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同じでも
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今でこそ新幹線の恩恵もあり、2時間足らずで辿り着く事が出来る高崎(箕輪)春日山間でありますが……。
真田幸隆「殿。お疲れ様に御座います。」
私(村上義清)「このいくさ……負けたらどんな目に遭うのかが良く分かった。」
高崎から上信国境の碓氷峠に到達するには、900m登らなければなりません(距離は約50キロ)。
真田幸隆「ところで輝虎の所に倉賀野の訴えは届いていましたか?」
私(村上義清)「そうならないように俺を走らせたのだろうに。」
真田幸隆「それは何より。ところで輝虎との話し合いは如何でありましたか?」
私(村上義清)「段取り通り喜兵衛がほとんどやってくれた。」
真田昌幸「でも危なかったんですよ。殿。ほとんどしゃべる事が無かったにも関わらず、話す事を忘れましたり。忘れるのでありましたらこちらで捕捉すれば済む話なのでありますが、手順を間違えられた時は往生しました。」
真田幸隆「齢ですな。」
私(村上義清)「(喜兵衛が俺の体調を無視して休憩も取らずに馬を走らせるからだよ……。)」
年齢差46歳。
真田幸隆「輝虎の反応は?」
私(村上義清)「『何か変わった事でもありますか?』だった。」
真田昌幸「うまく行きました。」
私(村上義清)「『上野の国衆は、関東管領上杉輝虎が任命した上野守護代真田幸隆の指示に従い北条にあたるように。』……文面は全く変わっていないからな。」
真田幸隆「はい。輝虎に対しては同じであります。違うのは……。」
上野の各国人に対する文書。
真田幸隆「白井に惣社。そして岩櫃に対しての文書を変更します。彼らの行動に制限を加える文言は全て削除します。理由は3つ。1つは彼の地が沼田からここ磯部までの供給路にあたる事。2つ目が沼田と直で接しているため、より多くの玉薬が備蓄されている事が想定されるため。そして最後3つ目が箕輪を孤立させる事。箕輪から越後への通信を途絶させるためであります。」
私(村上義清)「彼らがそれを守るだろうか?」
真田幸隆「箕輪からの通信を阻止する事は難しいと考えています。故に殿を春日山へ向かわせ、私の立場、権限の確認を取っていただいたのであります。同じ事は他の国衆にも言える事であります。城に籠るのでありましたら、勝手に籠って下さい。箕輪の御詰めに出るのでありましたら、外いくさで始末するのみであります。それに喜兵衛。」
真田昌幸「はい。今後、越後から上野への荷は全て信濃を経由する約束を取り付けました。」
真田幸隆「起点が春日山でありますし、山を越えるのは沼田もうちも変わりませんので。先に干上がるのはうちではありません。奴らであります。」
真田幸隆「殿。お疲れ様に御座います。」
私(村上義清)「このいくさ……負けたらどんな目に遭うのかが良く分かった。」
高崎から上信国境の碓氷峠に到達するには、900m登らなければなりません(距離は約50キロ)。
真田幸隆「ところで輝虎の所に倉賀野の訴えは届いていましたか?」
私(村上義清)「そうならないように俺を走らせたのだろうに。」
真田幸隆「それは何より。ところで輝虎との話し合いは如何でありましたか?」
私(村上義清)「段取り通り喜兵衛がほとんどやってくれた。」
真田昌幸「でも危なかったんですよ。殿。ほとんどしゃべる事が無かったにも関わらず、話す事を忘れましたり。忘れるのでありましたらこちらで捕捉すれば済む話なのでありますが、手順を間違えられた時は往生しました。」
真田幸隆「齢ですな。」
私(村上義清)「(喜兵衛が俺の体調を無視して休憩も取らずに馬を走らせるからだよ……。)」
年齢差46歳。
真田幸隆「輝虎の反応は?」
私(村上義清)「『何か変わった事でもありますか?』だった。」
真田昌幸「うまく行きました。」
私(村上義清)「『上野の国衆は、関東管領上杉輝虎が任命した上野守護代真田幸隆の指示に従い北条にあたるように。』……文面は全く変わっていないからな。」
真田幸隆「はい。輝虎に対しては同じであります。違うのは……。」
上野の各国人に対する文書。
真田幸隆「白井に惣社。そして岩櫃に対しての文書を変更します。彼らの行動に制限を加える文言は全て削除します。理由は3つ。1つは彼の地が沼田からここ磯部までの供給路にあたる事。2つ目が沼田と直で接しているため、より多くの玉薬が備蓄されている事が想定されるため。そして最後3つ目が箕輪を孤立させる事。箕輪から越後への通信を途絶させるためであります。」
私(村上義清)「彼らがそれを守るだろうか?」
真田幸隆「箕輪からの通信を阻止する事は難しいと考えています。故に殿を春日山へ向かわせ、私の立場、権限の確認を取っていただいたのであります。同じ事は他の国衆にも言える事であります。城に籠るのでありましたら、勝手に籠って下さい。箕輪の御詰めに出るのでありましたら、外いくさで始末するのみであります。それに喜兵衛。」
真田昌幸「はい。今後、越後から上野への荷は全て信濃を経由する約束を取り付けました。」
真田幸隆「起点が春日山でありますし、山を越えるのは沼田もうちも変わりませんので。先に干上がるのはうちではありません。奴らであります。」
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