旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。

二方面作戦？

私（村上義清）「よくお前。俺について来てくれたよな……。」

保科正俊「殿。なんですか急に？」

私（村上義清）「幸隆がさ。『足助につきましては若手に任せましょう。勿論何かあった時は私ども（真田幸隆と春日虎綱）が万全の支援。対応いたします。』って言って来てさ。こっちも年が年だからさ。いい加減息子に家督を譲らないといけないことはわかっていたし、幸隆は幸隆で今回。自領の留守居役を自分の息子たちに託しているわけだからさ。それはわかるんだよ。」

保科正俊「はい。」

私（村上義清）「で聞いたんだよ。『じゃあ俺は深志でノンビリ待っていればいいのか？』って言ったらさ。『殿にはお願いしたいことがあります。』と返してきてさ。」

保科正俊「えぇ。」

私（村上義清）「『もし何かあった時のために、いつでも前線に出るように後ろをついて行くのか？』って聞いたら『いえ。そうではありません。』って言われてさ。」

保科正俊「はぁ。」

私（村上義清）「それで幸隆が俺に言ったんだよ。『殿には別動隊として働いていただきます。』と……。」

保科正俊「それで……。」

私（村上義清）「そうなんだよ。幸隆に『どこかの城を落とさないといけないの？』って聞いたら、『殿に待機していただく場所とその道のりは既に確保しております。』と……。」

保科正俊「それがこの場所と言う事でありますか？」

私（村上義清）「そうなんだよ。で。あらかじめ準備されているような場所だったら別に俺じゃなくてもいいじゃん。普通に考えたら。」

保科正俊「そうですね。」

私（村上義清）「だろ。そこまで行くことが出来る。別にどこかを攻めなければいけないわけでもない。ただそこに居続ければいいのだからさ。」

保科正俊「信頼できるものを配置すれば良いことでありますからね。」

私（村上義清）「でも俺じゃないと駄目です。って幸隆に言われてさ……。」

保科正俊「殿に拒否権は無いのですか？」

私（村上義清）「一応強制ではないらしいんだけどさ。」

保科正俊「弱みでも握られているのですか？」

私（村上義清）「それは無いけど、幸隆の影響力って無視することが出来ないじゃん。」

保科正俊「いつでも下剋上が成立しそうな状況ではありますね。」

私（村上義清）「ただ今回の（若手中心で行う）措置を見る限り、少なくとも幸隆はそれを考えていないことがなんとなくわかったし、うちがここまでになることが出来たのは幸隆の指示があったからだからさ。今回も言う事を聞こうと。」

保科正俊「左様でございますか。」

私（村上義清）「ただ実際に着いてみて思う事なんだけどさ……。」