289 / 625
儲けていると
しおりを挟む
私(村上義清)「人望無いからな……。」
真田幸隆「まぁまぁ。しかし1つの場所に富が集中しますと売り上げの落ちたところから反感を買うことになりますし、その富を奪い取ろうと考える輩で出て来ることになるでしょう。」
私(村上義清)「しかも堅田のすぐ西にそびえているのが……。」
比叡山。
真田幸隆「そうなりますと折角軌道に乗り始めた堅田もまた。」
私(村上義清)「焼き討ちされてしまった。と……。流石の蓮如もここでは商売をすることは出来ない。ただこの仕組みは活かすことが出来る。あとは比叡山の邪魔が入らない場所で、まだ誰も手を付けていない未開の地を見つけることが出来れば何とかなるかもしれない。と考えたそうな。そこで目を付けたのが越前の吉崎だったそうな。」
吉崎は西を北潟湖。北は大聖寺川に囲まれ、すぐ側には海がある交通の要衝になる可能性を秘めた場所。しかし当時は誰からも見向きをされることの無かった貧しい村。その理由は……。
真田幸隆「すぐ目の前が加賀になりますね。」
今も昔も境目の地の開発は後回しとなってしまうもの。ましてや当時は基本自力救済が原則。対外勢力のすぐ目の前に経済の拠点を設定するのは無謀と言うもの。
私(村上義清)「越前も加賀も手を付けることが出来なかった場所に『ここで商売を始めるぞ!』と信徒に向け発信する蓮如。『ならば応えねば。』と各地の門徒が寺の再興に向け物資を寄贈するところから始まり、出来た寺で行われる施策が堅田の時と同じとなれば、商売のやりやすさを求めて商人が集まって来ることになる。彼らが信仰するのは一向宗。吉崎は大聖寺川の河口に位置していたため加賀南部の物資の集積地になるのは勿論のこと。加賀、能登に越中。更には越後以北から京とを結ぶ中継地としても栄えることになる。その理由の1つに終着地となる堅田には、多くの門徒が居ることが関係しているのは言うまでもない。門徒になれば、商売がやりやすくなる。それがわかると越前を始め加賀に能登。越中越後に一向宗を信仰する者が増えることになるのはある意味自然な流れ。商売が軌道に乗り、潤う信徒が増えれば増えるほど、蓮如へ寄付する額も増えて来るのもまた自然な流れ。流石の比叡山も越前最北の地にまで兵を動かすことは出来ない。ただそのままだと地元の有力者の邪魔が入る危険性があるため、豊富な資金力を使い彼らを取り込むと同時に、自らの軍事力の強化に乗り出すことになる。その担い手となるのが、一向宗を信望するものたち。忠誠心に疑いの余地なし。……俺には無理だな。」
真田幸隆「まぁまぁ。しかし1つの場所に富が集中しますと売り上げの落ちたところから反感を買うことになりますし、その富を奪い取ろうと考える輩で出て来ることになるでしょう。」
私(村上義清)「しかも堅田のすぐ西にそびえているのが……。」
比叡山。
真田幸隆「そうなりますと折角軌道に乗り始めた堅田もまた。」
私(村上義清)「焼き討ちされてしまった。と……。流石の蓮如もここでは商売をすることは出来ない。ただこの仕組みは活かすことが出来る。あとは比叡山の邪魔が入らない場所で、まだ誰も手を付けていない未開の地を見つけることが出来れば何とかなるかもしれない。と考えたそうな。そこで目を付けたのが越前の吉崎だったそうな。」
吉崎は西を北潟湖。北は大聖寺川に囲まれ、すぐ側には海がある交通の要衝になる可能性を秘めた場所。しかし当時は誰からも見向きをされることの無かった貧しい村。その理由は……。
真田幸隆「すぐ目の前が加賀になりますね。」
今も昔も境目の地の開発は後回しとなってしまうもの。ましてや当時は基本自力救済が原則。対外勢力のすぐ目の前に経済の拠点を設定するのは無謀と言うもの。
私(村上義清)「越前も加賀も手を付けることが出来なかった場所に『ここで商売を始めるぞ!』と信徒に向け発信する蓮如。『ならば応えねば。』と各地の門徒が寺の再興に向け物資を寄贈するところから始まり、出来た寺で行われる施策が堅田の時と同じとなれば、商売のやりやすさを求めて商人が集まって来ることになる。彼らが信仰するのは一向宗。吉崎は大聖寺川の河口に位置していたため加賀南部の物資の集積地になるのは勿論のこと。加賀、能登に越中。更には越後以北から京とを結ぶ中継地としても栄えることになる。その理由の1つに終着地となる堅田には、多くの門徒が居ることが関係しているのは言うまでもない。門徒になれば、商売がやりやすくなる。それがわかると越前を始め加賀に能登。越中越後に一向宗を信仰する者が増えることになるのはある意味自然な流れ。商売が軌道に乗り、潤う信徒が増えれば増えるほど、蓮如へ寄付する額も増えて来るのもまた自然な流れ。流石の比叡山も越前最北の地にまで兵を動かすことは出来ない。ただそのままだと地元の有力者の邪魔が入る危険性があるため、豊富な資金力を使い彼らを取り込むと同時に、自らの軍事力の強化に乗り出すことになる。その担い手となるのが、一向宗を信望するものたち。忠誠心に疑いの余地なし。……俺には無理だな。」
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
転生幼女は幸せを得る。
泡沫 ウィルベル
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!?
今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
追放された聖女の悠々自適な側室ライフ
白雪の雫
ファンタジー
「聖女ともあろう者が、嫉妬に狂って我が愛しのジュリエッタを虐めるとは!貴様の所業は畜生以外の何者でもない!お前との婚約を破棄した上で国外追放とする!!」
平民でありながらゴーストやレイスだけではなくリッチを一瞬で倒したり、どんな重傷も完治してしまうマルガレーテは、幼い頃に両親と引き離され聖女として教会に引き取られていた。
そんな彼女の魔力に目を付けた女教皇と国王夫妻はマルガレーテを国に縛り付ける為、王太子であるレオナルドの婚約者に据えて、「お妃教育をこなせ」「愚民どもより我等の病を治療しろ」「瘴気を祓え」「不死王を倒せ」という風にマルガレーテをこき使っていた。
そんなある日、レオナルドは居並ぶ貴族達の前で公爵令嬢のジュリエッタ(バスト100cm以上の爆乳・KかLカップ)を妃に迎え、マルガレーテに国外追放という死刑に等しい宣言をしてしまう。
「王太子殿下の仰せに従います」
(やっと・・・アホ共から解放される。私がやっていた事が若作りのヒステリー婆・・・ではなく女教皇と何の力もない修道女共に出来る訳ないのにね~。まぁ、この国がどうなってしまっても私には関係ないからどうでもいいや)
表面は淑女の仮面を被ってレオナルドの宣言を受け入れたマルガレーテは、さっさと国を出て行く。
今までの鬱憤を晴らすかのように、着の身着のままの旅をしているマルガレーテは、故郷である幻惑の樹海へと戻っている途中で【宮女狩り】というものに遭遇してしまい、大国の後宮へと入れられてしまった。
マルガレーテが悠々自適な側室ライフを楽しんでいる頃
聖女がいなくなった王国と教会は滅亡への道を辿っていた。
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる