためにこれまで村上は弱い事を繰り返して来たのだから。』と……。」
私(村上義清)「もし手土産代わりに追って来たらどうする?」
真田幸隆「そのための督戦部隊であります。彼らの役目は金井と安中に城攻めを強いる事ではありません。金井と安中の安全を確保するために派遣しています。故に一見しますと大部隊。味方を脅迫するためだけの見掛け倒しに見えますが、実際は小部隊の集合体。各々臨機応変に小回りが利く編成となっています。」
私(村上義清)「援軍へ向かった兵の対処は?」
真田幸隆「この事につきましても同様。そのための督戦部隊であります。彼らには金井、安中を守りながら城に睨みを利かせる。場合によっては城門へ迫る部隊。並びに援軍を追う部隊とそれぞれ役回りを与えています。勿論、援軍部隊の多寡によって編成は変化する事になりますが。城内に居る兵力を見れば、概ね予定通りになるかと。」
私(村上義清)「援軍を追うだけなのか?援軍を叩くのでは無いのか?」
真田幸隆「ここでの目的は箕輪と鷹留を落とす事ではありません。里見と雉郷の開城であります。そのためには箕輪鷹留周辺で援軍を足止めさせても意味がありません。里見雉郷に
『援軍は来る。』『援軍が城を出た。』
と言った情報が齎される事になります。現状、そこまで遮断する事は出来ていませんので。たとえ1回2回押し留めた所で繰り返し援軍は派遣される事になりますし、規模も大きくなります。そうなりますと箕輪鷹留で大規模な軍事衝突に発展してしまう恐れが生じます。うちは今、その事を望んではいません。それならば、箕輪鷹留から離れた。うちの主力である殿と私が居るここ里見雉郷周辺で援軍部隊を迎え撃つのが上策。」
私(村上義清)「援軍部隊に対しては?」
真田幸隆「城から見える場所でありますので。」
私(村上義清)「四郎も加えるか?」
真田幸隆「構いません。」
私(村上義清)「俺の武名を貶めるのと引き換えにな。」
真田幸隆「ですので里見、雉郷からの援軍要請に応える事は可能であります。ただ箕輪も鷹留もうちに攻められていますので、全ての兵で以て駆け付ける事は出来ません。派兵は限定的な物となります。重要なのはここからです。金井と安中には
『敵が城門を開け、兵を出して来ても手を出すな。これまで通り安全な場所に退避せよ。敵の目的は里見と雉郷の救援である以上、深追いをして来る事は無い。そのためにこれまで村上は弱い事を繰り返して来たのだから。』と……。」
私(村上義清)「もし手土産代わりに追って来たらどうする?」
真田幸隆「そのための督戦部隊であります。彼らの役目は金井と安中に城攻めを強いる事ではありません。金井と安中の安全を確保するために派遣しています。故に一見しますと大部隊。味方を脅迫するためだけの見掛け倒しに見えますが、実際は小部隊の集合体。各々臨機応変に小回りが利く編成となっています。」
私(村上義清)「援軍へ向かった兵の対処は?」
真田幸隆「この事につきましても同様。そのための督戦部隊であります。彼らには金井、安中を守りながら城に睨みを利かせる。場合によっては城門へ迫る部隊。並びに援軍を追う部隊とそれぞれ役回りを与えています。勿論、援軍部隊の多寡によって編成は変化する事になりますが。城内に居る兵力を見れば、概ね予定通りになるかと。」
私(村上義清)「援軍を追うだけなのか?援軍を叩くのでは無いのか?」
真田幸隆「ここでの目的は箕輪と鷹留を落とす事ではありません。里見と雉郷の開城であります。そのためには箕輪鷹留周辺で援軍を足止めさせても意味がありません。里見雉郷に
『援軍は来る。』『援軍が城を出た。』
と言った情報が齎される事になります。現状、そこまで遮断する事は出来ていませんので。たとえ1回2回押し留めた所で繰り返し援軍は派遣される事になりますし、規模も大きくなります。そうなりますと箕輪鷹留で大規模な軍事衝突に発展してしまう恐れが生じます。うちは今、その事を望んではいません。それならば、箕輪鷹留から離れた。うちの主力である殿と私が居るここ里見雉郷周辺で援軍部隊を迎え撃つのが上策。」
私(村上義清)「援軍部隊に対しては?」
真田幸隆「城から見える場所でありますので。」
私(村上義清)「四郎も加えるか?」
真田幸隆「構いません。」
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
転生幼女は幸せを得る。
泡沫 ウィルベル
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!?
今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−
転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
転生受験生の教科書チート生活 ~その知識、学校で習いましたよ?~
hisa
ファンタジー
受験生の少年が、大学受験前にいきなり異世界に転生してしまった。
自称天使に与えられたチートは、社会に出たら役に立たないことで定評のある、学校の教科書。
戦争で下級貴族に成り上がった脳筋親父の英才教育をくぐり抜けて、少年は知識チートで生きていけるのか?
教科書の力で、目指せ異世界成り上がり!!
※なろうとカクヨムにそれぞれ別のスピンオフがあるのでそちらもよろしく!
※第5章に突入しました。
※小説家になろう96万PV突破!
※カクヨム68万PV突破!
※令和4年10月2日タイトルを『転生した受験生の異世界成り上がり 〜生まれは脳筋な下級貴族家ですが、教科書の知識だけで成り上がってやります〜』から変更しました
頭が花畑の女と言われたので、その通り花畑に住むことにしました。
音爽(ネソウ)
ファンタジー
見た目だけはユルフワ女子のハウラナ・ゼベール王女。
その容姿のせいで誤解され、男達には尻軽の都合の良い女と見られ、婦女子たちに嫌われていた。
16歳になったハウラナは大帝国ダネスゲート皇帝の末席側室として娶られた、体の良い人質だった。
後宮内で弱小国の王女は冷遇を受けるが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる